再建築不可物件を所有していると、何だか勿体ない気がしませんか。
「どうにか利活用したい」
「再建築不可物件でも高額売却したい」
「再建築不可物件について詳しく知りたい」
再建築不可物件を所有している場合、そんな思いを抱く方は少なくないはずです。
今回は、再建築不可物件の活用法、売却方法などについてまとめました。
再建築不可物件について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
再建築不可物件とは建て替えできない土地
再建築不可物件とは、現在施行されている「建築基準法」の要件を満たさないため、再建築ができない物件のことです。
「建築基準法」では、建物の敷地や用途、構造と設備などに関する最低限の基準を設定しています。
定められた要件を満たさないと、再建築不可物件とみなされてしまいます。
具体的な要件として、「接道義務」があります。
これは、「建築基準法の道路に接する間口が2m未満」の場合は再建築不可物件とみなされる要件です。
道路に接しているように見えても、建築基準法で定められた道路でなければ意味がありません。
この「接道義務」をクリアしなければ、建て替えすることはできないのです。
再建築不可物件の調べ方
所有している物件が再建築不可物件かどうかを調べる方法は、以下の3つの方法で調べることができます。
- 自治体ホームページで確認
- 役所で聞く
- 専門の不動産会社に聞く
それぞれ詳しく解説していきます。
まず、自治体のホームページでの確認です。
自治体のホームページには、「指定道路図」のデータを公開している自治体が多いです。
この指定道路図を確認しながら、所有している物件は「接道義務」を果たせるのか確認することができます。
しかし、ホームページでは詳細な説明が無いので、心配という方も少なくないでしょう。
その場合は、役所の担当部署へ直接聞きに行くといいです。
役所の道路関連、もしくは建築関連の部署が担当しているので、そちらへ聞いてみて下さい。
役所のホームページよりも、担当部署へ直接聞けるので詳細な説明を受けることができます。
他にも、専門の不動産会社に聞くという方法もあります。
不動産会社であれば、物件に関することなら詳細な情報を提供してくれます。
自分が所有している物件が「接道義務」を果たせているのか、不動産会社へ問い合わせて確認してみましょう。
再建築不可を再建築可能にする裏ワザ3選
再建築不可物件を、なんとか再建築可能にしたいと考える人も中にはいるはずです。
そのような場合に、再建築可能にできる「裏技」を3つ紹介していきます。
具体的な方法は以下の3つです。
- 位置指定道路の申請をする
- 隣地を借地・購入する
- 43条但し書き申請をする
それぞれ詳しく解説していきます。
位置指定道路の申請をする
再建築不可物件を再建築可能にする方法の1つに、「位置指定道路」の申請を行うという方法があります。
これは、特定行政庁(地方自治体)へ土地の所有者が申請することができ、「接道義務」を満たしていなくても特別に認められる制度です。
現行の建築基準法では、「建築物の敷地は4m以上の道路に2m以上接していなければいけない」と記されています。
ですが、この条件を満たさない建築物もあり、条件を満たさない場合は再建築することができません。
そのような場合に「位置指定道路」の申請をすることで再建築が可能となります。
このように、「建築すること」を目的としていれば、再建築不可物件でも特別に再建築を認められるのが「位置指定道路」に申請する方法です。
申請方法は各自治体によって異なりますが、大まかな流れとしては以下のような流れとなっています。
- 現地調査
- 申請書類提出
- 道路整備
- 通知書の交付
「位置指定道路」の申請をすると、役所の方が現地調査に来ます。
どこの建築物を再建築したいのか、道路を整備することが可能なのかなどについて、現地で詳細に確認します。
次に、申請書類の提出です。
提出書類は、位置指定道路の申請書、土地・建物の登記簿謄本などです。
各自治体の窓口に相談に行くと、提出書類を教えてくれるので準備して提出しましょう。
ここまで手続きが進めば、実際に道路の整備を行います。
業者が申請した内容に沿って舗装工事を計画し、実際に道路を整備します。
手続きが完了したら、役所の方から通知書が発行されます。これで位置指定道路の手続きは完了です。
隣地を借地・購入する
建築物がいくつも隣接している場合、隣接している建物があることによって「接道義務」を果たせないことがあります。
このような場合は、隣接している土地を借りるか購入することで、自分が元々所有している物件が再建築可能物件に該当するパターンもあります。
ただし、隣接地の所有者に土地を購入する(借りる)相談をしなければいけないため、隣接地の方との関係性も問われます。
近所付き合いの延長線で、土地の購入(借地)の相談もできればスムーズですが、必ずしもそのような流れにはならないこともあるでしょう。
実際に土地を購入する(借地する)ときは、金額の話も絡んできます。
ですので、その後の関係性を崩さないようにするためにも、慎重な交渉を心掛けましょう。
