「引越しで仏壇が遠くなる」
「事情により仏壇が2つになる」
「仏壇を買い替える」
このように、仏壇の処分が必要になるタイミングがあります。
仏壇の処分は、一般的には処分することが少ないため、処分方法に困る方が多いのではないでしょうか。
今回は、仏壇の処分の仕方や実際の処分の流れなどについて詳しく解説していきます。
処分する際の注意点などについても解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
仏壇の処分が必要になるタイミング
仏壇の処分が必要なタイミングは、大体の人が共通しています。
人生において、仏壇の処分を経験する人は少ないのではないのでしょうか。
実際に処分が必要なタイミングは、以下の3つのタイミングです。
- 両親が亡くなった時
- 実家を売却(解体)する時
- あととりがいない場合
それぞれ詳しく解説していきます。
1つ目は、今まで仏壇を守ってきた両親が亡くなったタイミングで、子供が仏壇を受け継がないケースです。
代々受け継がれてきた昔ながらの仏壇は、大きくて扱いづらいという人も中には居ます。
また、現在では実家を出て離れて暮らすという人も多くなってきました。
そのため、両親が亡くなったタイミングで仏壇の処分を検討するという人が多いのです。
2つ目は、実家を売却する時、または解体する時です。
実家の売却や解体をする時には、仏壇を処分しなければいけない場合が多いです。
なぜなら、売却や解体を検討している時点で、実家には住まないケースがほとんどだからです。
そのため売却、解体を行うタイミングで仏壇を処分するケースが多くなります。
3つ目は、あととりがいない場合です。
あととりがいない家は、今住んでいる人が居なくなれば最終的に空き家となってしまいます。
その結果、仏壇の処分を検討する人が多くなるのです。
一人暮らしや子供がいない家庭では、仏壇を守り続けることは現実的にも難しくなります。
そのため、元気なうちに仏壇を処分しようと考える人も少なくありません。
その場合は、お寺に「永代供養」を依頼します。
お寺に今まで守ってきた仏壇を預け、丁寧に供養してあげることで仏壇を処分することができるのです。
仏壇の処分をする前に「閉眼供養」をおこなう
仏壇を処分する際には、「閉眼供養」を行う場合がほとんどです。
閉眼供養の逆は「開眼供養」と呼びます。
開眼供養とは、仏壇を設置した際に僧侶に読経を行ってもらうことです。
読経を行うことで、先祖代々の魂を供養できるように仏壇を浄めるという意味が込められています。
一方で閉眼供養とは、開眼供養を行った場合は必ず行うべき法要です。
閉眼供養は開眼供養の逆で、「今まで仏壇に祀られていた先祖代々の魂を抜く」という意味合いが込められています。
やり方は閉眼供養同様、僧侶を招いて読経をしてもらい仏壇を浄めてもらいます。
閉眼供養を行わないまま仏壇を処分、放置すると仏壇に先祖代々の魂が宿ったままになってしまうため良くありません。
そのため、仏壇を処分するときは閉眼供養を必ず行うようにしてください。
閉眼供養の費用相場は地域にもよりますが、お布施、お車代、お膳料などを支払うパターンが多いです。
しかし、現在ではお布施のみを支払うケースも少なくはありません。
費用は各地域で異なりますが、大体数千円から10万円ほどの金額となることがほとんどです。
次項で語る5つの方法は、閉眼供養を済ませているのが前提ですので注意してください。
仏壇を処分する6つの方法
実際に仏壇の処分を検討する場合は、どのような方法があるのでしょうか。
今回は、6つの方法をご紹介しますので参考にしてください。
具体的な処分方法については以下のような内容になります。
- お寺に依頼する
- 仏壇店に依頼する
- 粗大ゴミに出す
- 不用品回収業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
- 不動産買取業者に依頼する
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
お寺に依頼する
代々お世話になっているお寺によっては、仏壇を引き取ってくれる場合があります。
長年お世話になっているお寺のことを「菩提寺」と呼び、読経や閉眼供養などのさまざまな法要を行ってくれるお寺のことです。
あなたの家でも、お世話になっている「菩提寺」があるはずです。
お寺に相談して、仏壇の処分ができないかを検討してもらいましょう。
お寺に依頼する場合のメリットとしては、「閉眼供養」から引き取りまでを一連の流れでスムーズに行えるということです。
閉眼供養は菩提寺にお願いし、処分は別の業者へお願いするなどの手間が省かれるためスピーディーに仏壇の処分ができます。
逆にデメリットは、仏壇を菩提寺に持って行かなければいけないということです。
菩提寺では閉眼供養は行ってくれますが、仏壇の運搬までは行ってくれません。
そのため、持ち込みの手間がかかってしまいます。
スピーディーに仏壇の処分ができる一方で、持ち込みの手間があるので仏壇の運搬が可能な方にはおすすめな処分方法です。
費用は菩提寺によって異なりますが、数万円が相場です。
