空き家の収益化

空き家の活用方法16選|実例に基づいた具体的なアイデアや成功法則を解説

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「空き家投資では、活用方法次第で数十%の利回りが期待できる」
このような話を耳にし、空き家投資に興味を抱きつつある方も多いのではないでしょうか。

マンションやアパートに比べて戸建て住宅は、事業の柔軟性に優れるメリットがあります。
王道でもある賃貸はもちろん、シェアハウスや貸店舗、更地にしてからの駐車場経営など、さまざまな選択肢が存在します。

この記事では、以下の内容をプロの不動産コンサルタントの視点から詳しく解説します。

  • 16の手法から見る空き家の活用方法
  • 空き家を活用する際に役立つ補助金・助成金制度
  • 空き家投資を成功させるためのポイント

具体的な活用方法を押さえておくことで、事業の幅が広がり、より収益性の高いビジネスを展開しやすくなるでしょう。

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空き家問題の現状

全国の空き家は年々増加傾向にあり、慢性的な社会課題となりつつあります。

総務省が公表したデータによると、2023年における全国の空き家数は900万戸と過去最多を更新しました。
さらに空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は13.8%を記録しており、1978年比で2倍弱に増加しています。

参照元:令和5年住宅・土地統計調査|総務省

また、同資料によれば、空き家率が高い地域は次のような順位となっています。

順位都道府県空き家率(2023年)
1位和歌山県21.2%
1位徳島県21.2%
3位山梨県20.5%
4位鹿児島県20.4%
5位高知県20.3%

空き家が増加している背景には、実家の相続や親の介護施設への入所といった身近な事情があります。

こうして居住者がいなくなると、解体費用の負担や家財撤去の煩わしさなどから、空き家そのものが放置されるケースも珍しくありません。

このような空き家問題を解消するため、2023年には空家等対策特別措置法が改正されたほか、空き家バンクを活用した移住・定住促進など、さまざまな取り組みが進められています。

不動産投資家にとって現在の環境は、社会問題の解決に貢献しつつ、価値ある物件をより手頃な価格で取得しやすい状態だといえます。
この大きなビジネスチャンスを逃さないよう、いまの内に具体的な活用手段を検討しておきましょう。

【実例】空き家の活用方法16選

空き家にはさまざまな活用方法があり、主に次のような形で展開が可能です。

ここでは、具体的な実例を紹介しつつ、空き家の活用方法について詳しく解説します。

自身で居住

取得した空き家は、必ずしも収益物件として運用する必要はなく、「居住用として活用する」ことも可能です。

居住用の空き家は自身で固定資産税を支払う必要こそあるものの、家賃の負担が生じません
現在、賃貸住宅に住んでいる場合、空き家に引っ越すことで経済的な恩恵を受けられます。

さらに、自分で住む家であれば、失敗を恐れずにDIYにチャレンジできます。

将来的に空き家を活用したビジネスを始めたい場合、まずは自身の住居をDIYの練習場として、経験を積んでおくのも良いでしょう。

また、収益物件として運用する際には、居住用にいつでも切り替えられるのがメリットです。

万が一、賃貸経営や店舗運営などに失敗した場合でも、「そのときは自分で住めば良い」というセーフティネットが用意されており、精神的な余裕につながります。

賃貸

収益物件として空き家を運用するなら、まずは王道の「賃貸」から始めるのがおすすめです。

先ほど紹介したとおり、全国の空き家数は年々増えていますが、賃貸市場における戸建て住宅の割合は2%程度しかありません。

参照元:賃貸住宅市場の実態について|国土交通省

つまり現在は、「戸建て賃貸への需要が高い」なか、「収益物件として空き家を安く購入できる」という恵まれた環境となっています。

実際、このようなチャンスを活かし、積極的に賃貸経営を実践している投資家も数多く存在します。
その1人が、空き家投資家の坂本光さんです。

坂本さんはもともと会社員として働いていましたが、「飲み会の帰りにタクシーを使いたい」という身近な目標をきっかけに、一歩ずつ空き家投資家としてのキャリアを積み重ねていきました。

いまでは28件もの物件を所有しており、家賃収入だけで生活できるFIREを達成しています。

空き家を活用した賃貸は、マンションやアパートよりも高い利回りを確保できるのが強みです。

坂本さんのケースでも、1棟目の物件で15.7%の利回りを達成しており、収益性の高さがうかがえます。

茨城県取手市の空き家

坂本さんの一棟目の空き家(茨城県取手市)

利回りが高くなれば初期投資の回収期間が早まり、それだけ賃貸経営の安定性にもつながります。

以下の記事では、坂本さんへの独自インタビューの内容を紹介しています。
空き家投資の戦略の立て方や物件の管理術など、さまざまなノウハウが集約されているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【空き家投資だけでFIREを実現】坂本光さんへ「初心者からFIREする方法」を直撃インタビュー!

