「中古マンションの売却に失敗して後悔したくない」
「失敗しないために何に気を付ければいいの?」
中古マンションの売却は人生の中でも大きな取引きであり、 失敗すれば多額の損失につながることもあります。
中古マンションを売却した方の中には「あの時もっとああすればよかった」と後悔をしている方も少なくありません。
この記事では、 実際にあった失敗例と対策を紹介します。
どのような失敗があったのかを知り、対策を学ぶことで 後悔のない売却を実現しましょう。
中古マンション売却前の失敗談6選と対策
中古マンションの売却前にどのような失敗が起こり得るのか、事前に知っておくことで対策ができます。
次の6つの失敗談と対策を紹介します。
- 売却スケジュールを考えていなかった
- 1社だけに査定依頼して進めてしまった
- 高い査定金額だけを重視して依頼してしまった
- 媒介契約の違いを理解していなかった
- 不動産会社のいった高い売り出し価格にしてしまった
- 不動産会社に相談せずにリフォームしてしまった
【失敗談1】売却スケジュールを考えていなかった
売却には余裕を持った期間が必要だということを考えず、売却予定の間近になってから不動産会社へ相談に行く方もいます。
直前に不動産屋へ駆け込んでも、十分な販売期間は確保できません。
売却を済ませなければならない時期が決まっていると、早く売るのが優先になり、価格を下げざるをえないという事態になってしまいます。
販売期間が短いほど焦って売り急いでしまうため、希望通りの価格で売れないという失敗はありがちです。
【対策1】売却にかかる期間を想定しスケジュールに余裕を持つ
マンションを売るなら早めに準備に取りかかることをおすすめします。
売却期間は通常3~6ヶ月は必要になるものです。
売りに出す期間に余裕があれば、すぐに買い手が付かなくても焦って価格を下げることなく、ゆっくり待てます。
また、売却には多くの書類が必要になり、役所の営業時間内に取得しに行く必要があります。
仕事ですぐに時間が取れないなどの事情があると、売却の準備もままならないでしょう。
売期間は長いほど余裕が持てるため、売却を決めたら早めに不動産会社へ相談しに行きましょう。
【失敗談2】1社だけに査定依頼して進めてしまった
マンションの売却で失敗する方の多くが、査定を1社のみに依頼して決めています。
1社しか査定に出さなけければ、提示された売却価格が高いのか低いのか判断をつけられません。
後日同じマンションの別室を売りに出した住人が、自分より高い価格で売れていたというケースもあります。
1社だけの査定で決めてしまった方の理由は次のようなものです。
- 大手の不動産会社だと無条件で安心感が持てる
- 地元の不動産会社なら高く売れると思い込む
- 知りありの不動産会社なら安心できる
根拠のない安心感や思い込みにとらわれてしまったのが原因です。
複数社の査定を依頼しないというのは、後々の後悔につながるためおすすめできません。
【対策2】複数社に査定依頼して比較する
マンションの売却時には必ず複数社から査定をするのが鉄則です。
複数社から査定をもらうことで相場も分かり、安すぎる価格で売却し失敗する事態を避けられるでしょう。
マンションの売却を得意とする不動産会社に出会えれば、短い期間や希望の価格での売却がしやすくなります。
見分けるにはできるだけ多くの査定をすることです。
最低でも3社は依頼したいところですが、できれば10社以上に依頼するのが理想です。
査定はどれだけやっても無料なので、ここで手間を惜しまないようにしましょう。
時間がない方はインターネットでできる一括査定を利用するのが効率的です。
一括査定も1つのサイトだけで終わらせるのではなく、2つ以上のサイトを利用するのがおすすめです。
【失敗談3】高い査定金額だけを重視して依頼してしまった
マンションを売るなら高く売りたいと思うのは当然で、多くの方が査定価格を重視するでしょう。
しかし、 査定価格だけを見て一番高額な不動産会社で契約をするのはリスクがあります。
査定価格はあくまでも予想にすぎず、必ずその価格で売れるという保証はありません。
高すぎると売却期間が長引き、売れなければ価格を下げる必要があります。
仲介契約を得るために他社より高い査定価格を提示しておき、売れずに後から値下げを勧める不動産会社があるのも事実です。
査定価格のみで不動産会社を選ぶと失敗につながります。
【対策3】査定額の根拠を提示してもらう
提示された査定額がなぜその額になったのか、根拠を示してもらうことが大切です。
地域の相場や立地、築年数や専有面積の広さなどで査定額は変わります。
