一軒家をシェアハウスにしたい?成功ポイントや出口戦略まで徹底解説!


「空き家を持て余しているけれど、どう活用すればいいかわからない」――そんな悩みを抱えている方は、近年ますます増えています。
相続した実家や長年放置された一軒家を持ち続けることは、固定資産税や老朽化リスクといった負担につながります。
こうした状況を打開する選択肢として、一軒家をシェアハウスに転用する投資が注目を集めています。
初期費用を比較的抑えながら始められ、複数の入居者から賃料を得ることができるため、空室リスクを分散しながら安定収益を目指せるのが魅力です。
ただし、管理コストの上昇や入居者間トラブル、転用後の出口戦略など、事前に把握しておくべき課題も少なくありません。
本記事では以下のポイントを中心に、一軒家シェアハウス投資の全体像を丁寧に解説していきます。
最後まで読むことで、投資判断をするうえでのリスクや課題を具体的に把握し、安心して一歩を踏み出せる準備が整います。
なお、私たちAlbalink(アルバリンク)では、訳あり物件や空き家を活用した高利回りの投資案件をご紹介しています。
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目次
一軒家をシェアハウスにしたい人が増えている2つの背景
一軒家をシェアハウスに転用する人は年々増えています。
その背景を把握することで、空き家を収益につなげる現実的な可能性を検討できるようになります。
この章では、次の2点について詳しく解説します。
空き家を持て余している人が増えている
空き家が増えている背景には、人口減少や高齢化といった社会問題があります。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は2023年時点で約900万戸に達しており、住宅総数の13%以上を占めています。
参照元:令和5年住宅・土地統計調査 (参考分析)共同住宅の空き家についての分析|総務省統計局
放置された空き家は固定資産税や修繕費といった費用がかかるだけでなく、治安や景観を損ねる要因にもなります。
具体例として、年間の維持コストを考えてみましょう。
築30年以上の戸建てを空き家として残す場合、固定資産税が年間10万円前後、水道・電気の基本料金や最低限の修繕費を含めると、年間20万〜30万円近い支出になります。
このように住んでいなくてもお金が出ていく状況は、所有者にとって大きな負担です。
こうした問題を解決する有効な手段の一つがシェアハウス運営です。
空き家を放置する代わりに入居者を募れば、賃料収入で維持費をまかなうことができます。
さらに入居者の存在によって防犯性が高まり、建物の老朽化も遅らせる効果があります。
結果として「負担だった空き家が、収益を生む資産に変わる」可能性を持つのです。
低コストの不動産投資として注目されている
一軒家をシェアハウスにするもう一つの背景は、初期費用を抑えて始められる投資手段として注目されている点です。
通常の不動産投資では新築マンションやアパート購入に数千万単位の資金が必要ですが、既に所有している空き家を活用すれば、リフォームや家具・家電の導入など数百万円規模の投資から始めることが可能です。
たとえば、新築アパート投資では土地取得費と建設費を合わせて5,000万円以上かかるケースも珍しくありません。
一方で戸建てのシェアハウスなら、間取りの変更や共有スペースのリフォーム、Wi-Fiや冷蔵庫・洗濯機といった家電の設置を含めても500万〜1,000万円程度でスタートできるケースがあります。
投資タイプ | 初期費用の目安 | 主な特徴 |
新築アパート投資 | 5,000万円以上 | 高額だが安定性あり |
区分マンション投資 | 1,000万〜3,000万円 | 管理が楽だが利回りは低め |
一軒家シェアハウス | 500万〜1,000万円 | 初期費用を抑えつつ高利回りが狙える |
このように、戸建てシェアハウスは「大きな借金をせずに投資を始めたい」というニーズにマッチしています。
結論として、シェアハウスは空き家対策と投資の両面で時代の要請に合った手法といえるでしょう。
なお、新築アパート投資や区分マンション投資について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。




一軒家をシェアハウスにする4つのメリット
一軒家をシェアハウスに転用することには、オーナーにとって見逃せない利点が複数あります。
これらを理解すれば「挑戦してみよう」と背中を押す材料になるはずです。
ここでは、以下の4つのメリットを順に解説します。
空室のリスク分散ができる
