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古い家を売る7つの方法|放置するリスクと注意点も解説

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相続した実家が空き家になっている、親が高齢者施設に入ったので、無人になっている家があり、そのような「古い家」をなんとかしたいと思っている方は多いのではないでしょうか。

古い家を放置するリスクは甚大です。

しかし、古い家は売れるのでしょうか。

古い家の売却は確かに簡単ではありませんが、いくつかの方法と、注意点を押さえれば、決して不可能ではありません。

この記事では、古い家を売る7つの方法について解説します。

古い家の基準

築何年目から「古い家」と言われるのか、具体的な基準は以下の2つです。

    • 法定耐用年数を超えている
    • 耐震性の基準が古い

この二つの基準では、築年数や新築された年という客観的な数字から古い家かどうかを判断します。

以下にこの二点について解説します。

法定耐用年数

古い家の基準の一つには、法定耐用年数があります。

家は税法上減価償却資産なので、築年数が経つほど資産価値が下がります。

その減価償却率は家の建築素材などから計算されますが、木造家屋だと、約27年、鉄筋コンクリート造りでも約47年で資産価値がなくなるとされます。

木造家屋であれば、20年程度経つと、古い家と言われるようになります。

なお、これはあくまでも税法上の基準であり、それより古くなると住めないわけではありません。

参照:  【国税庁】 減価償却費 耐用年数(建物/建物付属設備)

耐震性

地震の多い日本では、建物の耐震性の基準は極めて重要です。

1981年5月31日までの建築確認において適用されていた耐震基準を「旧耐震基準」、同年6月1日から適用された耐震基準を「新耐震基準」といいます。

旧耐震基準の住宅は新耐震基準の住宅よりも耐震性が劣るとされ、古い家と判断されてしまいます。

参照:【国土交通省】住宅・建築物の耐震化について

古い家を放置する3つのリスク

居住していない古い家を放置すると、近隣地域にも迷惑がかかり、所有者も固定資産税の負担が増えるなどのリスクがあります。古い家を放置するリスクの代表的なものは次の三点です。

    • 倒壊の危険性がある
    • 固定資産税が高くなる可能性がある
    • 近隣住民とトラブルになる可能性がある

それぞれ以下に説明します。

倒壊の危険性がある

古い家は耐用年数が過ぎていて、たとえ住むのに問題がないように見えても躯体の素材が経年劣化しています。

また、新しい耐震基準を満たしていないので、耐震工事をしていない場合、震度5以上の地震では倒壊する危険が高いでしょう。

空き家状態ならば、日頃のメンテナンスが施されていないので建物の劣化は予想以上に進んでいると思われます。

これでは、地震に限らず、思いがけないときに倒壊してしまう可能性があります。

固定資産税が高くなる可能性がある

通常、居住用の建物がある場合、その土地の固定資産税は軽減措置が適用されます。200㎡までの普通の住宅なら、固定資産税は評価額の6分の1にまで減額されます。

ですが、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の「特定空き家」、または「特定空き家」になる恐れのある「管理不全空家等」であると自治体から指定され、勧告を受けると、土地の固定資産税軽減措置は受けられなくなります。

その結果、最大6倍に固定資産税が増額される可能性があります。

参照:【国土交通】省空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報

近隣住民とトラブルになる可能性がある

空き家とその敷地内は所有者の日頃の管理が疎かになりがちです。

雑草、植木の越境による近所迷惑はもちろん、ゴミの不法投棄や、空き家への不法侵入など、防犯上好ましくない環境になりかねません。

そのため近隣住民とのトラブルとなる可能性があります。

古い家を売る7つの方法

居住していない古い家は、所有し続けることにメリットがなく、できれば手放したいものです。

条件の悪い古い家の売却は確かに難しいのは事実ですが、まったく方法がないわけではありません。

考えられる方法は以下の7つです。

    • 中古住宅として売る
    • 古家付きの土地として売る
    • 古家を解体して更地として売る
    • リフォームして売る
    • 空き家バンクを利用して売る
    • 隣地の所有者に売る

