こんにちは。仙台で小さなアパートを経営しているhayasakaです。
今回は、土地建物などの不動産投資を行う場合に必要な、初期費用「仲介手数料」について、解説します。
今回も、落語風の問答にしてみましたので気軽に読んでください。
ご隠居:アパート投資に明るい、横丁の物知りご隠居
熊さん:大家さん稼業を夢見る少しだけテンネンな大工さん
【ご隠居と熊さんの不動産投資珍問答】
「仲介手数料」で大事な仲人を選んじゃいけねぇよ。
目次
不動産投資における「仲介手数料」の仕組み
仲介手数料とは
ご隠居!邪魔するよ!
おや、熊さんかい。なんだい、邪魔するんなら帰ってくれぃ。
いや、何も本当に邪魔するわけじゃねぇんだ。
な、ご隠居、ひとつまた聞きてぇことがあるんだ。
ははは、冗談だよ。
で、なんだいその聞きてぇってことは?
実はね、トメの野郎が『不動産取引には、チュウカイテスウリョウってものがあるらしい』なんてほざきやがるんでね。
あっしも勢いで『おお、チュウカイテスウリョウな。あれは醤油をかけると美味い』と返してやった。
合ってやしたかね?
また知ったかぶりしたのかい。
いいかい、それは『仲介手数料』と書いて、不動産を売買するときに仲介業者に支払う手数料のことだ。
ああ、そうだったんすか。
トメの野郎も『俺もおとつい食った!』なんて言いやがって・・
ふふふ、トメさんもどこかで聞きかじった程度なんだろうよ。
いいかい、不動産を売買するには広告を出したり、物件を案内したりと何かと手間や費用がかかる。
そういう、売り手と買い手の橋渡しをする仲人役が、仲介業者だ。
そして、めでたく結婚、つまり売買契約成立となった時に、支払う謝礼が、仲介手数料というわけだ。
なるほど、仲人好きのおせっかいばばあにくれてやる駄賃みてぇなもんか・・
これこれ、そういうことを言うもんじゃない。
しかし、決して駄賃程度ではないよ。
土地売却やマンション売買なんかの物件価格が数千万円、数億円という取引なら、手数料も数百万円、数千万円になることもある。
仲介手数料の計算方法
仲介業者なんざ、しょせん“他人のふんどしで相撲を取っている”だけじゃねぇのか?
それで数百万円も数千万円もかっさらうってわけかい?
随分とアコギな商売だな。
不動産取引は、規模が大きくなればなるほど、手間と時間がかかるものだからね。
それなりの銭がもらえないなら、誰も仲人役なんかやっちゃくれないさ。
おいらなんか、ボタ餅の3つももらえりゃ、喜んで仲人役ぐらいやってやるぜ。
バカなことを言っちゃいけない。
仲介手数料の額は、法律で決まっているんだ。
取引金額によっても違うが、400万円以上の取引なら売買金額の3%に6万円を加えた額だと覚えておくといい。
例えば3000万円のアパートなら96万円。
それに消費税がプラスされる。
つまり100万円ちょっとだな。
しかし、もしも1億円の取引ならどうだ。
えーと・・・・・・・・・いくらになりやすかね、ご隠居?
情けないねぇ・・・306万円プラス消費税だ。
消費税8%なら330万円ちょっと、10%なら336万円ちょっとになるな。
げ、やることはそう変わらないのに、300万円はちょっとべらぼうじゃねぇかな・・・
不動産の売買価格 | 手数料の上限額 |
200万円以下 | 5% |
200万円超400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円超 | 3%+6万円 |
仲介手数料は安くできる
気持ちはわかるが、資格を持った専門家に動いてもらう以上、ある程仕方がないだろう。
ただ、これはあくまでも仲介手数料の上限を決めたもので“これ以上取ってはいけませんよ”という法律なんだ。
てぇことは、交渉すりゃあ、仲介手数料は値引きしてもらうこともできるってわけだな?
そうだな。
特に、仲介業者が1社しか入っていない専任媒介契約を結んでいる場合は狙い目だ。
仲介手数料というのは、売り手からも買い手からももらうことができるんだ。
何?!
つまりこの倍をもらえるってわけか。
3000万円の取引で200万円、1億の取引なら600万円だ。
そりゃボロ儲けだ!
ボロ儲けかどうかは分からないが、このように、売り手・買い手双方から仲介手数料を貰えるような場合は、交渉次第で仲介手数料を負けてもらうことは可能だろうよ。
そりゃ、いいことを聞いた!
いつ支払うのか
しかし、ご隠居、縁談だって途中で破談になることもあらぁな。
もしも、動いてもらった結果、売買不成立となっても、仲介手数料は取られるのかい?
なかなか鋭いことを言うねぇ。
だが、その心配はない。
仲介手数料というのは成功報酬でな、契約不成立なら仲介手数料を払う必要がないことになっておる。
そりゃ、安心だ。
しかし、売買契約が成立しても、いろんな手続きがあるだろ。
中には最後になってやっぱり契約を見送るなんて輩がいないとも限らない。
仲介手数料は一体、いつ払うもんなの?