シェアハウスの最大の強みの一つは、空室リスクを分散できる点です。
通常の戸建て賃貸では、1世帯が退去すると収入がゼロになってしまいます。
しかしシェアハウスは複数人が入居しているため、1人が退去しても他の入居者からの家賃収入で運営を継続できます。
具体的に例を挙げると、1戸建てをファミリーに月10万円で貸す場合、退去すれば空室期間中は家賃収入が完全に途絶えます。
一方、同じ戸建てをシェアハウスにして1人5万円で4人が入居していた場合、1人が退去しても月15万円の収入が残ります。
この違いはオーナーにとって大きな安心材料です。
複数人でリスクを分散できる仕組みは、収入の安定化につながりやすいと言えます。
入居者が入れ替わるたびに家賃収入が途絶える心配を減らすことができる点で、シェアハウスは有効な経営スタイルです。
高い収益が見込める
戸建てシェアハウスは、同じ物件を一般的な賃貸として貸すよりも収益性が高くなる可能性があります。
理由は、入居者一人あたりの賃料を積み上げると合計額が大きくなるためです。
例えば、戸建てを一世帯に月10万円で貸す場合と比較してみましょう。
シェアハウスにして1人5万円で4人入居すると、月20万円の家賃収入になります。
年間に換算すると120万円の差が生まれる計算です。
賃貸タイプ | 入居人数 | 1人あたり家賃 | 月収入 | 年収入 |
一戸建て賃貸 | 1世帯 | 10万円 | 10万円 | 120万円 |
シェアハウス | 4人 | 5万円 | 20万円 | 240万円 |
もちろん、共用部分の光熱費や管理費など運営コストは発生しますが、それを差し引いても利回りが高くなるケースが多いです。
利回りとは投資額に対する年間収益の割合で、不動産投資の収益性を判断する重要な指標です。
シェアハウスの場合、利回りが10%を超える事例も見られ、不動産投資の中でも高水準とされています。
こうした高収益の可能性は、空き家を「負の資産」から「稼ぐ資産」へ転換させる大きな魅力になります。
水回り設備の導入・維持コストを抑えられる
シェアハウスでは複数の入居者がキッチンやトイレ、浴室といった水回りを共用するため、各部屋ごとに専用設備を設ける必要がありません。
そのため導入コストや維持コストを大幅に抑えられる点がメリットです。
たとえばアパート経営では各部屋にトイレや浴室を設置するため、工事費や修繕費がかさみます。
配管工事や設備交換を考えると、一部屋あたり50万〜100万円の追加投資が必要になることも珍しくありません。
一方でシェアハウスなら建物全体で1〜2か所の水回り設備を整えれば済むため、初期費用が軽減されます。
さらに、設備数が少ないほど故障や修繕の発生リスクも減ります。
修繕費は長期的に積み重なるため、この差は大きなコスト削減効果となります。
結果として、オーナーは経営にかかる負担を減らしながら収益を高めやすい環境をつくれるのです。
近隣の賃貸物件との差別化を図れる
戸建てをシェアハウスにすることは、エリア内の一般的な賃貸物件との差別化にもつながります。
マンションやアパートと比べて、広いリビングや庭、専用の駐車スペースなど戸建て特有の魅力があるため、入居希望者にとって独自の価値を感じやすいのです。
特に、共同生活を楽しみたい若者や外国人留学生にとって、交流しやすいリビングやキッチンは大きな魅力となります。
単なる住まいではなく「コミュニティ形成の場」としての性格を持たせることで、長期入居につながりやすくなります。
また、近年は「女性専用シェアハウス」「趣味コンセプト型」など、差別化した物件が人気を集めています。
例えば料理好きが集まるシェアハウスなら広いキッチンと調理器具を充実させる、音楽好きが対象なら防音室を設けるといった工夫が考えられます。
差別化ができれば、相場より高めの家賃設定が可能になる場合もあり、収益性の向上に直結します。
一軒家をシェアハウスにする5つのデメリット
シェアハウスには大きなメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットも存在します。
事前にリスクを理解しておくことで、失敗を防ぎ、安心して経営に取り組むことができます。
ここでは以下の5つについて詳しく解説します。
管理の委託費が高額になる
シェアハウスは入居者が複数いるため、管理業務が複雑になりがちです。
そのため管理会社に委託すると費用が高額になりやすい点はデメリットといえます。
たとえば通常の戸建て賃貸であれば、入退去時の対応や家賃管理が主な業務で、管理委託料は家賃の5%前後が一般的です。
しかしシェアハウスの場合、共用部分の清掃や設備点検、入居者間のトラブル対応など業務量が増えるため、委託料が10〜15%に設定されることもあります。