代々お世話になっているということもあり、値下げ交渉がしづらいという点もデメリットかもしれません。
《メリット》
- 閉眼供養から処分までスムーズに行える
《デメリット》
- 菩提寺への持ち込みは自分でしなければいけない
- 値下げ交渉が難しい
《費用》
- 数万円
仏壇店に依頼する
菩提寺に依頼する他にも、仏壇店へ依頼することもできます。
仏壇店へ依頼するメリットは、菩提寺と違い仏壇を引き取りに来てくれる点です。
仏壇の引き取りまでを行ってくれるため、時間が無い中でも処分を行いたい方にはおすすめな方法になります。
また、処分を依頼すると閉眼供養も行ってくれるので、法要から処分までを全て任せて依頼することが可能です。
しかし、デメリットとして料金が菩提寺と比較して高くなってしまうことが挙げられます。
料金の中には、仏壇店が引き取りに来るための「引き取り料」も含まれています。
そのため菩提寺に依頼するよりも高い料金となってしまうのです。
料金は2万円から6万円程度の金額で利用することができます。
もし、処分費用を安価に抑えたいのなら、他の家の仏壇と一緒に処分する「複数処分」のプランを選ぶと費用を抑えることができます。
料金を検討しつつ、自分にあった処分方法を選べるという点も仏壇店に依頼するメリットとなります。
《メリット》
- 閉眼供養から処分までスムーズに行える
- 引き取りも依頼可能
- 自分に合った処分方法を選べる
《デメリット》
- 菩提寺よりも料金が高くなる
《費用》
- 2万円から6万円
粗大ゴミに出す
自分で粗大ごみとして出すことも可能です。
「今まで仏壇に祀られていた先祖代々の魂を抜く」という目的として閉眼供養は行われます。
そのため、閉眼供養が済めば仏壇は木箱として扱うことができるのです。
自分で粗大ごみとして出すメリットとしては、費用が抑えられるという点です。
実際に処分をする際には、数百円から数千円で処分できるため、非常に安価に処分することができます。
一方で、デメリットとしては自分で粗大ごみとして出すにあたり、実際の処分に労力がかかるという点です。
処分する際には仏壇を解体する必要があるかもしれません。
解体する際は、自分で処分しなければいけないため労力がかかってしまうのです。
また、各自治体の粗大ゴミの集荷所へ仏壇を出すと、地域住民の目線も気になってしまいます。
そのような心理的負担がかかる場合もあるので、デメリットとして挙げられます。
《メリット》
- 処分費用が安価で済む
《デメリット》
- 処分するための労力がかかる
- 心理的負担がかかる場合がある
《費用》
- 数百円から数千円
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者へ依頼するという方法もあります。
不用品回収業者へ依頼するメリットは、引き取りに来てくれる場合もある、場合によっては値段が安いという点です。
不用品回収業者は、仏壇を回収に来てくれる場合が多いです。
自分で持ち込みの場合もありますが、引き取りしてくれる場合は処分にかかる手間を省くことができるので、時間が無い中での処分が必要な場合は助かります。
そして、場合によっては無料で引き取ってくれることもあるため、値段が安いという点もメリットとして挙げられます。
デメリットは、回収後に他の不用品と一緒に処分されるので、雑に扱われる可能性があるということです。
仏壇は、雑に扱って良いものではありませんが、不用品回収業者へ依頼すると他の不用品と一緒に処分されてしまいます。
そのため、今まで大事に守ってきた仏壇が粗末に扱われる可能性があるのです。
《メリット》
- 回収に来てくれる
- 処分費用が安価で済む場合がある
《デメリット》
- 回収後どんな扱いをされるか分からない
《費用》
- 業者によって異なる
- 場合によっては無料
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者は、遺品を整理しながら買取も行ってくれます。
仏壇の処分は、遺品整理業者へ依頼することも可能です。
遺品整理業者へ依頼するメリットは、自分でやるよりもスムーズに処分ができるということが挙げられます。
遺品整理業者は、遺品整理のプロです。
自分で遺品を整理すると、なかなか処分作業が進まないものです。
しかし、遺品整理業者は一緒に整理しながら処分作業を行ってくれるため、自分一人でやるよりもスムーズに処分することができます。
デメリットは、高額になりやすいという点です。
遺品整理業者へ依頼すると5万円から8万円かかる場合が多く、他の処分方法よりも高額になってしまう可能性が高いです。
自分で処分するよりもスムーズに処分が行えますが、料金が高くついてしまうというデメリットもあることを覚えておきましょう。
遺品整理業者へ依頼する場合は、仏壇以外にも遺品整理もしたい方はおすすめです。
《メリット》
- 自分でやるより処分作業がスムーズ
《デメリット》
- 高額になる可能性がある
《費用》
- 5万円から8万円
不動産買取業者に依頼する
仏壇の処分には、不動産買取業者へ依頼するという方法もあります。
仏壇以外に実家も売却したい方にはおすすめな方法です。
