一般的な傾向として、地価は駅の周辺ほど高く、駅まで徒歩圏内の駅近マンションは人気物件であることが多いでしょう。
そのような資産価値の高い駅近マンションを売りに出したのに、なかなか売却が進まない場合もあります。
この記事では資産価値が高いはずの駅近マンションが売れない場合の原因と、スムーズに売却するための対処法を解説いたします。
駅近マンションが売れない理由8選
資産価値が高いはずの駅近マンションですが、売り出したのになかなか買い手がつかない場合もあります。その理由としては、以下の8点が考えられます。
- 売り出し価格が高すぎる
- 築年数が古く劣化が目立つ
- 電車の走行音がうるさい
- 日当たり・眺望が悪い
- 治安・セキュリティに問題がある
- エリア内の需要と合っていない
- 周辺の競合マンションが強い
- 不動産会社の販売活動が足りていない
これらの理由を一つひとつ見ていきましょう。
売り出し価格が高すぎる
売主としては、購入価格や、これから住み替える場合には資金計画もあるので、できるだけ高い価格で売り出したいのは人情です。
ですが、買い手側の立場に立てば、少しでもお買い得な物件を購入したいもの。同じ条件での売り出し物件に比べてあまりにも高すぎる場合はなかなか買い手がつきません。
同じ駅周辺の売り出し物件の価格をリサーチしてみることも必要です。
築年数が古く劣化が目立つ
築年数が古い物件、特に1981年以前の旧耐震基準の建物は敬遠されます。
また建物の外装が汚れていたり、劣化が目立つ物件は、マンション管理が上手くいっていないのではないかという不安を抱かせてしまいます。
また、内覧してみてあまりにも劣化が目立つ内装では、買い手も購入意欲を失ってしまうでしょう。
電車の走行音がうるさい
長く生活していると居住者は慣れてしまって、意外に気づかないのが電車の走行音などの騒音です。
特に、拠点駅などで便利な駅近物件ほど、朝早くから深夜まで駅のアナウンスや電車の騒音が絶えません。
人によっては騒音が気になる場合もあります。
日当たり・眺望が悪い
駅の周囲は一般的に建物が密集していて、南向きでも日当たりが悪かったり、窓を開けるとすぐに隣のビルがあるなど、眺望がよくないケースが多いかもしれません。
日当たりが悪いと、部屋の湿度が高くなりがりで、機密性の高いマンションほどカビの心配があります。
洗濯物や布団を外に干せないことも、生活していく上では意外にストレスが大きくなるものなので、購入をためらう大きな理由になりがちです。
治安・セキュリティに問題がある
多くの場合、駅の周辺には飲食店や小売店が多く、夜遅くまで営業している場合があります。
便利な反面、子どもがいる家庭や女性の一人暮らしでは治安の面で敬遠されがちです。
また、管理人が常駐しているか、建物に部外者が侵入しにくいオートロックであるか、カメラ付きのインターフォンが設置してあるかどうかなど、セキュリティ面で安心な物件の方が、そうでない物件よりも人気が高くなる傾向があります。
エリア内の需要と合っていない
多くの路線が乗り入れている拠点駅の駅近では、事務所をはじめ、単身者や子どものいない共稼ぎ夫婦などが物件を探している可能性が高いでしょう。
このようなエリアでは、ファミリータイプのマンションを売り出してもなかなか買い手がつかないかもしれません。
逆に、駅周辺からすぐに住宅地が広がる地域では、家族向けの物件を求める人が多い傾向があります。
このようなエリアでは、ワンルームや1DKなどの需要は低いでしょう。
周辺の競合マンションが強い
同じエリアに同じような条件の競合マンションが多く売り出されている場合もなかなか売れにくい傾向があります。
特に、先方がブランド力のあるマンションの場合、かなり苦戦を強いられる可能性もあります。
不動産会社の販売活動が足りていない
中古マンションを売りに出す場合、多くの場合、主なターゲットは、同じ地域の賃貸に住んでいる人々です。
その場合の販促活動は、戸別にチラシをポスティングしたり、駅やスーパーなどの道筋に、売り出しの看板を設置するなど、地域密着の活動が必要です。
なかなか買い手がつかない場合は、不動産会社の販売活動が十分であるかどうかを検討してみることも必要です。
売れやすい駅近マンションの特徴4選
駅近マンションで売れやすい、需要が供給を上回るタイプのマンションの特徴は以下の4つです。
- 駅の人気が高い。ブランド力のある地域である
- 周辺地域に開発などの将来性がある
- マンションに付加価値がある場合
- ニーズの高い間取りや広さである
