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住まない実家は相続してはいけない7つの理由|処分方法や活用方法も解説

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「住まない実家の相続で悩んでいる」
「相続後の実家の処分方法や活用方法を知りたい」

実家の相続でこのようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

結論、誰も住む予定のない実家は、相続せずに手放すのがおすすめです。

本記事をお読みいただくと、実家の相続に対する悩みを解決でき、相続後に適切な対処ができるようになります。

住まない実家は相続してはいけない7つの理由

はじめに、本章では住まない実家を相続してはいけない明確な理由を解説します。

相続税の負担が増加する

相続税の負担が増加するおそれがあります。

相続税は、被相続人から受け継いだ預貯金や有価証券、貴金属類などが対象であり、不動産も相続税評価額に応じて税負担が生じます。

課税対象が多ければ、当然に相続税の金額が増えます。

固定資産税を負担する必要がある

実家を相続すると、毎年固定資産税の負担が生じます。

なぜなら、固定資産税は毎年1月1日時点の不動産所有者にかかる税金であるからです。

また、実家が市街化区域にあれば都市計画税の負担もあります

維持・管理に手間と費用がかかる

実家の相続後は、維持や管理に手間と費用がかかります。

例えば、空き家は定期的な通風、敷地内の掃除や除草等を行うことで良質な状態を保てます。

これら作業を行うには、時間と労力、実家が遠方であれば空き家管理業者への依頼などで費用負担が生じます。

放置するとさまざまなトラブルが起こる可能性がある

相続した実家の適切な維持管理ができずに放置すると、多くのトラブルに遭うおそれがあります。

例えば、放置すると敷地内に雑草が生い茂り不法投棄され、害虫や異臭が発生することもあるでしょう。

また、老朽化による倒壊や不法侵入者により犯罪に利用される可能性があります。

よって、放置することでさまざまなリスクが生じます。

特定空き家に指定される可能性がある

特定空き家に指定される可能性があります。

特定空き家とは、管理不完全の空き家に対して、自治体が指導や勧告を行う対象の建物になることです。

万が一、勧告に従わないと住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税が増えるリスクもあります

建物を解体して更地にしたら固定資産税が高くなる

建物を解体して更地にすると、固定資産税が高くなります。

その理由は、建物がなくなることで住宅用地の特例から除外されるからです。

よって、更地にしたらなるべく早めに活用、もしくは処分がおすすめとなります。

相続トラブルに発展する可能性がある

相続トラブルに発展する可能性があります。

なぜなら、実家以外の相続財産が少なく複数人の相続人がいれば、分配方法を巡って話し合いが難航する可能性が高いからです。

つまり、売却して現金化したほうが複数の相続人に対して分配しやすくなります。

住まない実家の4つの処分方法

本章では、住まない実家の処分方法について解説します。

売却する

実家を売却して、第三者に譲渡する方法です。

売却ができれば、家の一切の維持管理を行う必要がなくなります。

不動産仲介業者に売却を依頼する

不動産仲介業者に売却を依頼して、一般消費者から買主を探す方法があります。

仲介は高値売却できる可能性があり、売却の結果に満足しやすいことが特徴です。

実家が最寄り駅に近い場合や人気の住宅街にあるなど、立地が良い場合には仲介が良いでしょう。

不動産買取業者に直接売却する

不動産買取業者に直接売却する方法があります。

買取は、不動産業者が買主となるので、現金化を急ぐ場合や仲介で売れないときの手段としておすすめです。

仲介より売却金額は下がるデメリットはあるものの、買取業者さえ決まれば確実に売却できます。

空き家バンクを利用する

主に自治体が運営する空き家バンクに登録して売却する方法があります。

空き家の有効活用等を目的に設立されている空き家バンクは、ほとんどの地域で運営されています。

空き家バンクで買主が見つかれば、自治体が紹介する仲介会社が取引を進めていきます。

寄附する

実家を寄付する方法があります。
寄付の候補先は、以下のとおりです。

  1. 自治体
  2. 法人
  3. 個人

自治体

自治体に寄付する方法があります。

寄付したい場合には、自治体の相談窓口に行ってみましょう。

なお、自治体としては不動産の寄付を受けると地方税である固定資産税等の収入が減ってしまいます。

よって、公共性が高い土地など寄付を受ける条件のハードルは高く、原則自治体が寄付を受けることはあまりないと考えるのが一般的です。

法人

法人に寄付する方法があります。

例えば、公益法人やNPO法人等に寄付するケースです。

これら寄付を受けるかは、各法人の判断となりますが、寄付者と受贈者には各々税金が掛かるケースがあるので注意が必要です。

個人

個人に寄付する方法があります。

例えば、実家を更地にしてから隣地所有者に寄付するようなケースです。

この場合、寄付者と受贈者に各々税金が掛かります。

よって、無償で寄付する不動産でも税負担が生じることを予め寄付する個人に伝えておく必要があります。

相続土地国庫帰属制度を利用する

相続土地国庫制度とは、相続で取得した宅地等の不動産のなかで一定の要件を満たした場合、国に引き渡せる制度です。

この制度の利用条件はハードルが高く、たとえば土地に建物があるだけで利用の対象外となります。

くわしくは、「相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」をご参照ください。

参照:「相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」(政府広報オンライン)

