再建築不可物件投資とは?メリットやデメリット、成功するためのポイントを解説

「再建築不可物件は、相場より安く買えて高い利回りを狙える」
このような話を耳にし、再建築不可物件への投資に興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。
建て替えができない再建築不可物件ですが、今ある建物や土地を活かして収益化することもできます。
また、一般的な物件より取得費用や固定資産税の負担をおさえやすいという特徴があります。
一方で、融資を受けにくい、出口戦略が描きにくいという制約があるため、購入前の見極めが重要です。
この記事では、以下の内容を、空き家や老朽戸建ての買取・再販を手がける専門家の視点から解説します。
- 再建築不可物件投資のメリット・デメリット
- 賃貸経営や民泊など5つの活用例
- 再建築不可物件の探し方と成功するための5つのポイント
メリットとリスクの両方を押さえることで、再建築不可物件投資に取り組むべきか、どのような点を押さえればいいかを判断できます。
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目次
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、今ある建物を取り壊すと、新しい建物を建てられない土地と建物のことです。
法律上の用語ではなく、不動産取引の実務で使われます。
原則として、都市計画区域および準都市計画区域内においては、「建物を建てる敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と定められています。
再建築不可物件が建て替えられないのは、この建築基準法上の接道義務(第43条)を満たしていないことが主な原因です。
参照元:e-Gov法令検索|建築基準法

具体的には、次のような物件が当てはまります。
- 敷地が道路にまったく接していない
- 敷地が道路に接している部分の長さが2m未満である
- 敷地が接している道が、建築基準法上の道路ではない
建て替えはできないものの、一定の範囲内であればリフォームやリノベーションを行うことは法律上問題ありません。
そのため、既存の建物を上手く活かしながら収益化を目指す不動産投資の対象として、独自の市場を形成しています。
再建築不可物件に投資する3つのメリット
建て替えができないという制約がある再建築不可物件ですが、投資家にとってメリットとなる点もあります。
ここでは、投資物件としての3つのメリットを解説します。
割安な価格で物件を購入できる
再建築不可物件は、一般的な建て替え可能な物件より安く購入できます。
建て替えられないことに加え、融資を受けにくいことから、買い手がまとまった現金を準備できる人に限られるためです。
あくまで目安ですが、再建築不可物件は、近隣の相場の3~7割程度で購入できるとされています。
購入価格が安いほど、同じ家賃収入でも表面利回りは高くなります。

たとえば年間60万円の家賃収入が見込める場合、購入価格による表面利回りの違いは次のとおりです。
| 物件 | 購入価格 | 表面利回り | 初期投資の回収期間 |
|---|---|---|---|
| 一般的な建て替え可能な物件 | 1,000万円 | 6% | 約17年 |
| 再建築不可物件 | 500万円 | 12% | 約9年 |
再建築不可物件は、安定した需要を見込めれば高い利回りを狙える投資対象といえます。
固定資産税や不動産取得税を抑えられる
再建築不可物件は、固定資産税や購入時の不動産取得税が安くなる傾向にあります。

これは、固定資産税や不動産取得税を算出するもととなる「固定資産税評価額」が、一般的な土地より低くなるためです。
総務大臣が告示する「固定資産評価基準」に基づいて、市町村が決める土地・建物の評価額です。
宅地の評価額は、地価公示価格などの7割を目途に決められています。
土地の評価では、道路に接していない土地や間口の狭い土地は利用価値が低いとして、評価額を減らす補正が行われます。
また、購入時にかかる不動産取得税も、固定資産課税台帳に登録されている評価額をもとに算出されます。
参照元:東京都主税局「不動産取得税」
そのため、購入時にかかる不動産取得税、保有している間の固定資産税の負担を抑えやすくなります。
