田舎の実家を相続することになり、使わない実家をどうすればよいかお悩みの方もいるでしょう。
いざ相続となったときのために、相続人間で実家の活用方法について話し合っておくことをおすすめします。
活用方法が決まらず空き家としておいておけば、金銭的な損失が膨らむばかりです。
この記事では、実家の処分方法や相続放棄する場合の手順・注意点などを解説します。
ご自身の相続にお役立てください。
目次
田舎の実家はどうするのが良い?
田舎の実家を相続したものの、誰も住む予定がなく活用せずに放置されるケースが多く見られます。
放置することはリスクが伴うためおすすめできません。
どのようなリスクがあるのかを解説します。
相続が発生する前に田舎の実家をどうするか決めておくべき
実家が持ち家ならいずれ家の相続が発生します。
親の死亡後に実家をどのように活用するか、誰が相続するかを事前に決めておいた方がよいでしょう。
法定相続人が複数人いると実家の相続や活用方法について、すぐには話し合いがまとまらないことがあります。
相続発生後は期限内に行わなければならない手続きがいくつかあるため、話し合いがまとまらないと期限に間に合わなくなってしまいます。
また、活用方法を決めないまま相続をすると、使い道がわからず空き家として放置することになりかねません。
スムーズに遺産分割を行い実家を空き家にしないためにも、事前に話し合っておくことをおすすめします。
相続した実家は空き家として放置してはいけない
田舎のいらない実家を相続すると、誰も住まずに空き家となってしまうケースも多いでしょう。
しかし、空き家として所有し続けることで以下のリスクや金銭的な損失を生み出します。
- 税金などの金銭的負担がかかり続けてしまう
- 特定空き家に指定されてしまう可能性がある
どのような損失となるのか具体的に解説します。
税金などの金銭的負担がかかり続けてしまう
実家を所有している限り、さまざまな金銭的負担が発生します。
代表的な負担として固定資産税があり、地域や敷地面積によって異なりますが、田舎でも年間10万円程の固定資産税がかかるでしょう。
実家が遠方にあり相続人が管理をできないとなると、業者に費用を払い、管理を代行してもらわなければなりません。
管理費用の相場は月額5,000~1万円程ですが、国土交通省による調査結果を見ると、年間にかかる費用は以下のようになっています。
年間5~10万円程かかっているケースが18.0%と最も多く、年間30万円以上かけているケースも7.4%ありました。
高額となるケースでは管理する面積が広かったり、庭の草木の手入れの量が多かったりと、追加費用がかかっているようです。
ご自身ですべて管理ができれば管理費用は不要となり、10.7%の方は管理費用をかけずに所有しています。
実家を空き家として維持し続けるには、一般的には多くの費用が必要です。
特定空き家に指定されてしまう可能性がある
特定空き家とは、管理が適切にされずに倒壊の恐れがあったり、荒れ果てて周囲に悪影響を与えたりする空き家のことです。
行政から改善するよう指導が入っても、何も行わなければ特定空き家に指定されます。
特定空き家に指定されると固定資産税が最大で6倍に増額され、罰金が発生したり解体費用を請求されたりすることもあります。
空き家は近隣に迷惑をかけないよう適切な管理を行うか、賃貸や売却を考えるなどの処置を取らなければなりません。
関連リンク:特定空き家は誰が決める?認定基準や指定されないための対策も解説
田舎の実家を相続放棄する場合はどうする?
「住まない実家は相続してはいけない」と言われており、実際に相続放棄をする方もいます。
相続放棄はご自身に相続が発生したことを知ってから、3ヶ月以内に家庭裁判所へ申立てを行わなければなりません。
申立て期限を過ぎると相続放棄ができなくなってしまいます。
相続放棄を考えるなら、後悔につながらないよう基本的な知識を持っておきましょう。
田舎の実家だけを相続放棄できる?