いい質問だ。
確かに不動産取引は最後の最後までどうなるかわからない。
だから、引き渡し完了時に支払うのが最も安心だな。
しかし、現実には、仲介業者の懐事情もある。
いろんな経費が持ち出しになっているわけだからな。
一般的には、契約締結時に半分、引き渡し完了時に残り半分を支払うというケースが多いようじゃな。
解約となった場合の仲介手数料
手付解除
しかしご隠居、もろもろの事情で最後の最後で契約を白紙に戻すという場合もあるだろう。
そんときゃ、仲介手数料はどうなるんで?
契約時に手付金を入れるから、解約するときはこの手付金を放棄するだけでいい。
これを『手付解除』といい、買い手が契約解除する場合は、この手付金をまるまる放棄すれば解除に応じてもらえる。
売り手が契約解除する場合は、手付金の2倍を払って解除できる。
業界ではこれを『手付倍返し』というんじゃ。
半沢なんとかみたいだな。
はは~ん、売り主の野郎、契約締結後にもっと高値で買うという買い手が現れ、手付け金の倍を支払っても儲かると計算したってわけだな?
まぁ、そういう場合もあるだろうな。
ローン特約による解除
しかしご隠居、いくら買い手に意欲があっても、銀行がローン審査を通してくれずに買えないという場合もあるだろ?
買い手にしてみたら不可抗力だ。
そんな場合でも、仲介手数料は取られてしまうのかい?
それは「ローン特約による解除」というものを結んでおけば問題ない。
万が一住宅ローン審査が通らずに住宅購入できない場合は、契約を白紙に戻すという取り決めで、この場合は仲介手数料を取られることはない。
仲介手数料を安く抑える方法
「売り主」という物件を探す
そういやトメの野郎『チュウカイテスウリョウがいらないこともある』なんてことも言ってたな。
そんなうまい話もあるんでやんすかね?
まぁ、ないこともないな。
まず、売り手が売り主という場合だ。
ウリテガウリヌシ?
なんだいそりゃ、早口言葉か?
不動産会社などが自社所有のマンション売却なんかを直接行う方法で、仲介業者を入れる必要がないので仲介手数料がかからないということじゃ。
不動産マッチングサイトを利用する
なるほど。
要は仲介業者が間に入るから仲介手数料が発生するわけだな?
その通り。
最近ではインターネット上で不動産売買をサポートするサービスも出てきているので、このようなサービスを利用することで仲介手数料を節約するという方法も有効だと言われている。
不動産マッチングサービスの一例(おうちダイレクト)
「仲介手数料0円、半額」は得策か?
ところで熊さん、このごろは仲介手数料0円とか半額をうたっている仲介業者が増えているのを知っているかい?
バカ言ってもらっちゃ困る!
仲介手数料を食いもんだと思っていたほどの俺様だぜ?
知ってるわけがないだろ。
開き直っちゃったよ、この人は。
いいかい、最近は不動産市場も渋いせいか、仲介手数料を無料にしたり、相場よりも安くしてでも客を掴まえたいという仲介業者が出てきたんだ。
そりゃ、いいことじゃないのかい?
確かに売り手にとっても買い手にとっても、仲介手数料が安いに越したことはない。
しかし、よく考えてみな?
市況が悪くなってきたのに、自分の取り分を減らし、みすみす自分の首を絞めるような仲介業者がそんなにいると思うかい?
そりゃ、そうだな。
何かカラクリがあるってわけかい?
もちろん、売り手と買い手双方から仲介手数料を貰えるようなケースでは、買い手側の仲介手数料を無料にするといった、良心的な仲介業者もあるにはある。
その一方で、とにかく客を掴まえてしまえば、あとは口八丁手八丁で血を吸い尽くそうとする連中も不動産の世界には多いのが現実だ。
要するに大事な仲人役には、手数料の安さなんかで選んじゃダメだってわけだな。
簡単に人を信じちゃいけないってことだね。
さすがに長く世間を渡ってきただけあって、ご隠居はなかなかの、あれだな。
なかなかの、なんだって言うんだい?
腹黒だ・・
まとめ
購入価格や、売却価格を交渉するだけで不動産売買の契約を交わしてしまう人が多いのですが、仲介手数料も、法律で上限金額が定められており、交渉によっては手数料の値引きも可能だという事を忘れてはいけません。
特に人口減少・地価下落傾向が加速するこれからは、売り手よりも買い手の発言力がアップする可能性があり、買い手の場合は、積極的に仲介手数料の値下げ交渉を行うべきです。
物件購入の場合には、仲介手数料だけではなく、登記費用や、火災保険料等保険会社への支払い、保証料の支払いがありますし、物件売却の場合には、所得税の支払い等もあるわけですから、少しでも安く仲介手数料を抑える必要があります。
ただし、あまりに厳しい条件を突き付けてしまうと、良質な業者ほど離れてしまう恐れもあるので、あくまでも常識の範囲内で交渉しましょう。
また、仲介手数料がいくら安くても、良質な売り手、買い手を見つけ、確実に契約まで持って行ってくれなければ何にもなりません。
仲介業者を見る場合は仲介手数料の安さよりも、過去の実績や、実際に仲介を依頼した方からの評価・評判をチェックする事の方が、より重要と言えるでしょう。
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