こんにちは。仙台で小さなアパートを経営しているhayasakaです。
不動産投資は “ミドルリスク・ハイリターン”型の投資モデルと言われていました。
株や為替などへの投資よりも、着実に長期安定収入が得られることから、数千万円のローンを組んでも着実に返済でき、トータルでは数百万円~数千万円のキャッシュフローを稼ぎ出してくれたからです。
しかし、これはあくまで不動産需要が供給を上回っていた時代の話。
人口減少・家余り現象が加速して行くこれからは、一転して“供給が需要を上回る”と見られます。
その結果、空室や家賃低下が避けられず、長期的に収益性が悪化して行く懸念があります。
しかも、現在は空前の超低金利時代ですが、これも上がることはあっても下がることはまずありません。
つまり、いつか金利負担が増えて、収益性の悪化を加速させてしまう危険性もあるわけです。
つまりこれからの不動産投資は”ハイリスク・ハイリターン“型の投資モデルになると言っても過言ではなく、よほどの資金力のある方(多額のローンに頼らずに投資できる方)以外は、ハードルが益々上がって行くと見られています。
それでも、リスクを抑えながら不動産投資の経験を積み、投資資金を増やしていく方法はいくつか考えられます。
今回は不動産投資の入門者にオススメの「少額でもできる不動産投資」について、学んで行きたいと思います。
目次
100万円以下で始められる不動産投資
競馬の世界に「一口馬主」という制度があるように、不動産の世界にも複数の投資家が集まって一つの不動産に投資できる商品が開発されています。
いくつか紹介しましょう。
REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)とは不動産投資信託のことで、金融商品の一種です。
「不動産投資法人」が投資家から集めたお金でオフィスビルやホテルなどを購入・賃貸し、得られた収益を投資家に分配する仕組み。
管理手数料などを引いた9割程度を、投資金額に応じて投資家に還元するシステムです。
10万円程度から投資でき、利回りは平均4%程度と言われています。
証券会社を通じて購入し、初めに証券会社に口座を開設する必要があります。
REITのメリット
- 10万円~100万円の資金で不動産投資できる
- 不動産投資のプロが複数の物件に分散投資できる(リスクを分散できる)
- 株式と同じように取引できるので換金性が高い(値上がり益が出ることも)
- 物件選定・運用・管理などはプロが行うので手間がかからない
REITの注意点
- すべて専門家任せなので不動産投資のノウハウが身に付かない
- 投資法人の倒産などのリスクがないとは言えない
- 金利上昇、空室、家賃低下などで収益が悪化し、配当金が減る場合がある(不動産経営の様々なリスクはそのまま投資家に反映される)
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは「不動産特定共同事業」の認可を受けた不動産会社が運営している商品のことで、ひとつの不動産を出資者が共同所有する仕組み。
例えば1億円の不動産を1口100万円で100口販売するといった方法で、この場合、100万円出資した投資家は、家賃収益の100分の1を得られ、また売却した場合も、売却益の100分の1を手にすることができます。
「匿名組合型」と「任意組合型」などがあり、匿名組合型は不動産の所有権は組合が持ち、投資家は組合に出資する形を取ります。
一方、任意組合型は出資額に応じて不動産の所有権を共同で所有するため、生前贈与や相続税対策にも活用できます。
価格は1口100万円単位が多く、利回りは現状2%~5%程度。
始めるには「不動産特定共同事業」の許可を受けた不動産会社と契約します。
不動産小口化商品のメリット
- 100万円単位で投資できる
- 不動産の経営や管理は不動産会社に任せられる
- 億単位の魅力的な物件に投資できる(優良物件は人口減少・家余り時代にも強い)
- やめたいときにやめやすい(小口の「権利」を所有しているだけなので売却しやすい)
不動産小口化商品の注意点
- 経営・管理などは不動産会社任せなのでコストがかかり、利回りはそれほど高くない(ノウハウも身に付かない)
- 不動産小口化商品自体がまだまだ少ない(投資したくても商品そのものがない)
- 不動産会社の倒産などのリスクがないとは言えない
- 空室、家賃低下などで収益が悪化し、収益が減る場合がある(不動産経営の様々なリスクはそのまま投資家に反映される)
クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
インターネットで出資者を募る「クラウドファンディング」を使った不動産投資もあります。
運営会社がプロジェクトを企画し、投資家からインターネットを通じて資金を集めて運用し、投資家の出資額に応じて利益が分配される仕組みです。
具体的にはマンション、福祉施設、商業施設、古民家再生など幅広く、アイディア次第で大きな事業収益を生み出すことも期待できます。
1万円程度から投資でき、利回りは2%~6%程度と言われます。
クラウドファンディングのメリット
- 1万円から投資できる
- 出資者は何もしなくて良い(本業に影響が少ない)
- プロジェクトを通して不動産事業の視点やノウハウが身に付く(出資するため真剣にプロジェクトを読み込み、しかも実際の成果も確認できるため、不動産経営の生きた教材となる)
クラウドファンディングの注意点
- プロジェクトが成功するとは限らない(計画通りの利回りが得られるとは限らない)
- 人気のプロジェクトはすぐ一杯になる(投資したくてもできない場合もある)
- プロジェクトが終了するまで、出資した資金は返金されない
少額で買える投資物件
自己資金に限りがあり、しかも多額のローンは避けたいという方は、少額で買える物件を探すのも現実的な方法です。
具体的に見ていきましょう。
地方の中古物件
不動産投資では、自己資金の割合を厚くするほど収益性が向上し、様々なリスクに対して強くなります。
一般に自己資金を投資額の3割以上にするのが堅実経営の目安なので、1000万円以内の物件であれば、自己資金を300万円以上用意すれば堅実経営が期待できることになります。
もちろん、収益性の高い物件を手放す投資家はいないので、多くは収益性が悪化した物件と見なければなりません。
しかし、様々な事情で1000万円以下の優良物件が売りに出されている可能性はゼロではないので、常に検索サイトなどで全国の事業用物件をチェックしておくことは重要です。
ポイントは、今後も人口集中が期待される、もしくは緩やかな人口減少にとどまる地方都市に投資すること。
おすすめは全国82カ所の「中核中枢都市」です。
訳あり物件
「事故物件」や「再建築不可物件」などの、いわゆる訳あり物件も、格安で入手可能な物件です。
もちろん、安いのにはそれなりの理由があるため、それをリフォームやリノベーションで解消し、なおかつ収支が見合うのかどうかがポイントになります。
そのためには不動産に対する豊富な知識と経験が不可欠で、とても初心者の手に負える物件ではありません。
「安物買いの銭失い」になる可能性が大なので、避けた方が賢明でしょう。
競売物件
裁判所が行う競売も、不動産を格安に購入する方法です。
相場よりも30%~40%も安く手に入れることも可能と言われています。
しかし、不動産会社が入っていないので、重要事項説明などはなく、不動産に対する相当の目利きが必要です。
また、第三者が住んでいる場合もあり、立ち退きで法外な要求を受けることもあり得ます。
しかも、ローンを使って競売物件を購入するのも不可能ではありませんが、様々な条件があり容易ではありません。
従って、全額キャッシュで購入できる方以外は、競売物件には手を出さない方が無難でしょう。
まとめ
少額で始められる不動産投資には大きく、複数の投資家と共同で運用するものと、少額物件を一人で運用する2つの方法が考えられます。
前者の場合は「ローリスク・ローリターン」型の投資スタイルで、大やけどこそしないものの収益は小さく、時間がかかる割には思ったほど自己資金作りには貢献してくれません。
また、専門家任せなので不動産経営のノウハウを身に付けることも期待薄です。
後者の場合は「ミドルリスク・ミドルリターン」型の投資スタイルで、収益性の高い物件を探し出し、かつ自己資金を3割以上用意するなど堅実な収支計画を実践できれば、それなりの収益性と経営ノウハウを身に付けることができます。
不動産投資は20年、30年という時間軸で収益を出していくビジネスモデルです。
そういう意味では30代、遅くとも40代には本格的な不動産投資に乗り出さないと意味がありません。
そういう観点でも、しっかりと自己資金を作った上で、少額で買える不動産に投資するスタイルから始めるのが賢明な方法と言えるでしょう。
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