自主管理すれば費用を削減できますが、仕事をしながら複数人の入居者を相手にするのは負担が大きいです。
結局、管理会社を利用せざるを得ないケースが多く、その分の費用が収益を圧迫することになります。
オーナーとしては「自主管理か委託か」を早めに判断しておく必要があります。
以下の記事では、自主管理と委託の違いやそれぞれの実情を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


物件の転用性が下がる
一度シェアハウス仕様にリノベーションすると、通常の賃貸物件や売却用住宅に戻しにくい点もリスクです。
例えば間仕切りを増やして個室を作った場合、ファミリー向け住宅として貸し出す際には不便な間取りになってしまいます。
また、防音工事や複数の鍵付きドアを設置した物件は、購入希望者から「使いづらい」と敬遠される可能性があります。
結果として売却価格が下がることも考えられます。
こうした事態を避けるためには、最初から出口戦略を視野に入れたリフォーム計画が重要です。
「将来は民泊や通常賃貸に戻せる設計にする」など、柔軟に転用できる間取りを意識することがポイントになります。
融資を受けるのが難しい
シェアハウスは金融機関からの融資審査が厳しい物件の一つです。
理由は、運営の安定性が通常の賃貸住宅に比べて低いと判断されやすいからです。
特に2018年以降、シェアハウス投資をめぐる不正融資問題が報道された影響で、銀行が慎重になっています。
そのためローンを組むには高い自己資金比率や別の担保が必要になるケースが増えています。
これから始めたいと考える人は、いきなりフルローンを狙うのではなく、自己資金を厚く準備したり、小規模な改装でスタートするのが現実的です。
資金調達に不安がある場合は、事前に不動産投資に強い金融機関や専門家に相談しておくと安心できます。
当サイトでは、様々な金融機関の不動産投資ローンについて、詳しくまとめた記事を豊富に掲載しています。
直接取材による確かな情報が満載なので、ぜひ比較検討の参考材料としてご活用ください。


入居者間トラブルが起きやすい
シェアハウスは共同生活が前提となるため、入居者同士のトラブルが発生しやすい点も無視できません。
騒音や掃除の分担、ゴミ出しのルール違反など、生活習慣の違いから摩擦が生じるケースが多いです。
実際に「共有リビングでの深夜の騒ぎ」「冷蔵庫の食材の無断使用」「浴室の使用時間をめぐる口論」といった問題はよく聞かれます。
小さな問題でも放置すると入居者の退去につながり、空室リスクが高まります。
このリスクを減らすためには、明確なハウスルールを策定し、入居前にしっかり説明することが必須です。
また、トラブル発生時に迅速に対応してくれる管理会社を選ぶことも重要なポイントになります。
賃貸需要が偏ることにより収益性が低下する
シェアハウスの入居者層は学生や若手社会人、外国人留学生などに偏りやすい傾向があります。
そのため景気の変動や社会情勢によって、一気に需要が落ち込むリスクがあります。
例えば、コロナ禍の影響で外国人留学生が大幅に減少した際、多くのシェアハウスで空室が増えました。
このようにターゲットを一層に絞りすぎると、突発的な環境変化で収益が下がる危険性があります。
リスクを抑えるためには「学生+社会人」「女性専用+外国人」など複数のターゲットを想定した経営をすることが効果的です。
需要の多様化に対応できる柔軟な運営を意識すれば、収益の安定性を高めることができます。
一軒家をシェアハウスにする場合の流れ
一軒家をシェアハウスに活用するには、しっかりとした準備と順序立てた計画が欠かせません。
どのステップをどのように進めるかを把握しておけば、初めてでも安心してスタートできます。
この章では次の7つの流れを順に解説します。
1)ターゲットの選定
最初に考えるべきは「誰に貸すのか」というターゲットの設定です。
入居者像が決まらないと、家賃の水準やリフォーム内容、必要な設備が定まりません。
例えば、学生をターゲットにする場合は家賃を抑え、大学へのアクセスや自転車置き場の有無が重要になります。
社会人向けならWi-Fi環境や静かな専用個室が求められます。
外国人向けであれば多言語対応のルール説明や家具付きの環境が喜ばれるでしょう。
ターゲット層 | 重視するポイント | 家賃の目安 |
学生 | アクセス、安さ、自転車置き場 | 3万〜5万円 |
社会人 | 個室の快適さ、ネット環境 | 4万〜6万円 |
外国人 | 家具付き、ルール説明、交流 | 4万〜6万円 |
