賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは?メリットとデメリット

投稿日:2017年10月28日 更新日:

賃貸併用住宅とは?メリットとデメリット

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賃貸併用住宅とは

「賃貸併用住宅」という言葉を聞いた事がない方のために、簡単にですが説明させて頂きます。

賃貸併用住宅とは、その言葉の通り、「賃貸」と、「住宅(自宅)」を合体させたマイホームの事です。

通常、マイホームの建築は自宅のみで行う事が多いです。しかし、終身雇用や年功序列と言った古き良き日本の伝統は今では通用しなくなり、先行きのわからない未来に対してマイホームという大きな金額の掛かる「投資」をするのは不安な時代となってしまいました。

そこで、賃貸併用住宅という不動産投資とマイホームの間の子の建物を建てる事によって家賃収入からそのリスクを軽減しつつ、夢のマイホームを持てるという方法が確立されつつあります。

最近では、賃貸併用住宅などという商品名で、各ハウスメーカーもこの言葉を使っていますが、元々は地主さんなどに向けて、「土地を余らせているなら一緒に賃貸も付けませんか?」という営業手法でした。

しかし、

  • 「低金利」
  • 「自宅部分が床面積の50%なら住宅ローンを使える」

という特徴から、地主ではなくても賃貸付きのマイホームも建てる事ができる!

というロジックが少しずつ浸透していきました。

賃貸併用住宅の大きな特徴

まとめると、賃貸併用住宅というのは、

  • 自宅と賃貸部分が50%である
  • それによって建物全体を住宅ローンで融資可能
  • 家賃収入が返済金額と同等もしくはプラスになる

この様な特徴を持つ新しい形の住宅です。

そうは言っても、賃貸部分も作るとなるとどれだけの金額になるのさ?そんなに収入多くないし、現実的ではないような・・・、と思われるかもしれません。

しかし、方法は色々あります。細かい部分については自分の事例を追いかけながら色々書いていきます。

賃貸併用住宅との出会い

まずは、賃貸併用住宅を知るに至った経緯をさらっとご紹介します。きっかけは、結婚して子供が産まれた事です。本業では小さな家族会社に勤めながら、別で法人も設立したタイミングでした。

色々と、将来かかるお金の事やこの先の不安定な未来を考えると、「不動産投資」をして少しでも安定収入を増やしておくのが吉なのではないかと思い始めたのがスタートです。

そこからは、不動産投資関連、お金関連の本を手当たり次第読み漁りました。その中で、「賃貸併用住宅」というマイホームと家賃収入の両取り案がある事を知ったのです。(元々は賃貸派でした)

賃貸併用住宅のメリット

さてさて、話がズレましたが、賃貸併用住宅のメリットについてです。

  1. マイホームが手に入る
  2. 家賃収入が入ってくる
  3. 間取り変更にも対応可能
  4. 税金面での負担軽減
  5. 低金利の住宅ローンを使える
  6. 生命保険の代わりになる

この辺りでしょう。

一つずつ見ていきます。

マイホームが手に入る

これ、結構大事なメリットだと思います。結婚すると、多くの女性はマイホームが欲しいと夢を持ちます。

元々賃貸派だった私としては、その夢も叶えさせてあげたいけど、まずは不動産投資をして収入が安定してから資産価値のある自宅を~なんて思い描いていました。(有名な金持ち父さんでも持ち家は負債であると)

しかし、せっかく結婚した最愛の相手の希望もできる事なら叶えてあげたいものです。

それができるのが賃貸併用住宅です。

家賃収入が入ってくる

これも、大きなメリットです。通常のマイホームでは、ローンを組んで完済するまでは

ひたすら返済を続けていくだけです。

キャッシュアウトのみですね。これは、不動産投資的な観点から見ると、

「家賃が一切発生しない家」

を数千万円というローンで購入したのと同じだと考えます。

「帰属家賃」(自分でその家を借りているという考え方)という意味で考えれば賃貸よりはマシという意見もありますが、実際には建物は償却されて行きますし、完済後の価値と比べると投資としての旨みはそこまでありません。

