事故物件とは、過去に他殺、自殺、事故死といった一般的ではない死亡事例が発生した物件を指し、通常の物件よりも売却や賃貸を行うのが難しくなります。
しかし、適切なリフォームを行うことで事故物件の悪い印象を払拭し、物件の価値を向上させることは十分可能です。
この記事では事故物件のリフォーム費用の相場や、リフォーム業者に依頼する際の注意点を詳しく解説していきますので、是非参考にしてみてください。
目次
事故物件とは?
事件や事故などで人が亡くなった物件のことを、事故物件と呼びます。
建物の機能と関係なく、人に心理的な抵抗感を与える欠陥のことを心理的瑕疵といいますが、事故物件には必ず心理的瑕疵があると考えた方がよいでしょう。
心理的瑕疵がある物件は相場より低い家賃でないと借りてもらえなかったり、売却先が中々見つからないといったトラブルが多いため、積極的にリフォームを行って物件のイメージを向上させる必要があります。
事故物件の定義
事故物件の定義ですが、国土交通省のガイドラインでは物件内で死亡した人の死因が自殺、他殺、事故死であった場合、告知の対象になると定めています。
また病死や老衰といった一般的な死因であれば告知する必要はありませんが、発見の遅れなどで特殊清掃が必要になった場合は告知の対象となります。
事故物件であることを告知せずに売却や賃貸を行うと、買主や借主から損害賠償を請求される可能性がありますので注意が必要です。
事故物件のリフォーム費用の相場
ここでは事故物件のリフォーム費用の相場について解説します。
事故物件のリフォーム費用は、物件の汚れ具合や臭いの付き方などによって大きく変動します。
一般的な内装の修繕に加え、防臭対策や物件の印象を変えるための間取り変更が必要になる場合もあります。
大規模なリノベーションの場合、1,000万円以上の費用がかかることもありますので、事故物件のリフォームは慎重に検討しなければなりません。
リフォーム
物件内の汚れや臭いがひどくなければ、一般的な内装リフォームで済む場合もあります。
壁紙や床材、建具などを交換するだけなら1部屋あたり30万円から50万円程度が相場となります。
ただし1部屋だけがリフォームされていると買主や借主から不審に思われる可能性があるため、予算に余裕があれば複数の部屋のリフォームを行うことをおすすめします。
リノベーション
リノベーションは、建物の機能やデザインを新築の状態よりも向上させる工事のことです。
特に事故物件の場合、建物の性能を向上させつつ悪い印象を払拭できるため、物件の価値を高める上で非常に効果的です。
リノベーションの費用の相場ですが、間取りを部分的に変更したり、設備を一部更新するだけであれば500万円程度に抑えることも可能です。
また建物全体をリノベーションする場合、800万円から1,000万円程度とかなりの費用がかかりますので、予算に不安があるようならリフォーム業者に相談することをおすすめします。
特殊清掃
特殊清掃とは、事故物件などで発生した血液や残留物など、通常の清掃では除去が困難な有害物質を処理する清掃作業のことです。
特殊清掃の費用の目安ですが、部屋の汚染度合いによって異なり、簡単な清掃であれば10万円程度で済むこともあります。
ですが血液が広範囲に付着していたり、残留物が長期間に渡って放置されていた場合は50万円を超えることもありますので注意が必要です。
事故物件のリフォームを依頼する時の3つのポイント
ここでは事故物件のリフォームを依頼するときの3つのポイントについて説明していきます。
事故物件は室内の汚染や心理的瑕疵のため、リフォームなしで売却や賃貸を行うことは極めて困難です。
またリフォームが完了しても買主や借主が長期間見つからないことをあらかじめ覚悟しておく必要があります。
事故物件の取り扱い実績が豊富な業者を選ぶ
事故物件のリフォームを成功させるためには、事故物件の取り扱い実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
事故物件のリフォームでは汚染の除去や臭気対策など、一般のリフォームにはない工夫が求められます。
事故物件の取り扱い実績が豊富な業者であれば、適切な施工方法を熟知しているため、リフォーム工事をスムーズに進めることができます。
口コミで信頼できる業者か確認する
事故物件のリフォームを依頼する前に業者の口コミを確認し、信頼できるか見極めておくことも重要です。
口コミをチェックすることで、リフォーム工事の品質や担当者の対応の丁寧さ、施工後のトラブルの有無などを把握できます。
特に汚染の除去や臭気対策の十分な実績があるか、依頼者がリフォームの仕上がりに満足しているかなどの点を必ず確認しましょう。
適正な価格か見極める
事故物件のリフォームで特に重要なのが、価格の見極めです。
適正な価格か見極めるために有効な方法として、複数の業者から見積もりを取ることが挙げられます。
極端に安い場合は手抜き工事のリスクがあり、逆に高すぎる場合は不要な工事の費用が含まれている可能性があります。
業者から出された見積もりの内訳は必ず最後まで目を通し、必要な工事だけが記載されていることを確認してください。
事故物件のリフォームにおける2つの注意点
ここでは事故物件のリフォームにおける2つの注意点について解説します。
事故物件は時に近隣住民とのトラブルの原因になることもあるため、リフォームを行う際は事前に説明しておくなどの配慮が必要になります。
また買主や借主の心理的抵抗を少しでも減らすため、リフォーム前に特殊清掃を徹底して行うことをおすすめします。
リフォームしても告知義務は残る
リフォームして外観を一新しても、事故物件の告知義務がなくなるわけではありません。
事故物件であることを隠して売却や賃貸を行うと買主や借主の信頼を損なうだけでなく、損害賠償などのトラブルに発展する可能性もありますので、必ず告知するようにしましましょう。
住宅ローンの審査に通りにくい
住宅ローンの審査に通りにくいことも、事故物件のリフォームを行う上で大きな問題となります。
事故物件は売却や賃貸の難しさから資産価値が低いとみなされ、一般の物件のリフォームよりも金融機関の審査が厳しくなるためです。
ただし立地や築年数など事故物件の条件によっては審査を通過できる可能性もありますので、諦めず住宅ローンを借りられる金融機関を探してみてください。
事故物件をリフォームする流れ
- 現地調査
- 特殊清掃
- リフォーム工事
- 引き渡し
事故物件をリフォームする際は、上記の流れで進めるのが一般的です。
まずリフォーム業者が現地調査を行い、見積もりを出します。
依頼主の了解が得られたら特殊清掃を行うことで衛生環境を整え、リフォーム工事が完了したら引き渡しとなります。
まとめ
事故物件のリフォームは、室内の汚染状況や工事内容によって費用が大きく異なり、大規模な工事の場合は1,000万円を超える費用がかかることもあります。
リフォームで失敗しないためには事故物件のリフォーム実績が豊富な業者を選び、不安なことがあれば業者に積極的に相談することが重要です。