木造住宅の解体費用の相場は?費用の内訳や抑えるコツを紹介

木造住宅の解体工事は、土地の有効活用や老朽化した建物の処分など、さまざまな理由で行われます。
しかし、解体工事は専門的な知識や手続きが必要であり、費用も高額になることが予想されます。
本記事では、木造住宅の解体費用について、相場や内訳から費用を抑える方法、注意点、手続きの流れまで詳しく解説します。
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目次
木造住宅の解体費用相場
木造住宅の解体費用は、建物の規模や立地条件などで大きく変動します。
一般的に、木造住宅の解体費用は、坪単価3~4万円が相場とされています。
例えば、30坪の木造住宅の場合、90万円~120万円程度の費用がかかる計算です。
ただし、上記はあくまで一般的な目安であり、実際には、建物の状態や作業環境などで変動します。
解体費用に影響する内容として、下記の要素があります。
●解体費用に影響を与える要素
| 項目 | 内容 |
| 建物の大きさ | 建物の広さに比例して費用は増加します。 |
| 階数・建物形状 | 同じ木造でも、2階建てか平屋か、屋根形状などで費用が変動します。 |
| 築年数 | 築年数によって解体作業が複雑になる可能性があり、費用が高くなることがあります。 |
| 解体方法 | 手作業での解体、機械による解体など、解体方法によって費用が変動します。 |
| 立地条件 | 狭小地や傾斜地など作業環境が厳しい場合、費用が高くなることがあります。 |
| 地域 | 地域によって人件費や物価が異なるため、費用も変動します。 |
| 業者の技術力やサービス内容 | 業者の技術力やサービス内容によって、費用は変動します。 |
木造住宅の解体費用は、さまざまな要素によって変動するため、一概にいくらとは言えません。
正確な費用を知りたい場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが必要です。
構造別の家の解体費用相場
住宅の解体費用は、建物の構造によって大きく異なります。構造によって建物の強度や解体作業の難易度が異なるためです。
- 木造: 3~4万円/坪
- 鉄骨造: 5~6万円/坪
- 鉄筋コンクリート(RC)造: 7~8万円/坪
鉄筋コンクリート(RC造)は非常に強度が高いため、解体に多くの時間と労力が必要になります。鉄骨や木造に比べて構造が複雑になり、解体作業が難しくなる傾向がある点も特徴です。
また、解体費用には、廃棄物の量も関係します。鉄骨やコンクリートなどの廃棄物は、木造に比べて処分費用が高くなります。
さらに、作業員の安全確保のために特別な対策が必要となると、その分コスト増になることがあるでしょう。
木造は、他の構造と比べると解体しやすく、費用が安く抑えられる傾向にあります。
木造住宅の解体費用の内訳
具体的に木造住宅の解体費用の内訳は、どのようなになっているのでしょうか。この章では、建物の解体工事そのものの費用と解体工事以外にかかる費用にわけて解説します。
解体工事費用
建物の解体工事費は、解体工事費用全体の大部分を占め、建物の構造、規模、解体方法、発生する廃棄物の量などで変動します。
| 項目 | 内容 | 費用に影響を与える要素 |
| 建物解体費用 | 建物本体を解体する費用 | 建物の構造、規模、建物の状態、解体方法 |
| 基礎撤去費用 | 基礎部分の解体・撤去費用 | 基礎の深さ、種類、地盤の状態 |
| 内装解体費用 | 壁、天井、床などの内装を解体する費用 | 内装材の種類、施工方法 |
| 外構部分の解体費用 | フェンス、カーポート、庭石など、建物周辺の外構を解体する費用 | 外構物の種類、大きさ、施工方法 |
| アスベスト除去費用 | アスベストが含まれている場合の除去費用 | アスベストの種類、含有量、除去範囲 |
| 廃棄物処分費用 | 解体で発生した廃棄物を処分する費用 | 廃棄物の種類、量、処分方法 |
解体工事費用は、建物や周辺環境の状況、作業環境などによっても変動します。正確な費用を知りたい場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することがおすすめです。
解体工事以外の費用
解体工事の費用は、建物の解体費用だけでなく、様々な付帯費用がかかります。
| 項目 | 内容 | 費用に影響を与える要素 |
| 事前調査費 | アスベスト調査、地盤調査など、解体工事前に必要な調査費用 | 建物の築年数、地域の規制、調査範囲 |
| 申請費用 | 解体工事の許可申請費用、各種届出費用 | 地域の条例、申請の種類 |
| 近隣への挨拶費用 | 近隣住民への挨拶回りにかかる費用、説明会開催費用 | 近隣住民の数、関係性構築の難易度 |
| 外構工事費用 | 解体後の土地を整地する費用、フェンス設置費用など | 整地の範囲、外構の種類、材料 |
| 仮説工事費用 | 足場設置費用、養生費用など | 建物の規模、構造、周辺環境 |
| その他費用 | 重機搬入費用、残置物撤去費用、設計費用など | 解体工事の規模、地域、建物の状態 |
解体工事以外の費用は、解体工事の規模や内容によって大きく変動します。これらの費用を事前に把握し、予算に組み込むことが重要です。