周辺のマンションがどれくらいの額で売れているのか、築年数に合った価格か、しっかりリサーチが行われたうえでの価格設定が必要 です。
リサーチを行っている不動産会社なら、他の売却状況を例にあげて細かく理由を提示できるでしょう。
査定価格が高かった不動産会社は、とくに入念に根拠の確認をしなければなりません。
【失敗談4】媒介契約の違いを理解していなかった
マンションを売却するにあたって、個人間で売買をしない限りは不動産会社との仲介契約を結びます。
仲介契約には以下の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属媒介契約
それぞれの特徴を理解せずに契約してしまうと、希望通りの売却が進められずに後悔する可能性もあります。
【対策4】3つの媒介契約のメリット、デメリットを理解しておく
失敗を防ぐためにも、 事前に3つの媒介契約のメリットとデメリットを把握しておきましょう。
メリット | デメリット | |
一般媒介契約 | ・複数社と同時に媒介契約を結べるため多くの不動産会社で物件を紹介してもらえる ・自分でも買い手を見つけられる |
・他の不動産会社で売れてしまう可能性があるため販売活動を熱心に行ってくれないケースがある |
専任媒介契約 | ・一社のみとの契約なので販売活動に力を入れてくれる ・自分でも買い手を見つけられる |
・一社としか契約できない |
専属媒介契約 | ・一社のみとの契約なので販売活動に力を入れてくれる | ・一社としか契約できない ・自分で買い手を見つけても契約期間中は売却できない |
一般媒介契約は不動産会社の視点で見ると、 他の会社で売れてしまう可能性があるため広告費をあまりかけられません。
十分な販売活動を行えない原因となります。
選任媒介契約と専属媒介契約にはあまり違いがなく、自分でも買い手を見つけられる契約になっているかどうかだけの違いです。
自分で買い手を見つけられる人脈やツールがあるのなら、選任媒介契約のほうが有利ですが、ほとんどの方は難しいでしょう。
そのため、メリットといえるかどうかは微妙です。
【失敗談5】不動産会社のいった高い売り出し価格にしてしまった
不動産会社が提示する 高い価格で売り出すと、なかなか買い手が見つからずに売れ残ってしまうケースもあります。
不動産の知識がある売り主は少なく、プロに任せておけば安心と思い込みがちです。
言われるがままの価格で売り出した結果、高すぎて希望の期日までに売れなかったという失敗もあります。
【対策5】売却相場を自分で調べる
不適切な高額の価格を設定してしまうのを避けるため、 不動産屋の言うことを鵜呑みにせず、自分でも適正価格を調べましょう。
周辺のマンションの1平方メートルあたりの相場や、築年数による価格の違いも比較します。
レインズという情報サイトを使えば、自分でも調査が可能です。
実際に成約された価格や件数などを築年数や間取りごとに公表しているので、一度見てみるのをおすすめします。
近隣の同じようなマンションに比べて、極端に価格が高いことが事前に分かれば、売れ残りにつながる原因を1つ取り除けます。
【失敗談6】不動産会社に相談せずにリフォームしてしまった
マンションの売却前に、リフォームをして売り出す例は珍しくありません。
古びた箇所を綺麗にすれば見栄えがよくなるため、買い手が付きやすく売却価格も高くなると予想するからです。
しかし、 リフォームをするのが必ずしもよいとは限らず、リフォーム代をそのまま売却価格に上乗せはできません。
リフォーム代が高額だと、返って売り手が損をしてしまうケースもあります。
リフォーム前でも安く購入できて、買い手が自分の好みでリフォームをする物件のほうが好まれることもあります。
不動産会社に相談せずにリフォームするのは失敗の元です。
【対策6】相談しながら必要最低限のリフォームをする
もし水まわりの設備などが劣化して使用に差し支えがあるのなら、問題なく使用できる程度の最低限のリフォームは必要でしょう。
売却に関係なく経年劣化とともに、水まわりはリフォームされることが多い箇所です。
壁紙やフローリングなどの補修とは違い、水まわりはリフォームをしたほうが売れやすい可能性もあります。
リフォームを検討している箇所があるなら、先に不動産会社に相談をしてから決めましょう。
過去の販売事例から適切なアドバイスをしてくれるはずです。
中古マンション売却中の失敗談6選と対策
売却前の失敗を防げたとしても、売却中にも失敗は起こります。
売却中の失敗談を6つ紹介するので参考にしてください。
- 売却のタイミングを間違った
- 担当者とコミュニケーション不足だった
- 大幅な値引き交渉に応じてしまった
