簡易宿泊所

簡易宿泊所の許可申請をして旅館業開業するまでの流れとチェックポイント

投稿日:2017年10月23日 更新日:

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民泊が儲かる!ということで、不動産業の一種として使っていない空き家やマンションの一室を利用して民泊に参入された人も多いかと思います。

しかし、今後は「民泊」での営業ではなく、「簡易宿泊所」という旅館業の1つの形態として営業していくことをおすすめします。

理由は3つ。

  1. 180日以上の営業ができなくなる
  2. airbnbなどの価格崩壊
  3. いつ営業停止になるかわからないリスク

新しく決まった民泊新法では、民泊は年間180日以上の営業をできないということになっています。この営業日数を細かく管理できるのか?という問題はありますが、airbnbでもリスティングが表示されなくなるなどの問題も起きてきます。180日というと年間通した稼働率のMAXが50%以下ということになり、商売としてはかなり厳しくなってきます。

また、日本の民泊において大きなシェアを占めているairbnb(エアービアンドビー)ですが、最近は参入者が極端に増えた関係で価格崩壊のような状況になっています。リゾート物件や、初期に評価を集めて好循環となっている物件を除く特徴のない物件は価格で勝負するしかなく、消耗戦がまぬがれません。

3つ目ですが、上記2つの理由どちらともかかわってきますが、営業が続けられなくなるリスクが高いです。法的に違法ということで処分を受ければ営業停止はおろか逮捕される可能性もあります。また、宿泊費を安くする以外に稼働率をあげる策がないような物件はどんどん利益が出にくくなり撤退を余儀なくされます。

少し前置きが長くなりましたが、上記のような理由から、今後宿泊施設として運営していこうと考えている方には「簡易宿泊所」の許可を取って合法で運営することをおすすめします。

そして、その難しそうな簡易宿泊所の許可申請について、実際に許可を通した経験からその流れとチェックポイントなどをまとめていこうと思います。

簡易宿泊所とは?

許可申請の流れを解説する前に、簡単に「簡易宿泊所」の定義について触れておきます。

旅館業法上の簡易宿泊所とは、旅館業法の中で分類されている営業形態の一つで、

  1. ホテル
  2. 旅館
  3. 簡易宿泊所
  4. 下宿営業

と4つに分かれている宿泊業のうちの1つです。

ホテル営業や旅館営業と同じくくりで「簡易宿泊所営業」の許可を旅館業施設建築等指導要綱にのっとって申請し受理されなければ国に認められた営業をすることはできないのです。(許可を取っていない営業者は違法民泊(旅館業法違反)として処罰の対象になります。)

※相続によって許可された物件を引き継ぐ場合も、60日以内に保健所長の承認が必要となりますのでお忘れなく!

簡単な説明ではありましたが、簡易宿泊所の物件探しから解説していきたいと思います。

簡易宿泊所ができる物件探し

引用:http://suumo.jp

まずは、物件を探すところからです。物件は購入(所有)でも賃貸でも許可申請をすることは可能です。ただし、どんな物件でも良いというわけではないので注意が必要です。

物件を探す時に注意したい条件は、

  1. 建物の使用面積が100平米以下
  2. 原則として適法物件である
  3. 用途地域が住居専用ではない

マンションやアパートの1室でやる場合でも、戸建てでやる場合でも上記の条件は最低限見ておきたいです。特に3つ目の用途地域に関しては、「住居専用」とつく用途地域ではどう頑張っても旅館業の営業ができないので注意が必要です。

建物の使用面積が100平米以下

建物の面積は100平米より大きくても旅館業の許可自体を通すことは可能なのですが、「用途変更」という建築基準法上の変更手続きが必要となってきます。

これが、100平米以下の場合には必要がなくなります。用途変更すればいいじゃん!と思われるかもしれませんが、この手続きにかなり手間がかかり費用もかかってきます。

例えば耐震補強の必要が出てきたり、消防法の基準もかなり厳しくなります。不動産投資の選択肢として「簡易宿泊所」を選ぶのであれば少し現実的ではありません。

ちなみに、店舗併用物件などの場合は許可申請する客室として使用する面積が100平米以下なら用途変更は必要なくなるはずです。その代わり客室以外の部分の壁を作ったりと色々手間はかかるようですが。