遺産のなかで実家だけを相続放棄することはできません。
相続放棄とは、マイナスの財産だけでなく、ご自身にとってプラスになる財産もすべて放棄をすることです。
いらない実家だとしても、預貯金などほかの財産を手放したくなければ、一度すべてを相続してから実家を処分するとよいでしょう。
または、実家以外の財産がほとんど残されていないような場合は、わずかな財産は諦めてすべてを放棄する選択肢もあります。
残念ながら、ほかの財産を引き継いで実家だけを相続しないという選択はできません。
田舎の実家を相続放棄する場合の注意点
相続放棄をする際には注意点が必要です。
ご自身が相続放棄を行うと、次の順位の継承者に相続権が移ります。
たとえば親が他界して子が相続人であれば、子が相続放棄をすれば次の継承者である孫に相続権が移ります。
孫がいない場合は父の兄弟に相続権が移るため、そのことを次の相続人に知らせなければなりません。
後々のトラブルにならないよう、忘れずに次の相続人に伝えるようにしましょう。
田舎の実家を相続放棄する手順
ここからは相続放棄の手順を紹介します。
- 相続財産をすべて調査する
- 相続放棄するかどうかを判断する
- 必要書類を集める
- 家庭裁判所へ申立てをする
財産調査は故人の預貯金・有価証券・不動産・負債など、すべての財産を把握するために行います。
調査した財産を基に相続放棄をするかどうかを決めるため、財産調査は漏れのないように行わなければなりません。
相続放棄を決めたら、戸籍謄本などの必要書類を添えて家庭裁判所に申立書を提出します。
ご自身で難しいようなら、弁護士や司法書士などの専門家に依頼をするとよいでしょう。
申立てまでの手続きをすべて代行してもらうこともできます。
田舎の実家は売却できないと言われる理由
田舎にある実家は売却ができないといわれていますが、その理由は以下のとおりです。
- 立地条件が悪い
- 老朽化している
- 不動産仲介業者が見つからない
それぞれの理由を詳しく解説します。
立地条件が悪い
田舎の実家が売れない理由の多くに立地の悪さがあげられます。
スーパーや病院などの生活に欠かせない施設が近隣になく、最寄りの施設まで車で数十分かかるような場所もあるでしょう。
利用できる公共交通機関の本数が極端に少なく、交通の便が悪いのも田舎の特徴です。
日常生活に不便な場所は需要がなく、安い価格で売り出しても買い手が付かないことも珍しくありません。
老朽化している
相続した実家の多くが築年数が古く、老朽化していることも売れにくい理由の一つです。
老朽化した家を買い取って住むには大規模な修繕が必要となり、多額の費用がかかります。
場合によっては購入者の負担で解体をしなければならないかもしれません。
老朽化した家は安さよりもデメリットが目立ち、なかなか買い手は付きにくいものです。
不動産仲介業者が見つからない
田舎の実家を売却するとしたら、安い価格で売り出すケースが多いでしょう。
安い価格での取引は不動産会社に入る仲介手数料が少なく、会社にとってはあまり利益となりません。
さらに立地の悪さや老朽化などの問題があれば、買い手が付かない見込みもあるため、不動産会社が取り扱いに消極的なこともあります。
条件の悪さがネックとなり、不動産仲介業者が見つかりにくいのも売却できない原因となっています。
田舎の実家を売却する場合はどうする?
田舎にある実家を売却するには、以下の3つの方法があります。
- 不動産会社に買い取ってもらう
- 不動産会社に仲介してもらう
- 空き家バンクを活用する
それぞれのメリットやデメリットも交えながら、特徴を詳しく解説します。
不動産会社に買い取ってもらう
不動産を自社で直接買取を行う業者もあります。
直接買取のメリットは仲介手数料がかからず、買取価格に納得ができればすぐにでも売却ができるところです。
不動産会社が買い取ってくれるため、買い手が見つかるのを待つ必要がありません。
買取は処分を急いでいる方におすすめです。
ただし、買い手を見つけて売るよりも売却額が低くなる傾向にあるため、時間がかかっても高く売りたい方には不向きです。
不動産会社に仲介してもらう
仲介とは、不動産会社に販売を委託して買い手が見つかったら売却を行う方法です。
不動産会社による直接買取よりも高い価格で売却できる可能性があるため、少しでも高く売りたい方におすすめです。
デメリットとして、買い手が見つからなければいつまで経っても売れないことと、仲介手数料がかかることがあげられます。
仲介手数料は売却価格の3〜5%に消費税を足した額がかかるため、高く売れる程手数料も多く取られます。
買取との違いを理解して選ぶとよいでしょう。
空き家バンクを活用する
空き家バンクとは、空き家を売りたい方と買いたい方を結びつけるために、各自治体が行うサービスです。
売りに出しても買い手が見つからないときや、不動産会社に買取を断られてしまったときには、空き家バンクを利用する方法もあります。
田舎に移住したい方が購入するケースが多いため、低価格で売り出せば成約に結びつく可能性もあります。
ただし、空き家バンクは不動産会社のようなプロや自治体が関与せず、売主と買主で直接取引を行うため、責任と知識が必要です。
万一の際のトラブルにご自身で対処しなければならない点は、デメリットになるでしょう。
まとめ
使わない実家をどうすればよいか、田舎の家のたたみ方を売却や相続放棄などの方法で解説をしました。
活用方法を考えないまま相続をして、空き家として所有し続けるとリスクと金銭的な負担が生じます。
相続前に実家をどうするか決めておき、空き家の放置をしないことが大切です。
株式会社アルバリンクでは、他社で買取を断られてしまった実家でも積極的に買取を行います。
全国エリア対応で訳あり物件の買取に特化しているため、老朽化した物件や立地の悪い田舎の物件でも買取可能です。
実家が売れずに困っている方はぜひ無料査定をお試しください。