しかし、家賃収入というインカムゲインも考えられる賃貸併用住宅なら、ほとんどの場合ローン返済額と同等もしくはそれ以上の家賃収入を手にすることができます。

間取り変更にも対応可能

これは将来的な話ですので、すぐに得られるメリットとは言えませんが、間取りの変更にも対応しやすいです。

例えば、通常のマイホームあれば将来子供は3人欲しいから、子ども部屋3部屋と、寝室と~となると4LDKくらいの住宅を建てなければいけませんが、将来子供が独立してしまえば必要ない部屋になります。

これを避けるためのプランを考えておけば、賃貸併用住宅なら対応できる選択肢がずっと増えます。

賃貸用に出していた隣の1室をリフォームで合体したり、その後また賃貸に出したりできる設計にする事も不可能ではないと思います。

また、簡単な方法では、2LDKと3LDKの様な半分のプランにしてしまえば、住み替えも可能ですね。

税金面での軽減

家賃収入の入る不動産を所持していると、損益通算をしてサラリーマンとの所得を合算させる事で節税の選択肢が増えますし、住宅ローン減税も使えます。

相続税対策にも考えられますが、今回はちょっと趣旨が違うケースですので置いときます。

低金利の住宅ローンを使える

これも非常に大きなメリットです。通常新築アパートを事業ローンなどで融資付すると、2%~くらいの金利は当たり前ですが、住宅ローンの場合は0.775%~くらいで可能性があります。

そもそもですが、住宅ローンは融資のハードルが事業ローンやアパートローンに比べてとっっっても低いので、収入や貯金額によっては不動産投資をしたくても賃貸併用という選択をするしかない方も多いのではないでしょうか。

長期間に渡って借入できるのもメリットですね。

生命保険の代わりになる

住宅ローンの場合、ほとんどのケースで団体信用生命保険という(通称団信)保険に加入されます。

これは、ローン契約者にもしもの事があった場合、購入した家のローンが一切なくなるというなんとも素晴らしい保険です。

つまり、賃貸併用住宅の場合、マイホームと家賃収入が残るという事です。これを機会に、生命保険のプラン見直しも考えるべきですね。

と、こんな所でしょうか。

しかし、当然ですがメリットの裏にはデメリットもあります。リスクもあります。

賃貸併用住宅のリスクとデメリット

僕もそうだったのですごくわかるのですが、メリットより「デメリット」や「失敗談」を読みたいんですよね。

失敗するの怖いから。それに、不動産業者やハウスメーカーのHPを見るとメリットばかり目立つのでなんだかうさん臭さを感じますよね。

当たり前ですが、メリットがあるという事は、それに反してデメリットはあります。そこを事前把握、理解していないと、あとになって「こんなはずじゃなかった」と後悔する事になります。

検討している段階であれば、まだまだ他の選択肢に切り替える事も可能ですので、デメリットについても良く読んで検討材料にしてみてください。

  1. 空室のリスク
  2. 騒音のリスク
  3. 金利上昇のリスク
  4. 売却時の出口戦略について
  5. 10年後頃からの修繕費

上記の5点くらいでしょうか。細かく分ければもう少し細分化できますが、

やはり「貸主と借主が同じ建物に住む」というのを大きなデメリットと感じる方が多いようです。奥様がこれを嫌がる場合は説得ですね笑 では、ひとつずつ見ていきます。

空室のリスク

これは、はっきり言って仕方ありません。半分は「賃貸」なのですから、不動産投資としてのリスクは最低限かかってしまいます。

しかし、事前に建築予定のエリアを調査したり、賃貸の需給バランスをきちんと把握しておく事で防げるリスクだと考えました。

日本の人口は減る一方でどんどん厳しくなると言いますが、それでも工夫している大家さんは満室経営をしています。

「不動産屋に任せておけばなんとかなる」というスタンスでは難しいのかもしれません。(私もまだ未経験ではありますが)

騒音のリスク

同じ建物で共同住宅という形態を取りますので、2階から1階への物音がしたり、自宅で大騒ぎをする借主などがいた場合には、自分にも借りている方にも迷惑がかかる可能性が考えられます。

