擁壁付き土地はやめた方がいい?投資物件としてのリスクや3つの回避策


「擁壁がある土地は投資しない方がいいのでは…?」そんな不安を感じていませんか。
確かに、擁壁付きの物件には修繕費や法的リスク、災害時の被害など注意すべき点が多くありますが、リスクを正しく理解し、適切な対策を取ることで投資対象とすることも可能です。
ただし、擁壁の状況次第では思わぬ高額費用が発生したり、売却しづらくなったりするリスクがあり、事前の確認や知識が不可欠です。
この記事では、擁壁付き投資物件を検討する際に知っておきたいポイントを、以下の見出しに沿って解説します。
最後までお読みいただくことで、擁壁物件特有のリスクや不安を解消し、適切な判断を下すための知識が身につきます。
なお、私たちAlbalink(アルバリンク)では、訳あり不動産や擁壁付き物件など、一般には敬遠されがちな土地でも、しっかり調査し投資価値のある物件をご紹介しています。
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目次
「擁壁はやめた方がいい」と言われる3つの理由
擁壁付き土地が「やめた方がいい」と言われるのは、複数の具体的な理由があります。
ここでは特に注意すべき3つのポイントについて、詳しく解説します。
修繕や補強に高額な費用がかかる
擁壁は土地の高低差を支え、安全性を確保する重要な構造物です。
しかし、耐用年数や経年劣化に伴い、補修や補強が必要になるケースは少なくありません。
場合によっては、多額の費用負担となり、投資の収益性を大きく損ねます。
例えば、鉄筋コンクリート造の擁壁は一般的に30〜50年程度の耐用年数が目安とされますが、定期的な補修が必要です。
下の表は、内容ごとの補修費用の相場です。
補修内容 | 補修費用の目安 |
ひび割れの補修 | 3万円~(1m当たり) |
水抜き孔の設置 | 約3万円(1ヶ所) |
石積補強 | 約4万~10万円程度(1㎡当たり) |
参照元:第15回 やばい擁壁!!工事内容と費用は?【補修編】|日本擁壁保証協会
このように、想定以上の追加費用が発生する可能性があるため、事前に調査と予算の検討が重要です。 修繕が必要かどうか、施工状況や劣化状態のチェックも欠かせません。
法令違反や是正命令が後から発覚する
擁壁は建築基準法や自治体の条例で規制されていますが、現行基準を満たしていない不適格な擁壁も少なくありません。
購入後に検査済証がないことや許可されていない施工が発覚し、是正命令が出されるケースもあります。
特に、高さ2メートルを超える擁壁は建築確認申請が必要です。
無許可で造成された擁壁は危険と判断され、補修や撤去の指示が下る可能性があります。
東京都をはじめ多くの自治体が独自の規制や検査を行っており、安全性が確認されていない場合はリスクが高いです。
是正命令に従わざるを得ない状況になると、所有者の責任で補強や撤去の費用を負担する必要があります。
安全性や法律面を確認し、検査済証や設計図などの書類を必ず確認することが重要です。
災害で倒壊し資産価値が落ちる
擁壁は豪雨や地震などの自然災害によって崩壊する危険性があります。
特に盛土や石積み擁壁は強度不足で崩れやすい傾向にあります。
擁壁が崩壊すると、建物が使用不能になるだけでなく、近隣に被害を与えるリスクもあります。
その結果、補償や修復にかかる負担が増し、土地や建物の資産価値が大幅に下がります。
こうしたリスクを避けるためには、強度や安全性を確認する専門家の検査や、地盤の状況を把握する調査を事前に行うことが大切です。
法的・構造的に注意すべき擁壁物件の3つのリスク
擁壁物件を購入する際は、法的・構造的なリスクを見落とさないことが重要です。
法律や基準に合わない擁壁は、後からトラブルや追加費用につながる可能性があります。
ここでは、特に注意したい3つのリスクを解説します。
これらのリスクを知り、対策を検討することで、より安全で安心な物件選びが可能になります。
不適格擁壁かどうか見極める
