不動産投資初心者

経営者(自営業や個人事業主)が不動産投資をするには

投稿日:2018年2月19日 更新日:

経営者(自営業や個人事業主)が不動産投資をするには

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経営者が不動産投資をするには

不動産投資の魅力と言えば、言うまでもなく融資を使ってレバレッジを効かせることです。しかし、不動産投資の本をざーっと読んでみるとすぐにわかりますが、ほとんどの本は「サラリーマン」に向けて書かれています。

サラリーマンがその属性、年収などの信用力を担保にして高額な融資を引っ張ってくるという方法です。

しかし、経営者の場合はこの手法おそらくですがほぼ使えません。

サラリーマンが融資を受けているのは、「アパートローン」というパッケージ化された融資ですが、これは信用力のない経営者や個人事業主には審査がおりません(たぶん)

ではどうしたら良いのか?というと、事業ローンを引かなければいけません。「美容院開店したいので、1000万貸してくださいお願いします!」というあれと同じです。

ただ、いきなり行っても貸してもらえる可能性は低く、不動産賃貸業を営んで黒字で回しているという実績や、資産などがないと評価をしてもらえません。じゃぁ最初はどうしたら良いのか?というと、

  1. 担保に入れることができる(価値のある)物件を現金で買って次の物件の担保に入れる
  2. 融資が付きやすい金融機関を利用して小さく始める

恐らくどちらかしかないと思います。で、僕の場合はたぶん2つ目の方法を選択することになりそうなので、こっちの話を続けます。

融資を受けるには

融資を受けやすい物件と、受けにくい物件が存在します。簡単に言うと、担保としての評価が出る物件と出ない物件です。

金融機関からすると、購入予定の物件に価値があれば借金返済が滞っても「その物件を差し押さえすればリスクないよね」と思える物件なら融資が出やすいです。逆に、担保としての価値がない物件は融資がつきにくいです。

じゃぁこの評価ってどうやって出すの?

という事ですが、多くの金融機関では「積算評価」という評価方法が使われます。ようするに土地の価格と建物の価格を計算式を使って出す方法があるんです。

これはもう覚えるしかないです。物件探しまくってると勝手に頭に入りますが。式は下記のとおり。

(路線価A×土地平米数B)+(物件再調達価格C×残りの耐用年数D×延床面積E)÷物件耐用年数F=積算価格

あー、意味わかりません。わかりませんよね。わかります。順番に、軽くですが解説します。簡単に言うと、土地の価値+建物の価値=積算価格なのですが、細かく見ていきます。

A、路線価

路線価は、
www.rosenka.nta.go.jp
ここのページで金額を確認することができます。

試しに、東京の地図をクリック、路線価図、足立区、青井1丁目の50055というところをクリックしてください。

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少し見えにくいですが、「190D」と書いてあります。これは、この道路の面してる土地が「190D」という値付けがされてることを意味します。

単位は千円なので、この道路に面している土地の価値は、平米190,000円ですよという事です。つまり、買おうとしている土地が100平米だったら19万円×100で1900万円の評価額という事です。

土地平米数B

これはそのままです。探している土地の平米数です。これで土地の価値は出ます。

物件再調達価格C

これは、建物の構造によって決まっています。下記のとおり。

鉄筋コンクリート(RC)・・・20万円/㎡
重量鉄骨・・・・・・・・・・18万円/㎡
木造・・・・・・・・・・・・15万円/㎡
軽量鉄骨・・・・・・・・・・15万円/㎡

今回は木造ということで、再調達価格15万円とします。

残りの耐用年数D

残りの耐用年数も構造ごとの耐用年数を覚えて残りを計算するしかありません。下記のとおり。

軽量鉄骨造      19年
木造         22年
鉄骨造        34年
鉄筋コンクリート造  47年

今回は木造の建物としますので、22年。築年数は12年とします。つまり残りの耐用年数は10年。

延床面積E

延床面積は物件情報に記載があるはずです。今回は200平米とします。

物件情報

土地100平米
建物200平米
築12年
路線価19万円

19万円×100平米=1900万円
15万円(再調達価格)×10(残耐用年)×200(延床)÷22(木造耐用年数)=1363万円

1900万+1363万=3263万円←これがこの不動産の積算価格

という事になります。ここから、各金融機関の掛け目(8割とか、7割とか)が入り、融資金額が決まります。もちろん借入する人間の年収や資産規模、決算表なども見ての判断ですが、この積算価格が出ないと融資はおりにくいです。

自営業者が使いやすい金融機関

まずは政策金融公庫?