なお、建物が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用されます。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は6分の1、一般住宅用地(200㎡超の部分)は3分の1に軽減される仕組みです。

再建築不可物件は建物を建てられないため、一度建物を取り壊して更地にすると、特例の対象から外れ固定資産税が上がります。
参照元:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
長期保有で価値が安定することがある
再建築不可物件は、長期的に保有することで資産価値が安定しやすいという意外な側面も持ち合わせています。
一般的な不動産物件の場合、建物の経年劣化とともに評価額が少しずつ下がり続け、それに伴い市場での販売価格も下落していくのが通常の流れです。
しかし、再建築不可物件はもともと「建て替えができない」という強力な悪条件が価格に織り込まれています。
つまり、購入時点ですでに底値に近い価格帯まで下落していることも多いということです。
そのため、これ以上大きく価格が暴落するリスクが比較的低くなります。
加えて、不動産市況の変動による悪影響を受けにくいというメリットも見逃せません。
定期的なメンテナンスや適切なリフォームを行い、居住可能な状態をしっかりと維持し続ければ、購入時に近い価格帯で将来的に売却できる可能性も残されており、手堅い資産運用につながります。
再建築不可物件に投資する4つのデメリット
再建築不可物件は安く購入できる一方で、再建築不可物件特有の制約もあります。
ここでは、投資物件としての4つのデメリットを解説します。
リフォーム時に工事範囲やコスト面での制約を受けやすい
再建築不可物件では、大規模なリフォームを行いにくく、工事範囲の制約を受けやすくなります。
これは、建築確認申請が必要な大規模リフォームになると、接道義務を含めて今の基準に適合しているかが審査されるためです。
建築や大規模な工事の前に、計画が建築基準法などの法令に適合しているかを、自治体や指定確認検査機関に確認してもらう手続き
再建築不可物件は接道義務を満たしていないことが多く、建築確認が必要になる工事は難しくなります。
また、2025年4月から、木造2階建ての住宅は、主要な部分を過半にわたって直す大規模なリフォームにも建築確認申請が必要になりました。
ここでいう「大規模なリフォーム」とは、建物の主要構造部(壁・柱・床など)の一種以上について行う過半の改修工事を指します。

ただし、木造平屋建てで延べ面積200㎡以下の住宅は、大規模なリフォームでも建築確認申請が不要になることがあります。
参照元:国土交通省「2025年4月から木造戸建の大規模なリフォームが建築確認手続の対象になります」
リフォームができる工事に制約があると、入居者の確保に必要な工事ができず収益性に影響する可能性があります。
購入前に、必要な工事は何か、建築確認が不要な範囲に収まるのかを確認しておくことが大切です。
関連記事:再建築不可物件は避けるべきなのか?デメリットと対策
融資やローンを組めない可能性が高い
再建築不可物件のデメリットとして、銀行の融資を利用しにくい点があります。
建て替えができない物件は、将来売却しにくく、担保価値が低く見積もられやすいためです。
その結果、希望よりも借入額が少なくなったり、融資そのものが断られたりすることもあります。
ただし、ノンバンクのローンを利用する、あるいは保有している別の不動産を担保にローンを組める場合もあります。
銀行のような預金業務を行わず、お金を貸す業務に特化した金融機関。
代表的なものに、信販会社や消費者金融などがある。
この場合、適用金利の水準や返済期間、借入可能額などに条件がつきやすい点に注意が必要です。
関連記事:【空き家投資ローンの完全ガイド】主要5商品の比較や補助金の活用方法も解説
災害による倒壊や延焼のリスクが増える
再建築不可物件は、災害による倒壊や延焼のリスクが高いという面があります。
再建築不可物件は、道幅の狭い場所に建っていることが多く、災害時に消防や救急車両が進入しにくく、消火や救助活動に支障が出やすいためです。
一般的に、道幅が4m未満の道路は、地震や火災などの災害時に消防や救急の活動に支障をきたすとされています。
国土交通省が自治体に行ったアンケートでも、道路幅が狭いことで「火災時に、消防車が現場に辿り着けなかった」という回答が報告されています。
参照元:国土交通省「狭あい道路対策及び接道規制に係る動向について」