不適格擁壁とは、現行の建築基準法や自治体の条例に適合していない擁壁のことです。
現在の法令や基準に合っていない擁壁(ようへき)のことです。
過去に合法だった擁壁でも、その後の法改正などによって「現行ルールに適合しない状態」になった擁壁を指します。
古い住宅地では、設計時の基準が緩かったために、現在では基準を満たさない擁壁が残っていることが一般的です。
不適格擁壁を購入してしまうと、将来的に補強や撤去が必要になる可能性が高く、予算を圧迫します。
例えば、鉄筋コンクリート造でない古い石積み擁壁は耐震性に乏しく、補強費用が高額になるケースがあります。
適合性を見極めるためには、建築家や構造の専門家に検査を依頼し、検査済証や設計図書の有無を必ず確認しましょう。
高さ2m超の規制や是正義務を把握する
建築基準法では、高さ2メートルを超える擁壁は「工作物」として建築確認申請が必要です。
無申請や違法な施工の場合、自治体から是正命令が出される可能性があります。
擁壁の高さや構造は一見わかりづらく、境界からの測定方法や地盤の高低差の判断が重要です。
是正命令が出た場合、補修や撤去に多額の費用がかかり、投資回収が難しくなります。
購入前に必ずメートル単位で高さを測り、自治体に確認申請の有無や許可状況を問い合わせるようにしましょう。
建築確認や境界トラブルを防ぐ
擁壁が敷地の境界線上にある場合、隣地とのトラブルの原因になることがあります。
擁壁が隣地に越境していたり、境界が不明確だと、工事や補修の際に紛争につながります。
また、建築確認申請がされていない擁壁は、建物の建築時にも問題になる可能性があります。
確認申請が済んでいないと、新築や増改築の際に許可が下りないこともあるため注意が必要です。
事前に土地家屋調査士や不動産業者に境界線や確認申請の状況を調べてもらい、写真や図面で証拠を残すようにしましょう。
投資物件としての流動性に影響する擁壁物件のデメリット
擁壁物件は、将来的な売却を考えるとデメリットも少なくありません。
購入時には見えないデメリットが、出口戦略に大きな影響を及ぼすケースがあります。
ここでは、流動性を低下させる2つのポイントを解説します。
買い手が少なく売却に時間がかかる
擁壁物件は一般的にリスクが高いと認識されているため、買い手が限られます。
住宅地やマンション用地としての需要が高い地域であっても、擁壁付きの斜面地や高低差が大きい敷地は敬遠される傾向があります。
そして、買い手が見つからないことで、売却までに長期間かかることも珍しくありません。
その結果、維持管理費用や固定資産税の負担が続き、投資効率が低下します。
流動性を重視する不動産投資家は、売却の難しさを十分に理解したうえで検討する必要があります。
市場価値が下がり出口が難しくなる
擁壁の状態や法的リスクがネックとなり、買い手から値引きを要求されることが多いのも特徴です。
現行基準に適合していない擁壁では、物件価格が相場の1割〜2割程度安く査定されることもあります。
出口戦略を見据え、購入前に地盤や擁壁の安全性を調べるとともに、将来的な価格下落リスクを想定して予算を立てることが肝心です。
擁壁付き土地に潜む見落としやすい3つの課題
擁壁付きの土地には、一見しただけではわからない課題が隠れているケースがあります。
これらを見落とすと、予想外の追加費用やトラブルにつながり、投資判断を誤る可能性があります。
ここでは見落としやすい3つの課題を紹介します。
擁壁の寿命や定期改修の費用を見込む
擁壁は半永久的なものではなく、年月が経つにつれ劣化していきます。
鉄筋コンクリート造の擁壁でも一般的な耐用年数は30〜50年とされ、それ以降は強度が落ちるため、補強や補修が必要です。
石積みやブロック積みの場合はさらに寿命が短い傾向があります。
以下は、擁壁の種類ごとの寿命と補修の目安です。
擁壁の種類 | 寿命の目安 | 補修頻度の目安 |
石積み | 0年 | 現在では危険擁壁に指定されており、 早急な作り替え・補強工事が必要 |