このようにターゲットごとに条件が変わるため、オーナーは「物件の立地や間取りから見て、誰に最も合うのか」を判断することが大切です。
2)管理会社を決める
次に重要なのが、管理をどう行うかの決定です。
シェアハウスでは複数の入居者対応が必要になるため、自主管理では手間が増えがちです。
自主管理のメリットは費用を抑えられる点ですが、家賃管理、トラブル対応、清掃など時間を取られます。
一方、管理会社に委託すれば月額家賃の10〜15%程度の費用はかかりますが、専門的な対応を任せられる安心感があります。
選ぶ基準としては、シェアハウス管理の実績、対応スピード、費用の透明性が挙げられます。
信頼できる管理会社を選ぶことで、オーナー自身の負担を軽減し、長期的に安定した運営を実現しやすくなります。
以下の記事では、管理会社選びのコツを落語調でわかりやすく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。


3)リフォーム・リノベーションを行う
物件をシェアハウスに転用する場合、リフォームやリノベーションは避けて通れません。
間取りの変更や防音工事、鍵付きドアの設置など、入居者が快適に共同生活できる環境を整えることが必要です。
最低限の改修で済ませるなら、個室を増やすための間仕切り設置やクロス張替え程度で100万〜200万円が目安です。
本格的に設備を整えるなら、浴室やトイレの増設、防音対策、キッチンの改修などで500万〜1,000万円かかるケースもあります。
リフォームは投資額と利回りのバランスが重要です。
長期的に安定収入を得たいなら、初期段階で適切に費用をかけて競争力を高める判断も有効です。
4)家具や家電を備え付ける
シェアハウスは「即入居できる状態」が求められます。
家具や家電を完備していることで、入居者がスムーズに生活を始められるからです。
最低限必要なのはベッド、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、Wi-Fiルーターなどです。
さらに共有リビングにはソファやダイニングテーブルを設置すると居心地が良くなり、入居希望者に好印象を与えられます。
備品の用意は初期費用が増えますが、家具付き物件は人気が高く、空室リスクを減らせます。
結果として、多少の投資で入居スピードを上げられるのは大きなメリットです。
5)Wi-Fiなどのインフラを整備する
インターネット環境は今や必須インフラです。
特にテレワークやオンライン学習が一般化している現代では、回線速度が入居者の満足度に直結します。
光回線を導入し、ルーターを複数設置して建物全体で安定した接続ができるようにすることが望ましいです。
通信速度が不安定だと不満が溜まり、退去理由になりかねません。
オーナーにとってはランニングコストが増えますが、快適なネット環境は入居者の定着率を高める投資と考えた方がよいでしょう。
6)賃料を決める
賃料設定は、入居スピードと収益性を左右する最も重要な要素の一つです。
周辺のワンルーム賃貸相場を調査し、それより1割ほど安い設定にすると入居者が集まりやすくなります。
例えば、近隣のワンルーム相場が月6万円なら、シェアハウスでは5万円程度が妥当です。
4人が入居すれば合計20万円となり、ファミリー賃貸の10万円と比較して収益が大幅に増える可能性があります。
ただし、光熱費や管理費をどう扱うかで実際の利回りは変わります。
賃料だけでなく、総合的に収支シミュレーションをして判断してください。
7)入居者を募集する
最後のステップは入居者募集です。
一般的な不動産ポータルサイトのほか、SNSやシェアハウス専門サイトを活用すると効果的です。
募集写真は特に重要で、清潔感のあるリビングや共有スペースの雰囲気を伝えると応募が増えます。
また、内覧時には照明を明るくして好印象を与える工夫も欠かせません。
さらに、ターゲット層に合わせた訴求が大切です。
学生向けなら「安さと便利さ」、社会人向けなら「快適な個室とWi-Fi環境」、外国人向けなら「家具付き・交流できる雰囲気」を前面に出すと効果があります。
一軒家のシェアハウスで実際にあったトラブル事例3選
シェアハウスは共同生活を前提とするため、想定外のトラブルが発生することも少なくありません。
現実の事例を知っておくことで、オーナーが事前に備え、適切な対策を講じることができます。
ここでは次の3つのケースを紹介します。
外国人入居者とのトラブル
シェアハウスでは外国人の入居者も多く見られますが、文化や生活習慣の違いからトラブルが発生するケースがあります。
特に問題となりやすいのは、ゴミ出しのルールや生活音のマナーに関することです。
例えば、日本の多くの自治体ではゴミの分別が厳しく、曜日ごとに出す種類が決まっています。
