こんにちは。
仙台で小さなアパートを経営しているhayasakaです。
不動産投資というと、ついつい賃貸物件にばかり目が行きがちですが、不動産投資を成功させるには「管理会社選び」も重要なファクターになってきます。
今回はそのあたりを少し掘り下げてみようと思います。
今回も、落語風の問答にしてみましたので気軽に読んでください。
ご隠居:アパート投資に明るい、横丁の物知りご隠居
熊さん:大家さん稼業を夢見る少しだけテンネンな大工さん
【ご隠居と熊さんの不動産投資珍問答】
「管理会社選び」は物件選びよりも、でぇじだ。
目次
アパート経営の管理会社選び
管理会社とは
ガラッ!
ご隠居!み、水!
どうしたい熊さん、血相変えて。
ほら、ゆっくり水を飲んで、まずは落ち着いて。
ぷはー、生き返った!
実はね、深川に手ごろなアパート見つけやしてね、一刻も早くご隠居の意見を聞こうと、すっ飛んで来たんでさぁ。
ほぉ、そんなにいい物件なのかい?
いやね、かなり奥まった場所にあるんだが、とにかく安い。
それに賃借人がいてもいなくても、大家となる賃貸オーナーには毎月家賃を保証するってんだ。
だから、アパート経営の素人でも心配いらねぇと、こう言いやがる。
そりゃ『サブリース契約』ってやつだな。
大家から管理会社が一括で借り上げ、又貸しする方法だ。
だが、いろいろ注意すべきカラクリがあるから、早合点はいけないよ。
へ―、そうなのかい?
その前に何だい、その管理会社ってのは?
アパートはそれだけではただの建物だ。
利益を生み出すには、借り手を見つけて入居させ、家賃を回収する必要がある。
しかも、借り手の要望や苦情に対応したり、引っ越すときには部屋の掃除や修理を行い、費用を清算したりという手間もある。
そのような仕事を『賃貸管理』と言い、大家さんに代わって管理業務を請け負うのが、管理会社なのじゃ。
管理会社を選ぶポイント
なるほど、アパートというハードに、賃貸管理というソフトを組み合わせることで、アパート経営に命が吹き込まれるってわけだね?
・・・驚いたね、どうも。
ま、そういうことだ。
アパート経営において『物件』と『管理』は車の両輪。
物件選びよりも管理会社選びの方がむしろ重要だ、そう言い切る投資家もいるほどじゃ。
確かに一理ありそうだな。
で、どんな管理会社なら安心だと?
管理会社は、不動産会社や建築会社の一部門になっておる場合と、独立した管理会社とがある。
前者の場合、不動産会社は不動産取引、建設会社は建物の建築受注がメインだから、管理業務は片手間のサービス、つまり本業の契約を勝ち取りやすくするための補完的サービスになっている場合がある。
この場合は注意が必要だ。
はは~ん。
釣った魚には餌はやらないって魂胆だな?
「全部が全部というわけではないだろうが、そういう会社もあるのは事実だ。
一方、専業の管理会社の場合は、管理業務そのものがメイン事業であり、家賃収益が上がれば上がるほど管理会社の利益も増える仕組みのため、大家さんとの利害が一致する。
つまり、良質な入居者を切れ目なく確保すべく努力してくれるので、大家さんにとっては頼れる経営パートナーだ。
最近は経営コンサルタント的な役割を果たしてくれる管理会社も出てきておる。
大家にとっての“頼れる右腕”ってわけだ。
なるほどこいつは心強い。
他にチェックすべきところは?
結局は、管理の実績を見ることが一番だな。
実際に管理している物件を見れば、空室情報、入居者の質、建物の管理状態、入居付けに強いのかも大体わかる。
わしならさらに、管理している物件のオーナーを紹介してもらえないか聞いてみるね。
管理に自信があればオーナーを紹介してくれるだろうし、自信がなければ躊躇する。
それだけで管理に対する姿勢は大体わかる。
さすが、ご隠居、痛いところを攻めるね~
管理会社の契約形態
自主管理と管理委託
しかし、ご隠居、そもそも管理ってぇのは、大家自身がやってもいいんじゃねぇのかい?
自主管理だな。
しかし、それは”労多くして益少なし”だ。
放っておいても賃借人が見つかった時代ならまだしも、人口減少・家余り時代の今、素人がどうやって賃借人を見つけようってんだい?
そりゃあ、大手検索サイトに載せりゃあ、5人や10人簡単に見つかるご時世じゃないのかい?
だが、運よく検索サイト経由で内見希望者が現れたとしても、どうやって物件を案内する気だい?
熊さんが仕事そっちのけで案内するわけにはいくまい。
それに、賃借人の苦情や入居者対応は24時間、365日お構いなしだ。
入居者トラブルの対応が24時間か・・・
おちおち酒も飲んでらんねぇな・・・
そういうことだ。
それに管理会社への委託料なんざ安いものだ。
家賃の数%程度だから、管理は管理会社に丸投げして、熊さんは本業の大工仕事に精出して稼いだ方が、ずっと賢い選択というものだ。
様々な管理委託形態
なるほど、腑に落ちた。
ところでご隠居、管理委託にもいろいろなスタイルがあるのかい?