原則として適法物件である

簡易宿泊所の許可申請に関するwebサイトを閲覧していると、「合法物件であること」と書かれていることが多いと思います。

つまり、建蔽率や容積率を超過していない、道路付けが2m以上あり再建築ができる、などの物件です。しかし、実際に許可申請をしてみるとわかりますが、実は用途変更が必要ない申請の場合には建築基準法上の問題点は指摘されません。

検査済み証の提出は保健所で求められますが、古い物件では検査済み証が出てこない場合もありますし、実際に検査済み証がない状態で許可が下りました。

保健所では運営に当たって問題となりえる箇所の指導は受けますが、建築基準法に適していないから許可が下りないということはないという事です。消防も同じで、消防法上の問題がクリアされていれば問題なく適合通知書が発行されます。(このあたりは自己責任にて各役所へお問い合わせ下さい)

ただし、「違法物件」で営業すること自体はおすすめしません。これは保健所の職員に言われた話ですが、保健所や消防法でOKでも、何か問題があった時には「違法物件で旅館業の営業をしていた」ということに注目が集まり処分が下されることもあるという事です。

実際に、2006年東横インが問題になった東横イン不法改造問題もそれと似たような状況です。建築確認を完了したあとに無断で物件を増築し、建築基準法上の違法となってしまい処分を受けました。

用途地域が住居専用ではない

引用:http://suumo.jp

↑の用途地域に「住居専用」と含まれている場合は簡易宿泊所として使うことはできないので注意が必要です。

用途地域 簡易宿所
第一種低層住居専用地域 ×
第二種低層住居専用地域 ×
第一種中高層住居専用地域 ×
第二種中高層住居専用地域 ×
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域[編集]

用途地域の確認方法ー用途地域は、販売サイトの項目に記載されていないケースもあります。すでに所有している場合なども調べなければわかりません。

http://www.geocities.jp/otumy2525/youtotiiki.html

わからない場合は、上記のリンクから各行政のページへ行き、住所を入力して探すか直接電話しても教えてくれます。ともかく、この用途地域が住居専用の場合はどう頑張っても許可を取ることはできませんので他の物件を探すか、簡易宿泊所としての運用は諦めて他の運用を考えるしかありません。

具体的にはこんな物件

これは、実際に私が許可を所得して現在稼働中の物件情報です。

用途地域、面積をクリア、都内の安い物件は建蔽率や容積率オーバー、無断増築など再建築不可の物件が多いですが、それらもクリアしていました。そして、この物件資料を持って保健所へ行くのですが、色々とリフォームすることになり苦労するのでした・・・。

その他、色々な条例で決まりが定められていますが、こればかりは物件と市区町村の判断によるとしか言えません。というわけでは、めぼしい物件が見つかったらまずは役所に相談しましょう。

物件が見つかったらまずは役所へ

簡易宿泊所にできそうな物件が見つかったらまずは役所へのヒヤリングです。

  • 保健所
  • 消防署
  • 建築指導課(市役所)

この3つが許可申請に関わってきます。

保健所

保健所は「生活衛生課」や「環境衛生課」、そんな名前の課があるはずなので、そちらに問い合わせをします。

だいたいどの保健所でも同じような対応ですが、「予定している物件の図面を持って保健所まで来てください」と言われます。遠方の場合なんかはFAXとかでも対応してもらえるかもしれませんが、基本的には来るように促されます。

何度もいくことになるので大変ですが、リフォームしてから許可が下りませんとなっては取り返しがつかないので、リフォームに着手するまでに必ず入念な打ち合わせをしておきましょう。

というより、保健所に図面を持って相談に行った段階でどういう状況にリフォームすれば許可が下りるかを細かく教えてくれるのでできる限りは言われた通りの内容を反映させるようになります。

完成予定図面も新たに書いてもっていく必要があるので、最初の相談以降は図面が書ける行政書士や建築士の方、リフォーム業者(工務店や大工さんなど)と並行して相談していく必要があります。

ちなみにですが最初の相談時は建築士が書いたような図面ではなく不動産屋が用意しているような簡易的なものでも大丈夫です。※相談の段階では上に載せているマイソクとその他謄本などの資料を持参しました。

おそらく最初の面談時に各市区町村ごとの旅館業営業許可に関する申請の手引きなどの資料をもらえますので、(もしくは各市区町村のHPでダウンロードできる)それを参考に法的な部分を詰めていくようになります。

西多摩市の場合:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/nisitama/soudan/ryokan.html