- 内覧の準備が十分にできていなかった
- 内覧で良い印象が与えられなかった
- 内覧時にうまく対応できなかった
- 想定よりも税金が高かった
- 売却金額がローンの残債よりも低く手出しが必要になった
- 契約不適合責任においてトラブルになった
【失敗談7】売却のタイミングを間違った
マンションの売却には 買い手の多い繁忙期と、買い手の少ない閑散期があります。
知らずに閑散期に売り出してしまうと買い手が付きにくく、なかなか売れずに価格を下げなければならない可能性もでてきます。
売却を終わらせなければならない時期が決まっていると、繁忙期に入るまで売却を待つことも難しいでしょう。
知らずにタイミングを逃してしまうと、売値に大きな影響を与える結果になります。
【対策7】売り時を見極めるポイントを理解する
いつ売り出すのが最適なのか、時期を見極めることは失敗回避のための重要なポイントです。
売却に有利なタイミングは1〜3月と、7〜9月といわれています。
1〜3月は新生活が始まるため引越しが最も多く、中古マンションも売れやすい時期です。
7〜9月は人事異動が起こりやすい時期なので、住み替えで物件の購入を検討する方が増えます。
買い手が増える時期に合わせて売却を行えば、短い期間で売れやすく、希望の価格で売却できる可能性が高まります。
売り時を知りタイミングを合わせることはとても重要です。
【失敗談8】担当者とコミュニケーション不足だった
マンションの売却では担当者とのコミュニケーションが十分に取れていないとよい方向へ進めません。
周辺のマンションの売却状況を見て価格変更を提案したり、検討中の買い手の意見を売り主に伝えたりするなどは、担当者の仕事です。
売り主は 担当者を通さなければリアルタイムな情報を掴めず、売却のための柔軟な対応もできないでしょう。
内覧の感想がどのようなものだったのかが分かれば、担当者と話し合い価格変更や修繕作業など、今後の対策を考えていけます。
担当者と適切なコミュニケーションを取れなければ、スムーズな売却は望めません。
【対策8】担当者と密に連絡を取る
こちらから連絡をして状況を尋ねないと教えてくれないなど、もし担当者の対応に不安を感じるなら、それを伝えなければなりません。
場合によっては 担当者を変えたり、媒介契約の期間が終了した後、他の不動産会社へ変えたりするなどの行動が必要です。
通常は担当者から連絡をしてくれ、進行状況を報告してくれるものです。
定期的に連絡をくれる担当者であるのはもちろんのこと、相談がしやすく頼れるかどうかも成功のカギです。
【失敗談9】大幅な値引き交渉に応じてしまった
売り急いでいるようなときは気持ちが焦ってしまい、買い手の無理な値引き交渉にも応じてしまいがちです。
売却の期限が迫っている場合や、長期間売れ残っている場合に起こりやすい失敗です。
後から考えたら 相場よりもかなり安く売却してしまい、値引き交渉をもっと慎重に検討すればよかったと後悔する方もいます。
安易に大幅な値引きに応じることは大きな後悔につながります。
【対策9】値引きに応じるラインをあらかじめ決めておく
焦って値引きをして後から後悔しないためにも、 あらかじめ値引きに応じる最低ラインを決めておくのをおすすめします。
決めるときには周辺のマンションの相場をしっかり調べておけば、気持ちがぶれることなく価格設定に自信が持てます。
いくらまでなら値引きに応じるという意志を、買い手に明確に表すのも大切です。
【失敗談10】内覧の準備が十分にできていなかった
内覧は購入検討者が実際の部屋を見て、物件の良し悪しを判断するものです。
散らかったままで 掃除が行き届かず汚い印象を与えてしまうと、イメージが悪く売れにくくなる可能性があります。
とくに生ごみが臭うなど不衛生な部分を感じさせてしまうと、購入意欲は一気に減退します。
以前の所有者が汚く使っていた物件を、買おうという気にはなれないものです。
【対策10】荷物の整理や清掃をしっかりしておく
内覧に訪れる購入検討者は購入意欲が高いといえます。
マンションの立地や間取りなどを気に入ってくれて、実際に時間を割いて見に来るほどです。
最後の内覧で気に入ってもらえれば 購入につながる可能性が高いため、準備を十分にしておく必要があります。
内覧前には以下の点をチェックしましょう。
- 見える場所だけではなく収納の中も片付いているか
- 汚れやすい水まわりは綺麗に掃除されているか
- ベランダの掃除と片付けができているか
- 臭いは気にならないか
- 新品のスリッパを用意してあるか
