「離婚が決まったけど、住宅ローンが残っている家に妻と子どもを住まわせたい…」
「離婚が決まったけど、住宅ローンが残っている家に妻と子どもを住まわせたい…」
「でも、住民票はどうすればいいのか、今後の返済は大丈夫なのか、不安が募るばかりです…」
結論から言えば、適切な方法を選べば、妻が住宅ローン付きの家に住み続けることは可能です。財産分与による名義変更や、使用貸借契約の締結など、状況に応じた選択肢があります。
特に財産分与での名義変更は、妻が家に住み続けながら、夫との金銭的な関係を完全に切り離せます。近年は、養育費収入も考慮した住宅ローンの審査を行う金融機関が増えているため、以前より実現しやすくなっています。
ただし、名義や住民票の変更を適切に行わないと、将来的に深刻なトラブルとなる可能性があります。例えば、住宅ローン控除が受けられなくなったり、予期せぬタイミングで家を売却されたりするリスクがあります。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- 離婚時の住宅ローンに関する確認事項
- 妻が住み続けるための具体的な方法とそのメリット・デメリット
- 将来的なトラブルを防ぐための注意点
この記事を読めば、あなたの状況に最適な方法を選び、安全に手続きを進められるようになります。妻と子どもの生活を守りながら、将来的なトラブルも防げます。
なお、弊社(株式会社 Alba Link )でも、離婚に伴う任意売却の相談を数多く承っています。借り換えが難しい場合や、家を売却して新しい生活を始めたい場合は、まずは無料相談をご利用ください。経験豊富なスタッフが、あなたの状況に合わせて最適な解決策をご提案いたします。
目次
住宅ローン返済中に離婚した場合、住民票は移したほうがいい
住宅ローン返済中に離婚する場合、実態に合わせて住民票は移すべきです。これは、住宅ローン控除の継続や、金融機関への適切な報告のために重要な手続きとなります。
特に金融機関への報告は必須です。これは、債務者である夫の状況が大きく変わることから、金融機関としてもリスク管理上の情報となるためです。
報告の際に必要な手続きは以下の通りです。
-
- 離婚届受理証明書の提出
- 今後の返済計画の説明
- 居住者変更の報告
- 債務者変更手続き(財産分与で妻に家を渡す場合
例えば、財産分与により妻に家を渡すケースでは、住民票の移転は住宅ローン控除を継続して受けるための大切な条件となります。具体的には、離婚時に財産分与として家を取得し、その後も実際に居住して住民票を移転していれば、前所有者である夫の残りの控除年数を引き継ぐことが可能です。
このように、住民票の移転は単なる形式的な手続きではなく、さまざまな権利や手続きに関わる要素となります。実態に合わせて適切に住民票を移すことで、将来的なトラブルを防げます。
離婚時の住宅ローンの確認事項4選
離婚時に必要な確認事項は、住民票以外にも住宅ローンも確認する必要があります。住宅ローンをしっかり確認しておけば、誰が家に住むのか、誰がローンを支払うのかといった取り決めがスムーズに進められます。
主な確認事項は以下の4つです。
- 家の名義人を確認する
- 家の価値を調べる
- 金融機関の契約内容を確認する
- 住宅ローンの残高を調べる
これらは離婚協議に入る前に必ず確認しておきましょう。必要書類の準備に時間がかかることも多いため、早めの確認をおすすめします。
それでは、各確認事項を詳しく見ていきましょう。
家の名義人を確認する
住宅ローンが残っている家の名義人は、不動産登記簿で確認できます。夫婦の共有名義なのか、どちらか一方の単独名義なのかによって、離婚後の手続きが変わってきます。
名義人の確認は、法務局で不動産登記簿謄本を取得するか、インターネットで登記情報提供サービスを利用して行えます。特に共有名義の場合は、持分割合まで確認しておく必要があります。これは財産分与の際の計算基準となるからです。なお、住宅ローンの契約者と家の名義人が異なるケースもあるため、両方の確認を忘れずに行いましょう。
家の価値を調べる
離婚時の家の価値は、財産分与の計算や今後の住宅ローン返済の判断材料として必要です。価値の確認には、主に不動産会社での査定か、不動産鑑定士による鑑定評価の2つの方法があります。
不動産会社での査定は無料で行えるため、まずはこちらで概算を把握するようにしましょう。ただし、離婚調停などの法的手続きでは、より正確な不動産鑑定士による評価が求められる場合もあります。