シェアハウス

賃貸経営を考えている場合は、「シェアハウスとして物件を貸し出す」のも一つの方法です。

前述した賃貸は、あくまで一つの物件を1世帯に貸し出す方法ですが、シェアハウスでは複数人に部屋を貸与します。
敷地面積が広く、部屋数が多い戸建て住宅だからこそ、部屋を分割して貸し出せるのが強みです。

シェアハウスを運用する際は、東京都豊島区の「ひとり親向けシェアハウス」のように、ターゲットを明確にすることをおすすめします。

ひとり親向けシェアハウス

引用元:『豊島区空き家利活用事業』共同居住型採択事業 空き家を活用した「ひとり親向けシェアハウス」をオープン!|PR TIMES

同事業では、ひとり親を対象に低価格の家賃で部屋が提供されています。
ターゲットを統一することで、入居者同士の情報交換やコミュニケーションが促進され、入居期間の長期化といった効果にもつながります。

1世帯のみに貸し出す一般的な賃貸に比べ、複数人に部屋を貸し出せるシェアハウスは、その分多くの家賃収入を期待できます

ただし、セキュリティ管理の負担やプライバシー確保といった新たな問題が発生する点には注意が必要です。

シェアハウスを運用する際のポイントや注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:一軒家をシェアハウスにしたい人向けの完全ガイド!収益化の秘訣を解説

関連記事:【自宅の一室を貸す方法】安全かつ合法的に収益を得るコツを専門家が解説

民泊

ホテルや旅館と違い、身近な生活空間を演出できる空き家は、「民泊」とも相性が良い傾向にあります。

訪日外国人旅行者は、2025年に5,742万人と過去最多を記録しており、民泊の展開により、このような外国人の莫大な宿泊ニーズを捉えられます。

参照元:訪日外国人旅行者数・出国日本人数

実際に岐阜県では、空き家活用の促進とインバウンド需要の取り込みを狙い、空き家を民泊に改修する施策が進められています。

民泊

引用元:“古民家活用型”も増加…過去最多を更新した空き家を『民泊』へ インバウンド需要など背景に岐阜県が開業を後押し|東海テレビ

この物件を管理する吉田さんは、築130年の築古戸建てを買い取り、1年かけてリノベーションを実施しました。

いまでは、最大10人が宿泊できる施設として運営が進められています。

民泊を運用する場合、「古民家」をはじめとする敷地面積の広い物件に目を向けるのも一案です。
収容可能な宿泊客数が増えることで収益性の大幅な向上が期待できます。

ただし、民泊として営業するには法律や地域の条例をクリアしなければならず、賃貸やシェアハウスに比べてハードルが高いといえます。

以下で具体的な始め方や注意点を紹介しているので、事業をスタートする際の参考にしてください。

関連記事:空き家で民泊を始める方法|メリットやデメリット、補助金まで完全解説

貸店舗

空き家の活用方法としてはほかにも、「貸店舗」という選択肢があります。
自身がオーナーとして空き家を購入し、それを事業を営みたい個人事業主やスタートアップの経営者に貸し出すという仕組みです。

例えば、新潟県燕市では、同市の助成金や日本商工会議所の小規模事業者持続化補助金などを活用し、空き家を店舗として貸し出した事例が紹介されています。

この店舗は「ドライフラワー屋」として運営されており、月6~7万円の家賃で貸し出されています。

貸店舗(新潟県燕市のドライフラワー屋)

引用元:空き家・空き地活用バンク -活用事例-|新潟県燕市

事業用の空き家は、居住用に比べて高額な家賃を設定できることも多く、その分利回りを高められます。

また、賃貸需要が期待できない地域でも、貸店舗の需要が高いことも考えられます。
そのため、郊外や地方にエリアを絞り込み、より安価な価格で物件を購入することも可能です。

注意点としては、住宅から店舗へと利用方法が変わる場合、用途変更手続きが求められることがあります。

法令上のルールや手続きについて事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

関連記事:空き店舗活用の成功事例5選!収益化と地域貢献を同時に成功させる方法とは?