掃除をしても落ちない汚れがあるなど見た目で気になるようなら、ハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。
新品のスリッパは部屋の状態に直接の影響はありませんが、清潔な印象を持ってもらえれば購入決定にもプラスになります。
【失敗談11】内覧で良い印象が与えられなかった
綺麗に掃除ができていても、 室内に物が多くごちゃごちゃしていると部屋が狭く見えるなどデメリットが生じ、よい印象を与えられません。
また、引越しで荷物を引き払った後の内覧は築年数の古いマンションの場合、室内の古びた雰囲気が目立ってしまいます。
物が多すぎてもよくありませんが、何もなく古さだけを感じさせてしまうのも残念です。
【対策11】ホームステージングを検討する
ホームステージングとは、物件の売却を促進するために部屋に家具や小物類を配置して、室内を魅力的に見せるサービスです。
実際の生活空間を演出することで、購入後のリアルな生活をイメージしやすくなります。
モデルルームのように整った空間は何もない部屋よりずっと魅力的に見え、購入検討者によい印象を与えるでしょう。
不動産会社によってはホームステージングを契約内容に追加できるところもあります。
引越し後で荷物が何もない状態なら、ホームステージングを検討してもよいでしょう。
【失敗談12】内覧時にうまく対応できなかった
売りたい気持ちが先走ってしまい、 売り主が過剰にアピールをし過ぎて逆効果になってしまうこともあります。
買い手の気持ちになれば、自分のペースでゆっくりと見たいと想像ができるでしょう。
売り主のペースに巻き込まれ気になる箇所を十分に見られなかったとなると、購入を止めてしまうかもしれません。
【対策12】基本的には質問があった場合のみ答える姿勢で行う
購入希望者への対応は基本的には不動産会社の担当者に任せ、口を出しすぎずに見守る程度でいるのがよいでしょう。
設備の使い勝手や近隣の情報など、 売り主にしか分からないことを聞かれたときに答えれば十分です。
購入希望者が満足のいく内覧ができるよう努めることが大切です。
中古マンション売却後の失敗談3選と対策
せっかく売却が決まっても、その後に想定外の失敗が起きる可能性もあります。
売却後に思いもよらない事態になることを避けるため、以下の3つの点に注意しましょう。
- 想定よりも税金が高かった
- 売却金額がローンの残債よりも低く手出しが必要になった
- 契約不適合責任においてトラブルになった
【失敗談13】想定よりも税金が高かった
マンションを売却すると 譲渡所得税が発生するケースがあります。
譲渡所得税とは、売却時に得られた利益に対して課される税金のことです。
現在マンションの価格は上昇傾向にあるため、好条件のマンションは購入時よりも売却時のほうが高値が付くこともあります。
その際に大きな利益が生まれると、その額から諸経費を引いた分が課税対象となり、対象額が大きい程税金も高くなります。
諸経費を引いて売却益がマイナスになる場合は、譲渡取得税はかかりません。
利益から引ける諸経費とは、以下のようなものです。
- 仲介手数料
- 売買のためのリフォーム代
- 不動産取得税(売り主が不動産を購入したときのもの)
- 契約書の印紙代
- 借主がいる場合の立退き費用
- マンションの所有権を得るための訴訟費用
売却益が大きく得られたものの、税額を把握していないと予想外の失敗につながります。
【対策13】売却における税金やかかる費用を把握しておく
利益を出すのが目的で売却を計画する場合は、 譲渡所得税や諸経費も念頭において進める必要があります。
事前にシュミレーションをしておけば、税金が引かれたあとの利益が少ないことに愕然とする事態にはなりません。
自分一人でシュミレーションをすると抜け落ちる点が出てリスクがあるため、プロである不動産会社に相談するのが安心です。
売却後に予期せぬ税額が発生して慌てることのないようにしましょう。
【失敗談14】売却金額がローンの残債よりも低く手出しが必要になった
売却予定のマンションにローンが残っているという方も多いでしょう。
売却時に ローン残高よりも、売却金額が下回ってしまうことは珍しくありません。
ローン残高とほぼ同じ額で売れる、または残高以上に高く売れると予想していると、予定通りにいかなかったときに痛手を負います。
売却時にはローンを一括返済しなければならないため、足りない分の差額は自分の預金から支払わなければなりません。
手持ち金がなければ、売却そのものをあきらめなければならない事態に陥ります。
【対策14】住宅ローンの残債を確認しておく
事前に住宅ローンの残債額を確認し、売却時に売値がローン残高を下回ることも想定しておく必要があります。