木造住宅の解体費用を安くするコツ
木造住宅の解体費用は、建物の状態や規模、解体方法などによって大きく変動します。しかし、いくつかポイントを押さえることで、費用を抑えることができます。
残置物をできるだけ自分で処分する
不要な家具や家電、庭木などを事前に処分することで、業者に依頼する費用を大幅に削減できます。
しかし、大型家具や家電の処分は、自治体のルールに従って行う必要があるため注意が必要です。
また、アスベストが含まれている可能性のある建材は、専門業者に依頼する必要があるため事前に確認しましょう。
解体する時期を調整する
解体業者の繁忙期(年末や年度末の春~秋)を避け、閑散期に工事を依頼することで、割引やサービスを受けられる可能性があります。
閑散期でも、天候や地域によっては作業が遅れる場合があるので、時期を見計らって業者に確認してみるのも良いでしょう。
複数の業者に見積りを依頼する
複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することで、適正かつより低価格の業者を見つけることができます。
同じ条件で見積もりを比較するとともに、契約前に業者の実績や評判を調べるようにしましょう。
補助金を活用する
自治体によっては、老朽化した住宅の解体に対する補助金制度が設けられている場合があります。
例えば、「木造住宅解体工事費補助事業」という制度では、一定の要件を満たす住宅の解体に対して補助金が支給されます。
●補助金の対象となる住宅
- 築年数: 30年以上経過している木造住宅
- 構造: 木造軸組工法の住宅
- 耐震性: 耐震基準を満たしていない住宅
- その他: 都が定める一定の基準を満たす住宅
●補助金の額
解体費用の一部が補助されます。
補助金額は自治体によって異なるほか、住宅の規模や構造、立地条件などで変わる可能性があります。
自治体ごとに上限額が異なるケースが多く、補助対象となる住宅や申請に必要な書類なども含めて確認してみましょう。
木造住宅の解体依頼時の注意点
木造住宅の解体は、人生における大きなイベントの一つです。スムーズに解体工事を進めるためには事前の準備が大切です。
ここでは、解体依頼時に注意すべき点を詳しく解説します。
建て替えができる土地か確認する
解体後に建て替えを検討している場合は、事前に建築基準法や条例などの規制を確認し、建て替えができる土地か判断しましょう。
・都市計画法: 建ぺい率や容積率など、建物の建て方に関する規制があります。
・建築基準法: 構造や防火に関する規制があるので確認してみましょう。
・その他: 地域によっては、景観条例や高さ制限など、さまざまな規制があります。
これらの規制に違反すると、建て替えができない、あるいは大幅な設計変更が必要になる場合があります。
建築士や行政機関に相談し、事前に確認しておきましょう。
建物滅失登記は期限内に行う
建物を取り壊した場合には、建物滅失登記を行う必要があります。
建物滅失登記とは、建物が解体等によりなくなったことを記録するための登記
参照元:不動産登記法第57条
建物滅失登記を行わないと、いつまでも建物の固定資産税が課せられたり、不動産登記上のトラブルに発展する可能性があります。
申請期限: 建物を取り壊してから1カ月以内に登記申請を行う必要があります。
手続き: 司法書士に依頼して手続きを行えるほか、所有者自身が手続きできます。
見積り内容を細かくチェックする
解体工事の見積もり書を、作業項目ごとに適正な金額であるかをしっかりと確認し、不明確な点は業者に質問するようにしましょう。
また、工事が進むなかで追加料金が発生するケースも確認しておきましょう。これは、解体する範囲が異なっていた場合やアスベストが発見された場合など追加料金が発生する可能性があるためです。
その他、工事中の事故や、工事後のトラブルに対する保証内容が明確に記載されているかを確認することが大切です。
木造住宅の解体工事では多くの注意点があるため、上記を参考に慎重に進めていきましょう。もし、疑問や不安な点があれば、専門家(建築士、司法書士など)に相談することをおすすめします。
また、解体工事にローンが使えるケースもありますので、資金的に厳しい場合は検討してみましょう。
参照元:株式会社みらい「家の解体工事でローンを組むことは可能?」
木造住宅を解体する流れ
木造住宅の解体は、単に建物を壊すだけでなく、さまざまな準備と手続きのもと進めます。スムーズに解体工事を進めるために、以下の流れを把握しておきましょう。
見積り依頼して業者を決定する
複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討して業者を決定します。過去の施工実績やお客様の声、評判などを参考に、信頼できる業者を選びましょう。
また、工事中の事故に備えて、保険に加入している業者選びも大切です。
業者選定の流れは以下のとおりです。
- 業者へ連絡する:木造住宅の解体実績が豊富な業者を選びましょう。
- 現場調査を実施する:解体する建物の構造や規模、作業環境などを確認します。
- 相見積もりを取る:複数の業者に調査を依頼しましょう。
- 業者を決定する:見積もり金額だけでなく業者の対応を含めて総合的に判断して決めましょう。
