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RCマンション投資のメリットとデメリット徹底ガイド

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不動産投資の中には、木造物件となるW造のアパートや鉄筋コンクリート造、鉄骨造物件(RC造)のマンション等、様々な投資があります。

同じ住居系の投資であっても木造アパートやRC造等の構造が異なることで生じるメリットとデメリットが存在します。

そこでこの記事ではRCマンション投資におけるメリットとデメリットについて解説いたします。

一棟ものと区分のそれぞれの特徴

RCマンションには、一棟ものと区分の2種類があります。

基本的には、同じRC物件であるため、両者に大きな違いはありません。

ただし、「丸ごと」の投資か、「小分け」にされた投資かの違いがあるため、両者には主に以下のような特徴があります。

マンションの別 特徴
一棟もの 総額は大きくなるため投資はしにくいが、戸数が多いため空室の影響が少ない。
区分 総額が小さいため投資はしやすいが、戸数が少ないため空室の影響が大きい。

一棟ものと区分には、戸数の影響により、投資のしやすさや、空室の影響といった違いがでてきます。

尚、次章以降に開設するRCマンションのメリットとデメリットは一棟ものと区分も両方含めた上で解説しています。

一棟ものと区分の選択は、次章以降のメリットとデメリットを踏まえた上で選択するようにしてください。

RCマンションのメリット

この章では、RCマンションにおける以下の5つのメリットについてご紹介します。

  1. 家賃価格帯が高い
  2. 賃料の下落が少ない
  3. セキュリティが高い
  4. 耐震性が高い
  5. 減価償却費の計上期間が長い

家賃価格帯が高い

RCマンションは、家賃価格帯が比較的高いというメリットがあります。

RCマンションは、階数が高い建物であるため、容積率が高いエリアに存在します。

容積率とは延床面積の敷地面積に対する割合です。

容積率が高いと、RCマンションのような高層の建物を建築することができますが、高い容積率は中心市街地の駅に近いエリアに指定されることが多いです。

RCマンションは利便性の高い立地に多く存在することになるため、単身の社会人も多く住み、家賃収入も高く設定することが可能となります。

学生が住むには、ちょっと高過ぎる物件がほとんどです。

また、家賃が高いと修繕やリフォームを行った際の回収期間も早くなります

例えばウォシュレットやエアコンの交換は、Wアパートと基本的には同じですが、RCマンションは回収が早いため、追加投資も実行しやすくなります。

賃料の下落が少ない

RCマンションは築年数が経過した後の賃料の下落も少ないです。

RCマンションは、躯体が頑丈なため、硬くて重い外装材で仕上げることができます。

例えば1階のエントランス回りを石で仕上げ、2階以上をタイルで仕上げることも可能です。

W造のアパートは、重い外壁材は使えないため、モルタルやサイディングボードと呼ばれる少し安っぽい仕上げとなってしまいます。

仕上げ材の違いは、築10年を超えると、だんだん差が出てきます。

RCマンションならまだ築浅の風合いを保っているため、築10年でも「まだまだ新しい」という印象を抱きます。

一方で、Wアパートだと、築10年を過ぎると素人目にも「少し古くなってきたかな」という印象を受けます。

中古物件のWアパートは、建物外観の老朽化が早く、築10年を過ぎると空室率も目立つようになります。

募集賃料を下げざるを得ず、新築当初の賃料から下落し始めます。

RCマンションは、外観の陳腐化・老朽化が少ないため、高い賃料を長期間維持することが可能です

躯体の頑丈さは、賃料も頑丈にしてくれるのです。

セキュリティが高い

RCマンションはセキュリティを高くした設計が可能となります。

セキュリティが高いRCマンションは女性にも人気があり、入居者を募集しやすいです。

RCマンションは、1階のエントランスにオートロックを設けることができます。

オートロックの有無がWアパートとの最大の違いです。

近年のRCマンションは、エントランスに風除室(建物の入口に設置された外気の流入や風の吹きつけを緩和する小部屋)を設けており、奥の入口をオートロックとする構造にしています。

インターフォンは、1階の入口に設置されており、不審者を1階でシャットアウトすることが可能です。

古いRCマンションはオートロックのない物件も多いですが、新しい物件はほとんどオートロックがあります。

オートロックは、入居者に訴求力の高い設備なので、オートロックを設けることのできるRCマンションは、募集上、有利です。

耐震性が高い

RCマンションはWアパートと比べると耐震性が高いです。

耐震性の高さも入居者にとっては訴求力の高いポイントとなります。

現在の新耐震基準を満たした建物は、W造であっても崩れることはほとんどありませんが、地震時の揺れの体感はRCマンションよりもWアパートの方が高いです。

地震は直接自分が被害にあわなくても、全国の他の場所で発生すると、「やはり地震は怖い」と思う人が増え、WアパートよりもRCマンションを選択する人が増えます。

多くの人がRCマンションの方が地震に強いというイメージを持っています。

耐震性は、女性や高齢者、単身社会人の全ての人に関心が高い項目です。

耐震性の高いRCマンションは、幅広い層の入居者を集めやすいため、入居者募集に有利になります。

減価償却費の計上期間が長い

RCマンションは耐用年数が長く減価償却費が計上できる期間が長いです。

減価償却費とは、建物の取得原価を法定耐用年数の間に費用として配分するために生じる会計計算上の費用です。

減価償却費は、実際に支出されるお金ではないのですが、会計上の費用となるため利益を圧縮することになり、その結果、節税効果があります。

減価償却費が計上できる期間である法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造(RC)なら47年、木造(W)なら22年と決まっています。