しかし、こうした制度を知らない外国人入居者がルールを守らず出してしまい、近隣住民から苦情が寄せられることがあります。
また、深夜に友人を招いてパーティーを開き、大きな騒音トラブルに発展した例も少なくありません。
こうした問題を回避するには、多言語でルールを明記した案内を共有スペースに掲示することが効果的です。
入居時のオリエンテーションで必ず説明を行い、ルールを理解してもらう工夫が欠かせません。
事前対応を徹底することで、異文化交流の魅力を活かしつつ、トラブルを最小限に抑えることができます。
DIY改装による消防法・建基法違反で是正命令
コスト削減を目的にオーナー自らがDIYで改装した結果、消防法や建築基準法に違反し、行政から是正命令を受けるケースもあります。
特に注意すべきは、防火設備の不備や避難経路の確保がなされていないケースです。
例えば、間仕切りを追加して個室数を増やしたものの、その構造が燃えやすい素材であったり、窓がないため避難経路として機能せず、消防署から改善命令を受けたケースがあります。
また、火災報知器の設置義務を怠った結果、使用停止処分となった事例も確認されています。
国土交通省も、こうした“違法貸しルーム”の存在に警鐘を鳴らしています。
たとえば、木造2階建ての戸建てを改造して、人がやっと寝起きできるほどの狭小な個室を多数設けたケースや、貸しオフィスとして募集しながら実際には多数の人が寝泊まりしている事例などが報告されており、防火上の安全性に重大な懸念があるとされています。
参照元:多人数の居住実態がありながら防火関係規定などの建築基準法違反の疑いのある建築物(違法貸しルーム)に関する情報を提供いただく際の情報提供様式について|国土交通省
これらのリスクを回避するには、改装を行う前に必ず建築士や消防設備士などの専門家に相談し、法令に則った設計・施工を行うことが不可欠です。
確かに専門家の関与には一定のコストがかかりますが、是正工事や罰則、そして何より入居者の安全に関わるトラブルを未然に防ぐことができます。
オーナーとして、法令順守と安全確保は決して軽視してはならない責任です。
家賃滞納やハウスルール違反によるトラブル
シェアハウス運営で最も身近なトラブルが、家賃滞納やルール違反です。
特に若年層や短期滞在者を多く受け入れる物件では、こうした問題が発生しやすくなります。
具体例として、家賃を数か月滞納したまま連絡が取れなくなり、最終的に強制退去の手続きを取らざるを得なかったケースがあります。
また、共有スペースを掃除しない、冷蔵庫に他人の食材を無断で使用する、禁煙ルールを破るなど、住人同士の信頼関係を壊す問題も珍しくありません。
これらを防ぐには、入居契約時に定期借家契約を採用し、トラブル時にスムーズに退去させられる仕組みを整えておくことが有効です。
契約期間をあらかじめ定め、期間が満了すると必ず終了する賃貸借契約のことです。
通常の普通借家契約と違って、借主に更新権がなく、貸主・借主が合意しない限り契約は延長されません。
さらに、保証会社を利用して家賃の未回収リスクを減らす方法もあります。
トラブルは完全に避けることは難しいですが、ルールを明確にし、契約内容で対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。
以下の記事では、滞納された家賃の回収方法について詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。


一軒家のシェアハウスを成功させる6つのポイント
シェアハウス経営を安定させるためには、単に入居者を集めるだけでなく、長期的な運営を見据えた工夫が欠かせません。
ここでは、成功に直結する6つの具体的なポイントを紹介します。
定期借家契約にする
シェアハウスを安定的に運営するには、定期借家契約を採用するのが有効です。
通常の賃貸契約では入居者に強い権利が認められており、退去を求めるのが難しいケースがあります。
しかし定期借家契約なら契約期間終了後に更新義務がなく、オーナーの意思で契約を終了できるのが大きな利点です。
例えば、家賃を滞納しがちな住人やルール違反を繰り返す住人がいても、契約期間が満了すれば退去を求めやすくなります。
トラブルを早期に収束させる仕組みとして有効に機能するのです。
オーナーとしては、安心して運営できる制度を活用することで、収益性と管理の安定性を両立させられます。
参照元:定期借家制度|国土交通省
用途変更を忘れずに行う(住宅→寄宿舎)
シェアハウスを始める際に見落とされがちなのが、建物の用途変更手続きです。