事前準備を行う
工事中、騒音や振動が発生するため、事前に近隣への挨拶や役所への届出などを行います。
また、解体工事に着手する前に建物内の不要な物を処分したり、電気、ガス、水道などのライフラインの解約手続きを忘れずに行うことも大切です。
解体工事を行う
事前準備が終わると実際に解体工事が始まります。
作業員の安全確保や周辺への飛散防止などもケアしながら、足場の設置、内装の解体、構造体の解体、基礎の撤去などを行っていきます。
・足場の設置: 作業員の安全確保や周辺への飛散防止のために、足場を設置します。
・内装の解体: 壁、天井、床などの内装材を解体します。
・構造体の解体: 柱や梁、屋根などの構造体を解体します。
・基礎の撤去: 建物の基礎部分を撤去します。
解体工事をスムーズに行うために、あらかじめどのような手順で進められるかを確認してみるとよいでしょう。
解体に伴う廃材を処分する
解体で発生した廃棄物を、木材、コンクリート、金属などの種類別に分別し、適切に処分します。
アスベストが含まれている場合は、専門業者に依頼し、決められた方法で適切に処理する必要があります。
整地を行う
解体工事が終了すれば土地を整地します。
また、雨水が溜まらないように排水対策を行い、必要に応じて土地の造成を行います。
木造住宅を解体するメリット・デメリット
ここでは、木造住宅を解体するメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
売却しやすい
建物を解体し更地にすることで、一戸建て住宅だけでなく、マンションやアパートなどさまざまな形で土地の活用方法が考えられます。
その結果、購入対象となる層が広がり、売却しやすくなります。
また、古い建物付きの土地のままだと、建築条件付きで売却せざるを得ないケースがあります。
解体することで購入者は自由に家を建てることができるため、魅力的な物件となるのです。
契約不適合責任を負わずに売却できる
「契約不適合責任」とは、不動産の売買時において売主が買主に対して負う責任です。

売買対象の不動産について、種類や品質・数量などが契約内容と違う場合に、買主に対する責任が生じます。
特に、築年数が経過した古い建物の場合、構造上の問題や見えにくい欠陥箇所などが含まれている可能性があり、契約不適合責任が問題となるケースがあります。
しかし、建物を解体することで、少なくとも建物に関する責任はなくなり、購入者は安心して購入判断がしやすくなります。
空き家トラブルを避けられる
空き家を所有していると、不法侵入やゴミの不法投棄などのトラブルに遭う可能性があります。
また、地域の治安や景観の悪化につながる可能性があるほか、老朽化した空き家は地震などの災害時に倒壊し、二次災害を引き起こすおそれがあります。
老朽化した建物を解体することで、所有者としての責任を負う必要がなくなる点もメリットといえるでしょう。
デメリット
解体しても売れるとは限らない
解体工事費をかけて更地にしても、必ずしも売れるとは限らない点に注意が必要です。
駅からの距離、周辺の商業施設や学校などの交通・生活利便性、また、日当たりや騒音など、住環境によって売却の難易度は大きく変わります。
また、都市計画区域内や開発制限区域など、土地の利用制限がある場合は、売却が困難になることがあるため注意が必要です。
リノベーション目的の人に売れなくなる
購入検討者のなかには、古い建物を自分好みの空間に改修したいという人もいます。
このような人にとっては、解体せず古い建物のまま売却したほうが売却できる可能性は高まります。
特に、歴史的・文化的価値が感じられる建物の場合、建物を活かしたいという人のニーズは高くなるでしょう。
固定資産税が上がる
建物を解体し更地になると、固定資産税の評価額が上がることがあります。専用住宅や併用住宅の敷地には、固定資産税の負担を軽減する「住宅用地の特例」が適用されます。
| 小規模住宅用地(200平米以下) | 一般住宅用地(200平米以上) | |
| 固定資産税課税標準 | 評価額1/6に減額 | 評価額1/3に減額 |
| 都市計画課税標準 | 興科学1/3に減額 | 評価額2/3に減額 |
参照元:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省

しかし、更地や工場、倉庫などの住宅部分がない家屋の場合、住宅用地ではないため適応されません。
なお、空き家の場合でも、放置し続けると「特定空き家」に指定され、住宅用地の特例が解除され固定資産税が増えてしまいます。
固定資産税については、下記記事も参考にしてみてください。

木造住宅を解体することは、必ずしもメリットばかりではありません。解体によって新たな問題が生じる可能性も考慮し、慎重に判断する必要があります。
まとめ
木造住宅の解体費用は、建物の大きさや構造、立地条件などによって大きく変動します。
解体費用を抑えるためには、複数の業者に見積もりを依頼したり、補助金制度を活用したりすることが有効です。
解体工事を行う際には、事前に準備を行い、見積もりと契約内容をしっかりと確認することが大切です。
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