ブロック積み | 20〜40年 | 10〜15年ごと |
鉄筋コンクリート造 | 30〜50年 | 20年ごと |
定期改修の費用も高額になるため、耐用年数や現在の施工状況を必ず確認し、将来の予算に組み込むようにしましょう。
擁壁の状態次第で住宅ローンが通らない
擁壁の安全性が低い場合、金融機関の審査が通らず、住宅ローンを組めないケースがあります。
特に新築を建てるために土地を購入する場合、地盤や擁壁の強度が基準を満たしていないと判断されると、融資が拒否されることがあります。
不動産の売買契約後にローン審査が否決されると、手付金を失う可能性もあるため注意が必要です。
事前に擁壁の状態を専門家に検査してもらい、写真や報告書で確認しておくと安心です。
地盤の影響で追加工事が必要になる
擁壁は、単体の構造物だけでなく、その背後の地盤と一体で安全性が確保されています。
地盤が弱い場合、擁壁の補強や地盤改良工事が必要になり、想定外の追加費用が発生します。
例えば、擁壁の裏側が「盛土」で構成されている場合は、締め固め不足や水抜き不良による崩壊リスクがあります。
低い土地や傾斜地に土を盛って地盤を高くする工事や、その土自体を指します。
宅地造成や道路工事など、建築や土木の現場でよく使われます。
地盤調査(ボーリング調査や表面波探査)を依頼し、地耐力や水抜きの状態を確認してから購入を検討することが大切です。
- ボーリング調査
- 地面に穴を掘って地下の地盤の状態を調べる調査方法のことです。
建物や道路などの建設前に行われる、地盤調査の基本かつ重要な手段です。 - 表面波探査
- 地面に人工的な振動(地震波)を与え、その表面を伝わる波(表面波)の伝わる速さを使って地盤の硬さや構造を調べる方法です。
建物の建設前などに行う非破壊型の地盤調査として使われます。
擁壁付き投資物件で懸念される失敗・トラブルの例3選
実際に擁壁付き物件を購入した人が経験した失敗やトラブルの事例を知ることで、同じ過ちを防ぐことができます。
ここでは代表的な3つの事例を紹介します。
購入後の是正命令で数百万円を支払う
擁壁が不適格であることを知らずに購入した結果、自治体から是正命令が出され、数百万円の補修費用を負担するケースは珍しくありません。
特に建築基準法の検査済証がない物件ではこのリスクが高まります。
購入前に検査済証の有無や設計図面を確認し、必要であれば建築家や工務店に依頼して現状の安全性を調査することが重要です。
豪雨で擁壁が崩れ使用不能になる
近年、頻発している豪雨で擁壁が崩れ、建物が傾いたり敷地が使用不能になるケースも発生しています。
災害時には近隣の宅地や住まいに被害を与え、賠償責任を問われる危険性もあります。
強度が不十分な擁壁や、水抜き穴が設置されていない擁壁は特に危険です。
購入前に排水状況や施工の状況を確認しておくと安心です。
不適格擁壁で売れず資金回収に失敗する
擁壁が不適格なために、売却しようとしても買い手がつかず、資金回収が困難になる事例もあります。
流動性の低下による出口の難しさは、不動産投資の大きなデメリットです。
出口戦略まで考慮し、将来的な資産価値や市場動向を踏まえた判断が求められます。
擁壁付き土地を投資対象にする前に確認すべき3つのポイント
擁壁付き土地はリスクが高い一方で、しっかりと調査と対策を行えば投資の可能性がゼロになるわけではありません。
重要なのは「確認すべきポイントを押さえた上で判断する」ことです。
ここでは購入前に必ず確認したい3つのポイントを解説します。
専門家調査と安全証明を確認する
擁壁の安全性や強度は、素人の目では判断できません。
購入前には、必ず建築士や構造設計事務所などの専門家に依頼し、現地調査を実施してもらいましょう。
調査では、鉄筋の有無、基礎の状況、コンクリートの劣化、排水(水抜き)機能などを確認します。
調査結果に基づいて「安全証明書」や検査報告書を取得することで、物件の信頼性が高まります。
安全証明があることで、金融機関の融資審査がスムーズになる場合もあります。
以下は調査依頼の際に確認したい項目です。
