不動産投資の「ノウハウ」

不動産投資で現金買いを選ぶメリットは?向き不向きやローン買いにする判断基準など徹底解説

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「不動産投資を始めたいけれど、ローン審査に通るか不安」
「手元の現金で買っても大丈夫だろうか」
このように悩んでいませんか?

特に訳あり物件への投資を考えている方にとっては、どちらの選択が有利なのか判断が難しいところです。

結論から言えば、現金買いには「審査不要でスムーズに購入できる」「金利負担ゼロで総支払額を抑えられる」といった大きなメリットがあり、状況によっては非常に有効な手段となります。

ただし、自己資金を多く投入することで「資金の流動性が下がる」「レバレッジが使えず投資効率が落ちる」といったデメリットもあるため、注意が必要です。

この記事では以下のポイントについて詳しく解説していきます。

最後まで読むことで、「自分にとって最適な投資スタイルは何か」「リスクを抑えながら不動産投資を成功させるにはどうすればいいか」が明確になります。

そして、現金買いの選択肢の一つとして、訳あり不動産への投資があります。

私たちAlbalink(アルバリンク)では、現金投資に適した利回りの高い訳あり物件を多数取り扱っています。

弊社は「中古・築古・特殊物件」を専門とする不動産業者で、「東証上場」「各自治体との連携協定」「直筆のお客様の声」など、第三者から高い評価を得ています(各詳細を確認する)。

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目次

不動産投資で現金買いが「向いている人」の特徴3選

不動産投資において、現金購入が向いている人には共通点があります。

この章では、現金買いが向いている人の特徴として、以下の3つのポイントを紹介していきます。

余裕のある現金を保有している

現金に余裕がある場合、不動産を現金で購入する選択肢が現実的になります。

なぜかというと、不動産投資では購入時の諸費用だけでなく、修繕費や空室期間の家賃収入低下など、さまざまな支出が発生するからです。
金融機関の融資を使わない場合でも、手元資金が十分であれば、急なリスクに対応できます。

例えば、1,500万円を保有していて、そのうち1,000万円で区分マンションを現金購入するケースを考えます。
この場合、手元には500万円が残り、運用中に修繕や空室が発生しても対応しやすい資金バランスが維持できます。

つまり、生活資金や緊急時の費用を確保したうえで現金購入できる人は、安心感のある投資スタイルを実現できると言えるでしょう。

以下の記事では、不動産投資をする場合に必要な自己資金の目安についてわかりやすく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

不動産投資をするのに自己資金はいくら必要か?
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ローン審査に不安がある

ローン審査に不安を感じている人は現金買いと相性が良いです。

なぜこの特徴が重要かというと、ローンを利用すると必ず金融機関による事前審査・本審査が必要となります。
審査に落ちた場合、せっかく見つけた物件でも購入できない可能性があるため、こうした不確実性や心理的負担は、購入計画が進むほど重荷になります。

例を挙げると、個人で美容サロンを経営している場合、所得が安定していても金融機関によって評価が分かれることがあります。
そのため、融資審査に数週間から数か月かかるケースも珍しくありません。
一方、現金買いであれば、売買契約後の決済までの期間が短縮でき、スムーズな取引につながります。

つまり、融資に対して不安がある人や手続きの複雑さを避けたい人にとって、現金買いはよりストレスの少ない選択肢となるのです。

相続や資産移転などで急いでいる

相続対策や資産移転を急ぎたい人にも現金買いは向いています。

その理由のひとつとして、ローン利用時の事務手続きや契約調整には時間がかかる点があります。
現金買いであれば、契約後すぐに決済できるため、相続税対策や期限のある案件に対応しやすくなります。

例として、年内に資産評価額を変えたいケースでは、物件を早く取得できる現金買いが役立ちます。
特に節税目的での不動産購入はタイミングが重要になるため、「スピード=最大の価値」になる場合があります。