こちらの都合で土地を購入(借地)する立場なので、真摯な態度で相談すればきっと力になってくれるはずです。
43条但し書き申請をする
「位置指定道路の申請」「隣地の借地・購入」の2つの方法を紹介しましたが、どちらの方法も該当しないという場合もあります。
その場合は、「43条但し書き申請」という方法を検討してみてはいかがでしょうか。
「43条但し書き申請」とは、接道義務を満たしていない建築物について、「建築審査会」の許可を得れば建築が可能になる申請方法です。
ただし、条件が3つあるので確認しておきましょう。条件は以下の3つです。
- 敷地の周囲に広い空地がある
- 「交通」「安全」「防火」「衛生上」支障が無いと特定行政庁が認めたもの
- 建築審査会が許可したもの
43条但し書き申請を行うことで、物件を安く購入できるというメリットがあります。
しかし、次回増築や新築を行う際に再び申請が必要な可能性もあるのです。
「43条但し書き申請」を行うときは、建築可能になるための条件に当てはまらない場合が多いです。
そのため、将来的に増築や新築を行う際には複雑な手続き申請が必要となる可能性もあることを理解しておきましょう。
再建築不可物件の活用方法8選
再建築不可物件を所有している場合でも、さまざまなことに活用することができます。
しかし、実際に再建築不可物件を活用する際には、注意点を理解しておく必要があるのです。
特に、物件を用いてビジネスをするので「赤字のリスク」があるということをしっかり理解しておきましょう。
今回は再建築不可物件の活用方法を8つ紹介します。実際に活用を検討している方は、参考にしてみてください。
リフォームして賃貸にする
活用方法として真っ先に思い浮かぶのが、「賃貸」ではないでしょうか。
必要最低限の部分をリフォームすることで、賃貸として活用する方法もあります。
賃貸経営は、うまく活用すれば維持費以上に家賃収入を得ることができるのでおすすめです。
しかし、入居者がいない場合は税金などの「経費」のみがかかることになるので、赤字のリスクがあります。
そのため、ネットや広告などを利用した広報活動などで集客することで入居者を増やすことができます。
また、リフォームにも費用がかかるため、ある程度の準備資金が必要になります。
リフォームにかかる費用がどの程度の金額になるか、あらかじめ見積もりをもらっておくと計画的にリフォームを検討しやすいです。
リフォームして賃貸経営がおすすめな人は、元手となる資金があり、入居者を募集するために広告活動が好きな方などが向いています。
コンテナハウスを設置する
コンテナハウスとは、貨物などの輸送用として使われる「コンテナ」を利用して作られた建築物のことを言います。
コンテナハウスの利点は、新築で建てるよりも安価で済むということです。
コンテナの価格は最安値で100万円以下なので、うまく活用すればかなりお得に居住空間を作ることができます。
また、コンテナハウスを賃貸として貸し出すという方法もあります。
土台がコンテナなので、バリエーションに富んだ間取りは演出できませんが、安価に賃料を設定するなどすれば需要があるかもしれません。
コンテナハウスを設置するのがおすすめな人は、賃貸経営がもし軌道に乗らなかった場合でも活用方法が他にもある人です。
賃貸としてコンテナハウスを設置したのは良いものの、全く人が入ってこなかったら意味がありません。
そのため、もし入居者がいない場合でも他の用途として採算が合うような活用ができる方であれば、有効に使うことができるでしょう。
トレーラーハウスを設置する
トレーラーハウスとは、車両につなぐことで牽引が可能な住居のことです。
トレーラーハウスは車両扱いとなるため、建物としての維持費の削減が可能です。
しかし、設置するとなると「土地」の税金がかかってくるので、その点はしっかりと理解しておきましょう。
車両で牽引ができる「住居」なので、移動ができるのは面白い点です。
ただし、設置するためには道路が無いと牽引して運べないため注意しましょう。
人と違った家に住みたい人や、移動式の住居に住んでみたいという人におすすめな活用方法です。
駐車場経営をする
駐車場経営をして活用するという方法もあります。
再建築不可物件であれば、一度解体して更地にし、地面を舗装工事すればある程度の駐車場経営の準備が整います。
メリットとしては、簡単に始められるという点です。
逆にデメリットは、需要が無いと収益化が見込めないということです。
実際に再建築不可物件がどのような立地に建っているのかを、もう一度確認してみましょう。
もし、繁華街や市街地などであれば、駐車場を探している人が居るかもしれません。
立地的にそのような人が集まる場所であれば、駐車場経営がおすすめです。
貸し農園にする
また、貸農園として貸し出すという方法もあります。
近年では「都市型農業」や「週末農業」などが流行しています。
サラリーマンや定年退職した方々でも、手軽に農業を始められる時代です。
そのような時代の流行に乗ることで、月契約として収益化が見込める可能性があります。
市街地、周りに畑が無い場所では、「農業」や「家庭菜園」をやってみたいと考えている方が居るかもしれません。
