オリックス銀行の不動産投資ローンについて、最新の融資状況を電話で聞いてみました。
その内容をまとめていますので、不動産投資のローン、融資状況、借り換えなどについて知りたい方は参考にしてみてください。
目次
オリックス銀行の詳細
- 【URL】 http://www.orixbank.co.jp/
- 【所在地】東京都港区芝3-22-8 オリックス乾ビル
- 【電話番号】
TEL:0120-008-884
GINZA PLAZA:03-6263-8990
福岡住宅ローンプラザ:092-433-6850 - 【代表者】浦田 晴之
- 【資本金】450億円
- 【設立】1993年8月23日
- 【従業員数】600名
- 【主要株主】オリックス株式会社(100%出資)
電話調査の内容
不動産賃貸業(不動産投資)に対する銀行の融資姿勢を探るために、以下のポイントについて直接、電話でヒアリング調査を実施しました。
ヒアリング調査の質問項目は以下の通りです。
- 不動産賃貸業への融資姿勢と対象エリア
- 金利や年数などの融資条件(耐用年数以上の借入が出るのか?金利幅など)
- 物件の積算評価の考え方(担保物件含め)
- 再建築不可やシェアハウス・建蔽率容積率オーバーなど適法ではない物件への融資姿勢
- 現金比率やフルローンの可能性
- 新設法人への融資・個人の属性への考え方
不動産賃貸業への融資姿勢と対象エリア
Q.オリックス銀行の「不動産投資ローン」の概略を教えて下さい
A.オリックス銀行の「不動産投資ローン」は賃貸を目的とした投資用不動産の購入や借りかえなどに利用できるローンで、マンション経営一室からアパート一棟まで新築建物から古い建物まで様々な不動産投資ニーズに対応しています。
Q.対象エリアはどこになりますか?
A.対象エリアは首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市となっていますが、札幌・仙台・北関東・東海圏のアパート(一棟)も含まれます。
Q.最近の融資姿勢はどんな感じですか?
A.オリックス銀行としては融資姿勢に変化はありませんが、スルガ銀行の不正融資問題で地銀に金融庁の特別検査が入っていますので全体的に厳しくなっているのは否定できません。
Q.例えば、融資できない物件とは、どんな物件ですか?
A.名前は言えませんがデべロッパーが倒産したいくつかのマンションシリーズは融資できません。
また、専有面積40㎡以下のワンルームは融資し難い感じです。
まとめ
オリックス銀行の「不動産投資ローン」はコンセプトや基準がはっきりしているので、コンセプトや基準に合う場合の融資姿勢に大きな変化はない感じです。
ただ、電話に出た男性担当者の雰囲気からは、業界としてジワジワと融資環境が厳しくなっているのは否定できない様です。
金利や年数などの融資条件
Q.金利や年数などの融資条件を教えて下さい?
A.購入される投資用不動産を担保提供して頂いた上で、融資額が1,000万円~2億円以下の借り入れに対応しています。
返済期間(借入期間)は1年以上35年以下・固定金利で2.3%~3.5%、変動で2.675%~3.675%です。
Q.耐用年数以上の借入はできますか?
A.減価償却で定められた木造の耐用年数は22年ですが、オリックス銀行では35年の融資期間が設定されています。
ただ、これらの融資条件は事前審査申込をしただけではわからず、全体的な審査結果で決まることですから一概には言えません。
まとめ
融資条件はオリックス銀行のホームページに以下の通り記載されていますが、最終的な返済額や融資条件は全体的な審査結果で決まるということです。
また、「不動産投資ローン」の融資条件に合わない場合は、「不動産担保ローン」と「不動産担保ローンワイドプラン」などの商品が用意されています。
3年固定特約型 (投資セレクト金利) |
年2.300% ~ 店頭表示金利年3.300% |
5年固定特約型 (投資セレクト金利) |
年2.500% ~ 店頭表示金利年3.500% |
変動金利型 (投資セレクト金利) |
年2.675% ~ 店頭表示金利年3.675% |
物件の積算評価の考え方(担保物件含め)
Q.オリックス銀行の物件の積算評価の考え方を簡単に教えて頂きたいのですが?
A.収益物件の積算評価は我々営業窓口ではなく専門の部署で行っています。
主にオリックス銀行では積算評価法で評価しますが物件によっては収益還元評価法も使います。
簡単に説明しますと積算評価法は土地評価額と建物評価額を別々に算出し、それらを合計する計算方法で、収益還元評価法は家賃収入など物件から得られる収益性から物件評価する方法です。
Q.これらの積算評価の計算結果で物件の価値は判断できるのですか?
A.実際には積算評価より時価が低い物件は少ないのが現状です。
Q.物件の耐用年数についての考え方はどんな感じですか?