つまり、スピードが求められる状況では、現金決済の力が大きな強みとなり、希望に沿ったスケジュールで進めやすくなるでしょう。

不動産投資で現金買いが「向いていない人」の特徴3選

不動産投資において現金購入が必ずしも最適とは限りません。

この章では、次の3つの特徴が当てはまる場合、現金買いよりローン活用の方が収益性や将来の選択肢が広がる可能性について整理します。

レバレッジを活用して資産を拡大したい

将来、複数の物件を所有し資産規模を広げたい場合は、ローンを活用した投資が適しています。

借入を利用することで、手元資金以上の不動産を取得できるため、時間をかけながら複数物件からの家賃収入を得られる可能性があります。
また、返済中に家賃収入が入ることで、投資金額を効率的に循環させる運用方法も取り入れられます。

たとえば、1,500万円の現金を元手に現金購入の場合は1件の購入に留まります。
一方、同額を頭金にしてローンを併用する場合、複数の物件を検討でき、家賃収入の分散や空室リスクの低減につながる可能性があります。

つまり、将来的に規模拡大や収益最大化を目指すなら、現金買いよりローン活用の方が合理的な手段になるでしょう。

分散投資を考えている

現金を一つの投資対象に偏らせたくない場合は、ローンを利用した方がリスク分散しやすくなります。

不動産は物理的資産であり、売却や管理に時間がかかる場合があります。
現金購入では手元資金が大きく減り、株式投資や投資信託など他の資産形成方法を併用しにくくなります。
複数の投資手段を組み合わせることで、経済変動や金利変動に対する耐性が高まります。

例えば、保有資金のすべてを現金購入に使った場合、修繕や空室が発生した際に追加費用が予想外の負担になり得ます。
一方、ローン併用で資金配分に余裕を残せば、他の投資方法や予備費として活用できます。

したがって、投資戦略としてバランスを重視するなら、現金のみでの購入よりローンを活かした分散型投資が向いています。

手元資金の流動性を確保したい

購入後も資金に柔軟性を持たせたい場合、現金買いは慎重に検討する必要があります。

不動産投資では、購入後にも修繕費や固定資産税などの費用が継続的に発生します。
現金をすべて投資に充ててしまうと、こうした費用負担に対応できず、最悪の場合、売却や追加借入を検討する事態に発展する可能性があります。

例として、給湯器の交換費用が突然必要になった場合、10万円から30万円程度の出費が発生するケースがあります。
手元資金が枯渇している状況では、このような支出が運用に大きな影響を及ぼしてしまいます。

結論として、資金の自由度を残したい、または予期せぬ支出に備えたい場合は、現金購入ではなくローンを活用し資金バランスを保つ方が適しているでしょう。

現金買いで不動産投資をするメリット5選

現金で不動産投資を行うメリットは数多くあり、運用の自由度や精神的な安心感につながりやすい点が魅力です。

この章では、以下の5つの視点から現金買いの強みを整理します。

審査不要でスムーズに購入できる

現金購入では融資審査が不要なため、スムーズな取引が進められます。

金融機関を通す場合、数回にわたる審査や必要書類提出など複数の手続きが必要になります。
さらに審査結果が出るまでに数週間かかるケースもあり、その間に別の買付希望者が現れる可能性もあります。
現金であれば、このようなタイムロスを避けられ、取引全体がスピーディーに進む点が強みです。

例えば、売主が早期売却を希望している状況で、ローン利用者と現金購入者が同時に買付を出した場合、現金購入者が優先されることがあります。

結論として、取引スピードや確実性を重視する場合、現金買いは大きなメリットとなります。

金利負担ゼロで総支払額を抑えられる

現金で購入すると、ローン利用時に発生する金利負担がなく、総支払額を抑えられます。

ローンでは、借入額に応じて金利が支払発生します。
返済期間が長くなるほど利息負担が増え、総支払額が物件価格を大きく上回るケースも珍しくありません。
現金購入ではこの負担がなく、取得費用が明確なため、収支の計画が立てやすくなります。

例として、以下の表をご覧ください。

条件:1,500万円借入/返済期間35年ローン利用現金買い
金利1.5%の場合の総支払額約1,950万円1,500万円
差額約450万円負担なし

このように、利息だけで数百万円の差が生まれる可能性があります。

したがって、現金購入は余分なコストがかからず、費用対効果が高い選択になるでしょう。

価格交渉の余地が広がる

現金購入では、価格交渉に有利になる場面があります。

売主側の心理として、「早く確実に売却したい」という思いがある場合、融資利用者より現金購入者を優先したいと考えます。
現金購入では、審査落ちや融資条件の変更による取りやめのリスクがないため、売主の信頼につながりやすくなります。