同じ住居系でも、Wアパートなら23年目以降節税効果がなくなりますが、RCマンションなら節税効果が続きます。

RCマンションはWアパートよりも節税効果が長く続くため、トータルのキャッシュフローはRCマンションの方が高くなります。

また法定耐用年数の長さは融資期間にも影響します。

不動産投資ローンでは融資期間を耐用年数以内とする銀行が多いため、WアパートよりもRCマンションの方が長期で借りることができます。

長期で借りることができれば、毎月の返済額を小さくすることができるため、さらにキャッシュフローはRCマンションの方が有利になります。

RCマンションは、法定耐用年数が長いことにより、Wアパートと比べると節税効果が長く続きます。

RCマンションのデメリット

この章では、RCマンションにおける以下の5つのデメリットやリスクについてご紹介します。

  1. 利回りが低い
  2. 維持費費が高い
  3. 修繕費が高い
  4. 建築可能な場所が限られている
  5. 簡単に取り壊せない

利回りが低い

RCマンションは、Wアパートと比較すると総じて利回りは低いです。

RCマンションの利回りが低い原因は、建築費と土地代が2つとも高いことが理由です。

建築費や物件価格については、W造と比べるとRC造の方が高いことはイメージの付く人も多いと思います。

一方で、土地代についてもRCマンションの方が高い物件が多いです。

理由としては、RCマンションは容積率が高いエリアにしか建てることができず、容積率の高いエリアは、中心市街地の土地代が高いところが多いためです。

中心市街地のような商業地では、その土地にマンションを建てる人の他、店舗やオフィスビルを建てる人など様々な人の土地需要、賃貸需要が存在します。

土地需要の高い中心市街地では、地方RC物件に比べると、必然的に土地価格が高くなります。

RCマンションは、元々土地代の高いところに建っている物件が多いことから、土地代も高くなっています。

そのため、地方物件に比べ固定資産税も高くなりがちですし、土地代の安い郊外のWアパートと比べると、利回りは相対的に低くなります。

維持費が高い

RCマンションは維持費が高いです。

エレベーターがあれば、保守点検費用がかかります。

また条例で管理人を常駐させなければいけないようなマンションであれば、賃貸管理会社への人件費も発生します。

Wアパートに比べるとRCマンションは建物規模が相対的に大きくなり、維持費も高くなる傾向にあります。

修繕費が高い

RCマンションは修繕費が高いです。

エレベーターや受水槽の設備、ポンプがあれば、大規模修繕で入れ替える必要性も出てきます。

またエレベーターのない低層のマンションでも、屋上防水の修繕工事を必要とするRCマンションは多く、Wアパートよりも修繕費用は余計に発生します。

RCマンションはWアパートにはない設備が出てくるため、修繕費は高くなってしまいます。

建築可能な場所が限られている

RCマンションは高い容積率を必要とするため、建築可能な場所が限られているというデメリットがあります。

土地活用でRCマンションを建てようと思っても、そもそも建てられないケースの方が多いです。

戸建住宅しか建てられない第一種低層住居専用地域と呼ばれる用途地域では、もちろんマンションを建てることができず、選択肢がWアパートに絞られます。

土地活用では、RCマンションはそもそも選ぶことすらできないというデメリットもあります。

簡単に取り壊せない

RCマンションは最終的に簡単に取り壊せないというデメリットもあります。

築50年を超えるような幽霊マンションも、建て替えられずに困っているマンションは多く存在します。

まず、マンションは戸数が多いため、最後、建て替え前の立ち退きに相当の費用とパワーを要します。

解体費用もWアパートに比べると高いです。

Wアパートは比較的気楽に建て替えが行われますが、RCマンションは困難を極めます。

RCマンションは、ボロボロになっても、建て替えを実行できず、最後は困り果てることが多いです。

RCマンション投資がおススメの人

RCマンション投資は、これからマンション投資を始める初心者の人におススメです。

RCマンションには確かにデメリットはありますが、賃料が下落しにくいという点と、セキュリティや耐震性が優れていることから入居者が募集しやすいため、賃貸経営の難易度は低いです。

入居者を集めやすいRCマンションはW造のアパートに比べると空室リスクが生じにくく、全体的に賃貸経営を行いやすくなります。

また修繕費に関しては、築年数が浅い物件ほど発生しません。

さらに築年数が浅ければ、取壊しにくいというデメリットも影響してこないです。

RCマンションの中でも特に新築物件または築浅物件に投資対象を絞れば、RCマンションのデメリットを抑えることが可能となり、良い賃貸物件投資を行うことができます。

これから不動産投資をやってみたいと思っている人であれば、まずはRCマンションから始めてみましょう。

まとめ

以上、RCマンション投資のメリットとデメリット徹底ガイドしてきました。

RCマンションは、躯体構造が頑丈であることから、賃貸経営が行いやすいメリットが多くある、アパート経営よりも有効な収益物件といえます。

鉄筋コンクリート造ならでは特性を十分に理解し、良い物件を購入するようにしてください。

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竹内英二

1998年:大阪大学・2000年:大阪大学大学院卒。 日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定や開発用地の仕入れ担当を11年間に渡り従事。オフィスビル・賃貸マンション等の開発も行っていたことから、土地活用・不動産投資の分野に強い。 不動産鑑定士、中小企業診断士、宅建士、公認 不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、相続対策専門士、不動産キャリアパーソンなどの肩書を持つ。

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