「共有持分権について知りたい」
「共有持分権のメリット・デメリットを知りたい」
「共有持分権はどうすれば放棄できるんだろう」
今回は、共有持分権について解説します。
共有持分権とは不動産を複数人で所有する際に発生する権利のことで、多額の税金を控除できるといったメリットがあります。
しかし、不動産の利用が制限されるデメリットがあるのも事実です。
そのため、ご家族ごとに適した方法で共有不動産を管理することが大切です。
本記事では以下について解説します。
- 共有持分権とは?
- 共有持分のメリット・デメリット
- 共有名義不動産における共有状態を解消する方法
最後まで読めば、共有状態の解消方法まで理解できます。
共有持分権について知りたい方は、ぜひご覧ください。
なお、弊社(株式会社 AlbaLink )は不動産に強い専門業者です。
ご相談くだされば、共有不動産についてサポートするのでお気軽にお問い合わせください。
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目次
共有持分権とは?
共有持分権とは財産を複数人で共有している際に、共有持分やそれに伴って発生するさまざまな権利のことです。
共有持分
不動産を複数人で共有し、それぞれが持っている所有権割合のこと。
共有名義
複数人でひとつの不動産を共同で所有すること。
たとえば、4,000万円の住宅を購入したときに夫が3,000万円支払い、妻が1,000万円支払ったとします。
そのときの共有持分は夫が3/4、妻が1/4です。
しかし、住宅の3/4を夫が所有し、1/4を妻が所有するのではなく夫婦それぞれが住宅全体を使用できるため注意しましょう。
住宅の所有権割合が異なるだけで、不動産自体は全体を使用できます。
共有持分のメリット・デメリット
共有持分にはメリットとデメリットがあります。
それぞれ解説するのでご覧ください。
メリット
共有で住宅ローンを組む場合にそれぞれ控除が受けられる
住宅ローン控除
年末残高の0.7〜1%(最大控除額は年40万円)が最大13年間にわたって所得税と住民税から減税される制度。
参照本:国税庁|一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
共有持分の場合、住宅ローン控除を夫婦それぞれが適用できます。
住宅ローンを利用して4,000万円以上を借り入れる場合は、単独で借りるよりもペアローンや連帯債務を利用しましょう。
ふたり分控除できるためローン控除額が大きくなります。
売却する場合も控除額が増える
家を売却すると譲渡所得を得られますが、同時に譲渡所得税が課税されます。
しかし、一定の条件を満たせば、3,000万円まで課税されない軽減措置を受けることが可能です。
3,000万円の特例は夫婦それぞれで適用されるため、売却取得額が6,000万円までは譲渡所得税を支払う必要がありません。
夫婦で共有持分を所有していれば、3,000万の特例もふたり分受けられるのです。
なお、居住用財産を売却したときに発生する3,000万円の特例については、関連記事「3000万円特別控除とは?適用要件や併用可能な特例について解説」で解説しているのでご覧ください。
デメリット
不動産の利活用が制限される
不動産を共有持分にすることでデメリットも発生します。
共有不動産であるため、不動産の管理や変更にはほかの共有者の同意が必要です。
特に以下の4点で管理・運営が困難になるでしょう。
- 共有物の使用
- 共有物の変更
- 共有物の管理
- 共有物の保存
ひとつずつ解説します。
共有物の使用
各共有者は持分割合に関係なく、その不動産の全てを所有できます。
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
引用元:e-Gov|民法第二百四十九条
そのため、共有名義の不動産であれば、プライベートの空間に共有者が侵入していても住宅から追い出せません。
住宅を賃貸に出したいと思っても別の共有者が住み続けることを希望した場合、トラブルに発展する可能性があります。
共有物の変更
共有物の変更には建物の取り壊しや第三者への売却などがあります。
また、変更は軽微な変更とそれ以外の変更に分かれており、軽微な変更は形状または効用が著しく変わらない変更です。
それ以外の軽微でない変更の場合、建物取り壊しや売却などで共有者全員の同意が必要です。
共有持分にしている分、住宅を簡単に解体・売却できなくなります。
参照元:e-Gov|民法第二百五十一条
共有物の管理
共有物の管理とは、共有不動産を利用・改良することです。