例えば、提示価格1,200万円の物件で現金購入を提案した場合、売主が早期売却を希望していれば、1,150万円や1,100万円といった値引き交渉が成立する可能性があります。条件付きですが、買付けの優先順位が上がるケースもあります。

このように、現金購入は価格交渉の強みがあり、総取得額を抑えられる可能性が高まるでしょう。

団信加入義務がなく精神的負担が少ない

現金購入では団体信用生命保険(団信)加入が必須ではないため、保険や審査手続きの負担が軽くなります。

団体信用生命保険(団信)
住宅ローン契約者が亡くなった場合や重い障害を負った場合に、保険金でローン残債が返済される保険のことです。

参照元:団体信用生命保険(団信)|りそな銀行

団信は、融資利用時に加入するケースが多く、健康状態の確認や告知義務など一定の条件があります。
健康上の理由で加入できない場合、融資条件が制限される可能性もあるため、人によっては心理的負担が大きくなります。
現金購入では、その必要がないため契約時のストレスを抑えられます。

具体例として、健康診断で再検査項目がある場合、融資審査や団信加入に影響する可能性があります。

このように、加入手続きや健康条件で悩みたくない人にとって現金買いは安心感のある方法となります。

融資が出にくい物件も購入できる

現金購入では、銀行融資が通りにくい物件でも購入できます。

金融機関は融資時、物件の市場性や担保価値を重要な判断材料にします。
そのため、主に以下のような物件は融資対象にならないことが多いです。

  • 築古
  • 旗竿地
  • 再建築不可
  • 事故物件 など

旗竿地

旗竿地
形が「旗(区画)」と「竿(道路に出る細い通路部分)」に似ている土地のことです。
道路に面する部分が細長く、その奥に広い敷地がある形状の宅地を指します。

再建築不可物件

再建築不可
現在建っている建物を取り壊したあとに、新しく建物を建てることができない土地のことです。

参照元:接道規制のあり方について|国土交通省/a>

事故物件とは

事故物件
過去に事件・事故・災害・自殺・孤独死など、人の生命や住環境に関わる特別な事情(いわゆる心理的瑕疵)が発生した不動産のことを指します。

参照元:不動産取引における 心理的瑕疵に関するガイドライン(案)|国土交通省/a>

その一方で、現金購入なら審査の制約がなく、市場でライバルが少ない物件を狙えます。

例えば、築年数が古く銀行評価の低い戸建でも、リフォームによって賃貸需要を回復できるケースがあります。
現金購入なら、そうした「工夫の余地がある物件」にアプローチできます。

つまり、融資条件ではなく価値の本質や収益性で判断したい場合、現金買いは投資の選択肢を広げる手段になるでしょう。

なお、こうした訳あり物件の購入には、見過ごせないデメリットも多くありますので、気になる方は以下の記事をご一読ください。

再建築不可物件は避けるべきなのか?デメリットと対策
不動産投資を行う物件を探している際に、条件が良いにもかかわらず物件価格が安く、高利回りを達成できている物件を見かけたことはありませんか? 築年数がそれほど経過しているわけでもなく、空室率が高いわけでもないのに物件価格が安価であることか...

現金買いで不動産投資をするデメリット3選

現金買いは安心感がある一方で、注意すべきデメリットがあります。

ここでは、負担や制約が生じやすいポイントを次の3つに整理し、判断材料として理解しやすい形で解説します。

自己資金の拘束により流動性が下がる

現金購入では、手元資金が大きく減るため、資金の自由度が下がります。

不動産は購入後も修繕費や空室期間の家賃損失など、継続的な支出が発生します。
現金をほぼすべて投資に充ててしまうと、これらの費用に柔軟に対応できない状態になる場合があります。