特に住宅ローンの残債が家の価値を上回っている場合は注意が必要です。このケースでは売却や財産分与の方法を検討する必要があります。
金融機関の契約内容を確認する
住宅ローンの契約内容は、必ず原本で確認しましょう。特に大切なのが、連帯債務か持分割合、団体信用生命保険の有無、返済期間の条件などです。
契約書が見つからない場合は、契約している金融機関に問い合わせれば内容を確認できます。また、この機会に金利の固定期間や、他の金融機関への借り換えが可能かどうかも併せて確認しておくとよいでしょう。
もし共働きで連帯債務の場合は、離婚後の返済計画にも影響するため、特に確認が必要です。
住宅ローンの残高を調べる
住宅ローンの残高確認は2つの方法で行えます。1つは毎月届く返済予定表や利用明細での確認、もう1つは金融機関への残高証明書の請求です。離婚協議では正確な金額が必要となるため、残高証明書の取得をするようにしましょう。
残高証明書は500円~1,000円程度で発行でき、1週間ほどで受け取れます。残高がわかったら、現在の家の価値と比較する必要があります。
- 住宅ローン残高<家の価値:アンダーローン(住宅ローン残高が家の価値を下回っている状態)
- 住宅ローン残高>家の価値:オーバーローン(住宅ローン残高が家の価値を上回っている状態)
また、返済履歴の確認も忘れずに行いましょう。延滞があると、借り換えや返済条件の変更など、金融機関との交渉が難しくなる可能性があります。
離婚時に住宅ローン残債がある場合の対処法
住宅ローンの残債がある状態で離婚する場合、家の名義と住宅ローンの契約形態によって対処方法が異なります。適切な方法を選ばないと、将来的なトラブルの原因となる可能性があります。
主な対処法は、以下のとおりです。
- 単独名義の場合
- 共有名義の場合
それぞれのケースを具体的な対処方法を見ていきましょう。
単独名義の場合
住宅ローン付きの家が単独名義の場合、基本的には所有者である名義人が住宅ローンの返済を継続する形となります。しかし、実際には誰が住むかによって対処方法を検討する必要があります。
選択肢は、以下の2つです。
- 夫名義の家に夫が住む場合
- 夫名義の家に妻が住む場合
それぞれメリット・デメリットがあるため、慎重に検討しましょう。
以下で、具体的なケース別の対処方法を詳しく見ていきます。
夫名義の家に夫が住む場合
夫名義の家に夫が住み続けるケースは、最も多いケースです。住宅ローンの契約者と居住者が同一のため、基本的には離婚前と同じように夫が返済を継続します。
ただし、妻に対する財産分与として、住宅ローンの支払い済み部分の一部を清算する必要が生じる場合があります。これは、婚姻期間中の返済が夫婦の共同財産から行われていたと考えられるからです。
清算金の計算は、不動産の価値や婚姻期間中の返済額などを考慮して行われます。
夫名義の家に妻が住む場合
夫名義の家に妻が住む場合の選択肢は、財産分与として妻に家を渡すか、使用貸借契約を結ぶかです。多くの場合、住宅ローンの残額や妻の収入状況を考慮して判断します。
財産分与として家を渡す場合は、住宅ローンも妻に引き継ぐ必要があります。ただし、これには金融機関の承諾が必要で、妻の年収などの審査が必要です。一方、使用貸借の場合は夫が引き続きローンを支払いますが、将来的な修繕費用の負担などを事前に取り決めておく必要があります。
いずれの場合も、書面での取り決めが必要です。特に使用貸借の場合は、居住期間や費用負担を明確にしておきましょう。
共有名義の場合
夫婦で家を共有名義にしている場合、住宅ローンの契約形態によって対処方法が大きく異なります。一般的な契約形態は、以下の3つがあります。
- ペアローン
- 連帯債務
- 連帯保証
以下で、それぞれの契約形態での具体的な対処方法を見ていきましょう。
ペアローンの場合
ペアローンは、夫婦がそれぞれの収入に応じて別々に住宅ローンを組む契約です。例えば、夫が60%、妻が40%のように、各自の返済負担を分けて契約します。
ペアローンのメリットは、離婚時に比較的シンプルな分割が可能な点です。お互いの借入額が明確なため、一方が相手の持分を買い取る形で解決できます。ただし、買い取る側には新たな資金が必要となり、金融機関の承諾も必要です。
もし買い取りが難しい場合は、家を売却して各自の借入れ分を返済する選択肢もあります。
連帯債務の場合