建物を別の用途で使うための法的な切り替え手続きであり、事前に建築基準法の要件を満たす必要があります。
戸建て住宅をシェアハウスとして貸す場合、法的には「住宅」から「寄宿舎」へ用途を変更しなければなりません。
学校や会社などが設置・運営する共同生活型の宿泊施設のことです。
学生や社員など特定の人が利用する前提で作られており、一般的なアパートやマンションとは性質が異なります。
これを怠ると建築基準法違反にあたり、行政指導や罰則を受ける可能性があります。
実際に、用途変更を行わずに運営した結果、消防設備が基準を満たしていないと指摘され、是正命令を受けたケースもあります。
防火ドアや避難経路の確保など、安全に関わる部分が厳しく審査されるため、軽視するのは危険です。
専門家に相談しながら用途変更の手続きを進めることで、法的リスクを回避できます。
法令遵守を徹底しておくことは、安心して経営を続けるための最低限の条件です。
参照元:e-Gov 法令検索|建築基準法
コンセプトを決める
入居者を安定的に集めるには、物件のコンセプトを明確にすることが欠かせません。
ターゲット層に合ったテーマを設定することで、他の物件との差別化を図れます。
例えば、「女性専用シェアハウス」「外国人と交流できる国際シェアハウス」「趣味に特化したコンセプト型」などがあります。
実際に、東京都内では「英会話が学べるシェアハウス」や「クリエイター向けの仕事スペース付きシェアハウス」が人気を集めています。
コンセプトを打ち出すことで入居希望者が自分に合う物件を見つけやすくなり、集客効率が高まります。
さらに、入居後の満足度も高くなり、長期入居につながる効果も期待できます。
シェアハウス管理の実績が豊富な管理会社を選ぶ
管理会社選びは成功に直結する要素です。
経験豊富な管理会社であれば、入居者募集からトラブル対応までスムーズに任せることができます。
良い管理会社を見極めるポイントは3つあります。
- シェアハウス運営の実績件数が多いか
- 入居者対応のスピードが速いか
- 管理費用の内訳が明確であるか
特に実績は信頼性を測るうえで重要です。
数件しか管理していない会社より、数十件以上のシェアハウスを手掛けている会社の方が安心感があります。
オーナーとしては費用だけでなく、サービス内容をしっかり比較することが必要です。
明確なハウスルールを設ける
シェアハウスでは、生活リズムや文化の違う人が一緒に暮らすため、ルールがなければトラブルが発生しやすくなります。
例えば、「ゴミ出しの曜日」「共有スペースの掃除分担」「禁煙ルール」「来客時の対応」などを文書化して提示することが重要です。
入居時にルールを説明し、同意書として署名してもらうと、後々のトラブル防止に役立ちます。
ルールは厳しすぎても居心地が悪くなります。
大切なのは「共同生活を快適にするための最低限のルール」としてバランスを取ることです。
明文化されたルールがあることで、オーナーも入居者も安心して生活できます。
初期費用と収支計画の事前シミュレーションを行う
シェアハウス運営を始める前には、必ず収支計画を立てることが必要です。
初期費用、運営コスト、家賃収入を整理し、利回りをシミュレーションすることで投資の妥当性を判断できます。
たとえば、初期投資500万円、月の家賃収入20万円、年間収入240万円の場合、単純計算で利回りは48%となります。
ここから管理費や修繕費を差し引いて、実際の手残りを試算してください。
シミュレーションを行うことで、赤字になるリスクを避けられます。
数字で判断できれば、感覚に頼らない堅実な経営が可能になります。
以下の記事では、収支計画書の作成方法についてわかりやすく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。


一軒家のシェアハウスの出口戦略4選
シェアハウス経営はスタートすることも重要ですが、終わり方をあらかじめ考えておくことも欠かせません。
出口戦略を持っていれば、収益が下がったときや生活環境が変化したときに柔軟に対応できます。
ここでは代表的な4つの出口戦略を紹介します。
定期的なリフォームで維持する
シェアハウスを長期的に運営するには、定期的なリフォームが必要です。
建物や設備は年数が経つほど老朽化し、入居者から選ばれにくくなります。
適切な時期に改修を行えば、安定的に入居を維持できます。
例えば、10年ごとに外壁塗装や屋根の補修を行う、5年ごとに共用部分のクロスや床材を張り替えるなど、計画的にリフォームを進めると良いでしょう。
水回り設備については、耐用年数が10〜15年程度のため、入れ替えを検討するタイミングを逃さないことが大切です。