主な支出と発生タイミングは以下の通りです。

発生内容金額例タイミング
給湯器交換10万円~30万円突発
退去後のクロス交換8万円~15万円入居者退去時
空室期間の家賃損失家賃6万円×2か月=12万円状況により発生

このように、想定外の出費は投資運用に少なからず影響します。

すなわち現金買いはメリットがある一方、「現金が減る=動かしづらくなる」という本質的リスクを理解して選ぶ必要があります。

レバレッジ効果が得られず、投資効率が低下する

現金購入では借入を使わないため、投資効率が下がる傾向があります。

ローンを活用すると、手元資金以上の資産を取得し、複数の物件から家賃収入を得られる可能性があります。
融資返済が進むにつれ資産価値も蓄積されるため、資産形成のスピードが加速します。
一方、現金購入では保有資金内でしか投資できず、運用規模や成長スピードが限定されます。

以下はイメージ比較です。

条件現金買いローン活用
購入物件数1件複数件
家賃収入1件分のみ複数物件分で増加
資産拡大スピード遅い速い場合あり

もし、「不動産投資を事業として成長させたい」という考えがあるなら、現金のみでの運用は慎重に検討する必要があります。

団体信用生命保険の活用ができない

現金購入では、ローン利用時に加入できる団体信用生命保険を使えません。

団体信用生命保険とは、借入者が死亡または高度障害状態になった際に残高が保険で清算される仕組みです。
ローン利用者は、この制度によって遺族へ負担を残さず、資産だけを引き継げる可能性があります。

しかし、現金購入ではローンがないため「支払い残高リスク」はない一方、生命保険としての補償効果もありません。
そのため、もし不測の事態に備えたい場合や、家族に運用資産を残したい場合は、別途生命保険や所得保障保険への加入を検討する必要があります。

この点を知らずに現金買いを選ぶと、将来の保障設計に抜け漏れが生じてしまう可能性があるため、慎重な判断が求められます。

ローンを使って不動産投資をするメリット4選

ローンを活用した不動産投資には、現金購入では得られないメリットがあります。

この章では、ローン活用の主な利点を次の4つに整理し、どのような価値があるのかを具体的に解説します。

なお、当サイトではさまざまな金融機関に直接取材を行い、各社の不動産投資ローンの最新情報を記事にして公開しています。
ぜひ気になる金融機関の情報を検索してみてください。

“不動産投資ローンについて” の検索結果 | 不動産投資の森
売れない訳あり不動産の情報メディア

少ない資金で複数の物件に投資できる

ローン活用の最大のメリットは、少ない自己資金でも複数の不動産に投資できることです。

なぜなら、頭金だけで物件を取得できるため、自己資金を温存しながら投資規模を拡大できるからです。
金融機関の融資を利用すれば、一度の購入で終わらず、資産形成のスピードが飛躍的に向上します。

例えば、保有資金が1,000万円の場合で比較すると次のようになります。

ケース購入方法購入可能物件数月家賃収入例
A現金のみ1件6万円
Bローン併用(頭金300万円×3件)3件6万円×3=18万円

このようにローンを活用すれば、同じ資金でも得られる家賃収入や資産規模が大幅に変わります。

つまり「早く資産を増やしたい」「複数物件を保有したい」という人にとって、ローン活用は合理的な戦略となります。

ローン金利を経費として計上できる

ローンを利用すると、支払う金利を経費として計上できる点も魅力です。

なぜかというと、不動産投資は事業的性質があるため、金融機関への利息や手数料は必要経費として認められ、所得税や住民税を軽減する役割を果たすからです。
現金買いではこの効果が得られないため、節税という観点ではローン活用が優位なケースがあります。

次のシミュレーションを参考にご覧ください。

条件ローンなしローンあり
年間家賃収入72万円72万円
年間利息負担なし約18万円
課税対象額72万円54万円

このように、ローンを利用することで課税額が減る可能性があり、長期的な収益性を高める効果も期待できます。

資金効率を重視する場合、金利負担はデメリットだけでなくメリットに転じるケースがあるのです。

その他、不動産所得で経費として計上できる科目については、以下の記事を参考にしてください。

不動産所得に使える主な経費一覧
賃貸経営などの不動産投資を行う場合、家賃収入などの得られた所得には必ず所得税が課せられます。 不動産投資において課税の対象となるのは額面収入ではなく、賃貸収入金額から必要経費を差し引いた不動産所得です。 そのため、必要経費を...