貸倉庫

空き家は、店舗だけでなく「倉庫として貸し出す」ことも可能です。

郊外や地方の人口が少ないエリアでは、住居としての需要が低くても、倉庫やトランクルーム、資材置き場などのニーズが高いことも考えられます。
このニーズを的確に捉えることで、空室期間の縮小や利回りの改善といった効果が生まれます。

貸倉庫の最大のメリットは、「初期投資を最小限に抑えられる」ことです。

入居者が住むわけではないので、リフォーム費用や設備投資額が高額になりにくい傾向にあります。

修繕や設備交換の機会が減少する分、管理の手間がほとんどかからないのもメリットです。

一方で、賃貸や貸店舗に比べて、貸倉庫は需要の見極めが難しいデメリットがあります。
保管スペースを決める土地や建物の広さに加え、大型トラックの通行にかかわる道路の幅も検討しなければならず、徹底した事前調査が欠かせません。

不動産経営のノウハウが少ない場合は、賃貸といった誰もが取り組みやすい手法からスタートするのがおすすめです。

レンタルオフィス

ビジネスパーソンが多いエリアであれば、空き家を「レンタルオフィスとして活用する」のも一案です。

レンタルオフィスをはじめとする「フレキシブルオフィス(利用人数や契約期間を柔軟に変更できるオフィス)」は、関東圏を中心に増加傾向にあります。
東京23区内における施設数は、2020年に569件でしたが、2025年末時点では1,964件と3~4倍の規模に拡大しています。

参照元:フレキシブルオフィス市場調査|株式会社ザイマックス総研

このような環境のなか、東京都では空き家のリフォームやリノベーションに対し、積極的な支援を行っています。

新中野駅と東高円寺駅の近くにオープンした「G-style」もその一つで、自治体の支援制度をうまく活用し、完全個室型のシェアオフィスとしてオープンしました。

レンタルオフィス

引用元:新中野に完全個室型シェアオフィス 空き家リノベーション物件で起業家支援|中野経済新聞

放置されていた空き家を、シャワールームやキッチンカウンターなどの共用設備と、デスクなどの什器が付いた計6部屋のシェアオフィスとしてリフォームしています。

1部屋ずつ賃料を設定できるため、シェアハウスと同じように高い利回りが期待できます

レンタルオフィスの懸念点は、セキュリティ対策や防音、Wi-Fiなどの設備が欠かせず、初期費用が高額になりやすい点です。
あらかじめ必要な設備をピックアップしたうえで、適切な資金計画を立てておく必要があります。

イベントスペース

空き家そのものや空き部屋を貸し出す手法のなかでも、「時間単位で貸し出すイベントスペース」という選択肢も浮かび上がります。

一概に「イベント」といっても、ギャラリーやスタジオ、パーティーなど、その範囲は多岐にわたり、活用範囲の柔軟性に優れるのが特徴です。
利用者のさまざまなニーズに応えることで、高収益な事業運営へとつながります。

新潟県十日町市では、大地の芸術祭実行委員会が主体となって、「空き家のミュージアム活用」の事業が展開されています。

地域で放置されている空き家や廃校を、地元の建築家や施工会社と協力して大規模な改修を行っています。

イベントスペース(新潟県十日町市の事例)