査定価格がローン残高と同等か高値だったとしても、必ずその額で売れるとは限りません。
周辺環境に予想外の変化が起きたり、長期間売れ残っていたりすると、価格を下げなければいけなくなります。
売却額を下げて 売値がローン残高を下回ったとき、差額を払えるだけの預金を用意しておくのが賢明です。
ローン残高の他にも仲介手数料などの諸費用を含めると、売却額よりも支払い額のほうが高くなるケースもあります。
不動産会社で契約時に費用のシュミレーションをしてくれるはずなので、想定通りにいかなかった場合も含めて確認をしましょう。
【失敗談15】契約不適合責任においてトラブルになった
マンション売却後にある失敗事例として、契約不適合責任によるトラブルがあります。
契約不適合責任とは、契約書に記載のない欠陥が購入後に見つかったときに、売り主が買い主に対して負う責任のことです。
欠陥とは物理的なものと心理的なものがあり、次のような例があげられます。
- 設備の故障(給湯器や電気系統など)
- 雨漏り
- シロアリの被害
- 近所での騒音や悪臭
- 事故や自殺のあった物件
ほんの一例ですが、このような欠陥を契約書に記載なしで売却してしまうと、設備の修繕費用を売り主が負担しなくてはなりません。
また、買い主から要望があれば売買契約の解除も可能です。
故意に欠陥を隠すような悪質なケースはもちろんのこと、 故意ではない見落としによる欠陥も責任の対象となります。
【対策15】欠陥や不具合は契約書に記載しておく
契約不適合責任を避けるためには、 欠陥や不具合はすべて契約書に記載しておく必要があります。
法律改定前は、目に見えない欠陥だけが責任の対象となっていましたが、改定後は目に見える壁や床の損傷も対象となりました。
室内の隅々までチェックし、普段使っていない設備も故障がないか動作確認を行いましょう。
見逃しがちな点もあるため、不動産会社の担当者と一緒にチェックをするのがおすすめです。
中古マンション売却の失敗談から学ぼう
ここまで、中古マンション売却の失敗談を紹介してきました。
多くの失敗談を元に学んだことを生かしましょう。
売却前の準備はしっかり行う
売却前の失敗を防ぐためにも、 準備は期間に余裕をもって行いましょう。
準備の際に気を付けたいポイントは以下の通りです。
- 売却をする時期の見極め
- できるだけ多くの不動産会社への査定依頼
- 内覧に備えた室内・ベランダの整理と掃除
- 近隣にあるマンションの相場の調査
- 住宅ローンの残高と売却予定額の把握
- 契約書に記載するべき欠陥のチェック
余裕をもって準備を始めることは、失敗を防ぐための最善策です。
マンションの売却は想像よりも時間がかかるため、売却を考えているなら早めに不動産会社への相談を始めましょう。
不動産会社に頼りすぎない
マンションを売却するには不動産会社は欠かせない存在ですが、担当者にすべてを丸投げするのはよい方法とはいえません。
自分でも情報をリサーチして知識を持たなければ、担当者の提案が自分に合っているのか見極められないでしょう。
不動産会社の売り方が自分にとってすべてメリットになるとは限りません。
売却価格が相場に合わせた適正価格になっているか、値下げに応じるべきなのか、最後に見極めるのは自分です。
大切な自分の不動産を売るという自覚を持ち、 自分自身で責任を持って進めましょう。
信頼できる不動産会社に依頼する
マンションの売却を成功させるために大切なことは、信頼できるパートナーとなる質の高い不動産会社に出会うことです。
しかし、数ある不動産会社の中からよい不動産会社を見抜くのは至難の業でしょう。
不動産会社を選ぶためのポイントを紹介するので参考にしてください。
- マンションの売却を得意としていて実績が豊富にあるか
- 担当者がメリットだけでなくデメリットも話せる誠実さがあるか
- 適切な査定価格を提示して根拠まで示してくれるか
- 売却方針・計画を示してくれるか
- 売却が有利になる提案ができるなど豊富な知識を持っているか
はずれの不動産会社に当たってしまうと1年もの間売れず、他の不動産会社に変えた途端に1ヶ月で売れたという話もあります。
信頼できる不動産会社選びは非常に重要です。
まとめ
自分のマンションを売却する機会はそう多くはないため、初めてのことで経験がないという方も多いでしょう。
体験談を聞きたくても身近に経験者がいないということも珍しくありません。
事前に失敗例と対策を知っておけば、自分が売却するときに役立ちます。
大きな取引きとなるため、後悔のないようにしたいものです。
この記事をもう一度読んで、自分がするべき対策はメモをしておきましょう。