リフォームには費用がかかりますが、それを怠れば空室が増えて家賃収入が下がり、結果的に損失が大きくなります。
継続して収益を確保したいオーナーにとって、計画的なリフォームは最も現実的な選択肢のひとつです。
親戚・知人に売却・譲渡する
収益性が下がったり、オーナー自身が高齢になって管理が難しくなった場合、親戚や知人に売却・譲渡する方法もあります。
信頼できる人に引き継げるため、安心感があるのが特徴です。
特に、相続の際に親族が利用したいと考えているケースではスムーズに活用できます。
例えば「子どもが独立するまでの間、シェアハウスとして貸し続け、その後は自宅として使う」といった計画も可能です。
市場に出すより価格は下がる場合もありますが、身近な人への譲渡は信頼関係をベースにできるため、煩雑な手続きやトラブルが少なく済むのがメリットです。
民泊に用途変更する
シェアハウスの需要が減ったときの代替案として、民泊に転用する方法があります。
一般の住宅や空き家の一部または全部を旅行者に有料で宿泊場所として提供する仕組みのことです。
特に観光地や都市部ではインバウンド需要が高く、短期滞在の宿泊施設として活用できる可能性があります。
ただし、民泊を行う場合は「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づく届け出や消防設備の設置など法的な手続きが必須です。
運営可能日数も年間180日以内と制限があるため、事業計画を立てる際には注意が必要です。
2018年に施行された法律で、一般の住宅を活用して旅行者に有料で宿泊させる「民泊」を合法的に行うためのルールを定めたものです。
シェアハウスから民泊へと用途変更する場合、家具や家電がすでに備え付けられていることが多いため、スタート時のハードルが低いのもメリットです。
需要のあるエリアなら、有効な出口戦略となります。
民泊については、以下の記事にて実際の運営レポート形式でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


不動産買取業者に売却する
最もシンプルな出口戦略は、不動産買取業者に売却することです。
すぐに現金化できるため、急な資金需要がある場合や、これ以上の運営が難しいと感じた場合に有効です。
ただし、一般市場に出すよりも価格が下がる傾向があります。
相場より2〜3割安くなることも珍しくありません。
そのため「スピード重視で売却するのか」「できるだけ高値で売るのか」をあらかじめ決めておくことが大切です。
不動産買取業者の中には、訳あり物件やシェアハウス運営の経歴がある物件を積極的に扱う会社もあります。
相談先を選ぶことで、納得感のある売却につながる可能性が高まります。
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シェアハウス経営をはじめ、不動産投資で成果を出すには「どれだけ新鮮な情報を手に入れられるか」が勝負を分けます。
市場に出回る頃には、条件の良い物件はすでに動いていることも多く、一般公開だけを頼りにしていては後れを取るリスクがあります。
だからこそ、投資家として一歩リードするためには、信頼できるチャネルを通じて未公開案件や最新の市況をキャッチすることが欠かせません。
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さらに、専門スタッフに投資に関する相談ができるため、これから挑戦する方にも安心感があります。
空き家活用を検討している人も、新たな投資先を探している人も、アルバリンクのLINEに登録し、投資の視野を広げる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


まとめ
一軒家をシェアハウスにすることで、空室リスクの分散や高収益化を図れる点は、空き家を有効活用したい方や低コストで不動産投資を始めたい方にとって魅力的な選択肢です。
しかし、管理コストの高さや入居者間のトラブル、融資の難しさなどのリスクも内包しており、事前の準備や管理体制の構築が欠かせません。
こうしたリスクを避けつつ安定した収益を目指すためには、利回りの高い物件を選定することが重要です。
特に立地や物件の特性、ターゲット層に合ったシェアハウス運営を行うことで、収益性を高めることが可能になります。
私たちアルバリンクは、訳あり物件専門の買取業者として、利回りの高い投資向け物件を多数取り扱っています。
物件選定から運用までの相談もできるため、不安を抱える方にとっては大きな支えとなるでしょう。
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