さらに、再建築不可物件は、倒壊や焼失で建物を失っても、再度建て替えられないため、家賃収入も止まります。
また、火災保険を検討する際、倒壊や延焼リスクが高い物件は、保険会社によっては加入を断られたり、保険料が高くなったりすることがあります。
購入前に、ハザードマップや周辺環境から災害リスクを想定し、加入できる保険の条件を確かめておくことが大切です。
出口戦略の選択肢が限定される
再建築不可物件は買い手が限られるため、売りたいときにすぐ売れるとは限らず、出口戦略の選択肢が限られます。
再建築不可物件の主な売却先は、次の3つです。
- 投資家:家賃収入や利回りなどの収益性を見て判断する
- 買取業者:早く売却できる一方で、価格は相場より低くなりやすい
- 隣地の所有者:隣地と合わせて接道義務を満たすことで建て替え可能になり、購入しやすくなる
再建築できる戸建てであれば、投資家以外にも居住目的で購入する実需層も売却のターゲットとなります。
一方、再建築不可物件の場合、買い手が住宅ローンを組みにくいため、一般の購入者に敬遠されやすくなります。
仲介する不動産会社も、取り扱いに消極的な場合があります。
購入前に、どれくらいの期間保有するのか、出口としてどのような選択肢が考えられるのかを押さえておくことが大切です。
再建築不可物件投資の活用例5選
再建築不可物件でも、今ある建物や土地を有効活用することで収益化は可能です。
ここでは、5つの活用例を解説します。
賃貸経営
再建築不可物件の代表的な活用例が賃貸経営です。
戸建賃貸の場合、建物を建て替えなくてもリフォームを行うことで収益物件として活用できます。
また、戸建て賃貸は、マンションやアパートと異なり、駅から少し離れた立地でもファミリー世帯を中心に需要が見込みやすいという特徴があります。
日本賃貸住宅管理協会の調査(2023年度)では、平均居住期間は、単身世帯が約3年3か月であるのに対し、ファミリー世帯が約5年3か月です。
このように、ファミリー世帯は単身世帯より入居期間が長い傾向があり、長期的に安定した家賃収入を見込みやすいといえます。
不動産投資家のなかには、「築古戸建て」といった特定の条件に特化して物件を購入しているケースもあります。
以下で紹介しているモフ蔵さんは、築古戸建てを中心に計60戸を運用しており、わずか2年半でFIREを達成するまでの成功をおさめました。
関連記事:【2年半でFIRE達成】モフ蔵さんに「築古戸建て投資でFIREする方法」を直撃インタビュー!
シェアハウス経営
シェアハウス経営も、再建築不可物件の活用例の一つです。
シェアハウス経営とは、リビングやキッチン、浴室などを共用しながら、部屋(個室)を入居者へ貸し出す方法です。
入居者は、個室でプライバシーを確保しながら、広いリビングやキッチンを使え、ワンルームマンションなどより家賃を抑えられます。
シェアハウスの場合、オーナーは複数の入居者から家賃を得られます。
1人が退去しても他の入居者の家賃が残るため、賃貸経営より空室リスクを抑えやすい投資手法です。
ただし、シェアハウスは、個室の鍵や防音、共用スペースの家具・家電などの整備が必要となり、初期費用が高額になりやすい傾向があります。
また、管理を委託する場合の費用は、一般の戸建て賃貸が家賃の5~10%程度とされるのに対し、シェアハウスは15~20%が目安です。
なお、シェアハウスは建築基準法上「寄宿舎」として扱われるため、住宅からシェアハウスにするには、用途変更が必要となる場合があります。
購入前に、建築士や物件のある自治体の建築指導課で、用途変更ができるかを確認しておくことが大切です。
関連記事:一軒家をシェアハウスにしたい人向けの完全ガイド!収益化の秘訣を解説
民泊経営
民泊経営も、再建築不可物件の活用例の一つです。
民泊経営とは、住宅を活用して、旅行者などに宿泊サービスを提供し、宿泊料を得る方法です。
すでにある建物を活用できるため、再建築不可物件でも運営できます。
訪日外国人観光客の増加で、宿泊のニーズが多様化しており、その需要を取り込めるメリットがあります。
古い日本家屋であれば、古民家としての趣を残したリノベーションで、人気を得られるケースもあるでしょう。
民泊を行う主な方法は、次の3つです。
| 方法 | 意味 | 営業日数の制限 |
|---|---|---|
| 住宅宿泊事業法による認定 (新法民泊) | 都道府県知事等に届出をして、住宅に旅行者を宿泊させる事業 | 年間180日以内 (条例でさらに制限可) |