引用元:空き家の活用事例|国土交通省

そのミュージアムで開催された「大地の芸術祭」には、1年間に約25万人の来場者が訪れるなど、空き家再生事業として大々的な実績を残しています。

イベントスペースを運営する際は、ほかの手法以上に立地選定に気を配る必要があります

過疎地域では会議目的での定期利用が見込みにくく、住宅街でも閑静なエリアではパーティー用途での展開が難しいなど、立地によって活用範囲が大きく異なるためです。

利用者目線の利便性と、運営上のリスク管理の双方から周辺環境を見極めることが重要です。

無人店舗

空き家の活用方法の一つとして、最近では「無人店舗」も注目を集めています。

無人店舗といっても活用範囲は幅広く、次のようなビジネスモデルが挙げられます。

  • コインランドリー
  • 無人販売所・無人コンビニ
  • セルフエステ・セルフ脱毛サロン
  • フィットネスジム
  • 個室サウナ

無人店舗が注目を集める背景には、キャッシュレス決済システムやスマートロック、AIカメラなど、テクノロジーが大きく進化していることがあります。

このような無人店舗向けのシステム市場は年々拡大傾向にあり、2027年度時点における年平均成長率の予測値は94.5%と大きな期待が寄せられています。

参照元:無人店舗市場向けソリューション・システム市場の実態と将来展望 2023年度版|デロイトトーマツ ミック経済研究所株式会社

無人店舗の運営には、自動化に向けた高額な初期投資が求められるものの、人件費の削減や労務負担の軽減といったさまざまなメリットが生まれます
また、24時間営業の実現により、収益性の向上にもつなげられます。

初期投資に関しても、「IT導入補助金」をはじめとする補助金・助成金制度を活用すれば、費用面での負担を抑えられます。

介護施設

空き家のなかでも特に郊外や地方にある物件は、「介護施設」として活用しやすいメリットがあります。

東京一極集中が続く日本では、郊外や地方の高齢化・過疎化が著しく、大きな社会問題にもなっています。
それに加え、都市部に比べて利用できる介護施設数が少ないという「地域格差」も課題の一つです。

このような課題を抱えている地域で老人ホームやグループホームとして事業を展開すれば、社会問題の解決に貢献できるだけでなく、ニーズに適った安定的な事業運営にもつながります

実際に大阪市淀川区では、NPO法人を主体とする、空き家を活用した介護施設運営が進められています。

具体的には、地域拠点サロンに「はなまるデイサービス」という宅老所を併設しました。
住民が気軽に立ち寄れて楽しい時間を過ごせるだけでなく、介護福祉士や認知症ケア専門士への相談にも対応しています。

介護施設(大阪市淀川区の事例)

引用元:大阪市内における空家等の活用の事例集を作成しました。|大阪市

介護施設を運営するには、「法人格の取得」や「最低配置人数」といった基準を満たす必要があります

いきなりビジネスとして展開するのはハードルが高いため、最初のうちは専門的な事業者に「施設として貸与する」など、限定的な活用方法に絞り込むのも一つの方法です。

借地

購入した空き家はそのまま活用するだけでなく、建物を解体して更地にすることもできます。
建物ではなく土地として運用する場合、代表的な手法となるのが、土地そのものを貸し出す「借地」です。

借地のメリットは、建物の修繕や管理といったメンテナンスの手間がほとんどかからない点です。

また、その土地の活用手段は借り手が決めるため、幅広いニーズに対応できるメリットもあります。
「空き家を店舗向けに改装してみたが、思ったよりも需要が少なかった」といったトラブルの回避にもつながるでしょう。

土地を貸し出す際には、借り手との間で借地契約を結びます。

借地契約は「普通借地権」と「定期借地権」に分かれており、基本的に数十年単位の契約期間になるため、安定した地代収入を確保できます

ただし、契約方法によっては土地が半永久的に返ってこないリスクもあるので、専門家と相談しながら慎重に手続きを進めましょう。

そのほか、解体費用が発生する点や、住宅用地の特例が適用されない点にも注意が必要です。

住宅用地の特例
住宅などの敷地として使用されている土地について、固定資産税と都市計画税が最大6分の1に軽減される優遇措置。

関連記事:【空き地の活用したビジネス18選】有効活用事例や空き地の探し方も解説

駐車場

空き家を解体して更地にした後の活用法として、借地とともに代表的なのが「駐車場」です。

周辺に商業施設がある繁華街や、駐車スペースの需要が高い住宅街であれば、安定した収益源となります。

駐車場には、「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類の運用方法があります。

比較項目月極駐車場コインパーキング
初期費用土地整備費が中心土地整備費に加え設備購入費も必要
運用コスト運営管理費や保険料が中心運営管理費や保険料、設備修繕費、電気代など
収益性契約者数に依存しやすく変動が激しい料金や運営方法を柔軟に調整でき、高収益を狙いやすい
管理の手間少ない多い