団信加入で万一の備えになる

ローン契約で付帯する団体信用生命保険(団信)は、不動産投資で重要なリスクヘッジの役割を果たします。

団信には、契約者が死亡または高度障害状態になった場合、残りの借入が全額完済扱いとなる仕組みがあります。
これは生命保険が物件に付属するイメージで、家族に借金を残さず不動産資産のみを引き継げる点が大きな安心材料です。

将来の保障として価値を感じる人にとって、団信は「実質無料で生命保険が付く」ようなものです。

したがって、家族や将来設計を考える場合は、団信が付帯するローン活用が適した選択肢となります。

信用力が高まれば追加融資も受けやすい

ローン返済を続けることで金融機関の信頼が蓄積され、将来の融資に有利になります。

金融機関は、借入希望者が過去に延滞なく返済してきたかどうかを重要視します。
返済履歴が積み重なると、追加融資や条件の緩和が期待でき、資産拡大のチャンスが広がります。

たとえば、以下のようなステップで信用力が蓄積されていきます。

  1. 1件目購入 → 毎月返済 → 返済実績作り
  2. 金融機関評価が上昇
  3. 2件目以降の融資枠が広がる

信用力は資産形成において最大の武器になります。

つまりローン活用は、将来の投資チャンスを増やす「地盤づくり」としても機能する手段と言えます。

ローンを使って不動産投資をするデメリット3選

ローンを活用した不動産投資にはメリットが多い一方、注意しなければならないデメリットも存在します。

この章では、次の3つの観点から、ローン活用時に気を付けるべき点を整理します。

なお、不動産投資ローンを受ける方法や注意点については、以下の記事も参考になるかと思いますので、ぜひ合わせてご覧ください。

不動産投資ローンを受ける方法と注意点
アパート経営などの不動産投資を行う方のほとんどが、費用を用意して一括返済で物件購入をするのではなく、ローンを組み、何十年という運用計画を立てているかと思います。 しかし、昨今は低金利時代ではあるもののローンの審査は非常に厳しい...

融資審査のハードルがある

ローン利用のデメリットのひとつは、融資審査に通らなければ物件が購入できない点です。

金融機関は以下に挙げるような複合的な要素を審査します。

  • 申込者の信用情報
  • 年収
  • 事業収入
  • 勤務形態
  • 納税状況
  • 資産内容
  • 購入予定物件の担保価値 など

そのため、個人事業主や転職直後の人は会社員と比較すると審査が厳しくなる傾向があります。

また実際に、書類提出後の事前審査には1〜2週間、本審査には2週間以上必要になることがあります。
もし融資結果が遅れれば、他の購入希望者に物件を取られてしまう可能性もあるでしょう。

つまり、ローン活用は魅力的な手段ですが、審査突破という最初のハードルを越える準備が必要になります。

金利上昇リスクや返済リスクが伴う

ローン利用では返済義務が発生するため、金利変動や家賃収入の変化により負担が増える可能性があります。

変動金利型の場合、市場環境や金融政策の影響で返済額が増加するリスクがあります。
また、空室が発生した場合や家賃相場が下落した場合、返済と収入のバランスが崩れ、キャッシュフローが悪化する恐れもあります。

以下は返済額の比較例です。

借入額2,000万円/35年返済金利1.5%金利3.0%
毎月返済額約62,700円約85,100円
総返済額約2,636万円約3,445万円

このように金利が1.5%上昇するだけでも、総支払額が大きく変化します。

したがって、ローンを利用する場合は返済比率を家賃収入の30%以内に抑えるなど、余裕を持った設計が安心につながります。

各種手数料・諸経費がかかる

ローンを利用する場合、融資に関連する追加費用が発生します。

ローン契約では、主に以下の費用が必要になります。

  • 保証料
  • 事務手数料
  • 抵当権設定登記費用
  • 火災保険料 など

現金買いと比較すると、支払い項目が増えることにより、総コストは高くなります。

こうした追加負担を考慮せずにローンを選択すると、想定以上のコスト増につながり後悔する可能性があります。
事前に費用項目を理解しておくことで、資金計画が崩れにくい運用が実現できます。

