「アパートの敷地内に雑草が生い茂って入居者や近隣からクレームを受けた場合、どう対応すればいい?」
アパート経営を検討していて、管理に関するクレームが入ったときの責任の所在や対処法を事前に把握しておきたいとお考えではないでしょうか?
アパートの雑草が原因でトラブルが発生した場合、契約内容によっては大家が責任を持って対応する必要があります。
管理の範囲や方法を誤ると入居者満足度の低下・物件価値の下落など、深刻な問題に発展しかねないので早期の対策が必要です。
そこで今回は、アパートの雑草問題に関する以下の内容をお伝えします。
最後までお読みいただくことで、「誰が」「どのように」雑草問題を解決すべきかが明確になり、管理方針や対応に自信を持てるようになります。
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目次
アパートの雑草でクレーム?ケース別の責任の所在
賃貸物件における雑草の管理責任は、管理区分や契約内容により異なります。
とくに、アパートでは共用部と専用部の境界が曖昧なケースも多く、クレームが発生した際に「誰が対応すべきか」で混乱しやすい状況があります。
この章では、代表的な2つのケースを取り上げ、それぞれの管理責任の所在について明らかにします。
共用部分の管理はオーナーまたは管理会社
共用部分とは、入居者全員が利用する通路・駐車場・建物外周などの共有スペースを指します。
これらの区域に生える雑草の処理は、自主管理をしている場合は物件オーナーが責任を持って対処しなくてはなりません。
しかし、管理会社と業務委託契約を結んでいる場合は契約内容に従って対応を代行してもらえます。
1階などで専用庭がある場合は入居者の管理責任となるケースも
1階住戸に設けられている専用庭やバルコニーなどは、入居者が単独で使用している空間であるため、「専用使用部分」として定められているケースが大半です。
このようなエリアに関しては、それぞれの入居者が日常的に草刈りや掃除などの管理を行うのが一般的です。
契約書の条項を確認し、必要に応じて入居者への説明や改善要求を行うことで将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
アパートの雑草が原因で発生しやすいクレーム3選
アパートに雑草が繁茂していると景観・衛生面・快適性などに悪影響を与えるため、さまざまなクレームの引き金となりがちです。
この章でが、アパートの雑草が原因で発生しやすいクレーム3選を紹介します。
なお、雑草以外でクレームになりやすい要因については、以下の記事で詳しく解説しています。
見た目の悪化で物件価値が低下
アパートの外観が雑草で荒れていると、「管理が行き届いていない」「貸主の姿勢に問題がある」といったマイナスな印象を入居希望者に与えます。
結果として空室が多くなり、入居希望者からの賃料の値下げ交渉に応じなくてはならなくなるなど、物件の収益性に悪影響を及ぼします。
また、すでに住んでいる入居者に対しても以下のような不快感を与えるため、クレームにつながりやすくなります。
- 「毎日帰ってくるたびに草がボウボウで気分が悪い」
- 「友人を呼びづらいほど見た目が悪い」
- 「物件全体が古びて見えて、治安が不安になる」
入居者は「快適に住みたいので、きちんと管理してほしい」という潜在的なニーズを持っています。
それを汲み取らず放置すると、結果として契約更新の辞退やSNS・口コミでの低評価にもつながりかねません。
空室が多くなったり、既存の入居者の満足度を下げたりしないためにも、アパートは定期的な除草を行い整った外観を維持しておくことが大切です。
害虫・害獣の発生による衛生クレーム
雑草が伸び放題になると、ハエ・蚊・ゴキブリなどの害虫が繁殖しやすくなるため、入居者から「部屋に虫が出る」「夜に音がする」などのクレームが発生しやすくなります。
また、雑草を隠れ家として猫やハクビシンなどの害獣が棲みつくことがあり、糞尿による悪臭や衛生面での問題を引き起こします。
とくに、建物裏や物置の周辺、駐車場のすみに雑草が生えていると、害虫・害獣の隠れ場所となりやすいため、敷地全体にわたって雑草を徹底的に除去することが重要です。
洗濯物への薬剤付着を心配する入居者の声
雑草処理のために除草剤を使用する際、周囲への配慮が足りないと、入居者から「洗濯物に薬品が付いたのでは?」といった不安の声があがることがあります。
薬剤の実際の付着がなくても、風向きを考慮せずに散布したり、事前の連絡を怠ったりすると、問題に発展するリスクが高まります。
こうした問題を防ぐためにも、以下のような配慮が必要です。
- 散布予定の2〜3日前までに掲示板や書面で通知する
- ベランダや物干しのある周辺は当日避けて作業を行う
