空き家を所有し続けることでトラブルを招くのではないかと、不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
空き家は犯罪に利用されたり近隣に迷惑をかけたりと、さまざまなトラブルの原因となります。
どのようなトラブルがあるかを知り、未然に防ぐための対処法を行えばトラブルの可能性は最小限に抑えられます。
この記事では、空き家が招くトラブル5選と対処法を紹介します。
空き家をお持ちの方は対処法を参考にし、トラブルを未然に防ぎましょう。
目次
空き家の定義
空き家とは、誰も住んでいない家や使われていない家のことを指します。
国土交通省の定義では、誰も住んでいなくても管理のために人が訪れ、電気・ガス・水道が使用できる家は空き家とは見なされません。
逆に、新築であっても人が住まず使用されていない家は空き家となります。
一方で、統計局で行う土地統計調査では誰も住んでいない家であっても、廃屋のように住める状態でない家は空き家から除外されています。
機関により定義は異なりますが、別荘などを除いて誰も住んでいない家は空き家と考えてよいでしょう。
空き家の放置が招く5つのトラブル
空き家を管理せずに放置しておくとトラブルの原因となります。
空き家が招くトラブルは次の5つです。
- 家屋が倒壊しやすくなる
- 犯罪に利用される
- 害虫・害獣が繁殖する
- 資産価値が下落する
- 特定空き家に指定される
ご自身が所有する空き家にも起こり得るトラブルです。
どのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。
家屋が倒壊しやすくなる
老朽化した建物は修繕を行わなければ倒壊する危険性があります。
昔の木造住宅は特に劣化がしやすく、こまめな管理や修繕が必要です。
屋根や外壁などが劣化して強風で飛ばされ、飛ばされた家の一部が周辺に被害を与えることもあります。
台風の被害や積雪の重みで空き家が倒壊することも珍しくありません。
老朽化が見られる家は倒壊のリスクを背負っていることになります。
損害賠償を請求される恐れがある
空き家の倒壊により、近隣住民から損害賠償請求される可能性もあります。
公益財団法人日本住宅総合センターでは、倒壊による損害額の試算結果を発表しています。
隣の住宅を全壊させてしまった場合と、死亡者を出してしまった場合の損害額は以下のとおりです。
- 物件損害額……1,500万円
- 人身損害額……1億9,360万円
物件損害と人身損害の両方を合わせると、2億,860万円もの賠償請求を求められます。
人への被害は賠償金だけで償えるものではなく、被害者の人生を奪い、遺族にも深い傷跡を残します。
空き家の所有者として、償いきれない罪を背負っていくことになるでしょう。
空き家の倒壊は人に被害を与え、損害賠償を請求される恐れがあること知っておきましょう。
犯罪に利用される
空き家が犯罪に利用されるケースは珍しくありません。
誰も住んでいない空き家は人目を避けるのに丁度よく、犯罪の温床となりやすい場所です。
どのような犯罪が起こり得るのか、実際の犯罪事例も交えながら解説します。
ゴミの不法投棄
見た目が荒れ果てた敷地は不法投棄の場となりやすいものです。
ニュースで紹介された不法投棄の場となった空き家も、草木が生い茂り手入れの行き届いていない空き家でした。
庭には冷蔵庫や洗濯機などの大型家電が不法投棄されています。
参照:TBS NEWS DIG
不法投棄は犯罪ですが、犯人が捕まり賠償を求められない限りは、ゴミの処分料は空き家の所有者が負担しなければなりません。
ゴミを放置しておくとさらなる不法投棄が起こりやすく、積み重なったゴミの量と処分料はますます膨れあがります。
ゴミにより景観を損なったり臭いを発したりすると、近隣住民からの苦情にもつながりかねません。
空き家は不法投棄による処分料の負担や、近隣からの苦情トラブルを起こす可能性があります。
不法侵入・不法占拠
空き家を狙った不法侵入が後を絶たず、近年問題になっています。
愛知県警は空き家で侵入盗の被害が多いことに注意を促しています。
引用:愛知県
侵入盗のほかにも、空き家を利用した犯罪は多く見られます。
特殊詐欺グループの活動拠点や、不正薬物の取引に空き家が利用される例は珍しくありません。
国土交通省でも、空き家の対策について管理者に協力を求めています。
参照:特殊詐欺、不正薬物の密輸等に悪用される空き家(空き部屋)等の対策にについて|国土交通省
人のいない空き家は不法侵入がしやすく、犯罪に利用されやすいというリスクがあります。
放火・火災
空き家は放火や電気設備の劣化などにより、火災が多く発生しています。