つまり、ローンは強力な資産形成ツールですが、同時に発生する費用とリスクを理解した上で活用することが重要です。

現金買いとローン買いどちらを選ぶ?3つの判断基準

現金買いとローン買いは、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが正解とは断言できません。

この章では、選択に迷ったときの判断材料として、次の3つの基準をもとに検討できるよう整理します。

イールドギャップ(利回りと金利差)を検討する

不動産投資では、利回りと金利の差を示す「イールドギャップ」が判断基準になります。

イールドギャップとは、物件の実質利回りと借入金利の差を指し、この差が大きければローン活用による利益効率が高まります。
つまり、利回りが高く金利が低い状況ではローンを活用したほうがキャッシュフローが安定しやすいということです。

例として、以下の計算を比較してみます。

項目現金買いローン活用(金利1.5%)
物件価格1,000万円1,000万円
利回り7%7%
金利1.5%
イールドギャップ5.5%

ここで重要なのは、利回り>金利+2%以上である場合、ローンを活用するメリットが高まりやすい点です。
逆に、利回りが低く金利のほうが高い場合は、借入によってキャッシュフローが悪化しやすく、現金買いが合理的になります。

すなわち、イールドギャップは「どちらの買い方が有利か」を判断する客観的な指標として活用できます。

不動産投資の拡大計画があるかどうか

不動産投資を1件だけ保有したいのか、将来複数の物件を取得して事業として拡大していきたいのかによって、選ぶべき購入方法は変わります。

なぜかというと、現金買いでは資金が固定されてしまい、追加物件の取得が難しくなるためです。
対して、ローンを活用した場合は資金効率が高まり、複数物件の取得が現実的になります。

例として、不動産投資を「年金代わりの安定収入源」として考えている場合、現金買いでも目的を達成できます。
しかし、将来収益を増やし資産規模を広げたい場合は、ローンを活用する戦略が向いています。

つまり、自分の未来像を描いたうえで、購入方法を選ぶことが重要です。

投資対象物件の担保価値や将来性の高さ

購入対象の不動産が資産価値の高い物件かどうかも、判断材料のひとつです。

金融機関が評価する基準として、主に以下の要素が挙げられます。

  • 立地
  • 築年数
  • 接道条件
  • 管理状態
  • 需要のあるエリアかどうか など

将来売却する可能性を踏まえると、価値が下がりにくい物件ではローンを活用し、価値が不安定な物件では現金買いでリスクを抑える方法が有効です。

たとえば、築浅の区分マンションや需要が安定している駅近エリアの物件は、金融機関の評価が高くローンが活用しやすいため、現金温存し融資を使う戦略が合理的です。
一方、融資が付きにくい地方戸建てや築古物件は、現金買いで購入し利回りを重視する投資法が向いています。

言い換えれば、物件の性質と銀行評価の高さが、購入手段を決める重要な判断軸となるのです。

以下の記事では、不動産評価の考え方や、融資を受けやすい物件の特徴について解説していますので、ぜひこちらもご一読ください。

不動産の銀行評価(担保積算方法)と融資を受けやすい物件の特徴
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まとめ

不動産投資において現金買いは、ローン審査の手間が不要でスピーディに取引でき、金利負担もないため総支払額を抑えられるなど、多くのメリットがあります。

一方で、現金買いには自己資金を大きく拘束してしまうというリスクが伴い、手元資金の流動性が低下する点や、レバレッジ効果を活かした資産拡大が難しいといったデメリットも存在します。

こうしたリスクを回避し、投資効率を高めるには、利回りの高い物件を見極めて購入することが重要です。
そのためには、専門的な目線で物件選定を行うパートナーが必要になります。

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この記事の監修者

株式会社AlbaLink社長の河田憲二です。弊社は空き家やなど訳あり物件の買取再販を行う不動産業者です。弊社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」「訳あり物件買取ナビ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。【保有資格】宅地建物取引士

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