家賃滞納のリスクなどもそうですが、これは賃貸付けをする時にきちっと入居者を精査して見極めるしかないと思います。

また、騒音のリスクについては建築士や、工務店の設計士と良く話し合って、極力物音が伝わらない様な設計にする事です。(私はこれからやります)

できるなら玄関も大家と借主で顔を合わせない様な配置が良いかもしれません。騒音については下記の記事でも詳しく書いています。

>>賃貸併用住宅の間取りで考えること

金利上昇のリスク

これは賃貸併用だから起こりうるリスクではなく、借入をした誰もが同じように持つリスクですので触れなくても良いかな、と思ったのですが一応です。

賃貸併用住宅は、うまく賃貸がつけば返済額と同じか、それ以上の収入を家賃から得ることができます。

この家賃収入には手をつけず、どんどん貯金してその分を繰り上げ返済に回せば通常のマイホームよりは計算上早く完済する事ができます。その分だけ金利上昇のリスクも回避する事ができますよね。

また、私も実際に銀行に融資相談に行くまでは知らなかったのですが、変動金利には1.25倍ルールと5年ルール呼ばれるルールがあり、急な金利上昇でも5年間は返済額が変わらず、5年後も支払い金額は設定されていた金額の1.25倍までしか上がらない決まりになっています。

しかし、これは元金の返済割合が少なくなっているだけなので、元々35年予定だった返済がもっと伸びて金利も多く取られてしまう、という事なので注意が必要です。

リスク回避としては、現在の様な低金利が続くうちにできる限りキャッシュを貯めて、金利が上昇してきたらどんどん繰り上げ返済を行うというのが良いでしょう。

売却時の出口戦略について

これは、意見が色々と別れる問題ではありますが、実際に「賃貸併用住宅」というのが流行りだしてからまだ売却に至ったケースがあまりないので事例が少なすぎます。

  • 35年の住宅ローンが使えるから売りやすい
  • 投資物件としては利回りが悪く売りにくい

という両極の意見がありますが、どちらの問題も、「安く建てる」事でリスクは減らせると考えています。

これからどんどん賃貸併用住宅という認識が広まれば、たしかにローンを組んで中古の併用住宅を探す方も増えるかもしれません。

しかし、これは正直アテにできませんので、最初から投資物件として売る事を想定していればそこまで問題ではないかと思います。

私が現在建築予定の建物は、

  • 都心から1時間圏内
  • 駅徒歩3分
  • 学生が多く1Rなどの需要が多い
  • 自宅も利回りに計算した場合表面利回り約10%

この様な条件ですので、万が一住み替えなどで売却する事になってもそうそう損をしない金額で売れると想定しています。選りすぐって相場より安くも買えましたし。(地価の大幅な変動までは読めませんが、東京五輪あたりまではあがるかと)

↑実際にはわかりませんが、不確定な部分のリスクを飲めなければ投資なんてできません。

それに、賃貸需要の見極めさえできれば家賃収入は入ってくるので、よほどの事がなければ焦って売らなければいけないというのは考えられません。

「この金額なら売る」という強気の売り出しをできると考えています。出口については下記の記事でも書いています。

賃貸併用住宅の出口戦略

築10年くらいからの修繕費

これはどうしても仕方のないことですが、仮に修繕費がかかったとしても、例えば1Kを3部屋を各6万円で賃貸に出し、10年間空室が30%で回ったとします。

  • 6万×3部屋×120ヶ月×70%=1512万円

大体ですがこれだけの収入を得る事ができます。

当然、他にも不動産を維持するのにお金はかかってきますが、これだけの家賃収入を使い込んでしまわなければ対処できるのではないでしょうか。

また、賃貸併用住宅1棟に留まらず、私の場合は他にも不動産の買い増しを検討しているので、リフォームや修繕を安く抑えるというのは永遠のテーマでもあるわけです。

以上、賃貸併用住宅のデメリットとリスクについてはこんなところでしょうか。他にも思いついたら書き足していきます。

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KawataKenji

本業の傍らで不動産賃貸物件を運営中。シェアハウス1棟、簡易宿泊所7室、アパート1棟、賃貸併用住宅、戸建賃貸など。新築シェアハウスを建築中。

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