また、買取業者によっては「遺品整理業者」との連携もある場合があります。
弊社(アルバリンク)でも「遺品整理業者」と連携しているため、遺品整理をしながら仏壇の処分も可能です。
不動産買取業者へ依頼する場合、メリットとしては費用ほぼゼロで現況買取できるという点です。
逆にデメリットは、状態が悪ければ買い取ってもらえない可能性があるということです。
買取可能の際には現況で買取が可能なため、費用を抑えることができます。
しかし、買取できない場合は処分ができなくなってしまうので、そのようなリスクもあるということをしっかり理解しておきましょう。
《メリット》
- 費用ほぼゼロで現況買取も可能
《デメリット》
- 買い取ってもらえない可能性がある
《費用》
- 業者によって異なる
- 費用はかからないことがほとんど
宗派による仏壇の処分方法
宗派によって、仏壇の処分方法が異なります。
今回は、創価学会と浄土真宗の2つの宗派の仏壇の処分方法について紹介します。
創価学会
家が創価学会の宗派に属している場合、創価学会の仏壇は一般的な仏壇店では引き取ってもらえません。
そのため、創価学会専門の業者に引き取ってもらう必要があります。
その場合、引き取り料が割高となってしまうことが多いです。
創価学会の仏壇では、仏壇周りに飾られている仏像や掛け軸などを「御本尊」と言います。
御本尊は創価学会の地区会館が引き取ってくれるので、そちらへ相談してみましょう。
仏壇の木箱の部分は、通常の仏壇として処分することができます。
粗大ゴミに出すことによる処分、創価学会専門の仏壇店などに依頼するなどの方法で処分が可能です。
浄土真宗
浄土真宗の場合、他の宗派と大きく異なる点があります。
それは、閉眼供養を行う必要が無いということです。
浄土真宗では「人は死ぬと天国に召される」という考え方なので、「仏壇に亡くなった人の魂が残る」という考え方はありません。
そのため閉眼供養を行う必要が無いのです。
その代わりに「遷座法要(せんざほうよう)」と呼ばれる法要を行います。
遷座法要とは、鎮座する場所を変更するという意味が込められています。
創価学会とは異なり、仏壇自体は回収業者などへも依頼可能なので、処分の際には検討してみてください。
仏壇を処分する4つの流れ
仏壇を処分する際のおおまかな流れは以下の通りです。
- 処分方法の検討
- 依頼先へ連絡後見積もりを取ってもらう
- 日程調整
- 閉眼供養・運び出し
まず、どう処分するのかを選択します。
処分方法はいくつかありますが、自分に合った処理方法を選択することが大切です。
次に依頼先へ連絡して、実際にどのくらいの費用がかかるのか見積もりを取ってもらいます。
その後は、どのような日程で処分するのか日程調整を行い、計画したスケジュールに基づき閉眼供養と運び出しを行います。
以上が仏壇を処分する際の大まかな流れです。
仏壇を処分する際の4つの注意点
仏壇を処分する際には、4つの注意点に気を付けながら処分する必要があります。
具体的な注意点は以下のような内容です。
閉眼供養を忘れずおこなう
閉眼供養とは、今まで先祖代々を祀ってきた仏壇を、「役目を終えたことへの感謝」という意味も込めて読経を行うことです。
仏壇を処分する際は閉眼供養を行うのが一般的ですが、閉眼供養を行わずに処分する場合もあります。
そのような場合、今まで祀ってきた祖先に対して失礼に値するため、必ず閉眼供養を行うようにしてください。
親族に相談する
仏壇を処分する際には親族に必ず相談しましょう。
仏壇は、一世帯の話だけではなく親族にも関わる話です。
親族に相談せずに仏壇を処分して、仲が悪くなってしまうこともあります。
そのため、親族には関係が無いとは思わずに必ず相談するようにしてください。
仏壇の中身を整理する
仏壇の中身を整理することも非常に大切です。
仏壇の中には、大切な物が入っている可能性があります。
例えば通帳や現金などです。
もし、処分する際に業者や他人に見られたら、情報が漏洩して悪用されてしまう危険性があります。
処分をする際は、仏壇の中身をしっかり確認してから処分するようにしましょう。
菩提寺に処分の経緯を伝える
長年お世話になっているお寺である「菩提寺」に、仏壇処分の経緯を伝えることも大切なことです。
仏壇は雑に扱ってはいけない物なので、しっかりとした経緯を理解したうえで処分する方がトラブルなく処分することができます。
長年お世話になった菩提寺だからこそ、ちゃんと経緯を伝えたうえで処分するようにしましょう。
まとめ
人生で仏壇を処分する経験はなかなか無いと思います。
ですが、何らかの理由で処分しなければいけなくなってしまった場合、具体的な処分方法を知っておく必要があります。
実際に仏壇を処分する際には、一人で抱え込まずに周りの人に相談してみましょう。
親族、菩提寺、業者などは今抱えている悩みを聞き取って、最善の解決策を導き出してくれる頼もしいパートナーとなります。
仏壇の処分は簡単ではありませんが、当記事を参考にして最善の処分方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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