賃貸管理全部を1社に丸投げする方法もあれば、部分的に複数の管理会社に委託する方法もある。
例えば、物件情報を入居希望者に紹介する「仲介会社」と、投資物件を管理する「管理会社」に委託するという方法だ。
ふむふむ。
管理会社にもそれぞれ得意分野があるので、いいとこどりをするわけだな?
それに、管理委託形態自体にも種類がいろいろあるのじゃ。
入居者募集の一般媒介
まず、入居者募集の一般媒介だ。
これは入居者の募集を複数の不動産会社に依頼できる賃貸契約じゃ。
それだけ広く網を掛けられるわけだが、不動産会社としては責任感もモチベーションも弱くなるため、実際の成果は期待ほどではないだろうな。
下手な鉄砲は、いくら数を撃ったところで大して当たらないというわけだな。
入居者募集の専任媒介
うまい事を言うねぇ。
そうじゃ。
そこで鉄砲の名手一人に絞り、数を撃たなくても確実に獲物をゲットしようというのが入居者募集の専任媒介じゃ。
専任媒介なら不動産会社も責任感が高くなるので、良い結果が期待できるというわけだな。
専任媒介だと言い逃れができないから、プレッシャーになるわけだ
集金管理専任媒介
入居者募集の他に、家賃の回収や滞納チェックなども行う契約が、集金管理専任媒介だ。
集金代行契約ともいう。
月々の家賃収入の管理から退出時の敷金精算まで、お金に関する業務をまるごと頼むことができる契約内容だ。
江戸っ子は細かい銭勘定が嫌いだからね。
銭のことを任せられるのはありがてぇ。
家賃保証契約(サブリース)
そして、空室保証がついているから、空室期間が長くなり賃料が入らなくても、大家さんには毎月一定の家賃を保証するというのが家賃保証契約だ。
お、深川の不動産屋の担当者が言ってやがったやつだ。
これは、不動産会社が大家さんからアパートを一括で借り上げ、大家さんに代わってアパート経営をするような仕組みで、サブリースともいう。
当然、不動産会社も慈善事業じゃないので、リスクを考えて家賃相場の7~8割程度で借り上げるというのが一般的だ。
なんだ、それじゃ常に空室があるのと変わりねぇじゃないか。
てっきり入居率関係なく、満室・満額の家賃を保証してくれるのかと思ったぜ。
危ねぇ、危ねぇ。
それに『30年一括借り上げ』なんて言いながら、契約書には11年目に見直すこともあるなんて、小さく書いてあったりもする。
契約時の家賃が30年間保証されると思って長期ローンを組んでいた場合、保証家賃が減額されたら収益不動産どころか“赤字垂れ流し不動産”になるわけだ。
よくよく注意が必要だ。
そうなのかい?
契約書なんかろくに読まねぇタチだから、危ねぇとこだった・・・
まぁ、世の中、そんなにうまい話は転がってないってことだ。
管理会社の変更
大家にとって、管理会社が重要なパートナーだということは分かった。
しかし、どんなに好いて一緒になった夫婦でも分かれることもあるのが人の世だ。
万が一、契約した管理会社を変更したいと思ったら、どうしたらいいんで?
そんときゃ、すっぱり別れたらいい。
相性の悪くなった夫婦が、突然相性が良くなることなんざねぇ。
管理会社も同じで、相性が悪いと感じたら無理せず変更を考えることだ。
ただし、管理会社が変われば家賃の振込先が変わるなど、入居者にも迷惑がかかる。
変更する管理会社にこの辺の経験やノウハウが少ない場合、思わぬトラブルに見舞われる恐れもあるので、過去に管理会社の変更を引き受けた経験があるか、しっかり情報をチェックしておくことがポイントだな。
離婚するのは、結婚以上に大変だと言うからな。
要は、離婚しないで済むよう、結婚前にしっかり相手を見定めることが大事というわけだな?
そういうことだ。
熊さんも、おカミさんをじっくり見定めて結婚したから、今でも仲良く暮らしているわけだ。
あんな化け猫みたいなおカミさんでもなぁ・・・
ご隠居、そりゃあんまりだ・・・
まとめ
アパート経営において、管理会社選びは物件選びと並ぶほど、最重要ファクター。
自主管理という方法もあるものの、管理委託料自体は家賃の数%程度でしかないため、信頼できる管理会社に委託して、オーナーさんは本業でしっかり稼ぐ道を選ぶ方が正解です。
信頼できる管理会社を選ぶには、管理している物件を実際に見れば、管理に対するおおよその姿勢を判断できます。
万が一、管理の内容や対応に不満がある場合には、管理会社の変更を躊躇なく断行することも重要なポイントです。