駅の人気が高い。ブランド力のある地域である
たとえば、住みたい街ランキングで上位になるような街の拠点駅の駅近マンションは需要が高い傾向にあります。立地が良い物件では、資産価値が高く、将来的に値上がりする可能性もあるでしょう。
周辺地域に開発などの将来性がある
現在はあまり便利でなくても、例えば、将来的に鉄道路線の延長などで、都心に乗り入れが見込まれる駅の駅近マンションは買い手がつきやすい可能性があります。
その他、駅周辺の再開発で病院や商業施設ができて便利になる場合も資産価値が高くなることが見込まれるため、需要が多くなるでしょう。
マンションに付加価値がある場合
物件のマンション自体に付加価値がある場合も売却しやすいでしょう。
たとえば、駅ビルや大型所業施設と直結である、大規模なタワーマンションであったり、マンションにジムやフィットネス施設がある、あるいは、コンシェルジェサービスがあるというケースです。
ニーズの高い間取りや広さである
都心の駅近のマンションで最もニーズが高い物件の広さは60㎡といわれています。
これは、間取りにすると2LDKで、ゆとりのある単身者、子どものいない夫婦、子供が一人程度のファミリー層、子供が独立した後の老夫婦、など、幅広い層がターゲットとなります。
後から広めの1LDKにリフォーム可能な間取りであれば、さらにニーズが高まるでしょう。
駅近マンションが売れないときの対処法5選
売り出した駅近マンションがなかなか売れない場合は、まずは売り出した物件が売れにくい理由を検討してみましょう。
その上で以下の5つの対処法を試してみることをお勧めします。
- 売り出し価格を低めに設定しなおす
- ハウスクリーニングなどを行い、できるだけ内装をきれいにする
- 内覧の機会を増やし、対応も丁寧にする
- 売り出しの広告内容を見直す
- 媒介契約や不動産会社の変更を検討する
売り出し価格を低めに設定しなおす
エリアの相場価格を検討して、もしも売り出し価格が高めであったら、相場価格と同等か、やや低めに設定しなおすことも必要です。
競合物件があれば、その売り出し価格を参考に設定してみることをお勧めします。
ハウスクリーニングなどを行い、できるだけ内装をきれいにする
外装や設備が老朽化している場合は、できるだけ室内をきれいにしたいものです。
壁や天井のしみや汚れ、水回りの汚れは他人が見ると目につくもので、購買意欲を著しく下げてしまいます。
また、購入希望者が自分の生活をイメージしやすいように、内覧の際はできるだけ片付けて生活感を出さない工夫も必要です。
内覧の機会を増やし、対応も丁寧にする
個別の内覧のほか、日時を決めてオープンハウスを行うのも一つの方法です。
近隣配布の広告などで気になっているけれど、不動産会社には未だ相談に行っていない潜在的な買主の気持ちを動かすきっかけになります。
内覧時にはなるべく立ち会って、丁寧に対応しましょう。同じような物件であれば、より信頼できる売主と取引したいと思うでしょう。
売り出しの広告内容を見直す
売り出し広告に、間取りだけでなく室内の写真を豊富に入れた内容にすると、内覧希望者が増える可能性もあります。家具などを取り去った空室イメージを再現できる技術もあるので、利用できる場合は積極的に活用してみましょう。
媒介契約や不動産会社の変更を検討する
駅近マンションの売却が進まず、不動産会社の対応にも疑問がある場合は、媒介契約の内容や不動産会社自体を変更することも検討すべきかもしれません。
相場以上の高い査定額を提示する不動産会社が優良業者とは限りません。
売主の関心を惹くために相場価格を無視した高い査定額を提示している場合もあります。
査定額の根拠を丁寧に説明してくれる信頼できる業者に依頼したいものです。
まとめ
資産価値の高い駅近マンションがなかなか売れない理由には、好立地にも関わらず、日当たりや騒音、セキュリティ面の心配など、駅近ならではの問題があるかもしれません。
エリアにブランド力があり、将来性のある物件であれば早めに買い手がつくはずですが、そうでない場合は、なぜ買い手がつかないか、早めに検討する必要があります。
査定額が適切でなかったり、不動産会社に売却するための営業努力が不足している場合は、依頼する不動産会社を変更した方がよいケースもあります。
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wao_kitsunezaru
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