マンション・アパートへの建て替えに比べると、駐車場経営は初期費用を抑えやすいメリットがあります。

また、将来的に別の用途へと転用しやすく、流動性が高い点も強みです。

一方で、地域の需要を見極めるには専門的な知見が求められます
不動産会社をはじめとする専門家に相談しながら、綿密な計画を立てることが大切です。

看板広告や自動販売機の設置

空き家を解体して更地にした土地には、「看板広告や自動販売機を設置する」ことも可能です。

このような手法では、設置するだけで広告料や設置料を得られるため、「手軽な不労所得」になり得ます。

基本的に看板の設置や維持管理は、広告主や運営会社が担当します。
また、自動販売機もフルオペレーション(委託)方式であれば、地主側で商品の仕入れや補充、集金といった作業を行う必要がありません。

初期費用は建物の解体費用が中心で、それ以外のコストはほとんどかかりません。

ただし、1ヶ月に得られる収益は数千~数万円が相場で、ほかの手法に比べて少額になりがちです。

「手軽に始められる」というメリットを活かし、不動産投資の第一歩や手間のかからない副業として運用するのが良いでしょう。

太陽光発電システムの導入

賃貸需要が期待できない過疎地域でも、その潤沢な敷地面積は活用の余地が大いにあります。
購入した空き家の活用が難しい場合は、更地の状態にして「太陽光発電システムを導入する」といった選択も可能です。

太陽光発電では敷地面積が広いほど、より効率良く電力を生み出せます。

そして、蓄電池などに貯めた電力を電力会社に売電することによって収益化が可能です。

駅から遠い、周辺に何もないといった「不動産としての悪条件」は、太陽光発電においてはまったくデメリットにはなりません

ただし、売電価格を国が保証するFIT制度の価格水準は、年々減少傾向にあります
加えて、FIT制度の適用期間終了(卒FIT)後は、電力の売却先を自由に選べるようになりますが、制度適用時に比べて売電価格が大幅に下がります。

このように先行きを見通すのが難しい事業だけあり、安易に手を出すのは危険です。

収益性やリスクをしっかりと見極めたうえで、自身の投資計画に合致するかどうかを慎重に判断することが求められます。

関連記事:【田舎の空き地の活用アイデア10選】実際の成功事例から稼ぐ方法を学ぶ!

マンション・アパートへの建て替え

空き家はそのまま活用するだけでなく、「マンションやアパートに建て替える」方法もあります。

マンションやアパートのメリットは、戸建て住宅よりも多くの入居者を確保できることです。

特に都市部の容積率が高いエリアなら、3~5階の中層建築物を建設することも可能で、より高い利回りが期待できます

また、既存の建物を購入する場合に比べ、建て替えは「新築物件」としてアピールが可能です。
結果としてスムーズな入居付けにつながり、空室リスクを抑えられます。

マンション・アパートへと建て替えるデメリットは、初期費用が高額になる点です。

元々の空き家を解体する費用に加え、新しい建物を建設するためのコストも必要で、1,000万円以上の初期投資になることも珍しくありません

そのほか、建ぺい率や容積率といった建築基準法の制限によっては、希望する規模の建物が建てられないケースもあるため、事前の綿密な調査が不可欠です。

マイホーム借り上げ制度の活用

もう一つの活用手段として、「マイホーム借り上げ制度を利用する」ことが挙げられます。

マイホーム借り上げ制度とは、マイホームを一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が借り上げて転貸する制度です。

参照元:マイホーム借り上げ制度のあらまし|一般社団法人移住・住みかえ支援機構

入居者の募集や契約手続き、入居後のトラブル対応まで、すべての管理業務をJTIが代行してくれるため、オーナーの負担を大幅に軽減できます。

また、空室や家賃滞納の際でも、オーナーへの家賃支払いが保証されます
一般的な賃貸に比べ、安定した家賃収入を得られるのは、マイホーム借り上げ制度ならではのメリットです。

マイホーム借り上げ制度を利用するには、「50歳以上」という年齢制限をクリアしなければなりません

それに加え、申込手数料や建物診断費用が必須で、建物の改修や補強が必要な場合、追加のリフォーム費用がかかる点にも注意する必要があります。

空き家を活用する際に役立つ補助金・助成金制度

空き家を活用する際は、物件の購入やリフォームなどが求められるため、ある程度の自己資金が必要です。

そこで、以下のような補助金・助成金制度を利用すれば、費用面での負担を抑えられます。

それぞれの制度の仕組みや申込条件などを解説します。

住宅セーフティネット制度(国土交通省)