で、とっかかりとして使われやすいのが金融公庫です。公庫は上述した積算評価額以外に無担保枠が存在してます。

この枠が2000万円まであるので、それ以下の売値であれば公庫の枠で借りることができる可能性があります。もちろん、だからと言ってなんでもかんでも借りて購入して良いかというともちろん違います。

ちなみに、自分の場合も足立区の戸建てではじめて公庫を使いましたが、築年数が経過しすぎているという理由で物件に対する不動産融資はつけれませんでした。

その代わり、決算書を評価してくれて運用資金という形で1,500万を融資してもらうことができました。

どちらにしても、2,000万円以内の小さい物件であればうまく使っていけそうです。

ノンバンク系

自営業者にとってはノンバンクも強い味方になります。具体的には、セゾンファンデックスや三井住友L&F(ローン&ファイナンス)などです。

どちらも金利は2.9~3.9%になることが多いですが、土地の価値が出ていれば容積率オーバーや再建築不可なども対応してくれるケースがあり、高利回り物件には適しています。

ただ、評価には掛け目が入り(7割くらい)、足りない分は現金か共同担保を入れることで補填しなければいけません。まずはキャッシュで買って、次に高利回りアパートを~という時に使いたい金融機関ですね。

実際自分の場合はシェアハウスの戸建てを共同担保にして次のアパートを購入しました。

地銀信金系

最後に、地銀や信金系も自営業者の強い味方になります。

もし本業の方で付き合いがあればまずはそこに問い合わせてみるのが良いでしょう。メガバンクでは相手にされない私たち零細企業でも、地銀や信金なら結構普通に話ができます。

原則銀行系は耐用年数の残りにしか融資をしてくれませんが、そのあたりは金融機関により様々で、エリアや耐用年数含めて不動産賃貸業に対する考え方はそれぞれです。

どの金融機関にも言えることですが、今後借り増しをしていくのであれば、資産額よりも債権額が多い状態では融資がつきずらいです。つまり評価の出ない物件ばかり買っていると借金額の方が大きくなってしまい融資してもらうことができなくなります。

また、何より有利に交渉できるのは「紹介」です。活動エリアが地元や住み慣れた町であればどこかの金融機関に一人くらいは知り合いがいるかもしれません。どこかにコネがないか探してみるのも大事ですね。

というわけで、少し小難しい話が長くなりましたが、個人事業主や経営者が不動産賃貸業をやっていくにはまず小さく初めて実績を積み、金融機関とのコネや信頼を作っていく必要があります。

もちろん、現金買いでコツコツ積み増していく方法もあります。

今後の戦略

ここまでは、

  • 住宅ローンで賃貸併用住宅(みずほ)
  • 現金で戸建て購入
  • 戸建てを担保にアパート購入
  • 戸建てを公庫融資で購入
  • 戸建てを現金で購入

という流れで来ています。また、地元の信金で保証協会付きの融資はお願いできそうなので、そちらで小さめの物件を買っていく予定です。

その他の可能性として、「新築(築浅)を信金系」、「築古アパートをノンバンク」、「小さめのを現金」という選択肢が取れるかと思います。

どこまで拡大するのが良いか?という根本的な問題もありますが、コツコツと増やしていく予定です。

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KawataKenji

本業の傍らで不動産賃貸物件を運営中。シェアハウス1棟、簡易宿泊所7室、アパート1棟、賃貸併用住宅、戸建賃貸など。新築シェアハウスを建築中。

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