- 使用する除草剤の種類や成分を入居者に説明できるようにしておく
雑草対策がかえって苦情の元にならないよう、丁寧な配慮が重要になります。
アパートの雑草でクレームが起きても放置した場合の3つのリスク
雑草についての苦情を受けても対処を先延ばしにしてしまうと、多方面にわたって深刻な問題が発生する恐れがあります。
見た目の悪化に留まらず、入居状況や地域での信頼性、安全性の確保にまで悪影響が及ぶため、決して軽く考えてはいけません。
アパートの雑草でクレームが起きているのに放置した場合のリスクは、以下の3つです。
入居率が低下する
前述したように、建物の周囲に雑草が生い茂っていると物件全体が「放置されている」「管理が甘い」と見なされ、入居希望者の選択肢から外れる可能性が高くなります。
とくに、インターネット上の物件情報では、写真の印象が非常に大きな影響を与えるため、外観の整備状態が成約率を左右することも少なくありません。
手間や費用を惜しんで雑草問題を放置すると、将来的に入居率が低下し、金銭的な損失を発生させてしまうのです。
近隣住民からも苦情が来る
敷地内の雑草が境界を越えて伸びていたり、通行の妨げになっていたりすると、入居者だけでなく近隣住民からも苦情を受ける可能性があります。
たとえば、放置空き家のように「自宅の庭に雑草が侵入している」「道路に草がはみ出していて危ない」といった苦情を発生させるケースです。
こうした苦情が増えて地域内で「問題のある物件」として認識されてしまうと入居者にも心理的な影響を与え、退去の連鎖を発生させる恐れがあります。
定期的な現地確認や近隣との情報交換を行い、苦情があった際には早めに対応することが大切です。
犯罪の被害に遭いやすくなる
雑草が敷地内に生い茂り、手入れが行き届いていない印象を与える状態は犯罪リスクの上昇にもつながります。
とくに背丈の高い雑草が建物の裏側や死角部分に繁茂していると、犯罪者にとっては「不法行為をしやすい場所」と認識され、窃盗・放火・不法投棄などの被害に遭いやすくなってしまいます。
敷地の手入れを定期的に行うことは、清潔感を保つだけでなく、「きちんと管理されている物件」という印象を与える効果もあり、犯罪の抑止力としても重要な役割を果たします。
管理が不十分な家が遭いやすい犯罪については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>空き家が遭いやすい犯罪3選|リスクだらけの空き家を高額売却する方法も紹介!
アパートの雑草が原因のクレームを未然に防ぐ3つの方法
苦情が寄せられてから慌てて対処するのではなく、あらかじめ予防措置を取っておくことで、不要な労力や問題を避けやすくなります。
アパートの雑草が原因のクレームを未然に防ぐ方法は、以下の3つです。
定期的な除草スケジュールの設定
雑草は春から秋にかけて一気に成長するため、一定の周期で除草作業を行うのが望ましいとされています。
そのため、年間を通して適切な時期に除草作業を行い、見た目の悪化やクレームの発生を防ぐよう努めましょう。
理想的な年間の除草スケジュールは、以下のとおりです。
月 | 作業内容 | 補足 |
---|---|---|
4月 | 初期除草 | 雨季前に対応して繁茂を防止 |
6月 | 草刈り+除草剤散布 | 梅雨〜夏に備えた管理が必要 |
8月 | 再除草+必要に応じて散布 | 雑草のピーク時期 |
10月 | 最終整備 | 冬季前に景観と管理を整える |
業者へ依頼する場合の費用相場は1㎡あたり500~1,000円程度で、定期契約を結ぶことで割安になるプランが用意されている場合もあります。
管理会社との連携と現場確認
管理会社に委託していても、必ずしも雑草の管理が契約に含まれているとは限りません。
そのため、契約書に「除草」「清掃」などの文言があるか確認し、管理責任の範囲を明確にしておきましょう。
管理会社に雑草処理を委託している内容になっている場合は、以下の取り組みを実施するのも有効です。
- 作業の実施報告に写真を添付してもらう
- 季節ごとに定期点検の報告を受ける仕組みを作る
このような取り組みを通じて苦情を受ける前に雑草の問題を発見することで、クレームの発生を未然に防ぎやすくなります。
クレームが起きたときの対応マニュアル整備
クレーム対応が遅れたり、二重対応になったりして混乱を招かないためにも、対応マニュアルを事前に作成しておきましょう。
雑草に関する苦情があった際、「誰が・どこに・どう対応するか」を、以下のように明確にしておくことでスムーズに解決しやすくなります。
フェーズ | 対応者 | 対応内容 |
---|---|---|
苦情の受付 | 入居者→管理会社 | 雑草に関する内容を報告 |
現地確認 | 管理会社 | 状況を確認し、写真付きでオーナーへ報告 |