国土交通省が運営する「住宅セーフティネット制度」では、建物をセーフティネット専用住宅や居住サポート住宅へと改修する場合、その費用の一部が支給されます。

セーフティネット専用住宅(住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅)
高齢者や障害者といった「住宅確保要配慮者」に入居対象者を限定した賃貸住宅。
居住サポート住宅
居住支援法人による居住サポート(安否確認や訪問による見守りなど)が受けられる住宅。

制度の内容は次のとおりです。

補助対象工事
  • バリアフリー改修工事
  • 耐震改修工事
  • 間取り変更工事
  • 省エネルギー改修工事
    など
補助率補助対象経費の3分の1以内
※地方公共団体による補助は国3分の1+地方3分の1
補助限度額62万円/戸
※子育て支援施設を併設する場合は1,250万円/施設
※工事内容によって限度額の加算あり
主な要件
  • 賃貸住宅供給促進計画を策定している自治体管内の住宅
  • 管理期間が10年以上

参照元:住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~|国土交通省

対象住宅に指定はあるものの、工事内容によっては高額な資金が補助されるため、空き家の活用方法に応じて検討しましょう。

既存住宅の断熱リフォーム支援事業(環境省)

環境省が運営する「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」では、住宅を断熱化する際の費用の一部が支給されます。

既存住宅のリフォームが条件となるため、マンションやアパートのほか、空き家をはじめとする中古の戸建て物件も対象となります。

戸建て物件の場合の補助金額や補助対象は次のとおりです。

補助対象工事高性能建材を使用した既存住宅の断熱リフォーム
補助対象製品
  • 断熱材
  • ガラス+玄関ドア
補助率補助対象経費の3分の1以内
補助限度額120万円/戸
※玄関ドア5万円を含む

参照元:既存住宅の断熱リフォーム支援事業|公益財団法人北海道環境財団

住宅の断熱化は、年間を通して室温が安定し、冷暖房効率が向上するメリットがあります。
空き家を住宅として貸し出す際にも価値を訴求でき、より高い家賃を設定できる可能性が高まります。

自治体が提供する補助金・助成金制度

国が提供する制度以外に、自治体が提供する補助金や助成金もあります。

特に、空き家問題が深刻な地方では、「空き家活用」が主要命題でもあることから、さまざまな種類の補助金や助成金が用意されています。

代表的な自治体と制度は次のとおりです。

岡山県備前市:備前市空き家改修促進補助事業
賃貸を目的に空き家をリフォームする際、その費用の一部を支給。補助対象経費の2分の1以内で、上限は50万円。備前市の空き家バンクを利用し、かつ市内の施工会社に依頼すること。
北海道斜里郡清里町:清里町起業支援事業
空き家や空き店舗を取得して事業を行う際、購入費やリフォーム費用の一部を支給。開業経費の3分の2(飲食店は5分の4)以内で、上限は100万円。上限5万円/月の家賃支援も可。
山形県西置賜郡白鷹町:白鷹町空き家利活用支援交付金
白鷹町の空き家バンクを利用して同町に移住する場合、物件購入費(最大50万円)や家賃(最大5万円/月)を補助。子育て世帯は、子どもの人数によって補助額が加算される。

各地域の制度は、補助金ポータル」から細かい条件を指定して検索できます

空き家活用を成功させるための5つのポイント

空き家活用を成功させるためには、次の5つのポイントを意識することが大切です。

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

物件の市場価値や需要を徹底的に調査する

どのような活用方法を取るにしても、絶対に忘れてはならないのが「物件の市場価値や需要の調査」です。

この手順を経ずに進めてしまうと、「物件の人気が低く、なかなか入居者が決まらない」「地域の需要と活用方法がマッチしなかった」など、大きな失敗につながる恐れがあります。
そのため、物件を購入する前に徹底した市場調査を実施しておきましょう。

市場調査では、SUUMOLIFULL HOME’Sといった不動産ポータルサイトが役立ちます。

このようなサイトでは、地域や間取りごとの平均家賃・価格帯を一覧で比較できるほか、物件の数や競合状況から人気のあるエリアを推測できます。

空き家の用途によっては、収益物件に特化した楽待や、貸店舗の情報が多く掲載されているテナントショップネットワークなどを利用するのも良いでしょう。

加えて、現地調査も忘れてはいけません
インターネットの調査だけでは、建物の劣化状態や各施設までの距離感、街の雰囲気といったリアルな情報を把握できないため、必ず物件や周辺環境を実際に見ておきましょう。