電気を通している空き家では、古くなった電気設備を修繕せずに放置しておくと漏電の原因となります。
コンセントを挿したままの家電製品や、ネズミが配線をかじることも出火の原因となり危険です。
放火の対象にもなりやすく、空き家から出火して近隣に火が燃え移るケースもあります。
盗みに入った空き家に火をつけて全焼させた事例もあります。
参照:埼玉新聞
空き家からの出火は珍しいケースではないため、けっして他人事ではありません。
害虫・害獣が繁殖する
空き家を放置すると屋内も庭も荒れ、害虫や害獣が住みつく可能性があります。
温かい季節や梅雨時は特に、湿気がこもらないよう頻繁な換気や除湿が欠かせません。
怠れば湿気を好むシロアリが住みつくこともあり、浸食被害で建物が弱くなり倒壊につながる危険性もあります。
もしネズミが侵入したことに気付かなければ、空き家内で繁殖する可能性もあるでしょう。
ネズミは病原菌をもっているため衛生上よくありません。
大量に繁殖すれば近所にも迷惑を与え、苦情の対象となるでしょう。
資産価値が下落する
住宅は築年数が古く老朽化していると、買い手が付かずに資産価値が下がります。
東日本不動産流通機構(通称:レインズ)の統計を見ても、築年数が古いほど成約数が下がっているのがわかります。
築年数25年を境に急激に需要が落ちるため、売却をしようとしても高値での取引は望めないでしょう。
築古の物件を売りに出しても、長期間買い手が付かないことは珍しくありません。
また、使われていない空き家は老朽化が進むのが早いため、リフォームを行わなければ価値のある物件として見てもらえません。
古くなればなるほど価値が下がり、最終的には不動産としての価値を失うこともあるでしょう。
特定空き家に指定される
特定空き家とは、管理を怠り保安・衛生・景観の面で、近隣に悪影響を与えると判断された空き家のことです。
近隣への悪影響とは、倒壊の恐れや悪臭、害獣の繁殖などです。
行政の判断により特定空き家に指定され、指定後は固定資産税が最大で6倍にも上がります。
改善や取り壊しを行うよう行政から勧告を受けても従わないと、50万円以下の過料が科せられることもあります。
特定空き家に指定されそうな空き家、またはすでに指定されてしまった空き家をお持ちの方は、訳あり物件でも買取ができる業者で無料査定をお試しください。
空き家のトラブルを回避する3つの方法
空き家によるトラブルを避けるためには、管理を怠ってはいけません。
定期的な管理が難しいようなら、以下の3つの方法で対策を行いましょう。
- 賃貸物件にする
- 解体して更地にする
- 売却する
それぞれの対策に、どのようなメリットがあるのかを交えながら解説します。
賃貸物件にする
賃貸物件にして人に住んでもらえば、家の急激な老朽化を防げます。
空き家は換気や手入れを行っても、人が住んでいる家よりも老朽化が進みやすいものです。
老朽化を防げるうえに家賃収入も入るため、空き家の管理費をただ負担し続けるよりもよいでしょう。
ただし、賃貸に出すためのリフォーム費用と家賃収入の見込みを比べて、収益がマイナスにならないよう注意しなければなりません。
賃貸物件にする方法はメリットだけではない点に注意しましょう。
解体して更地にする
今後使う予定がない空き家であれば、解体するのも対処法の一つです。
解体をすれば管理の費用負担や手間から逃れることができ、近隣とのトラブルや特定空き家になるリスクも防げます。
ただし、更地にすると固定資産税の減額措置が受けられなくなり、税額が最大で6倍まで跳ね上がります。
解体した後に、どのように活用するのかを考えてから更地にするようにしましょう。
売却する
家も土地も今後誰も使う予定がなく、賃貸などの活用も行わない場合は売却を検討してみましょう。
売却をすれば空き家のトラブルに頭を抱えることもなく、更地にした後の活用方法を考える手間もありません。
使う予定のない空き家を持ち続けると、維持費を消費し、空き家が招くリスクと常に向かい合わなければなりません。
空き家をどうしてよいかわからずに放置している方は、売却も選択肢に入れてみましょう。
まとめ
空き家は十分な管理が行えなければ近隣に迷惑をかけ、最悪の場合賠償請求に発展しかねません。
適切な管理を行えばトラブルの可能性は最小限に抑えられますが、そのためには費用や手間がかかります。
費用や手間をかけずにトラブルから逃れたい方は、売却をするのがおすすめです。
しかし、築年数の古い老朽化した空き家は、不動産会社に買取を断られるケースもあります。
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