A.減価償却で定められた木造の耐用年数は22年・重量鉄骨は34年・RC造SRC造は47年ですが、オリックス銀行では期間35年の融資を提供しています。
まとめ
結局、積算評価より時価が低い物件は少ないのが現状ですから、積算評価価格と時価の差額が小さい物件を選ぶと融資が受け易くなります。
逆に時価が積算評価価格を大きく上回る物件は融資が受け難く注意が必要です。
また、土地評価額=路線価×土地の面積(㎡)は用途地域による調整が行われます。
以下を頭に入れておくと良いでしょう。
商業地域の場合 | +10% |
第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地の場合 | そのまま |
第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域の場合 | -10% |
第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地の場合 | -20% |
準工業地域・工業地域の場合 | -30% |
適法ではない物件への融資姿勢
Q.再建築不可やシェアハウスなど適法ではない物件への融資姿勢は聞くまでもありませんね?
A.オリックス銀行では以前から適法ではない物件への融資は行っていませんが、特に、現在はチェックが厳しくなっていることは言うまでもありません。
現金比率やフルローンの可能性
Q.自営業者の場合のキャッシュ比率はどのくらいが望ましいですか?
A.オリックス銀行の借入条件を満たしていること、物件購入資金は自己資金で用意することが前提ですが、審査ポイントが高い場合はキャッシュ比率10%~20%で融資を行う場合もあります。
Q.審査ポイントが低い場合のキャッシュ比率はどうですか?
A.キャッシュ比率40%~50%程度です。
Q.大企業に勤めるビジネスマンや公務員のキャッシュ比率はどうですか?
A.年収700万円以上でかなり属性が良い方の場合は費用は別ですがフルローンもあり得ます。
まとめ
申込者が一番気になるオリックス銀行の現金比率についてですが、自営業者の審査ポイントが低い場合のキャッシュ比率40%~50%程度は妥当なところです。
ただ、大企業に勤めるビジネスマンや公務員のフルローンの条件が厳しくなっている感じです。
大企業に勤めるビジネスマンや公務員で年収700万円以上は、かなり上位クラスの年収だからです。
新設法人への融資・個人の属性への考え方
Q.資産管理会社などの新設法人への融資は行っていますか?
A.オリックス銀行では代表者や出資者を連帯債務者とすることで、資産管理会社名義での融資を行っています。
資産管理会社の場合も融資期間や団体信用生命保険料への支払いも含め個人と同等の融資条件となっています。
Q.その場合の融資条件はどんな内容ですか?
A.借入時の審査基準としては、年齢が満20歳以上60歳未満で最終返済時80歳未満の方、同一勤務先に3年以上勤務されている方(自営業の場合は営業開始後3年以上経過されている方)で、前年度の税込み年収(自営業の方は所得)が500万円以上などです。
また、本人が所有し居住用賃貸のための不動産投資資金で、アパート・マンション・一戸建ての購入・建築・建築用地の購入・借りかえが対象です。
Q.個人の融資条件(属性)はどんな内容ですか?
A.まず、対象物件が首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産であることが前提ですが、加えて、前年度の税込み年収(自営業の方は所得)が700万円以上・年齢が55歳未満で原則、借入金額が購入金額の90%以内であることなどです。
詳しくはオリックス銀行のプライベートバンキング部門に問い合わせて下さい。
プライベートバンキング部門では不動産投資などの資産運用のプロが「不動産投資からはじまるプライベートバンキング」というキャッチフレーズで、不動産投資に関する総合的なアドバイスを行っています。
個人・資産管理会社を含め不動産投資を考えている人には最適なサービスになっています。
まとめ
節税目的で資産管理会社名義での不動産投資も増えています。
オリックス銀行ではこれらの方々を対象にしてプライベートバンキング部門で不動産投資のアドバイスを行っています。
個人名義にするのか資産管理会社名義にするのか、それぞれのメリット・デメリットを専門家から聞くのも必要なことです。
印象と総評
オリックス銀行の電話調査に対する印象と総評は以下の通りです。
オリックス銀行は「店舗を展開しない」営業スタイルですので、電話調査に対して首都圏と福岡のローンプラザの男性担当者は丁寧に答えてくれました。
ただ、少し突っ込んだ話になると「専門部署しかお答えできません」や、「個別案件によって異なります」など明確な回答は得られませんでした。
全体的な印象としてはオリックス銀行は「不動産投資ローンのプロ」と自負するだけあって、各ローンプラザの担当者は不動産投資のプロの視点で話ができる印象です。
したがって、はじめて不動産投資を行う人の場合もメリットが多いイメージです。
特に、プライベートバンキング部門では不動産投資に関する総合的なアドバイスを専門のコンサルタントが行っていますので、利用して見ると良いでしょう。
また、ベテランの不動産投資家にとっては、条件が合えばオリックス銀行は低い借入金利が期待できる金融機関の1つと考えられます。
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