初期投資額・運用コスト・回収期間をシミュレーションする

空き家投資では、物件購入費やリフォーム費用、メンテナンス費など、さまざまなコストが発生します。
このようななか、大まかな予算管理でやみくもに経営を行うのは、業績不振やキャッシュフローの悪化といったリスクを招きかねません

キャッシュフロー
現金の動きや流れを表す言葉。
不動産経営では、家賃収入などの総収入から経費や税金を差し引いた、「手元に残る現金(手残り)」を指します。

そこで、実際に運用を開始する前に、初期投資額や運用コストのシミュレーションを行っておきましょう。

例えば、空き家を賃貸として活用する場合、次のようなコストがかかります。

大分類主な費用
初期費用
  • 物件購入費:空き家を購入する際の費用
  • 初期リフォーム費用:入居付けの前に実施する改修・修繕の費用
  • 諸費用:仲介手数料や登記費用、印紙税など
運用コスト
  • メンテナンス費:入居後に発生する清掃や設備の修理などにかかる費用
  • 固定資産税:建物や土地の所有者に対する発生する税金
  • 管理委託費:管理会社に物件管理を任せる場合の手数料

また、「初期費用を何年で回収できるか」という投資回収期間を想定しておくことも大切です。
回収期間が長引ければ、突発的なトラブルで元本割れに陥るリスクが高まります。

空き家投資の回収期間は5~10年が目安となるため、この基準を参考に収支計画を立てましょう。

中長期的な視点でリフォーム計画を立てる

空き家を活用する際は、すでに築年数が経過し、建物が傷んでいることが多いことから、初期リフォームが欠かせません。
その際、「中長期的な視点でリフォーム計画を立てること」が重要です。

物件購入費を安く抑えられる空き家投資とはいえ、リフォーム費用があまりにも高額になり、初期投資の回収期間が長引けば元も子もありません。

なるべく早く初期投資を回収するには、「最低限の初期リフォームにとどめる」のが肝要です。

例えば、空き家を賃貸として活用する場合、必ずしも最新設備を導入したり、新築同様の状態に改修したりすれば良いわけではありません。
このようなリフォームでは確かに物件の見た目や印象は良くなりますが、高額な初期投資を回収するために高い家賃を設定せざるを得なくなります

一方、入居希望者の多くは、「ある程度の利便性と清潔さを兼ね備えた、手頃な家賃の物件」を求めています。

そのため、賃貸物件に対するニーズと提供する価値との間に齟齬が生まれ、なかなか入居者が決まらない可能性が出てきます。

だからこそ、「本当に必要な箇所」を見極めて初期リフォームの最適化を図る必要があります。

空き家投資におけるリフォームの考え方や予算の目安、費用を抑え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:空き家投資のリフォーム大全!費用を抑えるコツや事例も紹介

あらかじめ出口戦略を見据えておく

空き家を活用する際は、物件の購入や入居付けといった「入口」だけでなく、物件を売却・処分する「出口」も併せてイメージしておくことが大切です。

例えば、空き家投資を始めたからといって必ずしも成功するとは限りません。
反対に経営が順調でも、物件売却時に買い手がつかないことも考えられます。

このような状態が長引けば、固定資産税といった固定費ばかりが出ていくため、キャッシュフローの悪化や赤字転落のリスクが高まります

そのため、不測の事態が起きても即座に売却・処分の決断ができるよう、物件を購入する前に入口と出口の両方の戦略を描いておきましょう

空き家投資における出口戦略のパターンには、次のような種類があります。

  • 入居者が退去したタイミングに合わせて売却する
  • 物件を貸している入居者に購入を打診する
  • 安定した賃貸収入が見込める物件としてオーナーチェンジを検討する
  • 建物を解体し更地の状態で売却する
  • 自身の住居として活用する