このように申告書なども一式ダウンロードできる場合もありますが、様式がかなり細かかったりするのでまずは直接問い合わせて相談しながらやっていくのが良いと思います。はじめから行政書士などに丸投げする場合はそのあたりも代行してもらえるはずですが費用が高くなります。

消防署

合わせて、消防署への相談も同時に行っていきます。

消防署では旅館業を開業するにあたって物件を消防法という観点からチェックされます。100㎡以下の物件の場合は基本的には消火器、自動火災報知設備、誘導灯くらいの設置で許可が出ると思いますが、マンションの一室やアパートの一室、またはアパート全体などで許可を申請する時はその他にもいろいろとクリアすべき条件が増えてきます。

保健所としては問題がなくても消防観点からみるとNGということもありますので、必ず物件検討の段階で相談に行きましょう。こちらも、最初の相談時は物件の住所とマイソクなどに載ってる簡単な図面で大丈夫です。

建築指導課

続いて、建築指導課(市役所)への相談です。

こちらは物件が建築基準法の観点から見て適法であるかどうか?ということを確認することになります。なので、100㎡以下の場合には用途変更が要りませんので原則建っている物件に対して「建築基準法でNGだから旅館をやめなさい」ということはたぶんないと思います。(必ず各自確認相談してください。役所により対応が違う可能性があります)

私の場合には2物件どちらも相談に行きましたが、「そうですが、用途変更がないならうちは特になにも・・・」という歯切れの悪い対応でした。かと言っても現在の法律に適合していない物件で旅館業をやることはおすすめしませんので、そこは各自自己責任にて判断をお願いします。

市区町村の条例の違い

私はすでに2つの市区町村で簡易宿泊所の許可を取得していますが、一番驚いたのはその2つの市区町村での条例の違い、対応の違いです。

一方は23区で、もう一方は千葉県でしたのでそのあたりも関係しているのかもしれませんが。(京都や東京は厳しいと言われている)

具体的な違いですが、東京の物件は

  • トイレを2か所増設(合計3か所)
  • 風呂前に鍵付きの更衣室を増設
  • 洗面所設置必須
  • 客室ドアに部屋名表記
  • トイレドアにも男女区別の表記

など、その他書類関連でもかなり細かい指導を受けました。

得てして、千葉県の物件はアパートの一室ですが建物自体に何かを設置したというのは消火器と火災報知器くらいのものです。

簡易宿泊所の許可申請に必要な書類と立会検査

簡易宿泊所の許可申請をする時に、必要となる書類をまとめます。

保健所へ提出する書類と立会検査

  • 旅館業営業許可申請書
  • 構造設備の概要書
  • 付近見取り図(半径100m、縮尺1/2500)
  • 建物の配置図、正面図及び側面図(縮尺1/100)
  • 営業施設の各階平面図(縮尺1/100)
  • 客室にガス設備を設ける場合にあっては、その配管図
  • 換気設備図又は空気調和設備図
  • 給排水設備図
  • 法人の場合は、定款または寄付行為の写し及び登記事項証明書(6か月以内のもの)
  • 建築基準法の基づく検査済み証の写し
  • 消防法令適合通知書
  • 宿泊者名簿
  • 申請手数料(1万~2万円くらい)

上記、千葉県船橋市の場合ですが、各市区町村により若干必要書類にも違いがありますのでやはりまずは問い合わせです。上記の場合で、1つずつ見ていきます。(例の図面は2つの物件のものが混ざっているので異なるものがあります)

なお、図面関連はすべて行政書士さんにお願いしています。

旅館業営業許可申請書

これは保健所でもらう書類ですが、かなり細かい様式があり書く内容も細かいです。保健所の担当者さんと相談しながら埋めていかないと難しいです。

人数などは申請する建物の延べ床面積から最大人数が決まってきます。(3.3平米につき1名など規定はありますが、トイレの数なども変わってきたりするので事前相談時に必ず保健所に確認を取りましょう)