連帯債務は、夫婦で一つの借入契約を結び、双方が返済の全責任を負う契約です。どちらか一方の収入だけで住宅ローンの審査を通すことが難しい場合によく利用されます。
離婚時の注意点は、たとえ「妻が家に住み、ローンを支払う」と取り決めても、夫の返済義務は消えないことです。もし妻が返済を滞らせた場合、金融機関は夫にも全額の支払いを求められます。
そのため、連帯債務の場合は可能な限り、一方が家を売却するか、どちらかが単独でローンを組み直すことをおすすめします。
連帯保証の場合
連帯保証は、一方が借主、もう一方が保証人となる契約です。多くの場合、収入の多い配偶者が保証人となり、もう一方が借主となります。
離婚時のポイントは、保証人の地位は離婚しても自動的には消滅しない点です。つまり、借主が返済を滞納すると、元配偶者である保証人に支払い請求が来る可能性があります。このリスクを避けるため、できるだけ保証人の変更か、借り換えを検討すべきです。
ただし、保証人の変更には金融機関の承諾が必要で、新しい保証人の収入状況なども審査されます。
離婚時に住宅ローン残債がある場合のリスク3選
住宅ローンの残債がある状態での離婚は、さまざまなリスクを伴います。特に注意が必要なのは、将来的な権利関係や返済に関するトラブルです。
具体的なリスクには、以下のようなものが挙げられます。
- 不意に家を売却される
- 住宅ローンの返済が滞る
- ローン返済中に条件が変更される
それでは、具体的なリスクとその対策を確認いきましょう。
不意に家を売却される
離婚後も住宅ローンが残っている家では、予期せぬタイミングで売却されるリスクがあります。特に元配偶者が所有権を持っている場合、居住者の同意なく売却される可能性があります。
例えば、使用貸借で妻が住んでいる場合、所有者である元夫が突然家を売却することも法的には可能です。また、共有名義のままの場合も、共有者の一方が勝手に売却手続きを進めようとするケースがあります。
このリスクを防ぐには、居住権を法的に保護する対策が必要です。財産分与で所有権を移すか、明確な契約書を作成しましょう。
住宅ローンの返済が滞る
住宅ローンの返済が滞るリスクは、特に連帯債務や連帯保証の場合に注意が必要です。例えば、支払い当事者となった元配偶者が失業や病気で返済できなくなった場合、もう一方にも支払い義務が発生します。
「子どもの養育費と住宅ローンを相殺する」のような取り決めをしている場合も注意が必要です。養育費の支払いが滞ると、連動して住宅ローンも延滞してしまい、最悪の場合、家を手放さなければならない事態に発展します。
リスクを避けるため、可能な限り債務関係は一本化するか、完全に切り離すことをおすすめします。
ローン返済中に条件が変更される
住宅ローンの返済中に、金利や返済額が変更されるリスクもあります。特に変動金利を選択している場合は、市場金利の上昇により返済額が増える可能性があります。離婚時の取り決めは現在の返済額を基準にしていることが多いため、増額は大きな負担となります。
また、団体信用生命保険の見直しを求められる場合もあります。離婚に伴い債務者が変更になると、新たな審査や保険料の見直しが必要になる場合があるからです。
このようなリスクに備えるため、返済条件の変更可能性まで考慮した取り決めをしておきましょう。
離婚時の住宅ローンによるトラブルを回避する方法3選
住宅ローンが残っている状態での離婚は、さまざまなトラブルのリスクがありますが、適切な方法を選べば回避できる可能性が高まります。
主な回避方法として、以下のような方法があります。
- 妻の単独名義に住宅ローンに借り換える
- リースバックを利用する
- 任意売却する
各方法のメリットやデメリット、具体的な手続きの流れを詳しく解説していきます。
妻の単独名義に住宅ローンに借り換える
妻の単独名義への借り換えは、離婚後のトラブルを最小限に抑える有効な方法です。この方法であれば、妻が家に住み続けながら、夫との金銭的な関係を完全に切り離せます。
ただし、妻単独の収入で住宅ローンの審査を通過する必要があります。一般的に、年収の25%程度が返済額の上限とされているため、事前に金融機関で相談するようにしましょう。
また、借り換えの際は、従来の住宅ローン控除が引き継げるかどうかも確認しましょう。
リースバックを利用する