対応判断 | オーナー | 除草方法や業者手配などを決定 |
処理・報告 | 管理会社 | 作業完了後、入居者へ対応結果を説明・報告 |
また、迅速なクレーム対応をすることで入居者との信頼関係が構築しやすくなり、退去を防ぎやすくなるメリットもあります。
アパートの雑草が原因でクレームが来た場合の6つの対処法と注意点
雑草によるクレーム対応の方法には種類があり、体力・予算・作業範囲などを考慮しながら選ぶことが大切です。
この章では、アパートの雑草が原因でクレームが来た場合の以下6つの対処法と注意点を解説します。
手作業で抜く
もっとも手軽で費用を抑えられる方法は、手作業による草むしりです。
軍手や草刈り鎌、除草用のスコップなどの基本的な道具を使って、一本一本丁寧に雑草を根から取り除く昔ながらの方法といえます。
自分のペースで作業を進められる上に、除草剤を使用しないため、環境や近隣住民の安全性も確保しやすくなります。
一方で、作業対象となる敷地が広範囲にわたる場合や、体力的な不安を抱えている方にとっては相当な負担となってしまいます。
すべてを自分で行おうとせず、必要に応じて業者への依頼も検討しましょう。
除草剤で処理する
除草剤を使えば、広範囲の雑草を一度に処理することが可能です。
主な除草剤の種類は液体・粒剤・ジェルタイプの3つで、それぞれ以下のような特徴を持ちます。
除草剤タイプ | 効果の持続期間 | 特徴 |
---|---|---|
液体タイプ | 約1〜2週間 | 即効性あり。風向きに注意が必要 |
粒剤タイプ | 約2〜3ヶ月 | 長期間効果が続くが散布範囲の調整が難しい |
ジェルタイプ | 約1〜2週間 | 飛散しにくく、狭い場所に適している |
作業は簡単ですが、使用方法を誤ると健康被害や住民トラブルを招くため、風向きや周辺環境に十分配慮して使用することが重要です。
草刈り機を使う
草刈り機(刈払機)は、広範囲の雑草を短時間で処理できる便利な機械です。
パワフルなエンジン式や扱いやすい電動式など複数のタイプが用意されており、操作に慣れることで作業効率を大幅に向上させることができます。
ただし、比較的手頃な価格帯で1万円から3万円程度で入手でき作業効率の向上も期待できる一方、怪我や事故のリスクを伴います。
操作に自信がない方はいきなり購入するのではなく、まずは短期間のレンタルサービスを利用して実際の使用感を確認することをおすすめします。
防草シートをかける
防草シートは、日光を遮断することで雑草の成長を防ぐ資材です。
施工後は定期的な草むしりが不要になるため、管理負担を軽減したい方に適している雑草対策といえます。
費用の目安は1㎡当たり500〜1,000円程度で、施工には整地などの手間がかかりますが、長期的な維持管理の観点では非常に効果的です。
ただし、製品の耐久性はメーカーや材質によって差があるため、2年から5年程度を目安として交換が必要になる場合もあります。
砂利やコンクリートで埋める
雑草が繰り返し発生するエリアには、砂利敷きやコンクリート舗装といった「地面を覆う施工」が効果的です。
この方法はほぼ恒久的な対策となり、日常的な手入れの負担を大幅に軽減できます。
初期費用の目安を、以下にまとめました。
方法 | 費用の目安(1㎡当たり) | 特徴 |
---|---|---|
砂利敷き | 約1,500~2,000円 | 景観改善、通気性あり、やや雑草が混じることも |
コンクリート舗装 | 約10,000~15,000円 | 雑草発生をほぼ完全に防げるが施工コスト高 |
長期間にわたって管理負担を軽減したい方には、価値のある投資といえます。
専門の業者に処理を依頼する
雑草対策のすべてを一括で任せたい場合は、専門業者への依頼がもっとも確実で安心です。
1㎡当たり500~1,000円程度の費用がかかりますが、作業の精度が高く、草刈り・除草剤の散布・処分までをまとめて依頼できるため、手間をかけたくない方に適しています。
ただし、中には法外な料金を請求したり手抜き施工を行う悪徳業者も存在するため、作業内容の明示・見積もりの明確さ・対応実績などを確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
まとめ
アパートの雑草が原因で発生するクレームは、見た目の悪化や害虫の発生、入居者の不安といった問題につながりやすく、放置すれば入居率の低下や近隣とのトラブルを招くリスクがあります。
しかし、定期的な除草や管理会社との連携、マニュアル整備などを導入することで雑草に関するトラブルは未然に防ぎやすくなります。
アパート経営を始める場合は適切な雑草管理を行い、物件の価値維持と入居者満足度の向上につなげましょう。
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