ただし、立地的な面で需要が左右される可能性もあるので、実際に始める前に周りがどのような状況なのかを確認してから検討してみるといいでしょう。
自動販売機を設置する
再建築不可物件の敷地に「自動販売機」を設置するという方法もあります。
自動販売機だけでは赤字になるリスクがとても高いです。
大体の場合は業者へ委託し、ほぼ丸投げで自動販売機経営を行います。
その場合、手数料が多くかかってしまうので売り上げに対して手元に残る金額が限りなく低いことがほとんどです。
大体飲み物は100円~150円程度で販売されています。
売り上げの合計は一月で1万円~1万5千円いけばいい方でしょう。
そこから手数料として20%ほどが差し引かれます。
そうすると、手元に残るお金は8千円~1万2千円となります。
賃貸経営をしている物件の脇に建てるなどであればまだ採算が合いますが、自動販売機単体で設置すると赤字になる可能性が非常に高いので注意が必要です。
太陽光発電用地にする
太陽光発電を行うための機械の設置も、有効な活用方法です。
再建築不可物件を解体して更地にし、太陽光発電を行います。
その発電量を電力会社へ販売するという方法です。
日当たりが良ければ、発電量が多くなるため収益化が見込めます。
日当たりが良い立地であれば、太陽光発電に向いているかもしれません。
売電価格が30円ほどで30坪あれば、月の収益は5万円程度です。
周囲に遮るものが無く、日当たりが良い場所であれば太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
資材置き場として賃貸する
資材置き場として活用する方法もあります。
資材置き場を必要としているのは、何かの事業で使いたいという場合が多いです。
ある程度の敷地面積と立地条件が悪くなければ、資材置き場として活用する方法もおすすめです。
月契約などの賃貸にすれば、収益化も見込めます。
周囲に騒音や粉じんなどの「衛生的影響」が少ない場合は、資材置き場としての活用を検討してみてはいかがでしょうか。
再建築不可物件の売却方法3選
再建築不可物件を売却したいと考える人も多いはずです。
では、実際にどうやって売却すればいいのでしょうか。
具体的な方法としては、以下の3つの方法があります。
- 隣地所有者に売却する
- 不動産仲介業者に売却を依頼する
- 不動産買取業者に売却する
それぞれ詳しく解説していきます。
隣地所有者に売却する
再建築不可物件の隣の土地の所有者に、売却できるか交渉してみるのもいいでしょう。
ただし、隣地所有者との関係性が非常に重要です。
隣地所有者とそこまで親密ではない場合、売却の話はしづらいでしょう。
そのため、常日頃から挨拶や声掛けをしておくと何かあった時に力になってくれやすくなります。
隣地所有者にとって、自分の敷地が増えるということは決してマイナスではありません。
敷地が増えることで建物の資産価値が上がるため、隣地所有者にとってもメリットがあるからです。
隣地所有者が土地を購入できるだけの「資本力」がある場合に限るため、交渉する相手がどのくらい資本力を持っているのかは確認しておく必要があります。
不動産仲介業者に売却を依頼する
また、不動産仲介業者へ売却を依頼するという方法もあります。
不動産仲介業者は、売り手と買い手の中間にいる立場の業者です。
売り手には売却のサポート、買い手には買取りのサポートをしてくれます。
そのため、売却を依頼することで自分で売却するよりも大幅に手間が省けるのです。
現状、再建築不可物件となっている場合、再建築可能な状態にすると、通常の「仲介」で買い手との成約を獲得できる可能性があります。
再建築可能な状態にするためには、「接道義務」を果たすための手続きが必要です。
それには、労力と時間がかかりますが、より売却の可能性が広がるので検討してみてはいかがでしょうか。
不動産買取業者に売却する
買取を専門的に事業として行っている、不動産買取業者へ依頼するという方法もあります。
不動産買取業者は、再建築不可物件でも買取後に収益化できるノウハウを豊富に持っています。
そのため、手間をかけずに売却ができるのがメリットです。
不動産買取業者は、再建築不可物件を自社で収益化するために、入居者を見つけて家賃収入を得るための工夫をします。
ですので、売り手側には大きな負担がかかりません。
このように、再建築不可物件のまま売却することができるので、手続きなどの面倒な手間もかからないためおすすめです。
まとめ
再建築不可物件を所有している多くの方が、あまり使い道がないと頭を抱えているのではないでしょうか。
今、再建築不可物件を所有しているあなたも、今回の記事を参考にして実際に物件活用を検討してみてはいかがでしょうか。
もし、どうしてもその後の処理に困った場合は、隣接している土地の方や業者へ相談して、売却も検討しましょう。
また、再建築不可物件を再建築可能にするためには、手続きが必要になります。
再建築可能にしたいと検討している場合は各自治体の窓口へ行き、一度相談してみてはいかがでしょうか。
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