戸建て投資

戸建投資物件のリフォームはどこまで費用をかけるべきか

投稿日:2017年11月27日 更新日:

戸建投資物件のリフォームはどこまで費用をかけるべきか

今回は、「戸建て投資」でどこまでリフォームをするのか?戸建て投資のリフォームと費用について解説していきます。

完成後物件の利回りからかけられる費用を逆算する

購入の基準?

筆者は、ビル管理会社に正社員として勤務をしながら、戸建物件を中心とした貸家業を10年以上営んでいます。

親世代から、引き継いでいる物件を含めると、現在5件(戸建4件、区分マンション1件)の物件を保有しています。

よく「物件を購入する基準は?」と聞かれることがあります。

筆者と親は、得られる賃貸収入、購入、リフォーム費用から「利回り」を逆算して、10%以上になる物件を選定しています。

言い換えると、「完成後物件」(リフォームが終わり、貸せる状態となった物件)から逆算して、年間10%以上の利回りが得られる状態になることを最低条件としています。

具体的には、近隣で同程度の広さ、築年数の賃貸物件を検索し、以下の計算をして、年間の利回りが10%以上になる物件を購入の候補としておりました。

年間の手取収入(概算の固定資産税を除く)÷物件購入、リフォーム費用=年間の利回り

実際に、筆者が2011年2月に購入した神奈川県鎌倉市内にある中古一戸建て物件で例を挙げると、以下の通りです。

想定年間家賃90万円÷購入費用600万円+リフォーム費用(想定)100万円=利回り15%

※購入費用は、土地、建物、登記費用、仲介手数料、固定資産税負担が含まれています。
※想定年間家賃は、固定資産税を除いた実際の手取り収入です。
※実際のリフォーム費用は40万円程度で済みました。

また、賃貸業をこれから始めようとしている人に「中古物件のリフォーム費用はいくらまでかけるべきか?」と聞かれることもあります。

投資物件に対して、リフォームをどのようにするべきか?は、色々な意見を聞きます。

全て業者に任せるべきという人もいると思えば、自分で全てリフォームするべきという人もいます。

筆者の意見は「できる部分は自分でリフォームをして、素人では手を出せない部分については、プロに任せる」というスタイルにするべきだと思っております。

もし、一戸建てのリフォームを全て業者に丸投げすると、正当な業者でも、平気で1000万円以上の見積もりを持ってきます。

リフォームについては、後ほど詳しく述べますが、自分で出来る部分をリフォームすれば、費用は予想以上に抑えることができます。

ちなみに、素人では手がつけられないリフォーム個所としては、以下の通りです。

  • トイレ
  • 風呂
  • 雨漏り補修

上記3点については、まず素人ではできません。業者に依頼するべきです。

逆に、素人でもできるリフォーム個所については、以下の通りです。

  • クロス張り替え
  • クッションフロア貼り
  • 外壁塗装
  • 玄関ドア交換

自前でリフォーム

「本当に何も知らない素人ができるの?」という意見もありそうですが、上記4点については、ある程度時間さえかければ、想像している以上に簡単にできます。

ちなみに、鎌倉市内にある戸建物件については、上記4点は、全て自前で行いました。

リフォーム総額費用としては、40万円程度で済みました。

尚、筆者はリフォームに100万円以上かかる物件であれば、購入はやめるべきだと思っております。

一戸建てのリフォーム費用が100万円以下と言うと、随分安く感じる人もいるでしょう。

しかし、一戸建てのリフォーム費用は、以下の3点の条件さえ満たしていれば、まず100万円以上かかることはありません。

  • 雨漏りはしないか?
  • 床、壁部分に大きな破損個所は無いか?
  • トイレは汲みとり方式か?水洗に切り替える工事が必要か?

言い換えると、この3点をクリアーしていない一戸建てについては、リフォーム費用は100万円以上かかるでしょう。

上記3点については、素人で補修することはまず無理ですし、場合によっては、業者でも難しくなるケースもあります。

特に、雨漏り修繕については、屋根補修工事だけでも、100万円以上かかるケースもザラにあります。

また、汲み取り式のトイレの場合は、まず水洗に切り替えしないと、借り手はつかないでしょう。

勿論、水洗トイレに切り替える工事をすることは可能ですが、多額の費用が発生する為、お勧めできる物件とは言えません。
多額になる場合

各箇所にかかるリフォーム費用を把握する

各箇所のリフォームにかかる具体的な費用を把握することは、費用面を抑える上で、非常に大事なことです。

まず、やむなく業者にリフォームに任せる場合、丸ごと一つの業者に任せるのではなく、それぞれの個所に対して、専門的にリフォームを行っている業者に依頼するべきです。

どうしても、まとめて丸ごとリフォームをする=ボリュームディスカウントされるのでは?というイメージが先行する為、リフォームを総合的に行う業者に依頼する人が多いようです。