| 旅館業法による認定 (簡易宿所営業) | 保健所の許可を得て、宿泊する場所を多数人で共用する施設に、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業。届出をせずに住宅で民泊を行う場合は、この許可を得るのが一般的 | 制限なし |
| 国家戦略特区法による認定 (特区民泊) | 国家戦略特区の区域で、外国人旅客の滞在に適した施設を、一定期間以上貸す事業 | 制限なし (原則2泊3日以上の滞在が条件) |
参照元:観光庁「民泊制度ポータルサイト|はじめに『民泊』とは」
新法民泊は、都道府県知事等への届出のみで済み、最も始めやすい方法だといえます。
また、建物を住宅のまま使えるため、旅館・ホテルへの用途変更も必要ありません。
一方、旅館業の許可には用途変更が必要となり、接道に問題がある再建築不可物件では、認められない自治体もあります。
購入前に、物件のある自治体の窓口で、民泊ができる地域か、条例による制限がないかなどを確認しておくことが大切です。
関連記事:空き家で民泊を始める方法|メリットやデメリット、補助金まで完全解説
テナント経営
建物を店舗や事務所として貸し出すテナント経営も、再建築不可物件の活用例の一つです。
レトロな外観や独特の間取りの再建築不可物件であれば、個性を重視する事業者に、魅力的な物件に映る場合があります。
たとえば、古民家を生かしたカフェやアトリエ、展示場などがあります。
ただし、住宅を店舗や事務所として貸すには、建物の使い道を変える「用途変更」が必要です。
貸す用途によって、建築確認申請の要否が変わります。
| 用途 | 建築基準法に基づく確認申請の要否 |
|---|---|
| 事務所 | 不要 |
| 飲食店・物販店舗 | 用途変更する部分が200㎡を超える場合は必要 |
建築確認が不要な場合でも、用途ごとに防火や避難などの基準は守る必要があります。
また、自治体の条例で、敷地が道路に接する長さなどの基準が加わる場合もあります。
参照元:e-Gov法令検索「建築基準法」
関連記事:空き店舗活用の成功事例5選!収益化と地域貢献を同時に成功させる方法とは?
更地活用
土地上の建物を解体して更地として活用する方法もあります。
更地の主な活用方法は、次のとおりです。
| 活用方法 | 特徴 |
|---|---|
| 駐車場・駐輪場 | 車が通れる幅の道路や通路に接していることが条件。軽自動車やバイク、自転車置き場としての用途もある |
| 自動販売機・広告看板 | 設置しやすい一方で、収益は小さい。他の土地活用と併用するのがおすすめ |
| 太陽光発電 | 採光が確保できれば立地に関係なく始めやすい |
なお、更地の活用法として、コンテナを置いたトランクルームもありますが、移動できないコンテナは建築物にあたり確認申請が必要です。
接道義務を満たしていない土地では、原則として認められません。
参照元:国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」
また、更地として活用するために一度建物を解体すると新たに建物を建てられません。
さらに、住宅用地の特例が適用されている場合、建物を解体すると適用から外れ、土地の固定資産税が上がります。
そのため、解体して更地として活用するかは、慎重に判断する必要があります。
関連記事:【空き地の活用したビジネス18選】有効活用事例や空き地の探し方も解説
再建築不可物件の探し方
再建築不可物件を探す方法は、主に3つあります。
ここでは、それぞれの探し方を解説します。
不動産ポータルサイト
再建築不可物件は、不動産ポータルサイトで探せます。
次の表は、再建築不可物件を探せる主要サイトと検索方法をまとめたものです(2026年10月時点)。
| サイト名 | 検索方法 |
|---|---|
| 健美家 | 検索条件で「再建築不可」を指定して絞り込む |
| 空き家のURI・KAI | 検索条件で「再建築不可」を指定して絞り込む |
| 楽待 | 検索条件では絞り込めないため、キーワード「再建築不可」で検索する |
| SUUMO | 検索条件では絞り込めないため、キーワード「再建築不可」で検索する |
不動産広告のルール上、道路に2m以上接していない土地の情報として「再建築不可」と書く必要があります。
そのため、検索条件で絞り込めない場合でも、特記事項などに記載されている「再建築不可」というキーワードを検索することで、再建築不可物件を探せます。
