競売公売 大家インタビュー

競売屋が語る、競売不動産のコツ

投稿日:2018年9月20日 更新日:

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[不定期連載]
不動産で“食べたい”人バイブル#06

前回に引き続き、えらてんさん(@eraitencho)に不動産投資家インタビューを行って頂きました。投資家というより、プロの不動産業者さんと言った方が正確ですかね。

今回のゲストは、天婦羅★三杯酢(@templa_3)です。ではではさっそく行ってみます。


 

どうも、えらいてんちょうです。

今回は、大田区で不動産屋経営者として、競売物件に焦点を当てて経営している天麩羅★三杯酢さんに、不動産屋運営における核心である「競売物件」について、他では聞けないお話を聞いてきました。

競売物件を扱う上でのポイント

えらてん

今日はよろしくお願いします。大田区で不動産屋経営者をされている天婦羅★三杯酢さんは、現在「競売物件」を中心に扱っているわけですが、これまで競売物件を扱ってきた上で体験したこと、利益を上げるためにしたことなど、競売物件にまつわるお話をうかがっていけたらと思います。

天婦羅

よろしくおねがいします。

 

えらてん

まずお伺いしたいのが、天婦羅さんのところはどのような競売物件を扱っていますか?また、競売物件を選ぶポイントがあれば教えてください。

天婦羅

かつての取扱物件は、1億円を超えるような投資用物件や、1000平米を超える地方の工場や、普通の一戸建てやマンションなどを扱っていました。ただ、先代が少ししくじってしまったため、かつてよりは投資金額の規模を小さくしています。そのため、現在は東京ではあまり商売をしておらず、ここ10年くらいは関東外の競売物件を扱うことが殆どです。

直近では、一昨年に仕入れて昨年度に売却した物件が長野県の上田にある戸建てでした。競売物件を選ぶ上では、基本的には「儲かる」ものを前提に自社の借り入れを含む資金力の範囲内で購入できることを重視して選んでいます。

競売物件だけではなく、通常の物件を扱う上では多岐に渡って注意しながら物件を扱うことも大切です。建物の維持や権利の確定・維持はもちろん、関係者の把握、公法上の制限、市場性、地域の動き、世間一般の情勢……その土地と建物に関係する全てを把握して見極めることも心がけています。

 

より利益を出すためのスキーム

えらてん

現在では儲けを出すことと、自分の資金力内で購入できることを基準として選んでいるのですね。天婦羅さんはこれらの基準の上で、どのような物件を購入することが多いのですか?

天婦羅

基本的には土地付きの建物を購入しています。建物付きの場合には扱いが難しい分儲けが出やすく、逆に土地だけの物件は扱いが楽な分儲けが少ない傾向にあるためですね。

 

えらてん

確かに、建物付きのほうが利益は出しやすいですよね。天婦羅さんの場合、より多くの利益を出すためにはどのような計画を立てていますか?

天婦羅

商売全てに言えることではありますが、基本的には「安く仕入れて高く売る」ということを心がけています。日本では新築の物件を経済的合理性を上回るレベルで欲しがる傾向にあるため、常に新築にできる更地の土地の流通性が高いのです。そのため、皮肉なことに、ある年月をすぎると日本の建物の価値はどんどん下がり、マイナスになってしまいます。

ですので、建物は木造で10年、鉄骨で20年経過すると価値がゼロ査定となり、除去費を見込むとマイナス評価で取引されることがほとんどです。

しかしながら、実際に人が住むのは建物であり、更地ではありません。ここで、流通している価値がゼロかそれ以下の建物をどうやってプラスの価値に持っていけるのかという点に私の商売のうまみが発生します。

 

実際に競売物件を扱う上で起きたトラブル

えらてん

確かに、安く仕入れて高く売るというのは商売の基本ですね。プラスの価値にもっていけるという点に商売のうまみが発生すると言いましたが、天婦羅さんが今までで一番プラスの価値にもっていけたのはどんな物件ですか?

天婦羅

今までだと、投資向き案件の賃貸用アパートです。8000万円で仕入れて1億3000万円で売却しました。この案件は売却までに時間がかかっており、10月に物件を仕入れて、入居者の非協力的な方々に退去していただき、売却契約は6月に行い引き渡しと決済を7月に行いました。

この物件は投資向け案件ということもあり、将来的に問題を起こしそうな方に退去をお願いし、空いた部屋により良いテナントに組み替えることでより高く売却しました。

 

えらてん

9ヶ月で5000万の粗利はすごい!組み換えを行うことでトラブルを避けるというのも、より高い利益を生むためのコツですね。プラスの価値にもっていけた話を聞きましたが、逆にマイナスになったり、トラブルになってしまったりという経験はありますか?

天婦羅

金銭的にマイナスになってしまった案件もありますし、金額面ではプラスになっても精神的に困ってしまったトラブルも経験しました。

金銭的なトラブルとしては、最初のもくろみと違うところで出費が生まれたところです。リフォームなどを行う際に表から見ただけではわからない欠陥などが見つかったら、それに関しては、前の所有者に対して請求が出来ないのでこちら側が負担することになってしまいます。マイナスになってしまった金額としては500万円ほどになります。

精神的に困ってしまったトラブルとしては、落札した後、私側が言いがかり的な異議申立を裁判所に行い時間稼ぎしている間に、物件の死角になるところに昔から存在していたそれまで全く登記がなかった小屋を、保存登記をされてしまったため、その建物を除去する事が通常の民事執行法上での手続きでは出来なくなってしまった時です。

結局、その悪知恵働く連中にはこちらもいろんな手を尽くしてなんとか解決させました。私たちのノウハウの核心的なところなので、詳細は省かせていただきますが。

 

えらてん

さまざまなトラブルが今までにあったんですね。金銭的トラブルや精神的に参ってしまうトラブルを後超えて今の経営があるわけですが、現在はどのように経営していますか?

天婦羅

現在はある意味幸いなことに動かせるお金が少ないため、とにかく慎重に動き、確実に利益が生まれる自信があるもの以外は手を出さないようにしています。

 

えらてん

確実に利益が生まれるものに手を出すというのは、資金が少ない時には重要ですね。今回はありがとうございました。

天婦羅

ありがとうございました。

 

今回はなかなか生々しい内容でしたね。不動産投資について、何から始めれば良いかわからない、良い物件の良し悪しがわからない、などご質問があればLINE@でもメールでも受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

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