構造設備の概要書

概要書も保健所で用意された書類です。謄本などの情報を見ながら埋めていけば問題なく完成できます。

付近見取り図

ぼかしを入れていますが、対象物件周辺の地図と該当施設をわかるように記した地図です。ゼンリンなどの地図サイトから持ってきて縮尺を書いています。

建物の配置図、正面図及び側面図

配置図です。戸建ての場合は隣地との境界線などを記載した図面になります。

物件の側面図です。こちらは素人が描き起こすのは難しいのでやはり専門家に依頼する必要がありそうです。

営業施設の各階平面図

こちらは戸建ての場合には1階2階の平面図が必要になります。使用面積も記載します。

客室にガス設備を設ける場合にあっては、その配管図

ガス設備は使用せず、元栓を締めてIHで対応するということでガス設備の図面は省略しました。

給排水設備図

給水配水関連の図面です。平面図と立面図で用意するような指示でした。

こちらは照明関連の図面。給水、照明とも2階建ての場合は2階も必要です。

法人の場合は、定款または寄付行為の写し及び登記事項証明書

法人での申請をする場合は、会社の登記簿謄本、定款どちらも提出しました。また、謄本定款ともに「旅館業」「宿泊業」「簡易宿泊所の運営」などなんらかの項目が入っていないと許可されません。

その場合は登記費用が掛かりますが申請までに登記簿と定款の項目を変更する必要があります。

建築基準法の基づく検査済み証の写し

検査済み証ですが、やはり提出を求められますが一方の物件は40年前くらいの戸建てで検査済み証が出てきませんでした。というより、確認申請のみで竣工後の検査完了まで行ってなかったんですね。

ですが、ないものは仕方がないということで問題なく許可がおりました。ちなみに当時の検査済み証は確認申請と同じ状態で現在の建物が建っていたとしても再発行はできないそうです。

あくまでも当時、新築時に検査を受ける必要があり、これから再取得するには増築の登記などを改めて行うしか方法がなさそうです。そこまでして検査済み証をゲットする必要はないという判断でした。

消防法令適合通知書

消防法令適合通知書は、消防署の立会検査を終えたあとに消防署からもらえる書類です。

ですので、物件が決まったらすぐに保健所と同時に消防署へ相談をして必要な設備を設置してすぐに立会検査の手配をする必要があります。

柔軟な保健所であれば消防の検査結果待ちで先に営業許可証を発行し、適合通知書と引き換えで交付してくれるケースもあります。

※適合通知書を発行してもらうまでの書類と検査については後述します。

宿泊者名簿

こちらは提出を求められない保健所もあると思いますが、一般的なものを印刷して提出すれば問題ありません。最低限記載する項目が決まっているので、それだけ満たしていればどんな形式でも問題ありません。

宿泊者名簿の必要事項

  1. 氏名
  2. 住所
  3. 職業
  4. 性別
  5. 年齢
  6. 前泊地
  7. 行先地
  8. 到着日時
  9. 出発日時
  10. 室名
  11. 日本国内に住所を有しない外国人の場合は国籍及び旅券番号

賃貸借契約書

物件を賃貸して営業許可を取る場合には賃貸借契約書が必要です。私の場合は所有物件でしたが、おそらく営業許可を申請する者(法人)と同じ名義でないと通らないでしょう。

管理規約

こちらはマンションや大型施設での管理規約です。「民泊禁止」「宿泊業禁止」など規約に含まれている場合は難しそうです。

申請手数料

申請手数料は、1万円台から2万円台くらいです。万が一許可が通らない場合も返金されません。

ここまでやって、実際に物件を見に来てもらう日の調整を行います。ここからはまた市区町村の厳しさにより対応が変わりますが、2名~で役所の方が物件にきて色々な指導をされます。

その一発で通れば問題ないですが、細かい箇所で指摘があると再度検査となり、もう一度日程調整からやり直しです。検査が決まったら細かい指摘など含め入念に相談しておくと良いです。

消防署へ提出する書類と立会検査

消防署も保健所と同じように図面を持って事前相談にいくと丁寧に色々と教えてくれます。指示に従って各設備を設置していく必要があるのですが、保健所と違ってこちらは防災設備の許可を受けた人間が書類の提出や設置を行わなければいけないという決まりがあるそうです。

かと言って、防災設備屋さんに丸投げすると結構な金額(おそらく書類だけで8万円くらい)を取られるので、できる限りは自力でやる必要があります。

また、防災設備そのものも防災設備屋さんに発注しないとなかなか一般人が簡単に買えるものではありません。どれを買えば良いかは消防署で教えてくれますし、防災設備屋さんもしっかりと知識があるので予定している建物の図面と住所などを用意して相談にいけばどれを何個買えば良いか教えてくれるはずです。