確認項目 | 内容の一例 |
構造 | 鉄筋コンクリート造かどうか |
高さ | 2メートル未満か確認 |
水抜き | 排水穴の有無・機能 |
劣化 | クラックや風化の有無 |
こうした確認を行うことで、安全性に対する不安を減らせます。
補修費用やメンテ計画を試算する
擁壁は新築時には問題がなくても、経年劣化とともにメンテナンスが必要になります。
したがって、耐用年数や劣化の進行具合を踏まえ、将来的な補修費用やタイミングを試算しておくことが重要です。
例えば、鉄筋コンクリート擁壁の補修費用は高さや延長によりますが、一般的に1メートルあたり5万円以上かかるケースもあります。
将来の予算をあらかじめ組んでおくことで、資金計画が立てやすくなり、後悔のリスクを減らせます。
近隣や自治体に確認しリスクを減らす
擁壁は土地の境界や隣地との関係に深く関わるため、近隣住民や自治体への確認も欠かせません。
特に境界線の越境や、隣地の擁壁と接している部分の責任関係が不明確だと、売却の際になかなか話が進まない可能性があります。
また、自治体によっては条例で独自の規制を設けている場合もあります。
建築基準法に加え、東京都などは都市条例により厳しい基準が適用されることがあります。
事前に自治体の建築課に相談し、規制の有無や過去の是正履歴を確認しておくと安心です。
こうした確認を通じて、リスクを最小限にし、安全な投資判断ができます。
地震・豪雨時の擁壁事故の法的責任と賠償を知る
擁壁が崩壊してしまった場合、土地の所有者には法的な責任が生じることがあります。
賠償リスクを把握しておくことで、必要な保険や対策を検討する参考になります。
ここでは3つのポイントを解説します。
所有者責任の範囲を理解する
民法第717条では、土地の工作物に瑕疵(欠陥)がある場合、所有者は損害を賠償する責任があると定められています。
参照元:e-Gov法令検索|民法 第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
擁壁が劣化して崩壊し、隣地や通行人に被害を及ぼした場合、所有者が責任を問われるのが一般的です。
安全性の確保は所有者の義務であり、定期的に検査や補修を行わなかったことが原因とされると、数百万円以上の賠償命令が出されることもあります。
所有者の責任の重さを理解し、適切な管理を行うことが求められます。
近隣被害の賠償額の目安を知る
擁壁の崩壊で近隣の住宅や車両に損害を与えた場合、その賠償額は被害の程度によりますが、以下のような目安があります。
被害内容 | 賠償額の目安 |
隣地の塀や庭破損 | 50万〜100万円 |
建物の外壁破損 | 200万〜500万円 |
建物の全壊・使用不能 | 1000万円以上 |
被害が拡大するほど賠償額も高額になり、万が一人身被害に発展した場合の賠償額は1憶円を超える可能性もあります。
そのため、定期的な点検でリスクを減らすことが重要です。
保険や保証でリスクを補う
地震や豪雨による擁壁事故に備え、火災保険の特約や施設賠償責任保険などでカバーするのが有効です。
これにより、万が一の際に高額な賠償負担を軽減できます。
購入前に加入可能な保険の種類や補償内容を確認し、リスクに応じた保険設計を検討しましょう。
保険は「万一の備え」として非常に重要です。
まとめ
擁壁付き物件は、修繕費の高額化や法令違反リスク、災害時の倒壊など、多くの不安要素があり「やめた方がいい」と言われるのも無理はありません。
しかし、事前に専門家による調査や安全証明を確認し、補修計画や保険で備えることでリスクを抑えることは可能です。
とはいえ、擁壁の状態次第では住宅ローンが通らなかったり、売却が難しく資金回収に失敗する可能性もあるため、投資難易度が高い選択肢です。
そのため、リスクを回避しながら資産形成を目指すには、利回りの高い優良物件を見極める目が重要になります。
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