それぞれの方法と、そのメリット、デメリットを紹介します。

中古住宅として売る

土地付中古住宅としてそのまま売却する場合、売却にかかる費用や手間が少なくて済みます。

売れる可能性があるならば、そのまま売却するのがお勧めです。

過去にリフォームしていて設備が新しい立地条件が良い物件は買い手がつく可能性があります。

また、非常に古いけれども、造りがしっかりしている家は、古民家として売り出す方法もあります。

古家付きの土地として売る

古家付きの土地として、土地だけの値段で売りに出す方法もあります。

この場合、土地付中古住宅としてはお買い得な価格となるので、今は古い家を買っておいて、将来建て替えたいという人には魅力的な物件となります。

この方法は「土地のみ売却」よりも購買層が広くなるのがメリットです。

ただし、土地だけほしいという買主の場合は、古家の解体費用は売主が負担することがほとんどです。

この場合、解体費用の負担のために利益が少なくなるのがデメリットです。

古家を解体して更地として売る

建物の劣化がひどい場合などは、家を解体して更地にしてから売り出します。

この場合は、建物の解体費用、整地の費用が必ず売主の負担になるのがデメリットです。

「更地の方が売れやすい」という考え方もありますが、物件の立地次第では、前記のように古家付でも売れる場合があります。

また、更地にしてから売買契約まで1年以上経ってしまうと、その土地は居住用財産としての譲渡所得の控除が受けられなくなります。

解体してしまう前に不動産会社に相談してみることをお勧めします。

参照:  【国税庁】 No.3302 マイホームを売ったときの特例

リフォームして売る

古い家をある程度リフォームしてから中古住宅として売却する方法です。

この場合、売主がリフォーム費用を負担することになります。

例えば水回りが新しい耐震補強をしてある、というリフォームは、買い手がつきやすくなる可能性があります。

ただし、高額なリフォーム費用を回収できるか検討が必要です。

空き家バンクを利用して売る

古い家はを空き家バンクに登録して売却する方法もあります。

空家バンクは、自治体やNPOが運営する住宅の賃貸、売買サイトです。

営利を目的にしていないので、利用料や仲介手数料は無料です。

ただし、売買契約は当事者同士で行うため、トラブルが起こった場合もすべて自分で対応しなければならないのがデメリットです。

また、価格設定も非常に低く、販売促進の営業もないので、売却まで時間がかかる場合もあります。

隣地の所有者に売る

古い家の近隣の住民に売却するのも一つの方法です。

二世帯住宅を建てるために家の敷地を広げたい、近所に子どもの家を建てたい、というニーズは意外に多いものです。

近所との付き合いが良好な場合には特にお勧めな方法です。

話がまとまってから不動産会社に仲介を依頼するとよいでしょう。

不動産買取業者に直接売る

古い家を不動産会社に買い取ってもらう方法は、一番手間暇がかかりません。

買取業者は古い家をリフォーム、または建て替えや土地利用など、自社物件として再利用します。

そのためのリフォーム代や解体費用を見込んで買取るので、仲介で買主を探して売却した場合よりも5〜8割の価格になってしまいます。

古い家を売却する際の5つの注意点

古い家の売却は家の状態や立地によっては不可能ではありません。

古い家を売却する際に押さえるべき5つのポイントを以下に挙げます。

    • 古い家の売却を得意とする不動産会社に依頼する
    • 解体やリフォームは自己判断しない
    • 解体する時期に注意する
    • ホームインスペクションを検討する
    • 自治体の補助金制度を確認する

古い家の売却を得意とする不動産会社に依頼する

古い家の売却は簡単なことではなく、新築物件や築浅の中古物件を扱うよりも営業力が必要です。

物件の立地を含めた地域情報を熟知し経験豊富な、古い家の売却を得意とする不動産会社に依頼しましょう。

解体やリフォームは自己判断しない

古い家は古家付土地として売れる可能性もあります。

急いで解体せずに不動産会社に相談してみましょう。

また、古い家をリフォームして売ることを検討している場合は、リフォーム費用を回収できるかどうか検討が必要です。

そちらも事前に複数の不動産会社に相談してみましょう。

解体やリフォームを自己判断で急がないことが大切です。

解体する時期に注意する

居住用の建物が立っている土地は固定資産税の軽減措置があります。

固定資産税は毎年1月1日に算出されますが、1月1日の時点で家があれば、例えば1月2日に解体したとしても固定資産税は軽減措置を受けられます。

ところが、前年の年末に解体し、年を越しても買手がつかなかった場合、翌年の固定資産税は軽減措置を受けられません。

すぐに売却できる見込みがない場合は、解体の時期にはくれぐれも注意しましょう。

ホームインスペクションを検討する

ホームインスペクションとは、専門家に依頼して、住宅の耐震性ほか構造上の主要な部分の安全性や、雨水の浸入を防止する部分の劣化を調査、点検することです。

また、修繕が必要な場合は、そのタイミングや費用もアドバイスしてもらえます。

古い家も、インスペクション済みの物件として売り出すことで、早く売却できる可能性が高くなります。

なお、不動産買取会社に買取を依頼する場合はホームインスペクションは必要ありません。

自治体の補助金制度を確認する

自治体によっては、耐震リフォームや解体工事の費用を補助する制度があります。

条件に合えば、補助金を利用して古い家の耐震リフォームをして売却したり、解体の費用を助成してもらうことも可能です。

以下は東京都の例です。

自治体 対象 助成の内容
新宿区 木造住宅の解体(除却工事)新築(不燃化建替え工事) 上限50万~300万円
練馬区  住宅の耐震診断や耐震改修工事、除却工事、建替え工事など 費用の一部
千代田区  高齢者などが居住する木造住宅の耐震診断や耐震改修 費用の一部 2021年(令和3年)度~2025年(令和7年)度までは、高齢者などが居住しなくても対象になる

自治体の補助金制度は毎年変わります。

こまめに自治体のホームページなどをチェックして、助成の対象となる制度が実施されているかどうか確認しましょう。

まとめ

居住していない古い家をそのまま放置すると、家の倒壊や近隣とのトラブルのリスクがあるだけでなく、特定空き家と指定されてしまうと固定資産税が最大6倍にも増額されるデメリットがあります。

古い家の売却は確かに簡単ではありませんが、物件によってはそのまま中古住宅として売れる場合もあり、古家つきの土地として売りに出すことも一つの方法です。

自己判断で解体やリフォームを急がず、古い家の売却に強い不動産会社に相談することをお勧めします。

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