実際に提出しなければいけない書類は、「着工届」と「設置届」の2種類で、「これから防災設備をつけますよ~」という書類と「予定通り着けたので報告しますね~」という内容です。

着工届に必要な書類

  • 工事整備対象設備着工届出書(様式は各消防署のHPにあるか、直接もらいにいきます)
  • 防火対象物の概要表
  • 見取り図(保健所提出と同じもので問題なし)
  • 立面図(保健所提出と同じもので問題なし)
  • 平面図(設備着工箇所を記載)
  • 着工設備の仕様書

着工届です。市区町村の消防署でも用意してある様式があると思いますが、どこのものでも基本的には問題ないと思います。相談時にもらえるはずですので、一部貰って印刷して使いましょう。

こちらは概要表です。残りの図面は保健所提出のもの「消火器」「自動火災報知機」などと書き込むだけで問題ありません。仕様書は消火器や火災報知器に説明書と一緒に付属されてくるようなものです。

設置届に必要な書類

  • 消防用設備等設置届出書
  • 防火対象物の概要表
  • 自動火災報知設備の概要表
  • 特定小規模施設用自動火災報知設備試験結果報告書

こちらは全て消防署でもらうか様式をダウンロードして使います。防災設備屋さんに相談しながら記載していくか、消防署の担当者に聞きながら埋めていきましょう。

そして、立会検査を終えて保健所から営業許可証が発行されて、晴れて営業開始となります。

簡易宿泊所の許可申請にかかる費用

物件の改修(リフォーム)

物件のリフォームは、保健所と相談して図面を作っていき、「これなら許可できる」というところまで完成した時点で開始します。リフォーム代は物件の元の状態、保健所との相談内容によって大きく変わってきますが、私の場合は

  • 東京都の物件⇒約250万(トイレ2か所増設、それに伴う水道工事、脱衣所増設、階段の向き変更、内装の貼り換え)
  • 千葉県の物件⇒0円

でした。トイレや脱衣所の設置などは物件探しの段階で保健所に確認をすればある程度は答えがわかります。戸建ての場合はだいたい1つはトイレを増やすことになりそうですが。

申請料

簡易宿泊所の許可申請をするために保健所に支払うお金です。市区町村により異なるみたいですが、だいたい1万~2万円くらいです。

消防関連の設備

消防関連はマンションの2階以上や大きな建物でなければほとんど同じで火災報知器と消火器、誘導灯くらいで納まります。

火災報知器は家庭用のものではないので、消防設備屋さんに依頼して購入します。だいたい1つ1万円くらいで部屋の数+踊り場、キッチンなどにも必要です。

消火器と誘導灯は小さい物件だと指導で終わるかもしれませんが、1つ数千円ですので設置しておいて良いでしょう。

ざっくりですが10万円くらい予算を見ておけば火災報知器、消火器、誘導灯のみであればクリアできそうです。

行政書士に依頼する場合

保健所も消防もそうですが、申請時にはきちんと図面を用意する必要があります。(距離など含むもの)

ざっくりですが、立面図、平面図、ガスの配管図、水道の配管図、配置図など必要になるので、図面が書ける行政書士に依頼して書類のみ手伝ってもらうのが一番安上がりかと思います。私の場合には2つの物件どちらも15万~20万くらいで対応してもらいました。

合計すると、リフォーム代+30万円くらいがだいたいの予算になります。リフォームについては最低限トイレ増設のみで終わることができれば50万円くらいでできると思いますがそれに付随して工事が必要な場合もあるので一概には言えません。

まとめ

以上、私が2つの物件で簡易宿泊所の許可申請をした内容をもとに書いてきましたが、おそらく物件によっても管轄によってもかなり内容が変わってきます。

まずは、

  1. 用途地域OK
  2. 100平米以下
  3. 適法物件

という条件の物件を探し、良い物件が出てきたら

  1. 保健所
  2. 消防署
  3. 建築指導課

に一気に相談して進めていくしかありません。

すべてが初めてのことでスピード感(購入の場合特に)も必要になるので、不安であれば始めから専門家を頼る方が良いかもしれません。

何かご質問などあればコメント欄でも問い合わせフォームからでもご相談下さい。

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KawataKenji

本業の傍らで不動産賃貸物件を運営中。シェアハウス1棟、簡易宿泊所7室、アパート1棟、賃貸併用住宅、戸建賃貸など。新築シェアハウスを建築中。

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