しかし、全部の個所を請負うリフォーム業者は、自社でリフォームの注文を請負った後、他の業者に依頼をかける為、マージンが発生します。

マージンが発生する分、どうしてもリフォーム工事の金額は、専門業者に直接依頼するよりも高くなってしまいます。

筆者は、前述の鎌倉市内にある戸建のリフォームについて、一度、某大手リフォーム業者に見積もりを依頼したことがあります。

具体的な各箇所の見積もり金額は、以下の通りでした。

風呂 約50万円
トイレ 約20万円
クロス張替 約30万円
外壁塗装 約20万円
玄関ドア交換 約20万円
給湯器交換 約18万円

合計 約158万円

もしかしたら「一戸建てのリフォームが、158万円で済むのであれば、安いのでは無いか?」と思う人も多いのではないでしょうか?

しかし、筆者は、前述通り、リフォームに関しては「できる部分は自分で行う」スタイルを貫きました。

結果的には、リフォームにかかった費用は、以下の通りです。

風呂 約8万円
トイレ 約10万円
クロス張替 約1万円
外壁塗装 約1万円
玄関ドア交換 約5万円
給湯器交換 約15万円

合計 約40万円

※風呂、給湯器交換については、本体は中古品を業者から仕入れし、工事業者に設置を依頼し、トイレについては、専門業者に一任しました。

クロス張替、外壁塗装、玄関ドア交換については、自前で行い、かかった費用としては、ペンキ、クロスの購入金額のみである為、業者に頼むよりも、安く済むのは理解できると思います。

しかし、筆者自身も驚いた部分は、トイレ、風呂の個所です。

リフォームを総合的に請け負っている業者よりも、トイレを専門的に施行している業者のほうが値段は、10万円も安かったですし、風呂についても、後述の「工夫」で、30万円以上安く済みました。

正直、ここまで安くなるとは思ってもいなかったため、嬉しい誤算でした。

是非、皆さんにも、自分でリフォームできないトイレ、風呂については、私のような方法をとることをお勧めします。

次からは、各箇所について詳しく説明します。
個別に依頼

トイレ交換

筆者が、鎌倉市内の戸建て物件を購入した際、トイレ本体が著しく破損しており、そのままでは使えない状態でした。

そこで、トイレ本体の交換について、総合リフォーム会社2社、トイレ専門リフォーム会社1社、ホームセンター1店舗の3つに見積もり依頼をすることにしました。

すると、以下の金額で見積もりを提示してきました。

総合リフォーム会社A 約20万円
総合リフォーム会社B 約30万円
トイレ専門リフォーム会社C 約10万円
ホームセンターK 約15万円

各業者の価格に対する根拠は、おそらくこんな感じではないでしょうか?