参照元:首都圏不動産公正取引協議会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
不動産会社への相談
不動産会社へ相談して探してもらう方法です。
再建築不可物件は、価格が安く仲介手数料が少ない一方で、接道状況の調査などに手間がかかりやすい物件です。
そのため、なかには、取り扱いに消極的な不動産会社もあります。
一方、特に、空き家や築古戸建てを専門に扱う不動産会社であれば、ネットに公開される前の物件を紹介してもらえる場合があります。
不動産会社に相談するときは、希望するエリアや予算、目標とする利回りなどを準備しておきましょう。
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現地でのリサーチ
自分で現地を歩いて探す方法もあります。
再建築不可物件は、幅が2m未満の細い路地が入り組んだ地域や、古い木造住宅が密集する地域に多い傾向があります。
現地でリサーチするなか、気になる物件を見つけたら、以下のような方法で再建築不可かどうかを確かめましょう。
- 法務局で、登記事項証明書と公図を取得する
- 役所の建築指導課や道路管理課で再建築の可否、例外的に建築できる可能性があるかなどを確認する
登記記録に記載された土地や建物の所在、面積、所有者などの情報を証明する書類。
公図
法務局に備え付けられている、土地の位置や形、隣り合う土地との関係を示した図面。
なお、証明書を取得する手数料は、登記事項証明書が1通600円、公図などの図面の証明書が土地1筆、または建物1個ごとに500円です(書面で請求する場合)。
参照元:法務省「登記手数料について」
関連記事:再建築不可物件の調べ方は簡単!必要書類や物件の活用術まで解説!
再建築不可物件投資で成功するための5つのポイント
一般的な物件と比べると将来的な売却が難しい再建築不可物件は、買う前に慎重に見極める必要があります。
ここでは、再建築不可物件の投資で成功するための5つのポイントを解説します。
できるだけ状態の良い物件を選ぶ
建物の基礎や構造がしっかりしていて、雨漏りやシロアリの被害がないなど、できるだけ状態の良い物件を選ぶことです。
再建築不可物件は、建て替えができないだけでなく、大規模なリフォームに制約が出る可能性があります。
状態の悪い建物は、補修費用がかさむだけでなく、そもそも不動産経営するうえで必要な工事ができないおそれがあります。
そのため、特に、次のような箇所はしっかり確認しましょう。
- 基礎のひび割れや沈み
- 柱や梁の傾き、腐食
- シロアリの被害
- 屋根や外壁からの雨漏り
- 給排水や電気などの設備
なお、自分で建物の状態を判断するのが難しい場合は、建築士による建物状況調査(インスペクション)を利用する方法もあります。
国の講習を修了した建築士が、構造上主要な部分と、雨水の浸入を防ぐ部分を調べる調査。
参照元:国土交通省「既存住宅状況調査、既存住宅瑕疵保険関係資料(令和5年9月版)」

状態のよい物件を選べば、リフォーム費用を抑えやすく、必要な修繕工事を施すことで安定した家賃収入につなげやすくなります。
関連記事:再建築不可物件への投資は本当に儲かるのか?リスクや5つの攻略法を解説
セットバック可能な物件に絞り込む
物件選びにおいて、セットバック可能な物件に絞り込むこともポイントの一つです。

前面道路の幅が4m未満でも、2項道路で敷地が2m以上接していれば、境界線を後退させる(セットバック)ことで建て替えが可能になります。
2項道路では、道路の中心から2mの位置が境界とみなされ、その位置まで敷地を後退させれば、接道義務を満たせます(対面が河川や崖などの場合は、対面の境界から4mまで後退)。
建築基準法の規定が適用された際にすでに建物が立ち並んでいた幅4m未満の道で、特定行政庁が指定したもの。
建築基準法上の道路とみなされる。
セットバックによって再建築可になれば、資産価値を大きく高められ、将来の売却もしやすくなります。
ただし、次の点に注意しましょう。
- 前面道路が2項道路でない通路、接道距離が2m未満だと、セットバックしても建て替えられない
- セットバックした部分は建物の敷地面積に入れられない
- セットバックした部分には建物や門・塀を作れない
なお、セットバック部分は、申告すると固定資産税が非課税になる場合があります。
現地調査で建物の状態や周辺環境を確認する