住まない実家だけを相続放棄できない

相続放棄では、住まない実家だけ放棄したいなど特定の財産を対象に行うことはできません。

なぜなら、相続財産には不動産や有価証券などのプラス資産と借金などのマイナス資産がありますが、相続放棄はこれら財産全てが対象であるからです。

相続放棄は、全ての財産を引き継ぐことを放棄することであるため、住まない実家だけの放棄はできないことになります。

なお、財産を相続するか相続放棄するかは、相続開始の日から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要です。

相続放棄の判断基準

相続放棄の判断基準は、一般的にプラスの資産よりマイナスの資産のほうが多いときです。

相続放棄をする最大の目的は、マイナスの資産を受け継がないことであるからです

また、プラスの資産がマイナスの資産を上回る場合でも、その資産を維持するためのコスト負担が経済的に難しいときは相続放棄を選択するケースがあります。

つまり、相続放棄の実行に基準はなく、原則は相続人の意向や考え方により変わってきます。

なお、相続トラブル等に巻き込まれたくないという理由で相続放棄するケースもあります。

住まない実家を相続放棄する場合の注意点

住まいない実家を相続放棄する場合の注意点は、以下のとおりです。

  1. 相続を知ったときから3か月以内に相続放棄するか否かを決めること
  2. すぐに財産管理の義務がなくなるわけではない

まず、財産を相続するか相続放棄するかは、原則相続開始の日から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要です。

そのため相続財産の調査は速やかに行い、その後慎重な判断が必要となりますが例外として以下のようなケースでは、相続開始から3か月を経過しても相続放棄の申述が認められることがあります

  1. 被相続人が亡くなったことを知らなかったとき(亡くなったことを知らない相当な理由があったとき)
  2. 相続財産が全くないと信じていたとき(相当な理由があった場合)

次に、相続放棄後は相続する権利を失いますが、権利者がいなければ国庫帰属となります。

このとき、家庭裁判所が相続財産管理人を選任するまでの期間は、これまで同様に相続財産を維持管理する義務が残ります。

つまり、相続放棄したらすぐに相続財産の管理義務が無くなるわけではありません。

相続放棄の手続きを自分で行う流れ

相続放棄の手続きを自分で行う流れは、以下のとおりです。

  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 被相続人の財産や債務のリストアップ
  3. 法定相続人の確定
  4. 相続放棄申述書を作成して家庭裁判所に提出する

はじめに遺言書の有無と内容を確認します。

遺言書がある場合は、記載された内容に沿って財産を分けるためです。

次に、相続財産のリストアップを速やかに行い、法定相続人の確定をします。

法定相続人間の話し合いの後に相続放棄申述書を提出し、家庭裁判所より相続放棄申述受理書が届けば手続き完了です。

相続放棄の手続きに必要な書類

相続放棄の手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

  1. 相続放棄申述書
  2. 被相続人の住民票除票もしくは戸籍附票
  3. 収入印紙(申述する一人に付き800円)
  4. 郵便切手(連絡用)
  5. 申述する本人の戸籍謄本

審理のために必要な書類は、追加となるケースがあります。

参照:相続の放棄の申述【裁判所】

住まない実家の4つの活用方法

ここまで実家を相続してはいけない理由や処分方法、相続放棄の注意点を紹介してきました。

一方で、実家を相続せざる得ないときや実家をどうしても処分できないケースもあるでしょう。

そこで本章では、住む予定がない実家の活用方法を解説します。

賃貸に出す

実家を賃貸に出す方法があります。

賃貸であれば、賃料収入を得られ固定資産税等の維持費に充当できます。

また、賃借人が住むことで通風等の適度な維持管理ができ、家の劣化を抑制できる効果もあるでしょう。

よって、賃貸に出せば人が住むので、維持管理や費用負担に悩む必要がなくなります。

駐車場経営する

実家を解体して駐車場経営する方法があります。

駐車場経営であれば、初期費用を安く抑えられ更地の土地を有効活用できます。

また、賃料収入を固定資産税などの維持費に充当できるメリットもあります。

なお、更地にすることで住宅用地の特例から除外され、固定資産税が上がるデメリットもあるので注意します。

アパート経営する

実家を解体してアパート経営する方法もあります。

なぜなら、アパート経営することで古い実家の維持管理に悩むことなく、多額の収入を得られる可能性があるからです。

なお、アパート経営は初期費用が高いことやそもそもアパートを建てられる広い成形地、賃貸需要が高いエリアであることなど建てるには多くの条件があります。

アパート経営を進めるなら、不動産業者などの専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

トランクルーム経営する

実家を解体してトランクルーム経営する方法もあります。

トランクルームは、敷地内を整地してコンテナを設置するのみでアパートより初期費用を安く、工期が短期間であることが特徴です。

また、土地一括借り上げ式であれば、トランクルーム業者に土地を貸すのみとなるので、初期費用の負担なく始められます。

土地活用したいと思うも、なるべくトラブルは避けたいと考えるなら、トランクルーム経営がおすすめです。

まとめ

本記事では、誰も住む予定がない実家は相続しないほうが良い理由や処分方法、実家の活用方法等について解説してきました。

原則、使わない実家は早急な売却がおすすめです。

その理由は、維持管理に時間と手間、経済的な負担が所有している期間にかかり続けるからです。

また、相続放棄しようにも状況により管理義務が残ることや、住まない実家だけを相続放棄できないという根本的な問題が残るからという理由もあります。

よって、誰も住む予定がない実家は迅速に売却して第三者に譲渡することがおすすめです。

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