・総合リフォーム会社A 約20万円
外注費用 10万円、マージン(自社の取り分)10万円

・総合リフォーム会社B 約30万円
外注費用 10万円、マージン(自社の取り分)10万円

・トイレ専門リフォーム会社C 約10万円
自社の人件費、本体仕入

・ホームセンターK 約15万円
取付けに対する外注費用 5万円 本体仕入6万円 マージン(自社の取り分)4万円

上記の価格内訳は、かなりざっくりとした数字です。実際の金額とは異なる場合があるので、参考程度に考えてください。

大事な部分は、各業者の太字部分です。

見ての通り、トイレ専門リフォーム会社以外は、全て自社に対するマージンを上乗せしています。

この専門業者以外に自社のマージンが発生する点は、トイレ以外のリフォームに関しても同様です。

結果的には、筆者は、上記の各社の見積もりを見て、トイレ専門業者であるC社に依頼したのは言うまでもありません。
トイレ

風呂交換

筆者が鎌倉市内にある一戸建てを購入した際、浴槽についても、交換をすることにしました。

やはり、前述のトイレの例があった為、風呂のリフォームを専門としている業者に依頼することに決めました。

試しに、インターネットで「風呂 専門 リフォーム」と検索キーワードを決めて、風呂のリフォームを専門にしている業者を探しました。

しかし、何故か、風呂については、トイレと違い、専門としている会社はほとんどありませんでした。

こればかりは専門業者ではなく、通常のリフォーム会社に依頼するしかないのか?と思いました。しかし、鎌倉市内の近くを運転していた時、古物商Kの店舗が目に入りました。

この古物商Kは、住宅の展示会場内で見本として利用されていた物件の玄関ドア、浴槽、トイレなどを仕入れて、リフォーム業者、一般人に販売していました。

この玄関ドア、浴槽は、新築の展示会で利用されていた為、実際に利用されているものでは無く、中古品と言っても、ほぼ新品に近い状態のものばかりでした。

その新品に近いものが、定価よりも8割以上安く売られていた為「この店舗で安く仕入れし、取付け工事についてのみ、業者にやってもらうと安くなるのでは?」と考えました。

まず、古物商Kから、浴槽を定価50万円の9割引きである5万円で購入しました。

そして、トイレの工事を依頼した業者に、相談してみました。

そうすると、「うちでは浴槽の取り付けできないが、鎌倉市内で営業している知り合いのM業者に頼んでみるよ。おそらくかなり安くできるから。」という返事を頂きました。

M業者は、鎌倉市内に店舗を持つ、個人事業主でした。見積もりを出してもらったところ、3万円(設置費用のみ)の見積もりを貰いました。

おそらく、ここまで安い業者はないであろうと考えて、すぐに依頼することにしました。

結果的に、本体費用5万円、設置費用3万円の合計8万円で済みました。

ちなみに、これを某大手リフォーム業者Bに依頼していたら、本体価格、設置費用で50万円以上かかっていました。

ちょっとした工夫で、大幅なコストダウンが図れるものだと実感しました。
風呂

キッチン交換

筆者が、鎌倉市内の戸建てを購入した際は、キッチンについてのリフォームはしませんでしたが、キッチンについても、前述の店舗Kで、住宅展示会で利用した新古品が安く販売されていました。

定価の8割~9割引は当たり前であり、中には10000円台で販売されている商品もありました。

キッチンについても、Kのような業者で仕入れし、設置のみを業者に依頼するというやり方がいいのではないでしょうか。
キッチン

クロス張り替え

クロス張り替えについては、ホームセンターで壁紙を購入し、自分で貼り付ける方法をとりました。

間違いなく、業者に依頼するより安く済みますし、想像以上に簡単に出来ると思います。

実は、ホームセンターの店員さんが、どういった素材を使えば良いのか?、どれくらいの大きさのものを購入すればよいのか?、どういったもので糊付けすればよいのか?等を丁寧に教えてくれます。

事前に、メジャーを使って、張替えする壁の縦、横の大きさを測っておけば、言った通りのサイズにカッティングをしてくれますし、後は貼り付けるだけの作業です。

貼り付けについては、当初は、私よりも確実に器用な奥さんに手伝ってもらいました。

ちなみに、筆者は自慢ではありませんが、小学校、中学校の家庭技術、美術ともに5段階で「2」以上はついたことがないぐらいの不器用な人間です(笑)

但し、そんな不器用な私でも、このクロス張替えについては、3回~4回やれば、後はほぼそつなく一人で出来るくらいの難易度の作業でした。

こうして、クロス張替については、材料費の1万円のみで抑えることができました。
クロス

和室から洋室化

正直、筆者および親は、和室から洋室に変更するというリフォームをしたことがありません。

はっきり言えば、する必要はないのではないか?と思っています。

和室のままでも、借りてくれる人は、沢山いますし、むしろ「和室」のままのほうが良いという人もいるぐらいです。

ちなみに、畳が古くなっている場合は、新品に交換したほうが良いでしょう。

畳については、安いところであれば、1畳2000円台から張替することが可能です。

言い換えれば、1畳当たり3000円以上取るような業者は高いと思っても良いのではないでしょうか。

最低限の洋室化ということであれば、クッションフロア(CF)を貼って砂壁の部分と天井クロス仕上げにすれば洋室風にはなります。柱や鴨居が古い場合は油性の塗料でクロス貼りの前に塗ってしまえば結構それっぽくなります。
和室

クッションフロア貼り

実は、この作業についても、業者に依頼した場合は、平気で10万円以上も費用がかかります。㎡単価にするとざっと3,000円~くらいです。

やはり、ホームセンターもしくは100円ショップで購入し、自分で張替えすることで、安く抑えることができます。

ちなみに、筆者が鎌倉市内の一戸建てを購入した時は、クッションフロア用の張紙(20センチの四角い張紙)が、ホームセンター89円で販売しておりました。

100円ショップでも、同じ商品が販売しておりました。

100円ショップが必ずしも一番安いとは限らないということですね。

細かい部分ではありますが、100円ショップにある商品だったとしても、必ず、ホームセンターなどで、もっと安く売っていないか?をチェックするべきです。
クッションフロア