リースバックとは、現在の家を不動産会社に売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法です。住宅ローンの返済が困難な場合や、収入面で借り換えが難しい場合の有効な選択肢です。
この方法のメリットは、住宅ローンの負担がなくなり、家賃の形で支払いを続けられる点です。また、売却代金で住宅ローンを完済できれば、夫婦間の金銭的な関係も整理できます。
ただし、家賃の支払いが必要になる点や、将来的な家賃値上げの可能性もあるため、長期的な収支計画を立てる必要があります。
任意売却する
任意売却は、住宅ローンの負担を完全に解消する最も確実な方法です。不動産会社に家を売却し、その売却代金で住宅ローンを一括返済すれば、住宅に関する夫婦間の金銭的な関係を解消できます。
特に、住宅ローンの残債が家の価値を上回っている場合や、どちらも家に住む意思がない場合は、この方法が望ましいでしょう。売却後は、それぞれが新しい環境で生活をスタートさせることができます。
ただし、売却までの間、双方の居住場所を確保しておく必要があります。
まとめ
この記事では、離婚時に住宅ローンが残っている場合の対処方法、特に妻が住み続けるための具体的な方法をご説明しました。
記事内でお伝えした通り、住宅ローンが残った状態での離婚は、将来的なトラブルのリスクが高く、適切な対処をしないと深刻な問題に発展する可能性があります。特に、住宅ローンの契約形態や家の名義関係によって、選べる選択肢が変わってくるため、慎重な判断が必要です。
しかし、家の名義と住宅ローンの契約形態を確認し、適切な方法を選べば、安全に解決できます。具体的には、妻の単独名義への借り換えや、リースバック、任意売却などの方法があり、状況に応じて最適な選択が可能です。
その中でも、可能な限り妻の単独名義への借り換えを検討するようにしましょう。これにより、元夫との金銭的な関係を完全に切り離すことができ、子どもとの生活も安定させやすくなります。近年は、養育費収入も考慮してくれる金融機関が増えているため、従来より借り換えがしやすくなっています。
弊社(株式会社Albalink)では、住宅ローン付き物件の任意売却を数多く手がけてきました。借り換えが難しい場合や、家を手放して新しい生活を始めたいとお考えの方は、まずは無料査定をご利用ください。査定を行った上で、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをします。金額や売却までの日程なども含め、親身になってサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
離婚による不動産売却
離婚による不動産売却は、財産分与(通常は夫婦の場合、財産は1/2ずつ)を伴います。
離婚時の不動産で確認する事
- 住宅ローン残債があるか
- 名義の確認(1人か共有か)
住宅ローンが残っている場合や、ペアローンになっている場合は、売却時の財産分与がより複雑になります。
共有名義になっている場合は、夫婦が共に同意して売却する事になります。どちらか一方が拒否した場合には、不動産全体を売却する事は出来ませんが、共有持分のみで買取を行う業者もあります。
これらの複雑な手続きは、専門家のサポートが必要になります。
相続による不動産売却
相続不動産の売却には、売却を行う前に不動産登記を相続人名義にする必要がありますが、その前に確認事項や手続きがあり、専門的な知識とサポートが必要になります。
相続不動産の対処法
- 相続放棄する(不動産以外のすべての財産も含む)
- リフォームなどをして住む または 賃貸運用
- 空き家バンクに登録する
- 相続土地国庫帰属法制度を利用 または 自治体に寄付
- 売却する
相続登記の義務化について
「相続人申告登記」の義務化(令和6年4月1日より)
登記を行う期限は、以下のいずれかになります。
- 相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内
- 遺産分割協議の成立した日から3年以内
怠ると10万円以下の過料の可能性もあります。 これらは過去の相続も対象となります。(遡及適用)
ポイント
今回の記事では相続や離婚時のサポートを行える買取業者をご紹介します。
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rui kiryu
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