[不定期連載]
不動産で“食べたい”人バイブル#04
今回は、不動産投資家でもあり事業家の借金玉さんに、単独記事を書いて頂きました。テーマは「入居率上昇技」で。
こんにちは、借金玉です。
不動産投資について書いて、と言われたので書こうと思います。
さて、どうやって投資したら儲かるかについてですが、1ミリもわかりません。安く買って高く売ったり高く貸したりすれば儲かると思います。それ以外はちょっとなんとも言い難いところで、そんなことがわかればとっくに大金持ちになっていますし、不動産営業なんてやっていません。
しかし、一つだけわかることがあります。投資物件というのは、お客様に入居して貰わねば1円も儲かりません。それどころか、赤字を吹きます。「とにかくお客様に入居していただく」ということが、究極的には全てと言えるのではないでしょうか。
そんなわけで、賃貸営業を実際に行う中で「こういう物件には客がつけやすい!」というものを一通り語らせてもらいたいと思います。
ADこそ最強の空室対策である
はい。身もフタもないやつです。このADというのは「広告料」という概念で、賃貸マンが仲介に成功した時、通常の手数料に加えて支払われるエクストラボーナスです。
賃料1か月分ならAD100、2か月なら200です。「冷静に宅建業法を読むとこれってアリなんだろうか?」という疑問については忘れてください。ちゃんと物件情報には「AD100まで相談」とか書いてありますから。かかった広告料の分だけ頂戴する、そういうものなんですよ。なにもわからないけど。
さて、賃貸営業マンというのは基本的にお金で動いています。応用的にもお金で動いています。究極的にもお金で動いています。稼いだ手数料から歩合が出るという営業マンの性質上、なにはともあれADの出る物件にお客様を案内したいのが人情です。
そういうわけで、設備を追加するとかリフォームするとか管理おじさんをしばくとかそういう前にまずはADつけましょう。ほら、1か月お客様が入らなかったら機会損失がAD100相当出るわけですから。残念ながら、大抵の営業マンはまず物件情報を「ADはついているか?」という視点で見ます。
数か月空きが続いて機会損失が嵩むと、追加投資するのが段々嫌になってくることだと思います。さっさとADをあと100乗せましょう。元付、客付け両方の立場から様々な物件を見て来ましたが、一番効果のある空室対策はADであるという身も蓋もない現実は揺るがないと思います。僕くらいになると、ADが好き過ぎるのでAD200というバイクに乗っていますからね。
ペット可物件は本当に強い
最近はペットを飼育されているお客様が多いです。しかし、2018年になっても「ペット可物件」を探すのは結構大変です。体感的には全体の1割程度しか物件数がありません。敷金一か月上乗せくらいではお客様も文句を言わないので、どうしても客付けがダメならペット可というのは非常に有力な選択肢です。
ただし、ペット可物件には弱点があります。一つは部屋の汚損。やはりペットを飼育されていた方の部屋は退去時に汚損がひどい傾向があります。敷金を+1か月するなどで凌ぎましょう。敷金+1か月はお客様にとってさほどマイナスにならない印象が強いです。
そして、もう一つ。管理会社が嫌がることも多いと思います。僕も正直言って、ペット可物件の管理はしんどい…。「吠えてうるさい」というクレームが入っても実際問題どうしようもないことがあります。そういったトラブルに日々直面する管理おじさんとしては、自社の管理物件がペット可になるのはなかなかに辛い。
しかし、物件が空室では現実問題どうにもなりません。空室より怖いものは無いのですから、オーナー様は断行して良いと思います。管理おじさんは辛いですが…。尚、最近は「新築ワンニャンパラダイス」という概念が発生しており、粗暴な建売屋がとにかく建て過ぎです。色々あって「何故こんなことになったのか」と質問したら「決算が近かったから…」という答えが返って来たりしました。強すぎる。
最後の手段、一切客を選ばない
最後の手段です。外国人、高齢者、生活保護受給者…そういった通常の物件では拒否されがちな皆さんを一手に引き受けるスタイルです。特に都心部においては、これは究極の手段と言えます。僕が関わっている中にも「外国人しか住んでない」という物件があります。どれだけ管理しても破滅的な状態になる物件ですが、この数年ほぼ満室で推移しています。常時ハチャメチャなのでこれ以上悪くなりようがありません。
入管とか公安とかそういう方がいらっしゃったり、ベトナム人がバーベキューパーティーを始めたり、1Kに気づいたら4人住んでいたり、入居一週間で死ぬ住人が出たり、警察から捜査事項照会書が届いたり、およそあらゆる愉快な出来事が起こりましたが、築年数不明のコメントしにくい見た目をした物件が異常な利回りでグルングルン回り続けています。
最近は外国人向けの保証会社がそれなりに充実しているので「保証会社を通ればOK」という基準で集客すると、意外なほど損失は出ません。そして、日本語が喋れないのでクレームがほぼ来ないという大きなメリットがあります。契約書には「住人トラブルは当事者間で解決すること」という文言を入れておきましょう。
これは管理の立場の人間としてあまり言いたくないことなのですが、「属性の悪いお客様は嫌」というのは、およそ管理会社の都合です。トラブルが起きた時に対応するとあっという間に人件費で赤字になってしまうので「やめた方がいいですよ…」と管理おじさんは言います。しかし、それは所詮管理会社の都合でしかないわけですね。いざとなれば自己管理するという手もあります。
大丈夫、人間は大抵のことに慣れます。人間の遺体は警察が持っていってくれますので、早期発見すればなんとかなります。早期に発見出来なかった場合は警察官と「遺体」の定義について争うことになるかもしれませんけど。個人的には染みも遺体の一部だと思うので、カーペットとか交換する床材も行政さんが持って行くべきだと思うんですけどね…。でも大丈夫、特殊清掃もDIYは可能です。ユアセルフでドゥーイットしましょう。
さて、いかがだったでしょうか
不動産投資で儲ける基本的な方法論として、「安く買って満室にする」というのがあります。しかし、安く買える物件というのは往々にして客付けが厳しい。そこを剛腕で何とか出来るオーナー様は、例外なく儲けています。
私の出資者も不動産投資家なのですが、「不動産投資は汗をかいた分だけ成果が出る投資だ」と言っておりました。実際、株式投資等と比べると「自力で努力する」ということが可能なのが不動産投資の面白いところだと思います。オーナー様によって、同じ物件でも利回りがまったく別物だったりするのはとても興味深いですね。
是非、皆様の腕力で大儲けされてください。
具体的に何から始めれば良いかわからない、良い物件の良し悪しがわからない、などご質問があればLINE@でもメールでも受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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