外壁塗装

一見、難しそうにみえるこの作業も、そこまで難しくありません。

ちなみに筆者は、外壁塗装については、you tube動画でアップされているプロの人のやり方を参考にして、自分もしくは親に手伝ってもらい、全て自前で塗装をしました。

はっきり言いますが、そんなに難しい作業ではありません。不器用な筆者でも、十分に出来てしまった作業です。

この作業を業者に依頼した場合、平気で50万円~100万円以上の料金を請求される場合があります。

利回りを追求するのであれば、絶対に、ペンキ、ローラーを購入して、自分で塗装するべきです。
外壁

雨漏り補修

正直、この部分はプロの業者に任せるしかありません。

ですので、筆者の意見としては、最初から雨漏りをするような物件は避けるべきであると考えています。

どうしても、雨漏り物件を選定するようなケースというのであれば、購入する前に、オーナー、不動産業者などに雨漏りの具合、屋根の破損状況をヒアリングしておき、業者に見積もりをとるという方法をとるといいかもしれません。

但し、物件オーナー、不動産業者が、雨漏りの状況をどこまで詳細に教えてくれるか?というのもあります。

やはり、トラブル防止の為、最初から雨漏り補修が必要な物件は選ばないほうが無難でしょう。
雨漏り

戸建て物件の修繕はどこまでやるべきか

実は、これは賃貸物件経営者にとって「永遠のテーマ」とも言えるのではないでしょうか?

はっきり言いますが、一概には言えません。しかし「いくらまで修繕費用はかけていいか?」などの自分なりのルールは設けるべきです。

ちなみに、筆者は、以下のルールに基づいて、中古戸建て物件を購入しています。

  • リフォームについては100万円以下に収まると予想される物件
  • 雨漏り物件は購入しない(雨漏りについては、自分では修繕不可の為、修繕費用の予想がたてられない)
  • リフォーム後に賃貸した場合、年利回りが10%以上見込めること

勿論、筆者のルールが必ずしも正しいとは言えません。

しかし、大事なお金を使って、投資をするのであれば、何かしら一定のルールは決めておくべきだと思います。

これは、賃貸投資物件に限らず、株式、外貨預金などの投資に関して全てに言えることでしょう。

近隣客付け業者にヒアリング

投資物件を購入する際、非常に大事な行動です。是非、行うべきです。

不動産業者を回る際のとっかかりは「今度、賃貸物件を購入する予定がある。購入後の賃貸物件については、是非、お宅で広告して欲しい」ということでいいと思います。

ちなみに、筆者は、前述の鎌倉市内の物件を購入する前に、該当物件のある近隣不動産業者10件以上にヒアリングをしました。

具体的なヒアリング内容としては、目をつけていた物件と同程度の広さ、築年数の物件が、家賃はいくらで貸せるのか?購入価格はどれくらいなのか?現金一括で購入した場合は、ローンを組んだ時よりも割引になる物件はあるのか?などでした。

こうやって、概算の適正な平均年利回りを算出し、目をつけていた物件が、それ以下の利回りになるようでしたら、購入をやめるつもりでした。

尚、筆者が購入した物件については、想定利回りが15%を超えていました。

対して、近隣の同程度の広さ、築年数の物件については、平均で年利回り10%程度であった為、購入することにしました。

また、沢山の不動産業者にヒアリングをしていくうちに、近隣の諸事情(早朝は道路が混みやすい、夜は暴走族が通る等などネガティブな情報を含む)も色々と聞くこともできます。

ですので、近隣の不動産業者については、なるべく多くヒアリングしておくべきでしょう。

費用を抑えるコツ

費用を抑えるコツは、やはり「自分でできるところは自前でリフォームして、出来ない部分は業者に任せる」というスタイルをとることでしょう。

戸建投資物件のリフォームは、これに限ります。

実は、自前で行うリフォーム(DIY)方法は、現在、インターネットのyou tubeで検索すれば、ほとんど検索できます。

試しに、you tubeで「外壁塗装 DIY」と検索してみてください。1万件以上も塗装についての動画がヒットします。

ちなみに、前述通り、決して難しい作業ではありません。

中学時代の家庭技術、美術の成績が「2」の不器用な筆者でも、十分にできました。

費用を安くして、年利回りを上げる為、是非とも自身でリフォーム出来る部分はチャレンジしてみてください。

高額になる
自分で

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サンタマリア

ビル管理会社で勤務しており、副業として賃貸経営も行っています。現在神奈川県横浜市内に中古住宅を2軒、鎌倉市内に事務所用戸建てを1軒、逗子市内にワンルームの区分マンションを1室、千葉県市原市に中古住宅1軒を保有しています。 2017年12月に宅建取引士を取得。2年後位を目途に不動産業として独立開業を計画しています。

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