こんにちは。仙台で小さなアパートを経営しているhayasakaです。
不動産投資では、「物件」と「管理」は車の両輪です。
初めて不動産投資を行う場合、どうしても物件にばかり関心が集中しがちですが、事業が成功するかどうかは、良い物件に加えて、良い施設管理が融合して初めて達成できるもの。
そういう意味では、不動産投資家を目指すなら、管理会社や管理業務に対する知識を身に付けておくことは極めて重要なファクターに挙げられます。
そこで今回は、管理業務の場面で良く用いられる、BM、PM、FM、AMなどの意味と違いなどについて学んで行きましょう。
目次
不動産管理業務の基礎知識
不動産管理業務とは
不動産そのものは、単に所有しただけでは収益を生むことはありません。
むしろ税金や経年劣化による経費が発生するため、地価上昇はまず考えられないこれからの時代では、マイナスの資産でしかありません(負動産と呼ぶ人もいます)。
自分で買って自分で利用する「自宅」がその典型例です。
単なる不動産(負動産)を「収益不動産」に変えるには、お客を見つけて契約を結び、家賃などを回収して行くことが必要です。
さらに、利用者に快適な環境を提供するために、清掃や建物・設備のメンテナンスも欠かすことができず、場合によっては収益性を回復するために「女性専用」「ペット可」にするといった大胆な販売戦略の変更が必要になる場合もあります。
このように、不動産事業で継続的な収益を得ていくためには、様々な業務や対策、技術が必要になってくるのですが、これらをサポートしてくれるのが「不動産管理会社」です。
ひとくちに不動産管理業務と言っても、非常に幅が広く、そのサービス領域によって管理手法はいくつかに分類されています。
順に見ていきましょう。
BM(ビルディングマネージメント)
ビルなどの「建物そのものの管理」に軸足を置いたサポートサービスです。
BMの業務内容例
- 建物や外構、植栽などの清掃管理
- 建物や設備の点検・保守管理
- 修繕・改修などの工事管理
- 建物や敷地の巡回警備、防犯
- 消防、防災設備の管理 など
契約した業務のみを一定の料金で請け負うのが一般的。
物件の収益性によって報酬が変わることはないので、オーナーとの関係は比較的ドライです。
PM(プロパティマネージメント)
建物の美観管理だけでなく、客付けや契約業務、家賃等の回収、トラブル対応などの運営管理を含め、不動産経営を全面的にサポートしてくれるマネジメント業務です。
リーシング業務と呼ぶ場合もあります。
PMの業務内容例
- テナントや入居者の募集・案内
- 契約・更新・退去等の手続
- 家賃等の回収・督促
- トラブル・クレームへの対応
- 法務・税務のサポート
- 経営コンサルティング など
不動産収益の最大化と継続化に向け、建物および経営全般についてサポートしてくれるサービスです。
建物の維持管理(BMの業務)も含めてサポートやマネージメントをしてくれるPM会社が多いようです。
FM(ファシリティマネージメント)
ファシリティとは施設や設備を意味し、資産の有効活用という視点で様々な提案・サポートを行うサービスです。
FMの業務内容例
- 低・未利用不動産の有効活用
- 保有資産のスクラップアンドビルド
- 収益性アップのための設備更新(省エネ設備の導入など)
- 収益性・入居率アップに向けたリフォームやリノベーション など
保有資産の利用状況を見直し、商業施設等も含め、より有効な収益資産へと活用して行くための長期的・計画的なサポートを行うプロジェクトマネジメントと言えるでしょう。
外部のBM会社やPM会社と連携するというスタイルも多いようです。
AM(アセットマネージメント)
アセットとは資産や財産を意味し、不動産に限らず株や債券などの金融資産を含む財産の管理運用、開発を代行するサービスです。
AMの業務内容例
- 不動産物件の買い付け・運用・売却
- 運用戦略の立案(運用計画・出口戦略等) など
財産全般を俯瞰して、最適な投資先や販売会社の選定や買付のタイミング、戦略などを構築して収益性の最大化をサポートするサービスと理解すると良いでしょう。
こちらも必要に応じて外部のBM業務やPM業務と連携してサポートするというスタイルも多いようです。
どのマネージメントを利用すべきか
BM、PM、FM、AMのコスト
大まかに言えば、
- BM=ビルなどの建物や設備などハードそのものにかかわるサービス
- PM=ソフトを含む不動産経営全般にかかわるサービス
- FM=保有資産全体の長期的運用・サポートにかかわるサービス
- AM=金融資産を含む保有財産の運用家マネジメント・サポートにかかわるサービス
と理解すればわかりやすいかもしれません。
これらのサービスは、業者や企業によって明確に分けられているわけではなく、現実には互いの領域にまたがってサービスしている場合が殆どです。
出発点は違っても、所有者や資産家のニーズに対応してサービス領域が拡大して行ったという事なのでしょう。
ビルメンテナンスのみに特化している業者もありますが、ビルなどの大規模不動産を事業領域にしている場合が多いようです。
コスト的には、BMの場合は契約内容による定額料金が多く、請負項目が多ければ多いほどコストが上がって行く仕組みです。
PMの場合は、家賃の数%という契約形態が多く、サポート内容に比べれば非常に手軽なコストで委託できます。
少なくともオーナー自らが管理する「自主管理」よりもはるかに賢明な方法と言えます。
FM、AMは資産などの規模や運営母体などによって、コストはバラバラです。
例えばゼネコンや建設会社系の業者なら、受注を前提に提案できるため、安価な料金でサポートする場合も考えられます。
いずれにしても不動産経営の成否を大きく左右する管理会社は、決して「コスト」ではなく「サポート内容」と、「信頼・実績・評判」をしっかりと吟味して選ぶことが鉄則です。
アパートなどの管理会社の種類
ちなみに、アパートなどの管理会社のサービスにも建物や設備に関する「建物管理」と、入居者の募集や対応に関する「入居者管理」の二つの領域があります。
しかし、アパートなどの小規模な不動産は、管理委託費用や修繕費用などが小さくなることから「建物管理だけ」「入居者管理だけ」でビジネスを成立させるのは困難という現実があります。
このため、建物管理から入居者管理まで、まるごとサポートするPM型のサポートを行う管理会社が多いようです。
もちろん、業者によって建物管理が得意、入居者管理が得意という、性格の違いはあります。
いずれにしてもアパートなどの小規模な不動産の管理業務を複数の会社に委託するのはあまり現実的とは言えないので、不動産経営全般について相談できるような、信頼できる管理会社を選ぶことが重要です。
まとめ
不動産経営は、管理が良くなければ、どんなに物件が良くても長期的に安定収益を実現して行くことは困難です。
管理業務にはBM、PM、FM、AMなどいくつものサービス(考え方)がありますが、現実には互いの領域にまたがってサービスしている業者が殆どです。
特に、アパートなどの小規模な不動産に関する管理サービスは、建物や設備から入居者募集・管理までを丸ごとサポートしてくれるPM型の管理サービスを利用するのがセオリーと言えます。
いずれにしても、管理会社を選ぶ際にはコストではなく、サポート内容と信頼や実績、評判をしっかりと吟味することが鉄則と言えます。
hayasaka
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