購入前に、現地で建物の状態や周辺環境を入居者の目線で確かめることも重要です。
路地の奥や住宅の密集地にある再建築不可物件は、利用者が住みやすい物件とは限りません。
具体的には、次の項目を確認しましょう。
- 隣地との境界が明確か、越境がないか
- 日当たりや風通し
- 騒音やにおい
- 最寄り駅やスーパーへのアクセス
- 工事車両が入れる道幅か
- ハザードマップで災害リスク
住みやすさや安全性は、客付けのしやすさや家賃設定にも影響します。
物件購入や初期リフォームの前に専門家へ相談する
物件の購入判断や初期リフォームの前には、建築士などの専門家に相談するのもポイントの一つです。
再建築不可物件は、接道状況の判断や生活環境への影響、リフォームで建築確認が必要かなど、個人では見極めが難しい面があります。
内容に応じて、次のような相談先を使い分けましょう。
| 相談先 | 相談する内容 |
|---|---|
| 建築士 | できる工事の範囲、建築確認が必要かどうか |
| リフォーム会社 | リフォームの費用 |
| 不動産会社 | 物件の法令上の扱い、相場、売却 |
| 土地家屋調査士 | 境界の確認、測量 |
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事前に明確な出口戦略を描いておく
購入前に、物件をいつ・誰に・どのように手放すかのシナリオを描き、収支を試算しておくことが重要です。
買い手が限定されやすい再建築不可物件は、売りたいときに売れるとは限りません。
そのため、購入段階で出口戦略を用意しておく必要があります。
出口戦略のシナリオとして次のものが考えられます。
- 家賃収入で投資額を回収したあと、投資家や買取業者に現状のまま売却する
- 隣地を買い取って建て替えられる状態にしてから売却する
- 隣地の所有者に売却する
将来的に隣地の買い取りや売却を想定するのであれば、隣地所有者などの状況の確認も重要になります。
関連記事:再建築不可は本当にやめたほうがいいのか?後悔しない投資法を解説
まとめ
再建築ができない土地・建物でも、賃貸経営やシェアハウス経営のほか、民泊経営などでの収益化を目指せます。
一般的な物件より割安な価格で購入でき、固定資産税や不動産取得税を抑えやすい一方で、リフォームや融資、将来の売却に制約があります。
再建築不可物件の投資判断で、特に重要なのは次の点です。
- 前面道路の条件と建物の状態を確認し、必要な工事ができるか
- 入居者の生活環境はどうか(長く利用してもらえるか)
- 融資を受けられない場合でも、自己資金で資金計画を立てられるか
- 将来の売却などの出口戦略を描けるか
判断に迷う場合は、建築士や不動産会社など専門家に相談することが大切です。
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再建築不可物件投資でよくある質問
築古戸建てなかでも、再建築不可物件は、さらに安く購入できる可能性があります。
ただし、現金での購入が前提になりやすいため、物件価格のほかリフォーム費用と購入時の諸費用を加えた総額を、自己資金で用意できるのがのぞましいでしょう。
購入する物件によってリフォーム費用は大きく変わるため、物件価格とセットで建物の状態(リフォーム費用)の見極めが重要です。
再建築不可物件の場合、物件の取得価格を抑えやすい分、一般的な戸建て投資より表面利回りは高くなることもあります。
ただし、利回りは、リフォーム費用を含めた初期投資額から利回りを考えることが重要です。
たとえば、物件価格300万円・年間家賃48万円であれば表面利回りは16%ですが、リフォーム費用が300万円かかると利回りは半分(8%)になります。
シロアリ被害や雨漏りで構造部分から補修が必要な場合や、前面道路が狭く工事車両が入れない場合は、費用がかさみやすくなります。
購入前に、複数のリフォーム会社に見積もりを依頼し、費用を確認しておきましょう。
再建築可能にする方法として、次のものがあります。
・隣地の一部を買い取る、または借りて接道義務を満たす
・建築基準法第43条第2項の認定を受ける
・前面道路が2項道路であれば道路後退(セットバック)
方法によって、隣地所有者の同意や自治体の判断が必要になります。
将来的に再建築可能な物件を探すのであれば、購入前に役所や隣地の所有関係などの確認が欠かせません。
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