賃貸併用住宅は、フルローンを組んで頭金を0円で建てられると謳っているHPや本などあるかもしれませんが、実際のところは諸費用分くらいは自己資金を用意しておかないと支払えない部分が出てきます。
つなぎローンなどうまく使えば持ち出しをほとんどなくできるかもしれませんが、少し現実的ではないように思います。今回は、実際に賃貸併用住宅を完成させた経験者として、現金の支出の部分を書いてみます。
目次
賃貸併用住宅に必要な現金額(キャッシュ)
じゃぁ、いくらくらい諸費用をキャッシュで用意しておけば良いのかって事ですが、建てる場所や物件の規模によって総額が変わりますので、それにより変わってきます。
自分の場合で実例を挙げてみますので、参考にしてみてください。
時系列でかかるお金をまとめてみました
土地価格1400万円
融資額3400万円の場合
- 土地売買契約時 頭金支払物件価格の約10%程度
- 決済時にかかる登記費用
- 決済時にかかる売買仲介手数料
- 決済時にかかる銀行融資保証料
- 決済時にかかる固定資産税の日割り分
2016年1月18日追記
- 地盤改良にかかる費用
- 水道工事にかかる費用
一つずつ見ていきます。
土地の売買契約をするときに、その土地金額の一部を売主にお渡しします。
通常、5~10%と言われていますが、自分の場合はどうしてもキャッシュを出したくありませんでしたので、20万円で了承してもらいました。
土地の売買決済時にかかったのは、登記費用、仲介手数料、融資保証料、固定資産税と大きくわけて4つです。
登記費用は、売買する土地の固定資産税評価額に対して不動産登録免許税というのがかかり、これは避けられません。
これがだいたい30万くらいと、司法書士さんに名義の書き換えを頼む費用が約8万円で合わせて38万円。
仲介手数料は1400万円の3%+6万円で約50万。
融資の保証料が、予想外だったのですが0.7%計算(通常0.2くらいの掛け目)で取られ、200万を超えました。(これが痛かった)あとは、固定資産税の日割り計算が約10万ほど。
これは決済日によってですので年末決済だとその時に支払う分は少なくなりますね。
全部合計すると、約300万ほどキャッシュで支払う事になりました。
これは、自分の属性が高くないこと(自営業です)によってかなーり増えていますが、ある程度は土地の売買時にかかりますよって事が言いたかったです。
純粋な物件価格の頭金に関しては、フルローンが組めればかかりませんが購入に伴う費用は少なからず掛かってくることが多いですね。
さらに、土地の返済はスタートする
また、別の記事でも書こうと思いますが、建物は建っていなくても、土地分の融資は先に実行され、その分の返済は先にはじまります。
それも考えると、家賃と土地の2重払いをしなければいけない期間が少なくとも半年から1年間はあります。
収入が十分でそれでカバーできれば良いですが、現時点でも余力がなければ貯金を崩して耐える事にもなりません。
今回は土地決済の部分までだけ書いていますが、今後も何かと現金が必要な場面は出てくると思われますので、やはり融資額の10%くらいの現金は用意しておくのが賢明です。
かかるお金や、リスクについては本を読んで勉強しておく事も必要です。
下記、おすすめの本をまとめてみました。
以下、1月18日追記
地盤改良にかかる費用
土地を買って、いざ建物を建てよう!と思ったあとに、土地の地盤改良が必要になるケースも出てきます。これが予想外に費用がかかる。
検査はだいたい5万円くらいで可能ですが、改良が必要とわかった時はだいたい50万~100万くらいの改良費用が必要になると思ってください。
金額の幅は、地盤のゆるさによって工法が変わるみたいで、検査してみないとわかりません。土地を購入前に5万円の検査費用を出して検査ができるか?と言うとスピード的にも金銭的にもなかなか難しいですが、本来なら検査をしておくべきですね。
水道工事にかかる費用
これも予想外の出費です。水道工事は、前に建っていた建物がアパートなら恐らくかかりません。しかし、前の建物が一戸建てだったり、あるいは駐車場、林地など、水道がきていない土地の場合には工事費用がかかります。
これは工務店に支払うわけではなく、水道工事費として水道局?に支払う事になるので(工務店が立て替えてくれますが)工務店は見積もりにいれたがりませんが、支払うのはもちろん私たち施主です。
気になる費用ですが、うちの場合で25mmの水道をいれて(戸建の場合は15mmなどみたいです)240万くらいが工事費と別にかかりました。(結構痛いですね^^;)
0円を目指すなら建築費に余裕を持っておく必要がある
なんにしても、手出しを0円にするには建築費にもかなり余裕をもって借り入れをしておく必要があります。
「延べ床が50坪だとして、建築坪単価が70万でいけるから、借り入れは3,500万でいいな!」
これくらいの緩い試算だと高確率で計算外の出費が出てきます。完全な投資用の物件なら細かい仕様を削っていくことに抵抗が少ないかもしれませんが、いざ自分が住む家となると色々なこだわりが出てきて仕方ありません。
そうすると、どうしても建築単価はあがってきますし、融資額で賄えなくなる可能性もあります。
結論としては、持ち出し0円で賃貸併用住宅を完成することは「不可能」ではありませんがかなり厳しいかなというところです。また、必ずやっておくべきはいくつかのメーカーや工務店をきちんと比較し、より具体的なプランを作成しておくことです。
役に立ったのは下記のサービスです
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