共有物の改装や宅地の整地などが該当します。
共有物の管理に関する事項は過半数の同意が必要です。
つまり、兄弟3人で1/3ずつの共有名義の場合、2人以上の同意がなければ改良や改装はできません。
共有不動産の改装も簡単にできないため注意しましょう。
参照元:e-Gov|民法第二百五十二条
共有物の保存
共有物の保存とは共有物の現状を維持するための行為で、修繕や共有物を不法占拠している者への明渡請求などがあります。
保存行為は共有者全員の利益になるという理由で、それぞれの共有者の承諾は必要ありません。
不動産が老朽化しているための修繕・修理は保存行為に該当し、ほかの共有者の許可なく修理できます。
しかし、不動産が傷ついていないがおしゃれにしたいため、修理する行為は変更に当たります。
変更は共有者全員の同意が必要なので注意が必要です。
参照元:e-Gov|民法第二百五十二条
権利関係が複雑になる可能性がある
共有持分を売却するのに、ほかの共有者の許可は入りません。
そのため、一部の共有者が全く知らない第三者に共有持分を売却する可能性があります。
その場合、権利関係が複雑になるでしょう。
相続が発生した場合も亡くなった人の共有持分を分割するといった対応が必要になるため、複雑になりやすいです。
共有持分には、以上のようなデメリットも存在するため把握しておきましょう。
共有名義不動産にかかる税金は誰が負担する?
共有名義不動産にかかる税金は共有者全員が連帯して負担します。
納税通知書は一部の共有者に対して送付されますが、各々の共有持分に応じて納税するわけではありません。
支払内訳は共有者どうしで相談でき、以下のような支払いも可能です。
- ひとりの共有者のみが全額負担する
- 夫婦で半分ずつ負担する
- 共有者が4人いるため4分割して負担する
納税義務は共有者全員に生じますが、負担割合は共有者どうしの相談によって決定できます。
共有名義不動産における共有状態を解消する方法
共有名義不動産における共有状態を解消する方法は、以下の3つです。
- 共有持分を放棄する
- 共有物を分割する
- 共有持分を売却する
順番に解説します。
共有持分を放棄する
共有状態を解消する方法としておすすめなのが持分を放棄することです。
共有者は単独で自由に持分放棄できるからです。
放棄された持分は別の共有者に帰属されます。
実際に放棄するには、共有不動産を管轄している法務局で持分移転登記を行います。
放棄自体は単独でできますが、持分移転登記をするには移転される共有者と一緒に手続きする必要があるので注意しておきましょう。
参照元:e-Gov|民法第二百五十五条
共有物を分割する
共有物を分割することで、共有状態の解消も可能です。
共有物の分割方法には以下の3つがあります。
- 代償分割(特定の共有者が共有持分を全て取得し、ほかの共有者に代金を支払う分割方法)
- 換価分割(共有不動産を売却し、持分に応じて金銭を分配する方法)
- 現物分割(共有名義不動産を物理的に分割する方法)
共有不動産を手放したくない場合は、不動産を保有したままで持分を放棄できる代償分割がおすすめです。
また、共有不動産自体が不要な場合は、換価分割して金銭を取得してもいいでしょう。
現物分割は土地に利用されることがありますが、適用されるケース自体は多くありません。
共有持分を売却する
共有持分をほかの共有者に売却することも可能です。
別の共有者が存在する不動産を所有したい第三者は多くないため、共有不動産内の共有者に売却することを意識しましょう。
共有不動産内の共有者への売却によって不動産が単独名義になれば、共有状態を解消できます。
共有者全員で話し合い、共有不動産を専門会社に売却することも可能です。
個人に売却するのが難しい場合、共有不動産を取り扱う専門会社に相談してみてください。
まとめ
本記事では、共有持分権についてご説明しました。
共有持分権とは財産を複数人で共有する際に発生する権利のことで、税金控除が大きくなるメリットがありますが、不動産を自由に管理できないデメリットもあります。
共有不動産を解消する方法として、持分を放棄したり売却したりする方法があります。
ご家族にあった方法で所有不動産を管理しましょう。
なお、弊社(株式会社AlbaLink)は、年間相談実績が3,000件以上の不動産に強い専門の買取業者です。
共有不動産の活用方法についても対応しています。
ご家族にあった活用方法の提案や買取も受け付けているのでお気軽にご連絡ください。
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