事前に多様な選択肢を知っておくことで、運用時の状況に合わせて柔軟な対応が可能になります。

不明点があれば自治体や不動産会社に相談する

空き家投資では、不動産や建築、法律などに関する幅広い知識が求められ、自己判断のみで運用するのはリスクを伴います。

そのため、「自治体や不動産会社に相談」しつつ、不明点を放置しないよう注意が必要です。

弊社アルバリンクではLINEにご登録いただくと、手元のスマートフォンから気軽に相談が可能です。

登録したLINEには、2~3日に1回のペースで空き家に関する未公開物件情報が届きます
その情報を見ながら、専門知識を有する担当者に質問したり、LINEからそのまま内覧予約を行ったりできるのが特徴です。

LINEで未公開物件が確認できる

実際にアルバリンクでは、「物件価格100万円以下」や「想定利回り30%以上」といった、一般には出回っていないレアな物件情報を配信しています。

【未公開物件の例】 未公開物件の事例

不動産ポータルサイトで閲覧できる「公開情報」と併用することで、より効率的に最適な物件を見つけられます。

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まとめ

今回は、空き家の活用方法を16の手法に分けて紹介しました。

  • 自身で居住
  • 賃貸
  • シェアハウス
  • 民泊
  • 貸店舗
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  • イベントスペース
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  • 介護施設
  • 借地
  • 駐車場
  • 看板広告や自動販売機の設置
  • 太陽光発電システムの導入
  • マンション・アパートへの建て替え
  • マイホーム借り上げ制度の活用

これらの手法は一つとして同じものはなく、それぞれメリットとデメリットが大きく異なります

本記事で紹介した各手法の実例や活用時のポイントを参考に、空き家投資の目的や予算に合わせて、自身にとって最適な活用方法を見つけましょう。

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この記事の監修者

柳本幸大

柳本 幸大|築古戸建て再生投資家

プロフィールページへ
不動産投資歴5年の現役個人投資家。 区分マンション投資で賃貸経営の基礎を築き、現在はより高いキャッシュフローを生む「築古戸建て再生投資」をメインに手がける。 郊外エリアにおいてファミリー層の需要を的確に捉えたリフォームやDIYを駆使し、初期費用を抑えつつ実質利回り18%超の高収益を実現。 区分マンションを「守りの資産」、中古戸建てを「攻めの資産」と位置づけ、無駄に規模を追わず、自分の目の届く範囲で手堅い賃貸経営を実践している。

空き家活用に関するよくある質問

田舎にあるボロ戸建てでも活用できますか?
はい、田舎のボロ戸建てでも、初期リフォーム次第で問題なく活用可能です。
物件によっては100万円未満で購入できることもあり、初期投資を大幅に抑えられます。

ただし、構造的な欠陥を抱えている可能性もあるので、物件購入前の内見で状態をしっかりと確認しておくことが大切です。
空き家を活用する際はどのような準備が必要ですか?
空き家投資の目的を明確にしたり、リスクを把握したりと、ゴールの設定や知識の習得が欠かせません。
そのほか、資金計画の策定や市場調査、エリア選定といった手続きも忘れないようにしましょう。
空き家のなかでも活用が難しいケースはありますか?
賃貸需要がない物件は収益化が難しいこともあり、特に注意すべき要素の一つです。
物件を購入する前に必ず市場調査を行い、エリア内のニーズを把握しておきましょう。

また、雨漏りや基礎部分のヒビ割れ、建物の傾きなど、構造的な欠陥を抱える物件はリフォーム費用が高額になりやすいため、購入可否を慎重に検討する必要があります。
空き家を購入する際にローンを利用できますか?
マンションやアパートに投資する場合、「不動産投資ローン」を利用できることが多いですが、空き家での活用は極めて困難です。
空き家の場合、築年数が古いと資産価値を低く見積もられ、融資を断られやすい傾向にあります。

しかし、空き家は数十万円や数百万円と、比較的低価格で物件を購入できます。
そのため、ローンを利用できない前提で潤沢な自己資金を用意しておくことが重要です。
そのまま活用するか、それとも解体すべきか、どう判断すべきですか?
柱や基礎部分に大きな損傷があり、倒壊の危険性が高い場合は解体すべきだといえます。
また、土地としての需要が高く、更地のほうが売却しやすいのであれば解体するのも一つの方法です。

一方、数百万円程度のリフォームで十分に住める状態に修繕できるなら、賃貸や貸店舗などの活用を検討すると良いでしょう。
また、解体する場合は解体費用に加え、固定資産税が最大6倍に急増するので、慎重に判断する必要があります。

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